竹の軍団

作者:紫村雪乃


 墓場を思わせる静寂の満ちた市街。
 人気の絶えた街並みに響くのは吹き荒ぶ風の音だけだ。その風の中を進む八つの影があった。
 人型の姿形を持つそれは、建物の陰から陰へ素早く移動。先頭の影が前方の状況を確認すると、後方に手による合図を送り、他の影を呼び寄せた。軍隊で使うハンドシグナルというやつだ。
 彼らの全身は竹であった。無論、人間ではない。デウスエクス──攻性植物だ。
 刃を持つ個体がいた。銃を持つ個体もいる。他に槍を持つ個体。武装は様々であった。
 その彼らの目的は二つ。
 一つはケルベロスの潜入を警戒することであった。
 そしてもう一つ。それは緩衝地帯に隣接する市街地を攻撃し、支配地域を拡大するというものであった。


「大阪城への潜入作戦は無事成功し、貴重な情報を持ち帰る事ができました。これらの情報は、今後の大阪城の攻性植物との戦いに生かされることでしょう」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)はいった。
「しかし大阪城への侵入を許した事で、攻性植物の警戒レベルもあがってしまったようです」
 現在、大阪城周辺の警戒区域に竹型の攻性植物の軍勢が展開が確認されている。彼らは大阪城へ接近するケルベロスを警戒すると共に、大阪市街地への攻撃を行い、支配エリアを拡大させる事を目的としているようであった。
「その竹型の攻性植物を撃破すればいいのね」
 凄艶な美女がいった。和泉・香蓮(サキュバスの鹵獲術士・en0013)である。
「はい。敵となる竹型攻性植物は八体。無人の市街地を索敵しつつ進んでいます」
 敵はケルベロスの侵入がないと確認すれば人のいる市街地へ攻撃を開始するだろう。そのため、緩衝地帯で確実に迎撃する必要があった。
「敵は隠密行動をしつつ、索敵によりケルベロスを発見しようとするでしょう。対抗するために、こちらも隠密行動をしつつ索敵により攻性植物を発見するようにしなければなりません。もし無策で臨んだ場合、敵に先に発見されて奇襲攻撃されることは免れないでしょう」
 敵は戦闘時に連携をとり攻撃してくる。戦力的には互角であった。それは、とりもなおさず奇襲に成功した側が非常に有利となるということである。になります。索敵段階から最大限の警戒を持って当たってくださいね」
 セリカは資料を示した。高いビルと低いビルが隣り合っている。道路が縦横にはしっていた。
「別行動を取るとすぐには合流できなくなりそうね」
 香蓮が目を眇めた。
「そうですね。その点も注意が必要ですね」
「注意、か。ともかく誰かがやらなくちゃならないんでしょ。それがてきるのはケルベロスだけなんだから」
 香蓮は片目を瞑ってみせた。


参加者
日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)
皇・絶華(影月・e04491)
彼方・悠乃(永遠のひとかけら・e07456)
チェリー・ブロッサム(桜花爛漫・e17323)
盟神探湯・ふわり(悪夢に彷徨う愛色の・e19466)
神居・雪(はぐれ狼・e22011)
上里・藤(黎明の光を探せ・e27726)
ユーディット・アルニム(装甲砲士・e29597)

