冬こそ節電

作者:あかつき


 平日昼間、住宅地から離れた、人気の少ない林の最奥部で、羽毛に覆われたビルシャナが拳を握り締め、力説する。
「冬は何かと消費電力が多いのだ。電気ヒーター、エアコン、机で鍋をすれば卓上電磁調理機器を使い、限りある電力をばかばかと使う……、そんな事では、電力はすぐに底を着いてしまう! そして、ゆくゆくは自然を破壊し、生物の住めない環境にしてしまうのだ。それだけは、あってはならない!!」
 その発言に、周りを囲む一般人十人はしきりに頷く。
「故に……我々は冬こそ節電に取り組まねばならない! 暖房などもっての他! 寒さなど気持ちの問題だ。寒ければ走れ、それか乾布摩擦だ!」
 いくぞー! そう言いながら、ビルシャナは乾いたタオルをどこからともなく取り出した。


「ミント・ハーバルガーデン(眠れる薔薇姫・e05471)に予知された事件の調査を頼んでいたら……、冬は節電の為に暖房は使うな、と主張するビルシャナが現れる事がわかった。ビルシャナは自分の考えを布教して、周囲の人間を配下にしようとしている……みんなは、そこへ乗り込む事になる」
 雪村・葵は、集まったケルベロス達に、今回の依頼について説明を始める。
「ビルシャナ化している人間の言葉には、内容はどうあれ強い説得力がある。その為、放っておくと一般人は配下になってしまう。ここで、ビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が配下になる事を防ぐことができるかもしれない。ビルシャナの配下となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加する。ビルシャナさえ倒せば元に戻るので、救出は可能だが、配下が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるだろう」
 一般人の人数は十人。寒さなど気合いでどうにかなると主張する高齢男性四人、節電は地球のため、自然環境保護こそ人間の義務と主張する中年女性三人と、節電すると家計にも優しいと主張する奥様三人だ。ビルシャナは乾布摩擦の摩擦熱を使って火を起こし、攻撃をしてくる事があるようだ。
「節電は良いことだろう。しかし、どんな事でもやりすぎは良くない。程ほどにしなければ、身を滅ぼすだろう。みんな、この被害が広がるより前に、ビルシャナを撃破してきてくれ」


参加者
浦葉・響花(未完の歌姫・e03196)
空鳴・無月(宵星の蒼・e04245)
ミント・ハーバルガーデン(眠れる薔薇姫・e05471)
グレイシア・ヴァーミリオン(夜闇の音色・e24932)
ヒエル・ホノラルム(不器用な守りの拳・e27518)
カヘル・イルヴァータル(老ガンランナー・e34339)
笹月・氷花(夜明けの樹氷・e43390)
鈴城・咲(焔の拳・e56641)

