火群らの鳥

作者:baron

『ケェーッ』
 山に火が灯ると、一瞬、大の文字に見えた。
 それだけ大きな炎が、空を染め上げたのだ。
 そいつが町に近づくにつれ、火の粉が散っていくのが見える。
 それだけではない、運の悪い樹が燃え始めたのも見て取れた。
『キィーン!』
 町の中にやって来たソレは、炎の翼を持つ鳥だった。
 白炎に身を包み翼の色は青白く、尾を引く様に赤い炎をまきちらしながら現れる。
 そして家屋を次々に焼き払い、近くにあった学校を強烈な炎の嵐で焼き焦がしたのである。
 子供達が火達磨にまるか、身動きできずに焼き殺されて行く中……。
 そいつは歪み始めた空を通って、何処かに消えてしまった。


「広島県北部の町に炎の鳥が現れます」
「鳳凰? それとも不死鳥かな?」
 セリカ・リュミエールの言葉に、御門・美波(断罪の少女・e34803)が首を傾げた。
 一度無邪気な仕草を見せた後、モチーフくらいだよね。と自分で納得してしまう。
 もっとも彼女が調べて来た資料から予知できたことなので、自分の中で何度も確認していたのかもしれない。
「山の中に封印されており、グラビティが枯渇して居たので常に全力を奮うのは難しい様です。しかし放置すれば人々を虐殺した上で、グラビティを補給してしまうでしょう」
 そんなことはさせられないので、退治して欲しいとの事だった。
「避難も完了しているから、美波たちは建物を足場に戦っても良いんだよね?」
「ええ。イザとなればヒールで修復できますからね」
 建物を利用しても死角を突くのは難しいが、サインを出したり敵味方の様子を確認うするのはやり易くなるだろう。
「このダモクレスは基本的に、炎を操って攻撃してきます。炎の翼や炎の嵐などですね」
「ということは他には使わない? それとも何かの状件で変わるのか?」
「変形とかしてくれたら面白いんだがな」
 セリカの言葉にケルベロス達は不敵に笑った。
 とはいえダモクレスといえど変形するのは珍しい、攻撃パターンが変わるくらいだが。
「氷の攻撃を受け続けると、炎を使い続けるのはエネルギーが惜しいと判断する様ですね。特に能力が下がる筈は無いのですが、好みの問題か格闘攻撃を重視するように成る模様です」
「あー気分は判らんでも無い」
「能力的には変わらないけど、嫌な気分ではあるよね」
 グラビティなので氷漬けだからといって、体力はともかく能力が下がることは無い。
 だが無理に使い続けるよりは、体当たりや嘴などで戦うらしいのだ。
「罪もない人々を虐殺するデウスエクスは放置できません。よろしくお願いします」
「無理のない範囲で何とかしてこようかな。でも不死鳥じゃないなら純攻撃型だし、大丈夫だと思うんだよね」
「そりゃな。まあ巨大型の純攻撃ってのも面倒じゃあるが」
「人々の命が掛って居るなら、その辺を怖がるメンツはいないさ。どちらかといえばスケジュールの方かな」
 セリカの言葉を美波がフォローすると、ケルベロス達は笑って相談を始めた。


参加者
メリルディ・ファーレン(陽だまりのふわふわ綿菓子・e00015)
四乃森・沙雪(陰陽師・e00645)
御門・美波(断罪の少女・e34803)
ユーデッカ・フルコト(ノーブルロア・e37749)
ルエリラ・ルエラ(幸運エルフ・e41056)
逸見・響(未だ沈まずや・e43374)
一切・道楽(マンイーター・e47780)
エリカ・ロシニョール(純白の夜鳴鶯・e72002)