■リプレイ


 足音をたてずにビルの角に忍び寄り、その女は壁に背をつけた。
 二十歳ほど。野獣を思わせる鋭い目をした娘である。エゾオオカミの耳があるところからみて、ウェアライダーであろう。
 神居・雪(はぐれ狼・e22011)。ケルベロスであった。
 雪は徐々に角度を変えて角の先を確認した。カッティングパイという索敵手法である。
 敵影は無い。
 そう判断すると、雪は手で合図した。ピンクのロップイヤーを揺らして走り寄ってきたのはチェリー・ブロッサム(桜花爛漫・e17323)という名の少女だ。彼女はロップイヤーラビットのウェアライダーであった。
「竹の兵隊は?」
 チェリーはひょこっと顔だけ覗かせ、すぐに引っ込めた。こちらはクイックピークという索敵方法である。
「いないみたいだね」
 呟くと、チェリーは顔を雪にむけた。
「ねえ。竹の兵隊ってなんか軽そう……中になにか詰まってるのかな!」
「さあな」
 ぶっきらぼうに雪がこたえた。
 その雪の素っ気ない態度を、しかしチェリーが気にした様子はなかった。いつものことであり、本当は根は優しくて面倒見がいいことをチェリーは良く知っている。
「狩るか狩られるかってことか。……ま、そう簡単に狩られるつもりはねぇけどよ」
 雪はちらりとチェリーを見やった。
「心配はあまりいらねぇだろうが、一応気をつけろよチェリー」
 雪は忠告した。
 そうそう。気をつけるんだぜ。
 そう胸の内でつぶやきつつ、天空を思わせる鮮やかな蒼髪の若者が、良く光る銀色の瞳で前方を見渡した。周辺は静寂に包まれている。
「……人気の無い街並みってのは寂しいもんだな…。かつては人が住んでいた痕跡がそこら中にある分、余計に寂寥感があるな…」
 額には真紅のバンダナ。背中に『風の団』の紋章を入れたジャケットをまとった若者――日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)はいった。そして視線をはしらせる。
 彼が探っているのは物陰になりそうな物が不自然になくなっていないかであった。もしあるなら、それは攻性植物達の索敵範囲に入ったことを意味する。
 ここには、ないか。
 蒼眞がハンドサインで合図すると、四人の男女が動いた。皇・絶華(影月・e04491)と盟神探湯・ふわり(悪夢に彷徨う愛色の・e19466)、上里・藤(黎明の光を探せ・e27726)とユーディット・アルニム(装甲砲士・e29597)の四人である。
 左方のビルの角についたのは絶華であった。彼は事前に地図を入手していたのであるが、やはり所々で変わってしまっているようだ。
 攻性植物はやはり謎が多いな。
 心中、絶華はつぶやいた。
 植物故に私達とは思考回路が全く違うと思っていたが、このような軍隊紛いの真似や時に人間の如き振る舞いもする。結局は取り込んだ存在や今迄の進化の過程でそのような結果へと至るのだろうか。
「まぁ…考えて詮無き事か」
 冷然たる顔で絶華は軍用の双眼鏡を手にとった。目にあて、ビルの間を視認する。
 敵影なし。
 ハンドサインで仲間に知らせる。すると右方のビルの角についていた勝気そうな少年が手鏡を手にした。わずかに角から突き出し、映る景色を探る。何者の姿も映ってはいなかった。
 そろそろ大阪を返してくれないかな。家に帰れなくて困ってる人が大勢いるんだ。ここ、前は人が住んでた場所だったんだぜ。お前らの畑じゃねぇんだよ。
 唇を噛み、少年――上里・藤(黎明の光を探せ・e27726)は足音を殺して前に進んだ。
 ケルベロスたる藤にもやはり悩みがあり、夢もある。普通に生きている人々なら尚更だ。その生活と日常を奪ったデウスエクスを彼は許すつもりはなかった。
 その時、ユーディット・アルニム(装甲砲士・e29597)は地下に降りる階段を覗き込んでいた。おそらくは地下鉄の改札に通じるものであろう。
 フィルムスーツのためにくっきりと浮き上がった大きな乳房をゆらし、ユーディットは階段に足をかけた。薄紅色の硬玉のような瞳を巡らせる。
 兵法の常として、互角の戦力では先手有利が必定。これは常に気を抜けない戦いになりそうだ。
 その思いを美麗な顔にユーディットは隠した。
 その後をついていく少女の姿があった。まるで散歩でもしているかのようなのほほんとした様子で。
 綺麗な少女であった。どこかふわふわとした感じがあり、妖精を思わせた。
 名を盟神探湯・ふわり(悪夢に彷徨う愛色の・e19466)というのだが、どうも索敵に飽きているようで、先ほどからキックーを取り出してサクサクと音たてて食べている。
「竹さんとかくれんぼするの、楽しそうかもなの! ふわりがすぐに見つけちゃうのー」
 ふわりの顔に悪戯猫のような笑みがいた。すう、と手を伸ばす。そして素早くユーディットの乳房を掴むと、乳首を摘んだ。
「きゃあ」
 冷然たる彼女には似合わぬ悲鳴が、彼女の意思を裏切って迸り出た。