■リプレイ


 ビルシャナが乾布摩擦用の布を取り出した、その時。
「おい、ちょっと待てよ」
 静かな怒りの籠った一言を発したのは浦葉・響花(未完の歌姫・e03196)。
「何だ」
 怪訝そうな顔で返すビルシャナを、響花は静かに睨み付ける。
「ストーブ、エアコンには技術者達の思いや情熱が籠っているのよ。もし、ストーブがなければ、北極や南極で生活する事が出来なかった。エアコンがなければ、人類は超高層ビルを建てる事が出来なかった」
 つらつらと語る響花に、節電派の中年女性三人が眉を寄せる。
「そんな事言うけどね、その所為でどれだけ地球環境が破壊されたと思うの? 温暖化の所為で、どれだけのホッキョクグマやアザラシが死んでしまったと思うの?」
 あの可愛らしい動物達が……、と涙ぐむ三人に、しかし響花は毅然とした態度で続ける。
「電化製品が悪いだと。人類の英知に電化製品にそんな事を言うなんて侮辱だ」
 どこぞの下町にある工場の方のような迫力で語る響花に、三人はうっと僅かに顔を歪める。しかし、それでもまだ、彼女達の意思は歪まなかった。
「それは確かにそうでしょう。私達は今までその技術の恩恵を受けてきたわ。だからこそ、私達は自身の行動を正さなければならないの……それこそが、自然に対して私達が出来る償いなのよ」
 目をうるうるさせて力説する中年女性に、空鳴・無月(宵星の蒼・e04245)は嘆息する。
「ビルシャナは……いつも、内容が極端すぎるんだよね」
 ぽつりと溢した呟きは、ビルシャナの耳にも信者達の耳にも届かなかったらしいが、とにかくこの極論はなんとか正さなければならない。改めて意思を固める友人の様子を視界の隅に納めつつ、ミント・ハーバルガーデン(眠れる薔薇姫・e05471)は三人の中年女性に語りかける。
「自然環境保護なら、他の事から先に環境保護活動すべきですよ。寒いけど暖房を付けなかった所為で風邪をひいたら、病院も混雑して、医者の負担も増えてしまいます」
 ミントの説得に、中年女性三人組は互いに顔を見合わせ、そして首を横に振る。
「でも、お医者様も人間でしょう? 家でも病院でも、必要以上にあったかく、ぬくぬく過ごしているんだから、仕方ないわ」
 一人の女性がそう言ったのに対し、ミントは続ける。
「しかし、病院にかかれば、病院で電力を消費する。暖房を使わなかった分の電力などあっという間でしょう。環境保護を行うなら、まずはペットボトルのリサイクルなど、他の事から優先すべきだとは思いませんか?」
 それを聞いた中年女性三人は、一理あると思ったのか、顔を歪め、唇を噛み締める。
「自然破壊に繋がるのは発電方法が悪いだけであって、太陽光発電などの自然に優しいエネルギーを使えば問題は起きない。家庭でも設置できる時代になっているにも拘わらず、お前達一人一人がそれをしていない方が問題だろう」
「それは……」
 太陽光発電、など思いもよらなかったのだろう。一人が顔色を変え、狼狽え始めたその時。
「って……何この煙……」
 眉間に皺を寄せた中年女性が視線を向けた、その先で。
「寒い冬はさらに周囲の木に火を放って温まるのがいいわい。電気なんかよりこっちのが地球環境に優しいんじゃろうー?」
 しゃがみこみ、焚き火に手を翳すカヘル・イルヴァータル(老ガンランナー・e34339)がにへらと笑う。
「何をしてるの?!」
「焚き火に決まってるじゃろ」
 平然と言ってのけるカヘルに、中年女性は顔色をさっと変え、怒鳴る。
「何をそんな平気な顔で……自然破壊よ!」
 近くに木の無い地面を選んで焚き火をしているし、火をつけているのは拾い集めた落ち葉。万が一燃え広がってしまった時のために、消火のための砂も集めてあるし、ヒールグラビティも持参している。しかし、それはカヘルにしかわからない事情だから、彼女にわからないのは無理もない。カヘルは焚き火を消しつつ、肩を竦めた。
「しかし、焚き火は電気は使っておらんぞ。電気なんかよりこっちのが地球環境に優しいんじゃろうー?」
 のう、と尋ねるカヘルに、中年女性三人組はわなわなと唇を震わせ、そして。
「森林火災より、電気の方がよっぽどマシに決まってるわよ!!!!」
 金切り声で捨て台詞を残し、ぷんすか怒りながら林を去っていった。
「何だったんだ?!」
 状況が未だ飲み込めないらしいビルシャナは放置し、ケルベロス達は残った信者達へと目を向ける。
「電気代、勿体無いでしょ?!」
 そんな事を言う奥様に、笹月・氷花(夜明けの樹氷・e43390)は困ったように言う。
「節電は確かに家計に優しいけど、何も暖房まで消してまで家計の足しにする必要もないんじゃないかな?」
 そんな氷花に、奥様はカッと鋭い視線を向けた。
「節電すれば家計に優しいというが、寒さによる病気や怪我が起こりやすくなる事を考慮に入れていない。月々の電気代より医療費の方がよっぽど高いと思う」
 そんな奥様達に、ヒエル・ホノラルム(不器用な守りの拳・e27518)が溜め息を吐く。
「それは……」
 言い淀む奥様に、氷花は続ける。
「そうそう。暖房を消したせいで風邪をひいてしまったら、もちろん苦しいのは確かだし、病院に診察しに行く費用、薬代、それらの方がよっぽど電気代より大きくかかると思うよ」
 二人に諭され、奥様三人は互いに顔を見合わせ、治療費でどの程度かかるかざっと計算し、その上でスマホのアプリを立ち上げて、電気代を確認。その数字を見た瞬間、彼女達は青くなり、ケルベロス達に向き直る。
「薬代って、案外高いものね」
 暖房代で済むなら、安いものね。そう言いながら、三人はとぼとぼと林から出ていく。
「くっ、嘆かわしい!!」
 吐き捨てるビルシャナと、心底不愉快そうに顔を歪める高齢男性四人組。
「わしらは心変わりせんぞ」
 はん、と鼻を鳴らす高齢男性に、グレイシア・ヴァーミリオン(夜闇の音色・e24932)は、ふぅんと気のない風に返す。
「文句でもあるのか」
 喧嘩腰で睨み付けてくる高齢男性に、グレイシアはへらりと笑う。
「寒さなど気合いでどうにかなるなら、オレと寒さ比べしてみる?」
「ふん、寒さ比べじゃと。お前なんぞに、負けるものか」
 ふんと胸を張る高齢男性を横目に見つつ、グレイシアは服を脱ぎ捨てる。しっかりと寒冷適応を用意してきたグレイシアにとって、この程度の寒さ、何て事ない。
「ぬっ」
 眉間に皺を寄せる高齢男性達に、グレイシアはふふんと口角を上げる。
「ほらほら、乾布摩擦するんでしょ? やろうよ、この寒空の下でさ……」
 グレイシアに挑発されたはいいが、高齢男性達は服を脱ぐのに躊躇いがあるらしい。互いに顔を見合わせる四人に、カヘルがカッと目を見開く。
「脱げ! パンツ一丁になるんじゃ! 外に出る間そのままで居るが良かろう!」
 自分達よりは年下だろうが、対峙する一団の中では名実ともに最高齢のカヘルに言われ、四人はびしっと背筋を伸ばす。
「気合いでどうにかなるのなら衣服なぞ身を纏わなくとも良いじゃろう? 脱がぬならわしがその服を引き裂いてやるわい。そうして体調崩したら電気代より高い医療費が嵩むかもしれんのうー?」
「う、うるさいわい! 今、脱ぐところじゃ!!」
 ムキになって叫ぶ四人は、服を脱ぎ始める……上だけだが。
「きっ、気合いじゃー!!」
 そう言って、ビルシャナが配った布で乾布摩擦を始めた四人だが、がたがたと鳴る歯は、止まりそうにない。
「うぎぎ」
 がたがた震える四人を見つめつつ、無月は溜め息を吐く。
「冬に節電は、無理」
「何をっ」
 かたかた震えつつも、四人は言い返す。
「数分、数十分程度なら、暖房付けずにいられるかも、しれないけど、それ以上……全く付けずに過ごすのは、無理。出来ると思うなら、お前たちは冬の寒さを舐めている。たかが運動や乾布摩擦程度で、どうにかなるような代物じゃ、ない」
 震える四人の剣幕など気にせずに、無月は続ける。そんな無月の様子に、四人の動きがぴたりと止まった。
「北海道、とか……あるいはもっと、そう、地球で一番寒い場所でも、同じこと、言えるの? 凍死不可避、だよ」
 ばっさりと言い切られ、四人は互いに顔を見合わせる。しかし、それでも四人はめげなかった。
「ここはっ、北海道や南極では無いぞっ」
 言い返す四人に呆れつつ、ヒエルが口を開いた。
「寒さは気合いで何とかなるという言い分は分からないでもないが、乾布摩擦では生温い。俺と一緒に滝行で寒さに耐えられる肉体と精神を鍛えに行くべきだ」
「滝……」
 ぽかん、と間抜けに口を開く四人に、鈴城・咲(焔の拳・e56641)が畳み掛ける。
「寒さを気合でどうにか出来るなら、ぜひとも寒中水泳してもらいたいね……もしくは、疑似寒中水泳として、このバケツに入った氷水を被ってみないかな?」
 そう言って、咲が用意していた氷水のバケツを取り出すと彼らはヒッ、と悲鳴をあげ、飛び上がる。
「この氷水を被っても、なおかつ暖房に頼らずに耐えられるのかなー?」
「っ?!?!?!」
 四人は声にならない悲鳴をあげつつ、素早く服を拾い、走り出す。
「あ、スープとかカイロとか上着とか、いらないー?」
 途中、ぬるっと問うグレイシアの手からスープやカイロを奪うように受け取り、彼らは物凄い早さで林から逃げていく。
「節電は……乾布摩擦は?!」
「わしらはもう知らんっっ!!!」
 遠くの方からそんな叫びが聞こえて以降、彼らからの応答は無くなった。


