走る走る! 爆走ルームランナー!!

作者:天木一

 街の片隅にある空き地。管理するものも無く雑草が荒れ放題となったそこに、棚やテレビといった粗大ゴミが無造作に積まれている。
 そんな人の寄り付かない場所に一匹の蜘蛛が現れる。放置された粗大ゴミを漁るように動き回り、やがて野ざらしで汚れた機械の前で足を止める。それは室内でジョギングする為の機械、ルームランナーだった。蜘蛛がその中へと入り込むと、電源も無いのにルームランナーが動き出す。そして巨大化を始め、4mを超える大きさになると、足元にローラーを付けて動き出す。
『そこの運動不足のキミ! 一緒に走らないか!』
 爽やかなスポーツマン調の音声が流れ、ギュンギュンとベルトが高速回転する。
『走る~走る~どこまでも走るよ~』
 ルームランナーは道に飛び出し、ドリフトしながらカーブを曲がる。
『いっくぜ~!』
 スピードを上げてかっ飛ばすルームランナーは人の多く居る駅の方へと走り去った。

「新しい事件だヨ。ルームランナーがダモクレスになるみたいだナ」
 軽い調子で除・神月(猛拳・e16846)が事件が起きる事をケルベロス達に告げる。
「違法投棄されていたルームランナーがダモクレスと同化し、駅に居る多くの人々を襲撃するようです。犠牲者が出ないように、迎撃して撃破する作戦となります」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が事件の説明を始める。
「ルームランナーのダモクレスは4mほどの大きさで、高速回転するベルトに巻き込んで上を走らせ、走る速度の足りない者は砲弾のように吹き飛ばしたり、他にも高速機動で撥ね飛ばすといった攻撃をしてくるようです」
 普通の人間ならば人間大砲の如く吹っ飛ばされてしまうだろう。
「現れるのは群馬県の街中にある駅に続く道で、敵を待ち構え迎撃することになります。周囲の避難はまだ終わっていないので、少しの間敵の気を引く必要があります」
 避難は警察が行っているが、敵到着時にはまだ完了していない。
「敵は自分を使って走る相手を探しているようなので、相手をすれば簡単に注意が引けるでしょう」
 避難が終わってしまえば戦いに集中することが出来る。
「まだ使えるのに捨てられてしまったのは可哀想ですが、だからといって人を襲うのを放置できません。ルームランナーを止めてください」
 一礼してセリカは説明を終えてヘリオンの準備に向かう。
「寒くなってちょっと運動不足気味だったからナ。どのくらいの速さなのか付き合ってやるゼ」
 秋になって食事量が増えた神月は丁度いい戦いの相手だと不敵に笑い、ケルベロス達も同じように速さでも負けないとやる気を見せて動き出した。


参加者
不知火・梓(酔虎・e00528)
上村・千鶴(陸上競技部部長・e01900)
除・神月(猛拳・e16846)
ユグゴト・ツァン(パンの大神・e23397)
カヘル・イルヴァータル(老ガンランナー・e34339)
カーラ・バハル(ガジェットユーザー・e52477)
フレデリ・アルフォンス(自由とノブレスオブリージュ・e69627)
岸式・四季(指揮の魔法使い・e71871)

■リプレイ

●疾走するもの
 駅前は封鎖され逃げる人々で閑散とし始めていた。
「ダイエット用に買ったものの長続きせず、三日坊主で放り出されるスポーツ道具なぞよく聞く話じゃのう」
 その手の話を何度聞いただろうかと、カヘル・イルヴァータル(老ガンランナー・e34339)は思い返す。
「じゃがダモクレスになって襲いかかってくるとは聞いたこともないわい」
 この年になっても初めての出来事は幾つもあると口元に笑みを浮かべる。
「新品で捨てられたのは可哀想かもしれないけど、いつまでもベルトコンベアーに乗せられた如く走らされてたまるか!」
 フレデリ・アルフォンス(自由とノブレスオブリージュ・e69627)はたらい回しの荷物のように扱われて堪るかと気合を入れる。
「何故このような寒い日に現れるのだ。日を改め出直して来るのが礼儀と云うものではないか」
 ユグゴト・ツァン(パンの大神・e23397)は面倒臭そうに溜息を吐いた。
「新品同様で捨てられたっつーのは、手前ぇの本懐を果たせねぇって考えると同情の余地はあるがなぁ」
 煙草代わりに銜えた長楊枝を揺らし不知火・梓(酔虎・e00528)は思案する。
「とは言え捨てた本人じゃぁなく、無関係な奴に襲い掛かるっつーのはいけねぇなぁ」
 長楊枝を吐き捨て向ける視線の先には巨大なルームランナーがあった。
『走る~走る~どこまでも走るよ~』
 ルームランナーはドリフトしてこちらに向かってきていた。
「めぐり合わせが良かったのか悪かったのか……」
 走る事が好きな上村・千鶴(陸上競技部部長・e01900)は、走らせる機械のダモクレスとの出会いに不思議な縁を感じる。
「来やがったナ。避難する時間を稼がねーとナ」
 柔軟していた除・神月(猛拳・e16846)は敵の誘き寄せは任せろと前に進む。
「相も変わらず一般人にばっかり手ェ出しやがってよォ! グラビティチェインが欲しかったらケルベロスに直に来いッてんだよポンコツ共がッ!」
 啖呵を切り堂々とカーラ・バハル(ガジェットユーザー・e52477)が身を晒し、こっちだとアピールする。
『いっくぜ~!』
 ルームランナーがそれに気づき、ぶつかる前にケルベロス達は散開した。
「ひとまずは避難を完了させてしまいましょう。私は音楽家ですので、多少は出遅れても取り戻せますからね」
 先に存分に戦える環境を作ろうと、岸式・四季(指揮の魔法使い・e71871)は避難誘導に回る。

