
ミニスカートを穿きこなしたギャルたちが集まり、小規模のオフ会がおこなわれている会場。
『おのれミニスカギャル! けしからん、実にけしからんぞ! そのキャピキャピな可愛さと、露出度の高いミニスカで、何人もの男を惑わして来たのだろう!? 俺も惑わされ……いや、その話はまあ置いといて。とにかく俺は! おまえらの存在を許せん!』
突如、会場に乱入した異形の者は高らかに叫び、ミニスカギャルたちに襲いかかった。
「七瀬・朱鷺さんの推理から、事件が予知されました。個人的な主義主張により、ビルシャナ化してしまった人間が、この会場を狙います。ミニスカ姿のギャルたちだけのオフ会なので、襲撃対象となったのでしょう。事件が起こる前にビルシャナを倒してください」
「ミニスカギャルが、けしからんとか男を惑わすなんて偏見よ。見た目ギャルでも、いい子がいっぱいいるのよ」
セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)の説明を聞き、七瀬・朱鷺(誰でも友達目指したい・e64641)は頬を膨らませる。
「このビルシャナは、ミニスカ姿のギャルが許せないようです。幸いなことに配下は、まだ居ません。付近の一般人の人数が、正確には分からないのと、時間が掛かる為、一般人の避難誘導は不可能です。会場から2百メートルほど離れた場所に、人の通らない路地裏が有ります。ビルシャナはここを通って来るので、皆さんはビルシャナが現れるまで路地裏で待機してください。人払いも行なっていれば、完璧ですね」
路地裏の詳細や、その周辺の状況を詳しく伝える、セリカ。
「普段ギャル系ではないひとも、ギャルっぽく振る舞っていれば、ビルシャナは簡単に信じます。なるべく多くの人数で、ギャルの良さを語ったり、ビルシャナの主張をくつがえすような言動をしていれば、ビルシャナはインパクトを受けて戦意を消失します。そうなれば、一気に攻撃が可能となるでしょう」
ぼっちなビルシャナへ、多人数で主張するのは、効果バツグンだろう。
「ビルシャナ化してしまった人は残念ながら救うことは出来ません。被害が大きくなる前に、撃破をお願いします」
参加者 | |
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![]() 三刀谷・千尋(トリニティブレイド・e04259) |
![]() 猫夜敷・千舞輝(地球人のウェアライダー・e25868) |
![]() シノ・テイラー(星屑集め・e32660) |
![]() モヱ・スラッシュシップ(機腐人・e36624) |
![]() 七瀬・朱鷺(誰でも友達目指したい・e64641) |
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「ミニスカ、穿くの初めてです。私もう、23歳ですけどね。せっかくなら思い切り、いきましょ?」
学生時代は優等生でギャル未経験のシノ・テイラー(星屑集め・e32660)は、初めて穿くミニスカを珍しげに見てから、意気込む。
「エイティーンを使用しギャルを偽装シマス。フフッ、懐かしいものデス」
「なるほどエイティーンもアリだよね。じゃあアタシはスタイリッシュモードを使って、スタイリッシュなミニスカギャルにチェンジするよ。いやーギャルとかちょっと照れるわー」
きらきらと光って18歳になったモヱ・スラッシュシップ(機腐人・e36624)を見て、三刀谷・千尋(トリニティブレイド・e04259)は照れる様子も無く、実にノリノリでスタイリッシュモードを使用。
(「まぁウチはギャルのノの字も無いんやけど。格好だけギャルっとる時はあれど。でもええやん、格好だけでも」)
コスプレが大好な猫夜敷・千舞輝(地球人のウェアライダー・e25868)は、制服とカーディガンにミニスカ、そしてルーズソックスとスニーカーのセットでギャルらしくキメている。
「やっぱ女子高生だし? ミニスカギャルだから制服だよね、少し着崩してるのは可愛いから許して。みんなも可愛いなー。よーし、ミニスカギャルの良さを分かってもらおう」
七瀬・朱鷺(誰でも友達目指したい・e64641)が仲間たちを見て瞳を輝かせ、楽しそうに声を掛ける。
『ミニスカギャルの集団が!? けしからん、実にけしからんぞ!』
路地裏の入り口に現れた敵が、彼女たちを見るなり、ずかずかと路地裏へ踏み込んで来た。
●
(「はぁ? 信者もいない陰キャのビルシャナとかマジ意味不なんですケド」)
『な、なんだその目は! さてはおまえ、俺を陰キャとか思ってんだろ!?』
千尋の生ぬるい眼差しに素早く気づいた敵は、鋭くその胸中を見抜く。
「ギャルに難癖付けるフリして混ざろうって下心見え見え、マジやばたにえんだわー」
