リザレクト・ジェネシス追撃戦~ 告霊騎士エメイア

作者:神南深紅

●湾岸に背を向けて
 東京湾を網羅するほどの巨大な戦争はケルベロス達の活躍で勝利を掴んだ。第二王女トハールの撤退と同時に彼女の配下である者たちも東京湾をあとにする。予想外の敗北であったのかそれぞれの撤退は各個の判断でなされ、協力して敗走する者たちもいれば自分の指示が届く者たちだけで脱出する者たちもいた。ただ、彼らが願うのは王女が自分たちの撤退のために魔空回廊を開放してくれること、その時まで日本各地に潜伏でも生き延びる事だった。
 告霊騎士エメイアは水辺にいた。戦場であった川崎港東京湾とは真逆になる西へと向かっていたが、目的地があって移動していたわけではない。途中で味方のフェーミナ騎士団の者たちを少数ずつに分けて落ち延びるよう指示をした。ケルベロス達に見つかって『死』んでしまうかもしれないが、大人数では目立ちすぎてすぐに見つかり『死』ぬことになる。だからエメイアのそば近くにいるフェーミナ騎士団も3人だけであった。
「かつて私は人の『死』を多く見てきたはずなのに、我が身に降りかからんとする『死』がこれほど恐ろしいとは……」
 死に際に醜くあがく人間を心のどこかで軽んじていたことを今さらながら恥じる。そしてエインヘリアルに招いた人間たちのなんと高潔であったことか。
「これからどうなさるのですか?」
 魔術兵が不安そうに問う。
「王女殿下がお救いくださるのを待つしかない。敵に見つからぬところを探すのだ」
 エメイア達は海を背に広い川を上流へとさかのぼっていた。
「とりあえずはこの川の先へと向かおう」
 魔術兵と槍騎士、剣騎士は無言でうなずいた。

●追撃戦決定
「まずは『リザレクト・ジェネシス』で勝利を収めたこと、まことに喜ばしい。これで人類の生き残る目はまた少し多くなった。それもこれも皆の働きあってのことよ」
 ヴォルヴァ・ヴォルドン(ドワーフのヘリオライダー・en0093)は一度言葉を切ると、笑顔から厳しい表情になった。
「しかし戦場から多くのデウスエクスたちが逃れてしまった。禍根を残さぬためにも追撃戦が決定した。皆に対処してもらいたいのはハール王女の配下で元ヴァルキュリアの女エインヘリアル、告霊騎士エメイアを追ってもらいたい」
 エメイアはリザレクト・ジェネシスでは川崎港にいた。今は多摩川を上流方向へと移動している。
「エメイアに同道しているフェーミナ騎士団の者は3人。魔術兵と槍騎士と剣騎士だ。寡兵と侮らず確実に倒して欲しい」
 続けてヴォルヴァは状況の説明をする。
「敵が多摩川を川沿いに移動していることは伝えたな。最速での遭遇は登戸駅あたりを想定している。南武線と小田急線が立体交差する付近だ。一般市民の避難は済んでいるがなるべくなら鉄道が不通となる時間は短くすませたい。速やかに倒してくれることを希望する」
 戦場は多摩川の河川敷となるだろう。冬場なので身体が隠れるほどの草はなく見晴らしは良い。敵はエメイアと付き従うフェーミナ騎士団。魔術兵はライトニングボルトとルーン魔法ストーンブラスト、剣騎士はスターサンクチュアリとゾディアックブレイク、槍騎士はグレイブテンペストと浄化のルーンをメインに使う。
「エメイアについては不明だが、ヴァルキュリアブラストとゲシュタルトグレイブによる稲妻突きは注意しておくがいいかもしれない」
 曖昧ですまないなとヴォルヴァは詫びる。
「どのような性根の者でも敵は敵。不倶戴天の敵と思う者もいたであろうし、戦場に出て敵を殺そうとする者は返り討ちに遭っても仕方ない。逃がせば必ず敵を利するゆえに必ず仕留めてきて欲しい」
 やや非情とも思える言葉を使ってヴォルヴァは話を締めくくった。