 彼方・悠乃(永遠のひとかけら・e07456)は天使のごとき純白の翼を広げ、空を翔けていた。優しげで美麗な顔立ちと相まって、その姿まさしく天使のようだ。その悠乃は蒼色の介護服をまとっていた。
「竹型攻性植物たちは緩衝地帯の建物などを利用し隠れつつ移動してくるはず」
 悠乃ははビルが連なって建っている辺りに視線をむけた。
 その時だ。下方から声が響いた。
「なに?」
 慌てて悠乃は視線を転じた。声は仲間のもののようである。
「まさか――奇襲!?」
 愕然として悠乃は急降下した。

 慌てたのは市街地に散ったケルベロスたちも同じであった。慌てて身を伏せると、それぞれの位置を確認、ハンドサインを送る。
 異常なし。いや――。
 ハンドサインを返さない者がいた。
 二人。ユーディットとふわりだ。
 二人はどこだ?
 問うハンドサインに答えたのは絶華だ。彼は二人が地下鉄に続き階段に姿を消したのを見ていたのである。
 それでは地下鉄で奇襲を?
 合図を交わし、五人のケルベロスたちは足音を殺しつつ走った。その様子を降下しながら視認していた悠乃であるが。
 視界の隅。何かが動いたような気がした。
 刹那である。悠乃の肉体を激痛が貫いた。
「ああっ」
 バランスを崩した悠乃は地上に落ちた。激突する。
 雷鳴めいた轟音は三つした。銃声である。他に銃弾に撃ち抜かれたのはチェリーと蒼眞であった。
「くそっ。どこから撃ってきやがるんだ?」
 着弾の衝撃に倒れるチェリーをちらりと見やってから、雪は視線を素早く走らせた。
 その時だ。何かが彼女の足元に落ちた。
 それが爆弾だと気づくより先に、雪は倒れたチェリーにむかって跳んだ。覆いかぶさる。
 ドォン。
 地を揺らし、爆弾が爆発した。

「ちいっ」
 ユーディットが階段を駆け上がった。飛び出そうとする彼女を、しかし止めたのはふわりである。
「隠れんぼしてるのに、出ちゃだめなのー」
「くっ」
 唇を噛み、ユーディットは身を伏せた。