『ち、ちげーし! あわよくばパンチラを拝みたいとか思ってねーし!』
特に慌てず、千尋が指摘すると、図星だったのか敵はだらだらと滝のような汗をかく。
その隙に、エイティーンを使って、普段より派手めのメイクをばっちりほどこしたシノが、敵に接近。
「お兄さんありがとー! だってだって、きゃぴきゃぴして見えたんでしょ? それって私達が可愛く見えたってことだよね!」
『な、なにいいい!? ギャルはやはり、キャピキャピな可愛さを自覚していたんだな!? なんて恐ろしい』
インパクトを受け、シノから一歩後ずさる、敵。
「……や、ギャルの子は嫌いじゃないし? 自分でやる事の是非は置いといて」
「嫌われてるなんて誤解しないよー」
千尋がはっとし、朱鷺に声を掛けると、朱鷺は安心させるように笑顔を見せ、千尋の頭を撫でる。
基本的に、誰でも友達という考えの朱鷺は、スキンシップも自然体だ。
「朱鷺ちゃん、じゃなかった。とっきー、チルいわー。モテポ高そうだわー」
「えっ、チルい? モテポ?」
千尋の発したギャル語に、思わず反応してしまう、モヱ。
そんなモヱの恰好は、ボディコンシャスな服と、全体的に黒色を基調としたコーデにルーズソックスを合わせ、シュシュを飾り、ストラップまみれの携帯を持っている。
一昔前ぐらいに流行った姿である。
『ん? なんか……おまえだけ古くないか?』
「なに言ってんの? ギャルだし! チョリーッス! あげぽよ~」
敵に指摘されたモヱだが、女子校に通っていた経験有っての余裕か、自信たっぷりに返す。
『あげぽよって……流行ってねーだろ』
「えっ、言わない? テンションアゲアゲのときに言わない? ……えっ、今どきは流行らない……デスッテ……!? べ、別に? ウチのジモじゃ言うし? みたいな?」
ツッコミを入れる敵に対し、モヱはいよいよ焦り出す。
(「ヤバい……どうみても時代遅れ……!?」)
「わかりみー。ちゃけばジモで変わるパティーンあるあるだしー。ぎゃんかわなんて方言だしー。モヱピおけおけ、てか逆にチャムポじゃない?」
「それな」
オロオロし始めたモヱを千尋がフォローし、千舞輝が賛同。
ここは自分に任せたまえというように、モヱの肩を柔らかく叩く、千舞輝。
お互いを助け合う友情が芽生えたのかと思いきや、千舞輝はただ単に可愛いのが好きなのと、ギャルっぽい服を見せびらかしたり合法的にギャルっぽい演技のできる機会、としか考えていない。
(「ええやんギャル、可愛いやん。可愛いオブジャスティスやで。ニセギャルやるにあたって一番やりやすいっちゅーたら……」)
ギャルを演じる際の参考にと、ギャルゲームを思い出す、千舞輝。
いけないゲームではなく、健全な、ギャルのゲームだ。
(「やっぱ後輩系ギャルが一番やりやすいんじゃないっすかねぇー」)
インパクトを与える方法が決まり、千舞輝は敵に近づく。
「ねぇーセンパイ? 随分あったかそーな見た目になっちゃってますけどぉー、最近寒いですしぃー、温めてくれません?」
『な、ななっ!? 温める、だと!? ま、まあ……お、お願いされているのだから仕方ないことだ、さあ来……い……?』
両手を広げるかのように翼を広げ、ハグする気満々の敵。
千舞輝は敵の手を掴み、にやにやと悪戯っぽく笑う。
「ほら、手を握って……なーんてぇー? どう温めようと思ったんですかぁー? にひひー」
『う、うう……!』
「ほれほれ、青春のトキメキってやつを感じたんちゃう?」
『お……おのれぇー! ミニスカギャル! やはり何人もの男を惑わす危険な存在!』
敵は苦しみながらも、悔しそうに叫ぶ。
「勿論好きピが居るギャルだっているとおもうけどー、男を惑わすとかないわー。好きでギャルやってるだけだし」
『その短すぎるスカートが、男を惑わす、なによりの証拠だろ!?』
敵に冷めた視線を向ける千尋だが、敵もむきになって言い返す。
「むしろ媚び媚びのその辺の女子よりマイウェイ驀進中なんですけど。はー、非モテの偏見マジないわー。テンサゲだわー」
『うぐぐ……』
敵は言葉に詰まり、言い負かされ、苦しんでいる。
●
(「なんでミニスカギャル嫌いなのかなー? その割には視線感じるんだけどー?」)
そう、先ほどから敵の視線がちらちらと、下のほうに落とされていることに、朱鷺は気づいていた。
「せっかくだからギャルの魅力語っちゃおうかなー。ギャルは怖くないよー、怖くない」
なだめるように優しく声を掛けながら、朱鷺がシノを引き連れて、敵の前へ。
「ミニスカ嫌いなの? 嫌いじゃないよね? どうして素直になれないかなー?」
『そのキャピキャピな可愛さと、露出度の高いミニスカに、俺はもう惑わされんぞ!』
敵の視線に気づいている朱鷺はニヤニヤと楽しそうに笑いつつ、まずはシノの番というようにシノに一声掛ける。
