竹の子暴走族VSキノコギャング!

作者:木乃

 それは、イマドキの軽薄そうな若者達と一昔前の暴走族らしい特攻服に身を包んだ若者達の『よくある小競り合い』かに見える。
 暴走族とギャング、決して相容れない集団が互いの進行方向の邪魔になっていた。
「テメェがヘッドかぁ? オレのシマでデケェ面してんじゃねぇぞ!」
 金髪のリーゼントを揺らしながら、タケノコに似た攻性植物を生やした若者がメンチを切る。
「アァン? んだよ、ハンバーグ頭がよぉ」
 ストリート系の服装を着こなすいわゆるオラオラ系の青年も、睨み返しながら噛んでいたガムを吐き捨てる。
 そして腕から巨大なキノコのような攻性植物が顔を出す。
「オレとタイマン張れや、負けたらうちのチームのケツ持ちで逆モヒカンにしてやんよ」
「あぁん? テメェこそうちのパシリにして丸刈りにすんぞ!」
 リーダー同士の睨み合い、互いの意地を賭けた決闘が始まろうとしている。
 
「ごめんなさい、気弱かどうかは私には解りませんでした」
 オリヴィア・シャゼル(サキュバスのヘリオライダー・en0098)は申し訳なさそうに眉を顰めると、ヴォル・シュヴァルツ(黒狗・e00428) はボリボリと頭を掻く。
「しょうがねェよ、他人の本性なんて分かるもンじゃねェしなァ」
「ですが、警戒して頂いたおかげで発見することが出来ましたわ」
 オリヴィアは集まったケルベロス達に向き直り、鋭い視線を向ける。
「茨城県かすみがうら市にて、若者グループ同士の抗争が多発しております……攻性植物を使用しての、ですわ」
 負けたグループは勝ったグループの傘下に入る、攻性植物を力の象徴と考えた若者達らしいルールだ。
 しかしこの状況を放置すれば、攻性植物による強力な組織が出来上がる危険性がある。
「シュヴァルツさんの警戒通り、暴走族のリーダーの攻性植物化を確認。厄介なことにギャングのリーダーの攻性植物化も確認されました」
 到着する頃には決闘が始まるだろう。早急にどちらかを撃破せねばなるまい。
「場所はかすみがうら市内の十字路、深夜ということもあり人通りはありません。皆さんにはその決闘の場に乗り込んで頂きます。もし攻性植物2体が一時休戦し皆様と共闘して戦うようなことになれば、勝利することは困難になりますわね」
 オリヴィアは『1体だけでも確実に撃破する』よう、立ち回って欲しいと提案する。
「リーダー以外のメンバーはただの人間。放っておいても勝手に逃げていきますわ」
 敵はタケノコに似た攻性植物を使用する暴走族のリーダー、キノコに似た攻性植物を使用するギャングのリーダー。
 暴走族のリーダーはタケノコを輝かせて破壊光線を放ち、ギャングのリーダーは自身を回復させ状態異常の耐性も強めるという。
「僕も協力するよ、引き金を引くくらいなら出来るからさ」
 永喜多・エイジ(地球人のガンスリンガー・en0105) は軽薄そうな微笑を浮かべながら同行を申し出る。
「了承しましたわ。今回は永喜多さんにも同行して頂きます、攻性植物を1体でも撃破して下さい……危険を伴いますが、よろしくお願いいたしますわ」


参加者
ユーノ・イラ(森と生きる少女・e00003)
倉田・柚子(サキュバスアーマリー・e00552)
アルダント・カフィエロ(マウェッタ・e00802)
イグナス・エクエス(怒れる獄炎・e01025)
ジド・ケルン(レプリカントの鎧装騎兵・e03409)
アーティラリィ・エレクセリア(闇を照らす日輪・e05574)
ユーカリプタス・グランディス(神宮寺家毒舌戦闘侍女・e06876)
ルル・キルシュブリューテ(ブルーメヘクセ・e16642)