参加者
シィカ・セィカ(デッドオアライブ・e00612)
木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・e02879)
アデレード・ヴェルンシュタイン(愛と正義の告死天使・e24828)
鍔鳴・奏(あさきゆめみし・e25076)
ラカ・ファルハート(有閑・e28641)
中村・憐(生きてるだけで丸儲け・e42329)
朝比奈・昴(狂信のクワイア・e44320)

■リプレイ

●追撃戦の始まり
 風は凪ぎ広い川の水面は両岸の建物を水鏡のように映している。いつもなら鉄橋から聞こえる電車の音もなく河川敷にまばらに群生する枯れたススキも静止画の様に動きを止めている。3人のフェーミナ騎士団の戦士たちと告霊騎士エメイアはそこにとどまっていた。わずかな休息であったのかもしれない。
「いくぞ」
 エメイアが西へと顔を向ける。これからまたあてどない逃避行が再開されるのだ。
 その瞬間、風が戻った。東西南北のどこからでもない。風はプレッシャーを伴ってきた。受け流しきれない風圧にススキたちが地面すれすれまで強くしなる。
「イェェーイ!!」
 声にかぶるように空からギターの音が次第に強く激しく響き、振り仰ぐ異邦の敵、その4対の瞳。愛する地球の重力に引き寄せられ落下するシィカ・セィカ(デッドオアライブ・e00612)は攻撃目標を定めた。
「たぶん、キミが最初のターゲット! もう決めたデス!」
 黒い点にしか見えなかった敵の姿が個々のシルエットに変わる瞬間、反転したシィカは槍を手にした騎士へと向かって足から落下する。空を流れゆく星の末路を思わせる刹那の光と重力とが炸裂し防ぎようもなく喰らった槍騎士が地面に倒れる。
「空から?!」
 エメイアの驚愕をはらんだ声が終わる前に続々と彼女たちの追跡者たちが風と重力とともに降下してくる。
「もはや、ヴァルキュリアとは別の存在になったとはいえ、その技、その姿にて邪悪をなす様は見ていて忍びない……せめてわらわの手で断罪してくれよう!」
 長く白い髪を彗星の尾の様に長くなびかせながら落下したアデレード・ヴェルンシュタイン(愛と正義の告死天使・e24828)はエメイアへと痛烈な啖呵を放ちながら倒れてまだ態勢の整わない槍騎士へと地獄の炎に燃える大鎌を振り下ろした。
「きゃああ!」
 可憐で弱々しい悲鳴をあげて槍騎士が苦痛にうめく。
「俺達にも負けられない理由が、護りたい人達がいる。観念しな」
 風をきって落下する木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・e02879)は傷のある額を晒し過去とは無縁の希望に満ちた歌が敵の信念を揺るがせる。敵の急襲に成功したケルベロス達に負傷者はいない。今は憂いなく攻撃に力を注げる。
「自分に死が刻まれんのが見えたろ? どんな気分だ?」
 死の恐怖ゆえにかエメイアでさえ動きが鈍るが、すぐに目に力が戻る。
「回復を!」
 エメイアは短い言葉で剣騎士に指示を出すと挑発的な言葉を放ち距離を取ろうとするウタへと体を向けた。しかし、エメイアの動きを封じるかのように舞い降りたヴァルキュリアが立ちふさがる。
「どけ!」
 翼もつエメイアの槍の切っ先、その先に出現したのもまた翼をもつ者。ともにかつては高潔なる魂を看取る者。その後大きく道を違えて今この地で対峙する。
「どきません。あなたの事は私が止めます。さあ、躍りましょうか」
 対峙したセリア・ディヴィニティ(蒼誓・e24288)にエメイアの放った稲妻を帯びた超高速の突きが繰り出され、セリアはドラゴニックハンマーを変化させて竜砲弾を放つ。舞う様に攻守を変える二人が互いに攻撃を仕掛け合う。ダメージはセリアの方が大きいが耐性のある分、致命的な一撃ではない。
「存外しぶといではないか。かつての同胞よ」
 嗤うエメイアにセリアも微笑む。
