リア充死すべし! その輝きはカップルを照らす!

作者:天木一

 クリスマスに向けて人の集まる場所は色鮮やかな電飾が木々や建物に飾り付けられ、美しいイルミネーションの輝きが下を通る人々や、繁華街を楽しむカップル達を照らす。
 そんな毎年のイベントに使われる電飾は、野ざらしで使われる為劣化も早い。故障した電飾は取り外され、片隅の備品倉庫に置かれていた。そこへ一匹の機械仕掛けの蜘蛛が忍びより、汚れた電飾に取りつき同化を始める。すると長いケーブルに電気が迸り、大量に取りつけられたライトが光り出す。そのサイズがどんどんと大きく、ケーブルも長くなり、それが纏まるとまるで木のよう形作る。やがて4mを超えるイルミネーションツリーが出来上がり、天井を突き破り外へと飛び出した。
「何? アトラクション?」
「あのツリー動いてる!」
 人々がそのイルミネーションツリーを見上げると、ピカッと光って周囲の電飾された木々を薙ぎ払った。
『クリスマスなんてクソくらえ! 労働には対価を!』
 そんな音声が流れると、ツリーは威嚇するように光を宙に撃ち放つ。
「うわぁ! 木が燃えてる!」
「逃げよう! こんなのアトラクションじゃない!」
 慌てて人々が逃げ出すと、イルミネーションツリーはゆっくりと足元のケーブルを這わせて動き出す。
『呑気にイルミネーションを見てるカップルに天誅を! イルミネーションに休息を!』
 全身を光らせて放つ光線で、周囲のイルミネーションを破壊し、夜を照らすようにイルミネーションツリーが輝き続けた。

「クリスマスにはいろんな場所がイルミネーションで飾りつけしてるよね。そんなイルミネーションがダモクレスになちゃったみたい!」
 元気にステラ・フォーサイス(嵐を呼ぶ風雲ガール・e63834)が事件が起きる事をケルベロス達に告げる。
「廃棄されようとしていたイルミネーションのライトがダモクレスと化し、人々を襲ってしまうようです。今なら犠牲が出る前に戦う事ができます」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が補足するように詳しい説明に入る。
「ダモクレスはコードについた無数のライトで、巨大化して束ね合わせ光り輝くイルミネーションのツリーとなっています。その見た目通り、光を使った攻撃をしてくるようで、光線による命中率の高い攻撃方法を持っています」
 光線による全周囲攻撃は射線に入れば逃れることは難しいだろう。
「場所は横浜の繁華街です。今から向かえば敵が現れてすぐに到着できます。避難は警察が行っているので、皆さんは敵の足を止めてその場で迎撃してください」
 注意を引くことができれば人々に流れ弾が飛ぶ可能性も低くなる。
「イルミネーションを楽しむ人や、カップルを優先的に狙うようなので、そういった演出をすれば敵の攻撃を集中させることも可能でしょう」
 攻撃をコントロールできれば、戦闘を優位に運べるだろう。
「クリスマス直前だというのに騒ぎを起されては迷惑です。人々の被害が出る前に倒し安心してクリスマスが迎えられるようにしてください」
 よろしくお願いしますとセリカが一礼し、ヘリオンの準備に向かった。
「もうすぐクリスマスだね! みんなクリスマスの予定は決まってる? 楽しいクリスマスを過ごすためにも迷惑なダモクレスをやっつけよー!」
 おーっと気合を入れてステラが拳を挙げると、ケルベロス達も合わせて突き上げ、クリスマスの妨害は許さないと動き出した。


参加者
燦射院・亞狼(日輪の魔戒機士・e02184)
九鬼・一歌(戦人形鬼神楽・e07469)
宇原場・日出武(偽りの天才・e18180)
リチャード・ツァオ(異端英国紳士・e32732)
死道・刃蓙理(野獣の凱旋・e44807)
ロスティ・セヴァー(身体を探して三千里・e61677)
リリエッタ・スノウ(小さな復讐鬼・e63102)
ステラ・フォーサイス(嵐を呼ぶ風雲ガール・e63834)