■リプレイ

●介入
「総長ー! あんなチャラ男、殺っちまえー!」「ヘッドのイイとこ見せてくれぇ!」
 暴走族のリーダーである総長、ギャングのリーダーであるヘッド。
 人知れず攻性植物と化した者達が深夜のかすみがうらで睨み合う。
 一触即発の空気の中、相手のボスを罵り自身の長へ声援を送って夜更けにもかかわらず騒ぎ立てる。
 総長と呼ばれるリーゼントの男はタケノコに似た攻性植物に、ヘッドと呼ばれる野性的な男はキノコに似た攻性植物に乗っ取られていた。
 2体の攻性植物は己の強さを示さんと身構える。
「ちょっと待ったぁ!」
 動き出そうとする両者に呼びかける待ったの声。
 割り込んできた主を見ようと視線を向けた先に、9人の姿。
 決闘にストップをかけたイグナス・エクエス(怒れる獄炎・e01025)を中心に、小学生ほどの小柄なシャドウエルフや目元を隠した巨体のオラトリオ。メイド服をまとうレプリカントなど、一見すると共通点が感じられない者達が立っていた。
「やっと見つけましたよ旦那ぁ、加勢に来やしたぜ」
 アルダント・カフィエロ(マウェッタ・e00802)は手もみしつつ、大きな体を揺らしながらヘッドに擦り寄っていく。
「あぁん?!」
 その挙動を怪しく思ったのか、純粋に信用ならなかったからか。
 鋭い眼光で睨み返し、極度のビビり屋であるアルダントを縮み上がらせる。
(「け、警察を呼びたいところですが、相手はデウスエクス……ああ、神よ」)
「あの、暴走族なんて時代遅れですよ?」
 ユーノ・イラ(森と生きる少女・e00003)が暴走族側に向いて、直球な言葉を投げかけると、返ってきたのは盛大に口汚い罵声。
 ギャング側の子分達も決闘に水を差されたことに腹を立て罵詈雑言を浴びせてくる。
(「あ~あ、こういう輩がおるから昭和のヤンキーが棲息しているとか言われるんじゃよなぁ」)
 アーティラリィ・エレクセリア(闇を照らす日輪・e05574)は頭頂部のヒマワリを揺らしながら、呆れた様子で視線を巡らせる。
 『茨城にはヤンキーが多い』という風評被害はこういう連中が作っていると、つくづく呆れ果てる。
「あの! 私たちのお話を、き、聞いてほしいの!」
 攻撃的な姿勢を向けられ内心しょんぼりしながら、ルル・キルシュブリューテ(ブルーメヘクセ・e16642)は自分達の言葉に耳を傾けてほしいと声高に主張する。
「あんな野良犬のような輩に、正直に付き合ってやる必要などないだろう? ……奴を首尾よく片付けたなら、我々を配下に加えて欲しい」
 周囲の反応など気にも留めないジド・ケルン(レプリカントの鎧装騎兵・e03409)は、自分達をチームに加えてほしいと申し出る。
 もちろん配下に加わるつもりはない、一時的に油断させる為のハッタリだ。
 突拍子もない申し出を受け訝しむヘッドに、倉田・柚子(サキュバスアーマリー・e00552)が口添えに入る。
「お手を煩わせず、今から私達が面白いものをお見せします」
 たわやかな美少女が口にする言葉にしてはかなり過激だった。
 『自分達が代わりに、私刑するところを見てほしい』と言い出したのだから。
「はぁ!? 男のタイマンを譲るなんて、ワルの風上にも置けねぇことすっかよ!」
 冷めた様子で値踏みするヘッド、その対面にいる総長は額に青筋を浮かべ顔を真っ赤にして抗議する。
 ……信頼を得るにはいささか言葉が足りなかったように感じる。しかし、天運はケルベロス達に好機を与えた。
「面白れぇ、場合によっちゃ考えてやるよ」
 ヘッドはルル達の提案にニヤリと口角をあげる。なんにせよ、代打ちを任せるという意思表示を引き出せた事実は大きい。
「かしこまりました、私どもにお任せくださいませ」
 ユーカリプタス・グランディス(神宮寺家毒舌戦闘侍女・e06876)がスカートをつまみながら恭しく一礼すると、くるりと振り向く。
 永喜多・エイジ(地球人のガンスリンガー・en0105)は一歩引いた位置に立った。彼の役割はヘッドの様子を監視することだ。
「ふざけやがっ……てぇぇぇぇッッ!!」
 決闘という神聖な行いに泥を塗られた。
 元々の人格の影響を受けたのか、怒り心頭の総長は周囲に子分達が居るのも構わず、無差別攻撃を仕掛ける。