 その間にも剣騎士は傷ついた槍騎士へと守護星座の文様を描いて治癒を試み、槍騎士は愛用の槍を高速に回転させウタやシィカ、アデレードへと斬撃が飛ぶ。さらには魔術兵が持つ杖からほとばしる雷がウタを襲う。
「強敵と戦うのは燃えるっすね~♪」
 攻撃を受けて散開した3人が開けたスペースに中村・憐(生きてるだけで丸儲け・e42329)は気負いもなく飄々と滑り込む。その動きが更なる風を生み、戦場にあるまじき朗らかな笑顔のまま流星の煌めきと重力の強さを込めた蹴り技が攻撃を繰り出したばかりの槍騎士の胴へと深く穿たれる。再び響く槍騎士の悲鳴。
「さて、ちゃんと終わりにしよう」
 敵の集団を包囲出来るよう、仲間のいない場所を埋めるように落下地点を定めた鍔鳴・奏(あさきゆめみし・e25076)は全身の装甲から光輝くオウガ粒子を放出して、最前列で戦う仲間たちの超感覚を呼び覚ます。
「そっちもよろしくね」
 奏のボクスドラゴン『モラ』は奏よりも前に出て属性インストールをシィカに使う。
「ボクに? ありがとうデス!」
 同時に受けたばかりのダメージまで回復してもらったシィカは反射的にモラに礼を言う。なんとはないしにモラも嬉しそうだ。
「……見つけた。噫、何処かへ行く前に遊んでおくれな。折角此処まで来たのだから」
 ラカ・ファルハート(有閑・e28641)も敵を包囲するような位置に着地すると、その全身の装甲からオウガ粒子を放出した。その頼もしい力はやや引き気味に包囲網を形成しようとしている仲間の超感覚を目覚めさせてゆく。ボクスドラゴン『どらさん』は朝比奈・昴(狂信のクワイア・e44320)の傍らにあり、属性インストールをウタに使う。
「俺が真っ先に倒れるわけにはいかないからな。助かったぜ」
 ウタの怪我が直ちに回復してゆく。
「偉大なる我らが聖譚の王女よ、その恵みをもって我を救い給え、彼の者を救い給え、全てを救い給え」
 正気を失うような激しい痛みに耐え、身体をワイルドスペースに変化させて切り離す。自分の身体を自分でむしり取り槍騎士に投げつける。狂気と正気の狭間、激痛に蒼白となった昴を置き去りに、放たれた身体は強い追尾と浸蝕で槍騎士に大きなダメージを与える。味方の回復技で攻勢に出ていた槍騎士だが、またしてもダメージに膝をつく。
「どういうことだ。何故我らの動きが察知される」
 行き当たりばったりの逃避行だ。エメイア達でさえ自分たちの現在地も、そして最終的な目的地さえ定まっていない。にもかかわらずケルベロス達は正確に彼女たちの行動を読んで追跡してきている。それがエメイアに戦慄にも似た感情を与えるが、しかし彼女は大きく振り払うように首を振った。
「ならば障害を排除し突破するまでだ。そやつから斃せ」
 エメイアは包囲するかのように展開したケルベロス達をぐるりと見渡し、一人を指さす。狙われたのは最後に力を行使し苦痛でまだ顔をゆがめたままの昴だった。
「ちょ、どうして昴さんを狙うデスか? そんなの全然ロックじゃないデス!」
 敵はあからさまに集中攻撃の指示を出す。本気なのか偽情報なのか。
「でも、ボクたちの作戦は変わらないデス! 初志貫徹、四文字熟語かっこいいデス!」
 一時としてどこかに長くとどまることの許されない戦場で、シィカは対デウスエクス用のウイルスカプセルを槍騎士に投げつけた。それはシィカの中で最もダメージを期待できる攻撃の手段ではなかったが回避されにくい。風切る高速で飛ぶカプセルに遅れてススキたちが薙ぎ払われる。
「この戦い、どちらの正義が勝ち残り、生き残るかの勝負。いざ!」
 アデレードは背に輝く光の翼を暴走させ、その身の全てをまばゆい粒子変換させて槍騎士へと突撃する。逃れるすべは……ない。
「お前らが奪った命のだってまだまだ時間はあったんだ。あっさり逃げるなんざゆるさねぇぜ」