■リプレイ


「緋色の鳥……いえ、冗談ですけれども」
「……?」
 空を見上げて一切・道楽(マンイーター・e47780)はポツリと呟いた。
 仲間達は最初、何のことか判らなかったが……。
 ダモクレスを見付けたのだろう。彼方から赤い鳥がやって来ている。
「まぁ、最初から焼けているなら調理の手間も省けそうですが……食べられない? 残念です」
「猫じゃあるまいし」
 人が居ないか確認しつつワイヤーを仕掛けて行く道楽の言葉に、ルエリラ・ルエラ(幸運エルフ・e41056)はジト目。
 なお、猫耳型記録デバイスで音や画像を集め、猫尻尾デバイスにバランサーやナイフを仕込んで居るのは彼女の方。
 道楽はその様子では無く、内臓のような血の赤を思い出して……ねこです。と呟いた。
「……? まあいいか」
 ルエリラは少しだけ首を傾げたものの、過去に何かあって思い出したくないのだろうとマイペースに判断した。
 そして殺意を広げることで、学校へ誰も入って来ない様に結界を築き上げる。

 段々と近づいてくる炎のダモクレスを見上げ闘いへと意識を集中させて行く。
「鳥型のダモクレス、しかも鳳凰……格好いい」
「こう見てみると、様々な色の炎で美しくも思えるな」
 逸見・響(未だ沈まずや・e43374)とユーデッカ・フルコト(ノーブルロア・e37749)はその姿に思わず溜息を洩らした。
 白い炎に包まれ、羽ばたく翼の先は青、温度の低い尾は戦場を赤く両断して居る。
「惜しいのはあれがダモクレスで、オブジェではないところか……」
 自らも飛んで絶好の位置を探して居たはずのユーデッカは思わず翼を休めた。
「嫌いじゃない。ダモクレスじゃなかったら持ち帰りたかったな……」
 響も可燃物を拾い集めていた手を休めて、大物以外は戦闘後にしようと拾うのを止める。
「火の鳥、ね……まぁ何にせよ。撃ち落とすだけよ」
「今回はちょっと変わった敵だなぁ。本物の不死鳥じゃなくてよかった」
 そんな二人の気も知らず、御門・美波(断罪の少女・e34803)は楽しそうに銃の手入れを終えた。
 メリルディ・ファーレン(陽だまりのふわふわ綿菓子・e00015)はその姿に射的を思い浮かべて、帰りに屋台でお菓子でも買おうと心に決める。


『ケェーッ』
 火群の鳥が羽ばたくと炎が溢れ出した。
 青白い炎が四方に、熱風が巻き起こる。
「大丈夫ですかね……一般人の方。巻き込むのは本意ではありませんし、スマートとは言えません」
「避難は済んでいます。ならば……後はやるのみですね」
 道楽はバイハンドの一切悦楽と共に仲間を庇いながら、念の為に周囲を確認。
 四乃森・沙雪(陰陽師・e00645)はその言葉に頷きつつ、息と共に意気を整える。
「でも流石に……前もって対策をしても、伝わってくる熱はすごいですね……」
 同じ様にカバーしてもらいながら、エリカ・ロシニョール(純白の夜鳴鶯・e72002)が汗を拭った。
 冬の寒さが嘘の様に戦場に定めた場所が乾燥して行く。
 予め対策をしていなければ、暑さで大変だった所だ。
「あの炎が、街を燃やしてしまう前になんとかしませんと……確か凍らせれば炎を使わなくなるんでしたっけ」
「うん。これ以上暴れないようにしないと」
 エリカの言葉に頷きつつ、メリルディは指先に凍気を集めた。
 そろそろ良い頃間い……射程に入り次第攻撃に撃ち落とす。