●電撃作戦
 アスファルトから力強く突き出し伸びていくタケノコ群。動脈のような筋がピクピクと震える様子が一般的なタケノコではないことを物語る。
 縦横無尽に伸びるタケノコは車やバイクも巻き込みながら周辺を飲み込んでいく。
 串刺しになる仲間の惨殺死体を見て、怖気づいた双方の手下達は蜘蛛の子を散らすように四方八方に逃げ出していった。
 ヘッドは蹂躙されていく光景を見つめ、どのように対抗するつもりなのかニヤニヤとイヤらしい笑みを浮かべる。
 ――生き残れる訳がない、そう確信していたからかもしれない。
 テレビウムのイコちゃん、ユーカリプタスが蹴り飛ばして押し出したミミックのトラッシュボックスが前線に飛び出す。地中から突き出すタケノコからアルダントと柚子を守り、ユーカリプタス自身もイグナスを庇いに走る。
「私たちが勝ったらハンバーグの添え物のブロッコリーみたいな髪型にしてやりますよコルルァ!」
 アルダントが精一杯の虚勢を張ると、総長は倍以上の怒声をあげてメンチを切る。
「焼き鳥にされてぇのかタコゴルァァ!!」
「あ、嘘ですごめんなさい怒らないでください!」
 自身に生えたタケノコを輝かせ熱光線を連発する総長に、神にご加護を求めながら熾炎業炎砲を発動。
 召喚された御業は猛々しく燃える火球を放ち反撃していく。
「神宮寺家戦闘侍女、ユーカリ参ります」
「い、行きます!」
 ユーカリプタスが折り目正しく一礼すると同時に、侍女式戦闘剣舞 壱式 刃羽熱炉の舞を仕掛けようと踊るように駆け抜ける。
 ケルベロスチェインで周囲のタケノコを斬り落としながら一閃、激辛な一撃は煽り効果も充分だ。
 ユーノも熾炎業炎砲で御業の劫火を繰り出すと、周辺を蹂躙したタケノコを焼き払い突破しながら総長を火の海に飲み込ませる。
「ドローン展開、警護を強化しますわ」
 柚子もヒールドローンを形成、前衛に立つ者達の守りを固めていく。
 ……後方では交戦するジド達の姿を見ていたヘッドが、苦虫を噛んだように顔を歪めていた。
 一般人とケルベロスの差はなにか――それは、グラビティを行使して不死の存在であったデウスエクスに死を与えられること。
 デウスエクスと同じ超常能力を操る者のみが、ケルベロスと呼ばれるのだ。
 グラビティを自在に操る姿こそが、自分達をケルベロスだと証明することになる。
 ……極彩色のキノコを蠢かせるヘッドの前にエイジが立ち塞がる。