■リプレイ

●輝く街
 クリスマスの近い夜はどこもカップルで賑わっている。そんな夜空をヘリオンが疾走していた。
「なるほど、リア充を爆破するだけの簡単なお仕事ですね、ハイ。……え? 違うんですか?」
 そんな勘違いをしたロスティ・セヴァー(身体を探して三千里・e61677)が、間違っているだろうかと首を傾げた。
「ぁ? 爆発? 情けねー事言ってんなよ」
 爆発しちまったら楽しめねーだろうがと、カップル鑑賞はエロ本を読むようなもんだと燦射院・亞狼(日輪の魔戒機士・e02184)が教えを説く。
「リア充死すべしですか。何もかも懐かしい。昔はそんな事言ってた時期もありましたねえ」
 今ではそんな情熱も失ったと宇原場・日出武(偽りの天才・e18180)は溜息を吐く。
「一年が経つのは早いもので、もうクリスマスなのですね」
 一年を振り返り、九鬼・一歌(戦人形鬼神楽・e07469)はあっという間に過ぎたように感じる。
「イルミネーションが二重の意味で輝く時期です。ある意味では過密な労働環境にキレたのでしたら、ちょっと同情はします」
 人間だったならば逃げ出しても仕方ないと思ってしまう。
「ああ。またこの季節がやってきましたね。バレンタインとクリスマスはこの手の依頼が増えて困りますよね。同じようなビルシャナも大量発生するし各地のクリスマスツリーは暴走するし……」
 リチャード・ツァオ(異端英国紳士・e32732)は季節ものを外さぬ敵に呆れる。話しているとガランとした広場が見えた。そこには大量のライトが付いたケーブルで出来たイルミネーションツリーが立っている。
「まあとにもかくにもとっとと倒してクリスマスを楽しめるようにしましょう」
 肩をすくめたリチャードはヘリオンから飛び降りた。
「すっごい光ってるよ! クリスマスらしい敵だね!」
 ステラ・フォーサイス(嵐を呼ぶ風雲ガール・e63834)がそう感想を言いながらライドキャリバーのシルバーブリットに跨りエンジンを掛ける。
「むぅ、みんなが楽しんでるクリスマスを邪魔するなんて……それに、『イルミネーションに休息を!』とか言ってるのに自分から光ってちゃダメじゃないかな?」
 その後ろに二人乗りしているリリエッタ・スノウ(小さな復讐鬼・e63102)がそんな疑問を浮かべながら、落ちないようにステラの腰に抱きついた。
「リリちゃんしっかりつかまっててねっ。行くよ!」
 ステラはアクセルを開け夜空へと飛び出した。他のケルベロス達も空に躍り出る。
「仕事ですか……必要とされているのだと前向きに考えてはどうでしょう……。……ダモクレス相手に言ってもしょうがないですが」
 敵の前に着地しながら死道・刃蓙理(野獣の凱旋・e44807)は殺気を放ち、周辺の人が近づかぬように人払いをした。