 八体の攻性植物が前進。戦域に侵入してきた。当然であるが、すでに隠密状態を解いている。
 その時だ。突如、濃密な煙が渦巻いた。ユーディットが放ったスモーク・グレネードである。
 先頭の攻性植物が足をとめた。はっとして槍を構える。が、遅い。
「見つけたのー」
 可憐な声が聞こえたのは、ふわりが腕を大型砲台に変形し、混沌の砲弾を放った時であった。爆発の衝撃に攻性植物が吹き飛ばされる。
 刹那、眩い光の軌跡が奔る。絶華が地を蹴って跳び、斬狼なる靴で宙を駆けていた。
 そのまま美しい煌めきを生みながら、絶華は吸い込まれるように敵へ。倒れて無防備だった脳天を烈しく蹴り抜き、その一体の頭蓋を四散させた。
「攻性植物って、何かに寄生してるもの以外はもっと単純で原始的なデウスエクスだと思ってたけど、こいつらは全然違うんだな…」
 藤は少年らしい表情の中に、どこか刃物のような鋭い光のようなものを秘めていた。
 瞬間、藤の手が眩く輝いた。その手の中に現出した巨大な槍が光っているのである。
 それは落雷への畏怖の顕現であった。 古代より人類が神の力と信仰してきた現象をグラビティにより藤が三次元に翻訳したのである。
「畏れろ」
 藤は雷槍を投擲した。雷鳴にも似た轟音を撒き散らし、紫電の尾をひいて疾ったそれが敵を貫く。
 と、銃声が響いた。肩を撃ち抜かれた藤がよろめく。絶華もまた。
 藤めがけて攻性植物が走った。その手には槍が握られている。
「そうはさせません」
 地を青い風が疾った。悠乃である。長い黒髪を翻し、悠乃は槍を繰り出そうとしている攻性植物に迫った。
 煌く蹴撃。それは規格外の破壊力を秘めていた。蹴り飛ばされた攻撃植物がビルに激突する。さらにコンクリートに銃弾がはねた。ライドキャリバーが弾丸をばらまいたのだ。
「う……」
 チェリーが身を起こした。彼女を庇って倒れている雪に気づく。
「ありがと。大丈夫?」
「ああ」
 瓦礫や粉塵をを落としながら雪が身を起こした。傍らでは蒼眞が気を失って倒れている。
 チェリーは満月にも似た白銀の光球を生み出し、放った。包まれた蒼眞が薄く目を開く。
「くそっ。爆弾までもってやがるのかよ」
 痛む頭を振りながら蒼眞がごちた。


 摩擦熱で生じた炎を街路面に刻みつけ、雪は疾った。疾風と化して迫った彼女の足がはねあがる。炎をまとわせた強烈無比な蹴りだ。衝撃に、さらに攻性植者の身がコンクリート壁にめり込む。
 同じ時、彼女のサーヴァントであるイペタム――ライドキャリバーは三体めの攻性植者にむかっていた。燃え盛る炎をまとって突撃する。
 無声のまま攻性植者が竹槍を突き出した。鋭い先端は鋼を超す強度をもっている。突き刺されたイペタムが横転した。
 その時だ。攻性植者は迫る蒼眞に気づいた。槍をかまえなおして迎え撃とうとする。が、蒼眞が間合いを詰める方が早かった。
「遅いんだよ」
 きらと光るの抜刀された斬霊刀の刃だ。空の霊力をまとわせた一閃が空間ごと攻性植者の胴を薙ぐ。
 一体がよろめく間に、後衛の攻性植者が狙撃を試みようとした。が、そこへはチェリーが立ちはだかり、弾丸を受け止めてみせた。
 同時、チェリーは抑え込んでいた狂気を解き放った。黒い瘴気のごとく拡散したそれは仲間に感染、癒した。
「ボクがみんなを守るよ!」
 チェリーがいった。その言葉に誘われるように別の攻性植者が銃口をむける。
 すると藤が符を手にした。幾何的な呪紋が描かれた呪術符である。
 藤は符の封印を解いた。それは御業を召喚するトリガーである。
 次の瞬間、藤の背後に半透明の超常存在が現出した。それが放つ紅蓮の奔流が攻性植物を飲み込む。
「竹だけあって良く燃える」
 ニヤリと藤が笑った。が、その胸が血を噴いた。リーダーらしき攻性植物のもつ銃から硝煙が立ち上っている。
 続けて銃声。ケルベロスを庇ったライドキャリバーが撃ち抜かれて倒れる。
 と――。
「ふわりが全部癒してあげるの……」
 声は藤の耳元でした。少なくとも、そのように藤は感じた。
 いつの間にかふわりが藤を抱きしめている。輝くような白く華奢な肢体を露わにして。
「あわわ」
 気の強そうな顔を藤は強ばらせた。慌てて目をそらせる。彼の傷を癒すためにふわりが放った幻であるとわかってはいても、やはり彼も年頃の少年であった。
 同じ時、中衛に位置していた攻性植物は仲間を癒そうとしていた。が、物陰から物陰へと走り伝って死角を利用していたユーディットは、身を潜めた姿勢のまま装備した砲台を前衛の敵にむけている。
「後ろをとったぞ」
 響く轟音。
 ユーディットの砲口が火を噴いた。前衛の一体の後頭部が爆裂する。
 蒼眞は中衛の敵に迫っていた。投げられる爆弾を回避。爆炎を後ろの残し、襲った。
「全てを斬れ……雷光烈斬牙…!」
 蒼眞は刃を舞わせた。理不尽な終焉を破壊する力を持つ冒険者であるランディ・ブラックロッドの意志と能力の一端を己の身に宿し、放つ一撃である。敵の竹の身が砕け散った。
「後ろは任せろ」
 狼のごとく雪が疾駆した。カムイの力をまとい、後衛を襲う。同じく肉薄していたイペタムがスピン。敵を薙ぎ倒した。
「銃を使わせるわけにはいかないんだ」
 雪は叫んだ。すでにこの時、彼女は敵の構造的弱点を見抜いている。
「ぬんっ」
 雪は鮮やかな蹴撃を叩き込んで敵を撃破した。と、その背が爆ぜる。銃撃されたのだ。が、雪は倒れない。
 本来、雪は孤高の風があった。己のために、ただ戦う。が、最近は変わってきているようであった。誰かの為になるなら。そう考える彼女は最強に近づいてきているようである。
 皆が無事に帰れるように倒れてはいられない。そう決意した雪はさらに敵に一撃を加えた。