 ケルベロス達はソレを合図にしたかのように、一斉に動き出した。
「ここですね……陰陽道四乃森流、四乃森沙雪。参ります」
 沙雪は深く静かに呼吸を重ね、やがて細く長く切り捨てる。
 指先で剣印を組み、刃の腹を撫でるようにして走り出した。
「この一撃、そう簡単に見切れると思うな……」
 そして渡り廊下の屋根を足場に校舎の屋上へ。白い炎の中へ振り切り降ろす!
「まずは動き?」
「了解。定番だからといって……不精に亘る勿かりしか」
 ルエリラが校舎の陰へ回り込んだのを見て、響は援護の攻撃に入った。
 唱え始めれば、周囲に氷の氷柱が現われ居出る。
「貴方の名前は分からないが貴方が成した行いは不滅である……この氷も効くかな?」
 響が指を弾くと、六弁の花の様が如き氷柱はミサイルの様に射出されて行く。
「このまま、とまって」
 ルエリラはピョンピョンと校舎の窓やバルコニーを跳ねながら下から上へと加速し、赤い鳥を蹴り飛ばしたのだ。
 そして身を翻すさ中に、ダモクレスではなく仲間の方を見詰めた。
「でばん」
「その炎の翼、吹き飛ばしてアゲル! 目標ロックオン……ふふっ♪凍っちゃえ!」
 ルエリラが落下して行く中で、美波は敵の翼を一条の光で貫いた。
 ライフルから放たれる冷凍光線が炎を切り裂き、火の粉が羽毛の様に舞い散っていく。
「このまま行きたい所だが……。っち。もう少し動きを止めないと駄目か」
 ユーデッカの攻撃は残念ながら外れてしまったが、何とかなると言う手応えは感じた。
 最初の状態だと半々だというイメージだったが、仲間達が攻撃を浴びせて行くごとに余裕が生じて来たのだ。
 追い込むことに成功すれば何とかなるだろう。
「ミネットは援護お願いしますね。……秘密の扉を叩いた、毒りんごのタルト♪」
 エリカはナノナノのミネットにひとまずの治癒を任せ、祈る様に手を組み上げると目を閉じて唄い始めた。
 透き通った声の白き夜鳴鶯は大気を切り裂く様に冷気を放ち、あるいは炎の猛りを沈めるように唄い続ける。
「当たりましたか。なら作戦通りいけば何とかなりそうですね」
 道楽はグラビティで作った弾を撃ち込みながら、全てで派内が何発かが上手く命中したのを確認した。
 これは先ほどのユーデッカの狙いの続きとも言えた。道楽と彼女の差はそうないが、ここで攻撃を当てることが出来たのは唯の運だ。
 時が巡ればもっと上手く戦うことが出来るだろう。


 それから数分が過ぎ、敵は炎による攻撃を使わなくなった。
 一同の作戦があったのか気まぐれかはまだ判らない。
「上手く行ったなら、これが最後の火傷でしょうか」
 エリカが輝く翼を広げると、火の名残は暑さだけになっている。
 炎の嵐が吹き荒れた時は威力も強いので大変だったが、時間を掛ければ傷も炎も消せないほどでもない。
「キュアも無かった筈だし、今も使って無いからそうなんじゃないですかね」
 道楽は念の為にもう一度、剣戟に凍気を込めて振り下ろした。
 次に火炎攻撃を撃たねば問題無いだろうと思いつつ、刀を元の位置に振りあげて防御態勢を取る。
 戦闘の序盤と違って当たるように成って来たし、そろそろ本格的に攻勢な切り替えても良いだろう。
『キエーッ!』
 そしてダモクレスは機械の羽を動かして、今度は恐るべき勢いで突進を掛けてきた。
 その姿はまるで戦闘機が突っ込んで来るかの様で、先ほどまでとは別種の凄まじさが感じられる。
「もうっ。これはこれで面倒ね。とりあえず逃がさないようにしないと」
「できればこの周囲までで留めたいですね。勢いを殺して行くとしましょう……我が一刀は空を断つ」
 メリルディは盾役の後ろから飛び出ると、棍を伸ばして校門の前に立ち塞がった。
 同じ様に沙雪も進みでて、横合いから空間ごと切り裂いて敵の護りの上から叩きつけて行く。
「今度は逃がさない様に、か」
 響は友人達だけでなく、仲間やサーヴァントも含めたフォーメーションを確認し直した。