●イルミネーション
『呑気にイルミネーションを見てるカップルに天誅を! イルミネーションに休息を!』
 光が周辺の建物に穴を開ける。
「毎年毎年飽きないものですね。精々派手にイルミネーションを灯してください」
 前に出たリチャードは長剣を構えて守りを固め、光線を防ぎ受け流す。
「わー綺麗ですねー! でもちょっと味気ないかも? もっとキラキラ派手に光ってほしいなー」
 無表情のまま無邪気な少女のフリをした一歌は声をかける。
『キラッと爆発しちまえ!』
 するとツリーが輝き収束された光線が放たれ、一歌は飛び退いて躱す。
「もっと、もっと、もっと輝け……! そして電球の命を燃やすのです……!」
 挑発する一歌に次々と光線が放たれ、それを紙一重で躱していく。
「こっちも、花火の如き爆発で彩りますよ!」
 ロスティがスイッチを押すと、色鮮やかな花火が打ち上げられ、イルミネーションと共に幻想的に彩り仲間達の闘志を高める。
「よっ……と。華麗に着地成功、ひゃっはー!」
 見事に騎乗したままステラは着地を決めて加速を始めた。
「シルバーブリットありがとうだよ。あとで綺麗に拭いてあげるね」
 礼を言ってリリエッタが飛び降りる。
「リリ、クリスマスって初めて経験するけど……街中のイルミネーションって綺麗だね」
 そして相手に聴こえるように呟き意識を引きつけた。
「イルミネーションショーの始まりだよ!」
 その間にステラはガジェットから蒸気の霧を噴き出し、含まれる魔導金属の粒子がビームを減衰させ、偶発的に幻想的な霧と光のイルミネーションを生み出していた。
「おぅヤローども、殺っちまえ」
 黄金の鎧を纏った亞狼は戦闘に集中し、敵の心にだけ自分の背に黒い日輪を浮ばせる。それが本物の如き熱波を感じさせ心を乱し敵愾心を抱かせる。
『貴様、リア充かーー!?』
 勘違いして放たれる光線を亞狼は受け止めた。
「リア充を倒すような情熱はもうねえですが、休息が欲しい気持ちはちょっとわかるきもしますねえ」
 働き過ぎた時の事を思い出し日出武が同意する。
「ならばせめて休息を与えてあげましょう。永遠のな!」
 ベタベタな台詞だと思いながら日出武は肥満体を軽やかに動かし、跳躍して回し蹴りを叩き込んだ。
「そんな後ろ向きの思考では、何をやっても満足できませんよ」
 刃蓙理はハンマーからドラゴニックパワーを噴射して突進し、ブンッと勢いよくハンマーを叩き込んだ。ライトが幾つも砕けツリーが傾く。
「ほら、こっちですよ」
 接近した一歌は無骨なロングソードを揶揄うようにわざと軽く当てた。
『全部爆発しちまえ!』
 イラついたツリーの全身が輝き、全周囲に光線が放射される。一歌は剣を振るってそれを弾き右に左にと回避する。
「元気ですねえ、残念ですがもうそのノリについてはいけないんですよ」
 日出武はゆっさゆっさとお腹を揺らしながら跳躍し、体重を乗せて斧を振り下ろしツリーに叩き込む。ライトが砕けケーブルが断線して光が明滅する。
「ほぃガラクタは廃棄だ。ぽあぽあ」
 軽口を叩きながらも亞狼は冷徹に敵の動きを読み、ナイフを突き立てライトを砕いた。
「しかしイルミネーションツリーですか、ダモクレスでなければ人々に喜ばれそうなものですが……」
 リチャードは燐を塗った蝙蝠型の手裏剣を投げつけ、空中で燃え上がる手裏剣がケーブルを切り炎を移す。
「光に群がりやがって虫かよ!」
 ツリーが周囲を照らしてゆっくり動き出す。
「ダモクレスという点を除けば綺麗ですね」
 目を奪われそうになるのを堪えたロスティは、鎖で地面に魔法陣を描き仲間達の傷を癒し守る力で場を満たす。
「動いたらイルミネーションを見に来た人が迷っちゃうよ」
 リリエッタは愛用の自動式拳銃を自分の足元に向けて発砲し、地中を通った魔力が8本の闇鎖となって絡みつき拘束する。
「クリスマスもそうだけど、縁日とかお祭りも屋台とかで働いている人が居てこそ楽しむ人が居て、その逆も然りだよね」
 シルバーブリットで疾走しながらステラは銃型のガジェットの狙いを定め、魔導石化弾を根本に撃ち込む。
「恨み辛みが積もってるみたいだけど魅せる楽しみもあった筈。それを思い出させてあげなきゃ」
 穴を穿った部位が地面と一体化するように石になっていく。
「綺麗な光ですが、周りに迷惑をかけるのなら放ってはおけません」
 刃蓙理は虚無球体を作り出して放ち、光を消し飛ばしツリーに当たるとそこにぽっかりと丸い穴が出来る。
『イルミネーションは中止でーす!』
 人を呑み込む太い光線が放出される。
「オラっどけや。おぅコラ、てめーの相手はこっちだ」
 亞狼は射線上に居た日出武を蹴っ飛ばして代わりに自分が攻撃を受ける。そして黒い日輪を見せて己に攻撃を引き付ける。
「あいたた、お尻をうってしまいましたねえ」
 日出武は尻をさすって立ち上がる。
「働くのが嫌なら、光らなければいいと思いますがねえ」
 日出武は斧にルーン文字を輝かせて振り抜き、刃が纏めてケーブルを断ちツリーの深くまでめり込んだ。
「夜の街を彩るイルミネーションと花火。カップルは喜びそうなシチュエーションですね」
 ロスティはスイッチを押して敵の元で花火を爆発させ、ガタガタと揺らして攻撃を逸らした。
「てぇいッ!!」
 ステラはシルバーブリットを足場にして跳躍し、ガジェットから伸ばした鞭で上部のライトを叩き割る。そしてタイミングを合わせたシルバーブリットに着地して駆け抜けた。遅れて放たれた光が地面を爆発させる。
『これ以上ただ働きしてたまるかー!』
 強烈な光が放たれ目を晦ませる。
「眩しすぎて見ることも出来ないのでは欠陥品ですよ」
 敵のライトに視線を向けたリチャードは、グラビティを集めて爆発を起こしライトを砕いて光をかき消す。
「ひゃっほー」
 無表情ながらテンション高く、一歌は攻撃を避けながら飛び込んでツリーに組み付き攻撃を妨害する。
「少々壊してもまだまだライトがありますね。根元から断ち切りましょうか」
 跳躍した刃蓙理は白い喰霊刀を振り抜き、呪詛を纏う刃が易々とケーブルを断ち切った。さらにそこから宙で跳び上がり、上から刃を振り下ろして真っ直ぐにツリーを斬り裂く。
「イルミネーションは綺麗だけど、お前がピカピカ光っても綺麗じゃないよ!」
 死角に回り込んだリリエッタは、敵を蹴り飛ばして衝撃でライトをチカチカと断線させた。