「リーダー格をやるぞ」
「はい。一緒に叩きましょう」
 絶華にむかって悠乃は頷いてみせた。
 形勢が不利になっても敵は退かない。戦い抜くといった不気味な意思に支配されている。
 悠乃の美麗な顔に翳がおちた。
 退かぬ以上、この敵は倒さねばならない。それは、やはり哀しいことであった。
 彼らも思いを抱いているはずである。どんな思いで死地に乗り込んだのか。
 問うても彼らは語らないであろう。が、これだけはわかっている。共に必死に戦う戦士であることが。
 悠乃は飛燕のごとく飛翔。速度を加えて蹴りを放った。
 凄まじい衝撃に攻性植物がよろめいた。が、倒れない。踏み耐えると、左手に握った銃の銃口を悠乃にむける。
 発砲。
 吐き出された熱弾が悠乃を貫いた。たまらず仰け反る悠乃。その顔めがけて、さらに攻性植物が右手の得物を薙ぎ下ろした。
 それは竹刀に見えた。が、硬度は鋼に匹敵した。まともにくらえば悠乃の頭蓋は西瓜のように四散するだろう。
「我が身…唯一つの凶獣なり……四凶門…『窮奇』……開門…! …ぐ…ガァアアアアアア!」
 絶華が吼えた。
 四門『窮奇』。皇家に伝わる奥義の一つである。古代の魔獣の力をその身に宿すもので、数瞬間だけ身体速度を超強化するのである。
 絶華の霊剣が攻性植物の目にすら視認不可能の速度で疾った。無数の光がはね、竹片が飛び散る。切り刻まれた攻性植物が倒れ伏したのは、五秒ほど後のことであった。

「終わったな」
 辺りを見回すと、蒼眞が背を返した。敵がどの程度連携が取れているのかはわからないが、長居するのは得策ではない。
 情報を得ようとしていた絶華も仕方なくうなずいた。ただ竹片だけは口に入れてみた。栄養分析のためである。悠乃は戻ってから敵の拠点を推測するつもりであった。
「次はケルベロスに有利な状況から始めたいものだな」
 惨憺たる戦場、そして満身創痍の自身の身体を確かめ、ユーディットはため息まじりの声をもらした。

作者:紫村雪乃 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年12月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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