 ウタの歌声と戦慄に乗り全身から放たれたオウガの光はシャワーの様に降り注ぎ、傷を癒し感覚を研ぎ澄ませてゆく。これで先ほど槍騎士からの攻撃で受けたダメージはほとんど気にしなくてよいレベルにまで回復している。
「これ以上の回復は要らねぇみたいだぜ、な?」
 回復が過剰にならないようウタは皆に声を張り知らせる。
「助かります」
 格上になるのだろうエメイアに張り付くセリアは振り向かず前だけを見つめてウタへと返事をする。その瞬間、エメイアが動いた。ヴァルキュリアの名残かのように背を飾る翼が輝き光となって昴を襲う。
「待つのです」
 飛ぶセリアはエメイアを追尾するようエネルギー光弾を射出する。風が生まれ、音のない音とともにまた空気が強く流れてゆく。その攻撃が間一髪で間に合ったのか。
「すべては聖王女のお導きのままに」
 圧倒的な敵の攻撃にも昴は動じることはない。
「守ってくれ、どらさん!」
 昴のそばで守るよう頼んでいたボクスドラゴンにラカの絞り出すような願いが伝わる。光となったエメイアに貫かれた昴の身体が放物線を描いて飛び、背から地面を滑ってススキを下敷きに数度バウンドして、止まった。
「……何? まだ生きている、だと?」
 命を奪うつもりで放った一撃のあと、振り返ったエメイアは目を見張った。大ダメージを受けてはいたが、昴は死んではいなかったし重症でさえなかった。セリアの攻撃の効果が発動し、昴が予測不能な回避をしなかったためにどらさんの行動にも無駄がなかった。打ち合わせしたわけではない瞬時の行動、その全てが的確にハマっていた。しかし、戦いはまだ終わっていない。
「そやつを殺せ」
 すぐには立ち上がれない昴へとフェーミナ騎士団の3人が殺到する。突撃してくる槍とまばゆく輝く剣、そして杖から発する魔法の力が昴に襲い掛かる。
「動きが?」
 槍騎士の動きが鈍り、中途半端に繰り出した槍の切っ先は昴に届かない。
「どらさんだけに活躍はさせられぬゆえな」
 持ち場から離れても仲間を守るべく動いたラカの腕が剣騎士の得物をはじく。しかし、魔術兵が繰り出した魔法、ストーンブラストが発動される。
「それ以上はこの俺が許さないっすよ! 絶対止める!」
 憐が動く。もはや一瞬たりとも敵を自由にはしておけない。自分の態勢も整っていないが敵も防御にははいっていない。憐は己の拳に力を集める。この地球に太古から生きる人の持つ強いグラビティ・チェインを二つの拳に乗せ思いっきり殴りつける。敵の防具を貫通した衝撃が体内を破壊する。その手ごたえがはっきりと伝わってくる。
「死を怖れ、王女に助けを求めて逃げ回る。それが騎士のやる事かな?」
 侮蔑の感情を乗せた奏の瞳と言葉には痛烈な皮肉が込められている。けれど返事など待たない。びっくりするほどの落差がある口調と雰囲気で『おまじない』と称した力を使い、最前列で戦う仲間の防具に注がれた力が強化として働き、同時にダメージの回復をもする。
「黙れ!」
 短いエメイアの声。その間にボクスドラゴンのモラが昴を癒す。
「殉教の痛みには慣れておりますが、ありがとうございます」
 昴は苦痛を堪えて笑うが、ただ痛々しいだけで味方を安心させるにはほど遠い。けれど、皆、生きている。そして戦意は少しも削がれていない。
「レッツ、ロック! ボクらのライブはこれからデス!」
 シィカがルーンを発動させ、光り輝くルーンアックスが槍騎士めがけて振り下ろされた。自分の身に何が起こったのかわからないようなキョトンとした表情で、槍騎士は倒れ……死んだ。もう動くことはない。
 激しい戦闘の中で敵の動きが一瞬止る。凪の一瞬、その次の瞬間、魔術兵と剣騎士は悲鳴をあげて戦場から逃げ出した。エメイアが止める間もなく別々の方向に飛んで行く。あまりに唐突な行動にケルベロス達もエメイアの包囲を解いてまで追跡出来ない。
「……」
 取り残されたエメイアは息を吐く。その顔は自嘲とも達観とも悲壮とも見える複雑な表情が次々と浮かび、消えた。
「さぁ、続きを始めようか、ケルベロス!」