 敵は飛んで……というか浮遊しているので完全ではないが、何とか正面側を囲んでいる様に見えなくもない。
 ならばとメリルディと同じ様に校門の反対側に回り込み、棍を伸ばして首筋に打ち込んだ。
「今の内に」
「……ん、わかった」
 響が時代劇の様に抑えつけようとした所へ、ルエリラは尻尾に仕込んだナイフで斬りかかった。
 ただし、狙うはその手前。ステップを効かせて相手の動きを予想して刃を置いておく。
「待ってました。ふふっ♪ 吹き飛んじゃえ!」
 美波は拳銃とライフルを構えると、当たるを幸いにバンバンと連射して行く。
 いや、それは違う。適当に狙ったのではなくソレは爆裂弾。途中で弾けて進路方向に放射状に拡がって行ったのだ。
 敵はむしろ弾丸の雨の中に飛び込んで行ったかのようであったと言う。
「……この感じだ。わたしの居場所は此処だ。最前線――ここしかないのだ」
 ユーデッカは剣林弾雨の中を走り抜け、機械の鳥とスレ違う様に突撃を掛け装甲を削り落して行く。
「大丈夫です?」
「悦楽も盾役ですしね。強力な攻撃とは言え、一撃では」
 体当たりを受けたビハインドに気力を移しながら、エリカはキョロキョロと戦場を確認した。
 巨大なダモクレスが何処かへ……そう思った時、道楽をくわえ噛み砕こうとしていたのだ。
「残念ですが、こちらの方が一足先ですね」
『クウェー!』
 道楽はガシリと腹を抉ろうとする嘴に向けて、悦楽と共に刃を突き立てた。
 相殺では無く先制攻撃。シッカリとした手応えを感じた後……鋼の嘴が報復に訪れたのである。
「放しなさい! ……行くわよ。攻撃と同時に脱出して」
 メリルディは小瓶に入れた金平糖を再び取り出して投げつけた。
 ソレはグラビティによる流星雨と化してダモクレスに叩きつけられ、敵が身をよじる間に道楽は刀を杖代わりに脱出を果たす。
「炎を封じたのは第一歩ということですか。しかし、そうと判れば次の手を打つだけの事」
 沙雪は軽いため息を吐いて気合いを入れ直す。
「鬼魔駆逐、破邪、建御雷! 臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!」
 籤を切り意志を集中させると刀印を組んだ指先に光が零れる。振りかざせば重さの無い剣の如く。
 ケルベロスに取ってこの程度の苦戦はいつものこと、ならばソレを抑え込む術など幾らでもあると切りつけて行った。