「ミニスカ穿いてお化粧して、頑張って可愛くしてるの。だからそうやって、可愛いって思ってくれると嬉しいな? 学校だと仲間はずれにされることも、少なくないしね」
『仲間はずれ!? ギャルがか!?』
敵は驚き、シノの発言に食いつく。
「ギャルだってだけで、皆近づかなくなっちゃうから。ふふ、私もぼっちかも」
シノのぼっち発言と微笑みに、敵はくらりと目眩を起こす。
「私は私がイイ! って思ったカッコして出来る限り可愛くして、めいっぱい遊んでるだけ。でもお兄さんがそれでイヤな気持ちになっちゃったなら、ごめんね?」
『え、エンジェル……!?』
小首をかしげて謝るシノに、胸をときめかせる敵。
「千舞輝ちゃんは小悪魔な後輩ギャル、シノちゃんは天使なギャル……どっちもヤバいわー。マジきゃわたんだわー」
千尋が千舞輝とシノを見比べ、両者とも素敵だとひとり頷きながら褒めている。
「ミニスカはたまたまきゃわたん同士で気が合ったっていうか? 色んな子がいるんだからオッサン狩り目当てもいるかもだけど、皆そうって訳じゃないよ」
モヱも正論を並べ、敵の偏見を解こうと試みる。
「私で良かったら、一緒にお話でもどうかな?」
「もし良かったら一緒に遊びいこ? たのしーよ!」
その上、朱鷺とシノの同時の誘いが加わり、敵を悩ませる。
「せっかくだから友達になろーよ。そうしたら、ちょっとだけこの先見せてあげても、いいよ?」
『んな……!?』
スカートをふりふりと揺らしながら、少し誘惑してみる、朱鷺。
「見たい? 見たいなら素直になろーよ。ミニスカギャルは良いでしょ?」
説得というより、半分強制に近いが、笑顔の朱鷺は愛らしい。
『うぐぐぐ……ミニスカギャル、良いっすー!』
とうとう根負けし、敵は叫んだ。
待ってましたと、エイティーンを解除するモヱ。
「アラサーで悪かったな……貴様生きて帰れると思うなよ」
肘から先をドリルのように回転させ、高威力の一撃を敵に放つ、モヱ。ミミック、収納ケースも攻撃に加わる。
「ミニスカで蹴りを入れても見えない。これもお約束だね」
『そんなお約束いらねえええ! がはっ』
千尋が重力を宿した飛び蹴りを、敵に叩き込む。
「オヤジ狩り開始でおっけー? いや、ニーサン狩りかもしれへんけど」
全身を覆うオウガメタルを変化させ、鋼の拳を使ってラリアットをぶちかます、千舞輝。ウイングキャットの火詩羽は羽ばたき、邪気を祓う。
「ぼっちシャナ、多くありませんか。どうしてだろう。皆、人とうまく行かないのね……貴方の心にも、愛を」
無表情で敵を憐れみながら、シノは純粋な愛から出来た快楽エネルギーを敵に注ぎ込み、足止めを付与。
「私の歌声に驚いてもいいんだよ? 見た目と歌声のギャップに驚かれるのは慣れてるし! でもお触りは禁止だよ。見るだけなら構わないけどね」
スカートの裾がちらっと舞い上がりそうで上がらない、ギリギリの状態を保つことで、敵の集中力を奪っている朱鷺。
不意に胸元のボタンを1つだけ外し、艶っぽい雰囲気を漂わせながら、朱鷺はウイングキャットのひつみが敵を引っ掻いた瞬間、美しい声で退廃の歌を響かせ、敵を凍らせた。
『うぐ……ま、まさかのアラサーギャルとか、べえわ、ブチアゲ……その姿で、もっかいギャルってくれ、アピりてえええ……っ』
モヱによって新たな道がひらけた敵だったが、むなしく叫びながら消滅していった。
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「なんでも挑戦してみるものです。が……やっぱり恥ずかしいですね、これ」
戦闘が終わると、慣れないミニスカを片手でおさえ、恥じらうシノ。
「ワタシはアウトだと思ったノニ、なぜ……」
モヱはなにがなんだか分からないというように、疑問符を浮かべている。
「せやなぁ、ギャルは年齢関係無しに可愛いっちゅーことやな」
ミニスカートをふりふりさせ、ご機嫌状態の、千舞輝。
「皆ギャルだし、このままちょっと遊びに行かない?」
「ぼっちにも優しくミニスカの魅力を説いてた朱鷺ちゃん……ヤバいわー、マジ神降臨だわー、perfectgalだわー。ギャル友でズッ友だし、どこでも着いてくわー」
朱鷺が仲間たちを誘うと、歌いそうな勢いで千尋が賛成し、愛らしいギャルたちは和気あいあいとその場をあとにした。
作者:芦原クロ |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
![]() 公開:2019年1月24日
難度:普通
参加:5人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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