「さて、一人だけになっちゃったね」
 呆然とした様子のビルシャナに、咲は告げる。
「何……」
 びくりと肩を震わせるビルシャナへ、咲は凍気を纏わせた杭を向け、そして。
「寒いのを我慢できるなら、これも我慢できるかなー?」
 杭を打ち込まれたビルシャナは、指先から凍りついていく。
「くそっ!!」
 ビルシャナは舌打ちをしつつ、手にした乾布摩擦用の布を握りしめる。そんなビルシャナへと、グレイシアは掌を向ける。
「その羽毛むしり取ってジャケットにしちゃうよぉ」
 それで、とっとと終わらせて、早く帰って炬燵に入る……炬燵愛好家のグレイシアは、一人決意を固め、ビルシャナを見据える。
「大気に満ちる空気よ、凍れ、氷の刃となりて、切り刻め……」
 グレイシアの呼び掛けに応じ、凍りついた空気は無数の針となり、ビルシャナへと突き刺さる。
「ぐっ……!!」
 斬り裂かれた羽毛は、ふわふわと林を漂う。ビルシャナはぐらりと上体をふらつかせるが、鋭くケルベロス達を睨み付け、そして。
「寒さなど……恐るるに足らずっ!!」
 物凄い勢いで乾布摩擦を始めれば、炎が燃え上がり、グレイシアへと向かっていく。
「魂現拳!」
 ヒエルの声に、サーヴァントの魂現拳が答える。エンジンを吹かし、グレイシアの前に立ち塞がると、炎をその身で受け止めた。礼を言うグレイシアに、魂現拳は僅かに頷くようにボディを揺らし、返事をする。
「節電自体が悪いという訳ではないが、人の意思を歪めるのは見逃せん」
 未だ炎を放ち続けるビルシャナへ、ヒエルは氣を纏った足を振り上げる。
「お前の行動力を封じる」
 そして、ヒエルの蹴りは、ビルシャナのみぞおち部分に入った。
「よくもまあ、こんな独創すぎる方法で侵攻かけるわね」
 ぐらりと上体を傾けるビルシャナへ、響花が距離を詰める。そして、ぐっと構えた拳を、超低温度にまで冷やしていく。
「躊躇わず……討つ」
 迷いなく突き出した拳は、ビルシャナの横っ面にクリーンヒット。
「ごべぶっ」
 ビルシャナが吹き飛んでいくその隙に、カヘルは弾丸を六発込めたリヴォルバーを、ダメージのある魂現拳へと向ける。
「痛みはあるが我慢じゃ」
 癒しの力を込めた弾丸は全て魂現拳に命中し、傷は全て回復するものの、痛いことは痛い。微妙な動きをする魂現拳を横目に、カヘルは慣れた手つきで素早く排莢し、新しい弾丸を装填していく。
「させるかっ」
 肘を突き、素早く起き上がったビルシャナは反撃すべくケルベロスへと走るが、そこへカヘルの相棒のボクスドラゴンが立ち塞がる。
「くっ」
 咄嗟に身を捩るビルシャナだが、ボクスドラゴンの動きの方が早かった。ボクスドラゴンは愛用のリヴォルバーを向けるが否や、ボクスブレスで攻撃を加えていく。なんとか防御の姿勢を取るビルシャナへと、氷花が真冬の夜を思わせる冷気を纏ったナイフを閃かせながら肉薄する。
「あはは♪ 貴方達を皆、真っ赤に染め上げてあげるよ!」
 輪舞を踊るように振るわれる刃は、木漏れ日を反射しつつビルシャナを切り刻んでいく。
「がっ」
 ぐらりと姿勢を崩すビルシャナへと、無月が駆ける。
「……行こう。華空……わたし達の力、刻んで果てて……!」
 満点の星空のような色合いの重鎗は、ビルシャナの姿を映して一瞬鮮やかに煌めく。刹那、繰り出された縦横無尽の突きに成す術もないビルシャナへと、ミントが弾丸を撃ち込んでいく。
「がっ」
 がくり、と膝を突くビルシャナへと、ミントが告げる。
「これで、おしまいです」
 武器を持ち替え、鎖付き棘鉄球を手にしたミントは、ビルシャナへとトドメの強烈な一撃を撃ち込んだのだった。