「進路を阻みますよ」
「ここで止めれば被害は出ないもんね」
 更に時間は過ぎれば相手の手の内も読めて来る。
 道楽と美波は格闘モードのダモクレスに範囲攻撃が無いと知って、顔面の前へ挟み込むように走り込んだ。
 確かに相手の攻撃は強力なのだが、連続で攻撃を受けねば良いし、受けた方へ治療を集中させれば問題無い。
『クウェー!』
「痛っ。美波のことを本気で怒らせたわね……全力で葬ってあげるわ」
 美波は突撃を受けて一緒に空中を移動しそうになるが、軽く蹴りを入れてその場を離れる。
 入れ替わりに仲間へ場所を譲ることで、射線を通し、同時に動きを止めた。
「もっかい行くよ。止まれっ」
 メリルディが時間を止めるとダモクレスの動きが一瞬停止、その隙を逃すことなくケルベロス達は一気に襲い掛った。
 校舎の屋上から降下する剣士の左右に、無数の氷柱が連なり機械の鳥を大地に縫い留める!
「両儀を分かち、四象は八卦に至る」
「串刺し。焼き鳥にしてあげる……って元からか」
 沙雪が空間を割くと、響の放った氷柱は四方に散った。
 以前に放ったモノと合わせて完全に動きを止め、余熱で温められた氷はジワリと校庭を濡らしてダモクレスを泥だらけにすらしてしまう。
「……Ⅵ」
 ルエリラが掴んだ弓は光と重力による複合弓と化した。
 そしてもう片方の手を空に這わせると、巨大な氷が一本の矢に。
 氷の矢が着弾し、敵を内側から凍らせながら炎ではなく氷の羽や尾を形成して行く。
「そういえば、そろそろ全力?」
「これが正真正銘、全力だよ? って全力攻撃……は無いんじゃない? 多分逃げる前に使うタイプだと思う」
 ルエリラの言葉は忠告だろう、美波はダモクレスの全力攻撃の備える意味もあり、治療と付与を兼ねて力を開放した。
 体がナニカの色合いに染まるかのように、禍々しい紋様が体に刻まれ始める。
 最初は傷口だけだったのに、経文や呪文を全身に書き付けたかのようだ。
「逃げる前なら間に合わないか……いいや、来い。むしろ来い。私に生を感じさせてくれ。戦う事でしか己を確認できない私に、もっと私を焼き付けさせてくれ!」
 ユーデッカは後者の窓を撫で、そこからナニカを出現させた。
 先ほどは外してしまったので良く判らなかったが、今度は良く判る。光の陰に隠れていたソイツが尾を伸ばして攻撃して居たのだ。
 あまりにも早過ぎて反射でしか目に捉えられなかっただけの事。
「ちょっと怖いですけど、全力攻撃がないなら何とかなりそうですね」
 エリカは気力を奮いたたせ、ミネットと一緒に美波の治療に当たる。
 火炎攻撃と違って威力は大きいが余波が少ないので、リカバリーは楽でいい。
 全力攻撃が無いのであれば問題無く倒せるだろう。というよりも、攻撃特化ゆえか七分目よりも先に倒せそうなのだ。
「来ますよ。……これで止まってくれればいいんですが……そうもいきませんか」
 道楽は敵の顔面に銃弾を浴びせながら呟いた。
 戦闘開始当初と違って当たるように成って来たが、流石に運よく攻撃が止まるほどの事ではない。
 このままでは大打撃を受けると理解はしたが……まあ傷だけなら問題無いだろう。汚染されてデウスエクスに成ったりはしないのだ。
「こんなものですか。痛いですが全力では無いので安心とでも言っておきましょう」
 道楽は他人事の世に噛みついてくる嘴へ刀を挿しこんで急場をしのぐ。
 見れば仲間が最後の攻撃に出ている。我慢するほどの事は無いだろう。
「ちょっと痛いよ。当たらない様に注意して居てね」
 振動くらいは我慢してもらおう。
 メリルディが投げつけた金平糖が流星と化してダモクレスを打ち砕いたのである。

「きちんと死んでくれるんだもの……不死鳥はやっぱりただのモチーフだったみたいだね? 主よ、永遠の安息を――せめて、これからは安らかに」
「終わりましたか。修復をして帰りましょうかね」
 美波はホっと一息を吐いた後に祈りを捧げ、沙雪は指を弾いて不浄を払う。
 そして霧や符を出して修復を始めた。
「全力攻撃が無いのは残念だったな」
「私は安心しましたけどね」
 ユーデッカが残骸を持ちかえながら整理して行くと、エリカは傷口を診ながら周囲を確認して行く。
 もう少し早く終われば一曲分で終わったのに。と思いながら、無事に終わった事自体は喜ぶことにした。
「大体のものは良く焼けば食べられる、そう思いませんか。お腹が空いてしまうと余計です、齧るだけなら、大丈夫な気がしますし」
「流石に無理なんじゃないかな?」
 道楽が残骸を残念そうに見つめていると、響はパタパタと手を振った。
 とはいえ無表情の裏で、不死鳥で無限再生する肉とか面白そうだ。と思う辺り実の所、思考回路に差は無いのかもしれない。
「こんなものかな?」
「みたいだね。何かおいしいモノあるかなあ」
 ルエリラが作業の終了を告げると、メリルディはお土産を探す事にした。
 確か黒砂糖を塗ったお煎餅があったよねえ。とか言うと、誰かがお肌に塗るやつだと言ってショックを受けたり。
 そんなこんなで笑いながら一同は修復した学校を後にするのであった。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年12月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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