●デウスエクスの死
 誰もいない河川敷。冷たい風が吹きすさぶ中、その風よりも速く強く荒れ狂う戦いが繰り広げられていた。
「わらわが引導を渡してやるぞ」
 身を低くしたアデレードは地獄の炎に燃える吸魂の大鎌を下から上へと振り上げる。地面ごと空間さえも引き裂くような苛烈な攻撃がエメイアへと走る。身体も鎧も自分の血で染めたエメイアは、だが倒れない。
「こんな程度か。かつての同族よ!」
 真正面から受けたエメイアの防具の端が切れ、髪が絶たれ、血が飛ぶ。
「壮語が過ぎるぞ」
 周囲には飛沫で小さな赤が点在している。探せばもっと古い錆色へと変わってゆく血も見つかるだろう。双方の血で戦場を染めながら、ケロべロスとデウスエクスは死闘を繰り広げていた。
「あんたにも聴こえるだろ? 地球の歌が。メロディが」
 ウタの歌声と音色は空と大地、風と海、蒼き地球が育み愛しみ生まれ息づく生命の凱歌だ。歓喜の音が深く傷つき倒れていた昴を再構築するかのように癒してゆく。
「なぜだ、なぜそこまで戦える?!」
 選ばれし者の槍を構え輝く翼を背にしたエメイアのつぶやき。
「貴女には分かり得ないでしょう」
 離されまいとエメイアをマークし続けるセリアの声もまた誰に聞かせるためのものではなかったかもしれない。交差する一瞬に鳴る武器と武器。槍の一撃と電光石火の蹴り技が衝突する力が衝撃波となって四方へ伝う。土煙が戦場を覆い隠す……それこそはエメイアの死角を自然と生み出し影の様に走る憐の姿を覆いつくす。
「これ以上、犠牲者を出さない為にも、お前はここで斃すっす!」
 エメイアが振り返るよりも速く憐は力を放つ。それはエメイアの生命の未来を奪い氷結させる超重の一撃だ。
「あああっつ」
 その力をまともに受けたエメイアの身体が河川敷の冷たく硬い地面に叩きつけられる。しかし、まだエメイアは動きを止めない。
「さすが強敵! しぶといっすね」
 感嘆とも感心ともつかない憐の声には称賛さえ混じる。
「此処でその生命を散らせ」
 奏の翼がまぶしく光、全身が光の奔流となってエメイアを襲う。その傍らにはともに戦うモラもいる。
「死を恐れる事はないさ。だってほら、定命のわしらを、お前さん達、殺せるだろう。同じ事だ」
 どらさんと共闘するラカは空の霊力を帯びた得物でエメイアの傷の上からさらに斬りつける。
「聖王女のへの不敬は万死にあたり、ゆえにわたくしが葬送の労をとりましょう」
 夜空を流れる消えゆく星の最後の輝きに似た光を込めて、昴の蹴りがエメイアを撃つ。
「此の手に宿るは氷精の一矢。――さあ、射ち穿て」
 最後の一撃はセリアのバスターライフルからそっと放たれた。清く美しく儚く冷たい凝った魔力は集約し、光となってエメイアの胸を貫いた。
「これが、死か」
 つぶやいて血まみれの敵将は凍えた身体を冷たい地面に倒れ伏す。
「……告霊騎士エメイア。さようなら」
 奏は追悼するかのようにそっとつぶやいた。

 その後、ウタが現状をヒールし河川敷には普段と変わらない日常が戻ってきた。

作者:神南深紅 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2019年1月11日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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