 背後から聞こえてくる発砲音が、ヘッドにアーティラリィ達の正体が気づかれた事実を知らせる。
「エイジくん!?」
 振りむいたルルの視線の先では、一対一での攻防が繰り広げられていた。
「ごめんよ、時間は稼ぐから!」
 ヘッドから距離を取って戦闘するように仕向けたことで、ヘッドもこちらにはすぐ攻撃を仕掛けることが出来ない。
 ……しかし、強力な個体を一人で足止めしなければならない状況は明らかに危険だ。
「ど、どうしましょう!? このままだと挟み撃ちにされるんじゃ……」
 飛来する破壊光線を車の残骸の陰でやり過ごしながら、ユーノは救出に向かうべきか迷いを見せる。
 しかし、戦力を割けば結果的に共闘状態になりかねない。救出に向かうべきか、否か――判断に迷う仲間達にジドは叫んだ。
「コイツを倒すんだ! 一体でも倒さなければ、犠牲が出ても意味がないんだぞ!?」
 目的を思いだせ! ジドは声を張り上げながら機械部分の稼働率を一気に上昇させていく。
 非情な判断かもしれないが、ここで仕留めなければ後々に影響が出るのだ。
「作戦方針は継続、コイツを速攻で撃破するぞ」
 増幅した感覚の中で、ゆっくりと動いているように感じる敵へジドは冷静に銃口を向ける。
 ガトリング弾を連射した先のタケノコの残骸に風穴を作りながら、総長自身のタケノコも撃ち落としていく。
 新たな攻性植物をその身に増殖させながら、総長も強力なビームを照射する。
「そう、ですね……時間がかかれば私達も危険な状況になります。手早く片付けましょう」
 最前衛に立つユーカリプタスがミサイルを撃ち放つ中、柚子も励ましながらサキュバスミストでユーカリプタスの負った火傷を癒す。
 激情する総長はすべて埋め尽くそうと休みなく攻撃を続け、縦横無尽に地中からタケノコを伸ばしていく。
「ナ、メ、ん、じャ……ネエエェェェェェッッ!!」
「一気に攻めるぞ!」
 イグナスが胸部を展開し砲門へ変形させ、エネルギー弾を照射。続けて、蹴り込もうと飛び出すと次々に押し寄せてくる濁流のごとき埋葬形態の一撃に飲み込まれる。
「ぐぅぅ!?」
 脈打つ奔流の中で、全身を包みこむ甘ったるく不快な匂いがイグナスの意識を絡めとろうとする。
 ウイングキャットのカイロが清浄の翼で清らかな風を吹かせると、催眠状態に陥りかけたイグナスの意識を取り戻させる。
「私たちが、がんばらなきゃ……花は命、お菓子は正義!」
 焦る気持ちを押し殺しルルが魔導書を開くと、悠風を生み出し光を帯びた花の吹雪が周囲に広がる。
 ふわりと香る甘い芳香は強ばった背筋を緩め、動揺していた空気を落ち着かせて士気を高めていく。
「捉えましたっ!」
 火球を放つユーノも炎上した総長に向かって間合いを詰めていく。
 火だるまになり苦悶の表情を浮かべる総長は、ユーノに反撃しようと掌のタケノコを輝かせる。
「ユーカリにお任せあれ」
 破壊光線が放たれると同時にユーカリプタスが割り込み、ゾディアックソードで受け止める。ユーノは勢いのまま跳ね上がり総長のリーゼントめがけ、煌めきをまとう重い蹴りを放つ。
「ひゃあっ!?」
 想像以上の威力に驚くユーノを援護するジドの銃撃とアーティラリィの支援が続く中、アルダントが巨躯を揺らし急接近していく。
「悔い改めよ」
 神の戦士の光り輝く巨大な鉄槌、天上より招来した一撃は神の制裁。
 頭上で力強く掴み取ったアルダントが、大きく振り下ろし天罰を下す。
 ――ゴシャッ!
 鈍い音が響くと共に、総長は白目を剥いて仰向けに倒れ込んだ。
 人の身を保てなくなったようにボロボロと土の塊に変質していく姿は、人ではなくなってしまったことを伺わせる。