●中止のお知らせ
『クリスマスは中止だ! リア充死すべし!』
 逃げ場のないような無数の光線が放たれる。
「そんな輝きじゃあ当たらないなー。もっともっと命尽きるまで輝かないと!」
 一歌が煽りを入れると、ツリーが極太の光線を放つ。避けきれずに一歌は剣の平を盾にして耐える。
「残念ですが、どれだけ爆発させてもリア充はどこにでも湧くものですよ」
 ロスティは地獄の炎と混沌の水を飛ばし、一歌の傷を焼き尽くし洗い流すことによって、傷を綺麗に消し去った。
「若い頃を思い出しますねぇ。あてられてしまいそうですよ」
 日出武は蹴りを叩き込んでツリーを揺らし、衝撃で光を弱めさせた。
「クリスマスにそんな考えは無粋というものです」
 攻撃を長剣で防ぎながら近づいたリチャードは、横に薙いでケーブルの束を斬る。だがすぐに新たなケーブルがそこを埋めて光を放ち、剣を盾にするリチャードを押し戻した。
「ただの嫉妬に狂ったようにしか見えません」
 ハンマーからの噴射で加速した刃蓙理は、迎撃の光線を空中を蹴ることで横に避け、ぐるんと回転してハンマーを叩きつけた。衝撃にツリーが歪む。
『お前らもクリスマスをカップルでイチャイチャしたいと思ってんだろ!』
 眩い光が当たりを照らす。
「ぁ? 俺ぁ若い頃にじゅうぶん楽しんだからな。今は鑑賞専門さ」
 その中を突っ切った亞狼は、ナイフを突き入れぶちぶちとケーブルを切断していく。
「休息するどころか元気いっぱいじゃない! それだけ元気ならクリスマスだって盛り上げられたよねっ」
 駆け寄ったリリエッタはメタルで腕を覆い、殴りつけてケーブルを掴み引き千切る。
『イヤだ―! カップルなんぞの為に働くのはイヤだー!』
 光を弱らせながらも光線でケルベロス達を薙ぎ払う。
「カップルじゃなく、自分の為に光ればいいんじゃないかな」
 シルバーブリットを操り光線の隙間を通りながらステラは石化弾を撃ち込み、ライトを石に変えて光を斑にしていく。
「文句ばっか言ってんじゃねーぞ。クリスマスに働いてる人なんていくらでもいんだよ!」
 光を物ともせずに突っ込んだ亞狼が、思い切り蹴りつけて巨体を薙ぎ倒す。
「まあせっかくなので最後は綺麗にイルミネーションしてあげましょう。燃え尽きなさい!」
 リチャードが投げる炎纏う手裏剣は蝙蝠のように不規則に飛び、敵を翻弄してあらゆる角度から切り刻み焼いてゆく。
「クリスマスを派手に迎えますよ!」
 ロスティは左腕の地獄の炎を猛らせて殴りつけ、炎がケーブルを伝ってツリーを燃やした。
『邪魔してやる! みんなクリスマスが嫌いになってアンチになれ!』
 起き上がり光が無秩序に周囲を破壊する。
「負の連鎖をさせる訳にはいきません。ここで断ち切ります」
 跳躍した刃蓙理は刀を横に振るいケーブルに食い込ませる。そこでもう宙を蹴って刀を振り切り、太いツリーを中ほどまで斬った。
「その情熱を違うことに使えればよかったですねえ。まあ一度そうなるととめられないものですがねえ」
 日出武はその切れ目に人差し指を突き入れる。内部の太いケーブルが破裂し、電気の供給が止まって殆どのライトが消えた。
「どうしました? 輝きが弱ってきているようですが……この程度ですか?」
『畜生め! クリスマスなんぞ爆発しちまえ!』
 一歌が煽ると最後の力を振り絞って倒れたツリーが輝く。その輝きを前に一歌は踊るようにステップを踏んで躱し、剣を一閃ライトを叩き斬る。
「みんながクリスマスを楽しみにしてるんだから、お邪魔虫には退散してもらうよ!」
 足元に銃口を向けリリエッタは弾丸を撃ち込み、敵の体に闇鎖を巻き付けぎゅうぎゅうに締め上げる。
「最後のイルミネーション。楽しませてもらったよ」
 ステラは鞭を伸ばしてツリーに巻きつけシルバーブリットを加速し、ぐるぐる巻きにして絞り上げ、そのまま圧縮するように押し潰した。ブツンと停電したようにツリーは光を失い倒れた。