「燃えた所はこれで跡形も無いのぅ」
 満足げに胸を張るのはカヘルとボクスドラゴン。自分が焚き火をした跡をしっかりとヒールで直し、ついでに剥げた地面に落ち葉を乗せれば、幻想で覆われている他は殆ど元通りだ。
「こっちは終わった」
 淡々と報告する無月に、ミントが頷いた。
「こっちも綺麗になりましたよ」
「確かにこの冬場はどうしても電気代が多く掛かってしまうって言うのはわかるけど……でも、暖房を消してまで節電するのは、やりすぎだもんね」
 ぽんぽんと砂埃を払いながら、氷花は溢す。節電は、無理のない範囲で。これが多分、一番良いのだろう。
「まぁ、確かに暖房に頼りすぎるのは良くないのは同意だったけど、この真冬の寒い時期くらいは、暖房に頼らざるを得ないよね」
 頷きながら、咲が答える。下手すると凍死してしまうし、と肩をすくめる咲に、ヒエルもため息を吐く。
「考え方が偏りすぎなんだろう。だからこそビルシャナになるのだろうが」
 ヒエルの意見に頷きつつ、ケルベロス達は林の出口の方へと足を向ける。
「一般人の誰かにカイロをあげようと思ってたんだけど……誰もいないわ」
 何処と無く残念そうな響花に、グレイシアは肩をすくめる。
「きっと今頃家でぬくぬく……炬燵にでも入ってるよぉ。オレも早く帰って炬燵に入りたいなぁ……」
 寒冷適応があるとは言え、寒いのが平気なのと炬燵がいらないのとはイコールではない。なんせ、グレイシアは炬燵と共に移動したいくらいには炬燵を愛しているのだから。
 帰ったらどうしよう、などと話しながら、ケルベロス達は帰っていく。冬の短い日は、もう既に夕の色を帯び始めていた。

作者:あかつき 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年12月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 3
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