●逆転劇
「ハ、ハァ……これで1体、わぁっ!?」
 肩で息をするアルダントになにかがぶつけられ、勢いのまま倒れ込む。
 ――それは再起不能まで追い込まれたエイジだった。
 その向こうには、軽い火傷を負っているがまだ余力を感じさせるヘッドの姿。疲弊したケルベロス達を見て好機と判断したのか、逃走する気配はない。
「これも、神の与えたもうた試練でしょうか」
 ルル達も総長一人を相手に疲労困憊している状態だ、撤退も考慮していいかもしれない……しかし。
「ウゥゥゥアアァァァァァッ!!」
 イグナスが咆哮をあげる。全身に地獄の炎を燃え上がらせながら自身を鼓舞する。まだ俺はやれるのだと、イグナスが闘志を燃やし走り出す。
「彼奴も無傷ではない、こやつは余に任せてぶっ飛ばすのじゃ!」
 アーティラリィは自身より大柄な負傷者に肩を貸すと、攻撃にさらされないよう後退させていく。
「ええ――この試練、乗り越えて見せましょう」
 苦境なればこそ修行の道。アルダントはバトルオーラで時空凍結弾を錬成しながら戦線に戻る。
「……手の込んだ汚物」
 休みなく攻撃を仕掛ける敵に対し、チラリと本音をのぞかせるユーカリプタスはサークリットチェインを展開。鎖の描く魔法陣が柚子達の守りを再び強化する。
 ジドもバスターライフルの砲身を構えると前方に狙いを定める。
「あっちも多少はダメージを受けているんだ、このまま押し通す」
「ま、任せてくださいっ」
 ジドが冷凍光線を照射しヘッドに浴びせかけていく。体温を奪い衰弱させる一撃に生えていたキノコが、ぽとりと落ちる。
 ユーノがフロストレーザーの後に続いて肉薄する。残存していたキノコを伸ばして振りぬく一瞬、体勢を傾けながら飛びこみ手を振り上げる。
「お願い!」
 槍を模した煌々と燃え盛る炎を掴み取り、着地に合わせてヘッドの足に突き立てる。
 地面に縫い付けられたヘッドに向かって、イコちゃんとトラッシュボックスも果敢に挑みかかる。
 ヘッドは掌を上に向け、まるまるとした黄金のキノコを生やすと放つ光がわずかに傷を塞いで体の冷えを収める。
「大丈夫だよ、元気出していこ!」
 強力な個体1体に対し、8人の手数で攻めるケルベロス。
 戦況は五分五分かもしれないからこそ、ルルは気持ちで折れてはいけないと思った。
 ルルの放つ甘色花吹雪の甘い香りが、傷つき疲弊したイグナス達の身体に染み渡る。
「このアマっ」
「きゃあっ!?」
 ヘッドがしめじのように細長く伸ばしたキノコで柚子の片腕を捕える。
 互いに引き合う状況にユーカリプタスが割り込んでいく。
「婦女子への乱暴は品がございませんよ」
 レガスティア・エンフレートを操作し砲門を開放、マルチプルミサイルを連続して撃ち出すと集中砲火を浴びせる。
 その隙に、捕縛から脱出した柚子もフォートレスキャノンでヘッドに仕返ししていく。
 戦線に復帰したアーティラリィも飛び込んでいき、重力を込めた踵落としを決める。
「これが私の万能薬です」
 連戦により怪我が増えていく状況、回復を優先しようと快楽エネルギーを凝縮した桃色の液体で攻撃に専念するイグナスに回復を施す。
「く、そぉ、無駄に抵抗しやがって……」
 想定以上に持ち堪えるユーノ達に、ヘッドは苦々しい表情を浮かべる。
 ――すでに、回復が追い付かない段階まで押されていた。
「終わりにさせてもらう」
 ジドがガトリングの弾幕でヘッドに追撃を仕掛ける。撃ち抜かれた攻性植物の一片は蜂の巣になり無残に飛び散っていく。
 弾幕の嵐の中をイグナスは再び地獄の炎を全身にまとい突き進む。
 炉心も限界一杯までフル回転させ、右腕に超高濃度のエネルギーを集中させていく……魂すら焼き尽くす断罪の一撃は放たれた。
「俺の炎で燃え尽きやがれ!」
 燃え盛る右腕が頭部を鷲掴みする。
「ブレイジングエグゼキューション!」
 全身を包む地獄の炎を右手に全て注ぎ込む。獄炎が全てを滅すると文字通り消し炭に変える。
 ボロボロと崩れ落ちる黒い塊は原形を留めていなかった。
「これも、神のご加護ですね」
 危機的状況からの大逆転、アルダントは奇跡が起きたと神に感謝の祈りを捧げる。
 疲れ切った身体を投げ出したいが休んでいる暇はない。
 柚子達は破壊された街並みを修復し、急ぎその場を後にする。
 ――不利な戦況を逆転し、強力な攻性植物2体を連戦で撃破する。
 見事な勝利を収めた。

作者:木乃 重傷:永喜多・エイジ(お気楽ガンスリンガー・en0105) 
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2015年11月25日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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