●夜景
「後ぁ任せたぜ。……どれ、1杯ヤってくか。じんぐるべーるじんぐるべーる♪」
 背を向けた亞狼は街に流れるメロディに合わせて歌いながら繁華街に消えた。
「幻想化するけどクリスマスだし問題……ないよね?」
 リリエッタは魔法の葉っぱをペタペタと張りつけて修復して、葉っぱのような形になったライトを見渡す。
「あ、これが終わったら約束通り拭いてあげるからね」
 もう少し待ってねとリリエッタはシルバーブリットに視線を向けて微笑む。
「これで安心してクリスマスを迎えられますね」
 これ以上の騒ぎは起きて欲しくないと刃蓙理も光を見上げた。
「クリスマスにはイルミネーションが似合いますね」
 一歌が色とりどりの光を見上げる。
「来年もこんなイルミネーションを無事に見れますかねぇ」
 修復しながらリチャードはイルミネーションの輝きを楽しむ。すると封鎖が解かれカップル達も戻り始めた。
「少々あてられてしまいましたかねえ。カップルを見てもやもやしてしまうなんて、何年ぶりでしょうか」
 カップルを目にした日出武は懐かしい嫉妬心を感じていた。
「……ところで、このチームってリア充の方々いましたっけ」
 ロスティは仲間を見渡し、そして察した。
「あ、そうだ。今クリスマスキャンペーンでフライドチキンがお得なんだって。だからさ、みんなで食べに行こうよ! 勿論、村長さんの奢りでね♪」
 ステラが笑顔で誘うと、みんなもそれはいいと応じて歩き出す。
「まあクリスマスですからねえ」
 日出武はここでカップルに嫉妬しているよりはいいかと、財布の中身を確認して後に続いた。

作者:天木一 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年12月28日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。