●走るもの
「私は長距離走は少し苦手だけど、来なよ……。どうあれ走ることになるのなら、あなたが設定した速度をも勝利してみせる……!」
 挑発して千鶴はランニングを始め、周囲に殺気を放ってこちらに一般人が近づかないようにする。
『いいよいいよ! キレイなフォームだ!』
 するとルームランナーが迫りベルトを足元に伸ばしてくる。千鶴は人の居ない方向へとスピードを上げて逃げ追い駆けっこが始まる。
「走ってやるぜ! 振り落とせるもんなら振り落としてみろポンコツッ!」
 ガジェットからグラビティを全身に回路の様に巡らせたカーラは、素早く塀を蹴り上がって跳び乗り、蹴りつけ衝撃を与え回転するベルトの上でダッシュを始める。
「やっぱ秋になっとつい食い過ぎちまうよナー。胸に付く分にはまだ構わねーガ、走って燃焼出来る手頃なルームランナーは無ぇかナー?」
 そこへ神月が挑発すると、すぐさまベルトで千鶴と一緒に掬い上げられ走らされる。速度はどんどん上がり、神月は振り落とされまいと楽しそうに走り、千鶴もペースに合わせて軽快に足を動かす。
「おお、寒いのに元気なもんだ。こっちも負けてられねぇな」
 その様子を楽しんでいた梓は、気を引き締めて左手に持った短機関銃から冷凍弾を撃ち込み、敵の足回りを凍らせていく。
「面倒臭いな。自宅警備員たる我が心身が怠惰の道を切り拓く。もはや貴様に存在する所以など無く、適当な時に滅びて終え。ああ。勿論、貴様の我が仔の一個体だ。走るのは厭だが抱擁は叶えよう」
 ユグゴトが心底面倒そうに敵に近づくと、機敏にルームランナーが動いてユグゴトを乗せ強制的に走らせる。そしてボクスドラゴンも嫌々ながらも敵の方へ向かってベルトの上を走り出した。
「さあ、落ち着いて走らずこちらに。あれの相手はわしらがするから焦る必要はないのじゃ」
 仲間が気を引いている間に、カヘルは敵と一般人を守るように避難誘導の指示を出す。
「ここは危険だ! 警察の指示に従って避難するんだ!」
 凛とした声を張り上げたフレデリも避難を呼び掛け、逃げ遅れている老人を支えて誘導する。
「ささ、皆様こちらへ、幻想楽団が安全な場所まで誘います故、我々の音楽でも聴きながら心穏やかに……」
 人々の心を落ち着かせようと、四季は己にしか聴こえぬ幻想楽団の音をギターから出力して心を穏やかにさせた。
『どんどんアゲアゲでいくよ!』
 ベルトのスピードが上がり全力疾走を要求してくる。
「ぜぇ、はぁ、げほっ。ああ、何故私は走るのか、貴様が走らせるから走るのか、それとも私は走っているつもりで走ってはいないのか――」
 朦朧としながら真っ青な顔で必死に走っていたユグゴトは、体力の限界がきて弾丸のように吹き飛ばされた。
「無理きつい怖い今、ベルトの上のなんかがパーンて! パーンて弾丸みたいに飛んで――死ぬ死ぬ死んじゃうあんな風ふっ飛ばされ、死んじゃう死んじゃう死んじゃ――ギャアアアアアア!!」
 次は最初に走り出したカーラが疲労し、ガジェットを銃して速度を落とそうと銃弾をベルトに撃ち込む。だがその所為でバランスを崩して飛ばされ、悲鳴を上げながら放物線を描いてビルに突っ込んだ。
「まだっまだっ、あたしの体力が続く限り全力疾走してやんヨ!」
 汗を流し息を切らせながらも、神月は笑みを見せてルームランナーを走り続ける。
『もっと速く! もっと速く!』
 さらにスピードが上がり暫く耐えていた神月は、とうとう足を縺れさせ吹き飛ばされた。
「避難も終わったし、わしも加勢するのじゃ。ボクスドラゴンが嫌々な顔しておるのう。ほれ、走るのふぁいとじゃ!」
 愉快そうに応援しながらカヘルはリボルバー銃を抜き撃ち、ルームランナーのベルト回転部に6つ穴を開け速度を落とさせた。ボクスドラゴンはもう疲れたと足を浮かして翼で飛ぶ。
『ズルはダメだなズルは!』
 すると伸びたベルトがボクスドラゴンを捕えて彼方へとぶっ飛ばした。
「避難は終わったみたいね……。なら本格的に戦闘といくわ……」
 千鶴は黒太陽を具現化し、その輝きで敵を照らして表面を溶かし歪んだローラーの動きが鈍る。
「今度は本当にスクラップにしてゴミ捨て場に戻してやっから、観念しろよ」
 追い打つように踏み込んだ梓は右手で刀を抜いて刃が横に一閃。ローラーを真っ二つに斬り飛ばした。バランスを崩した敵が壁にぶち当たる。その衝撃に最後まで走っていた千鶴が放り出された。
「この場にベルトコンベアーを必要としているものはいない。お引き取り願おう」
 フレデリはオウガメタルを鎖に変えて魔法陣を描き、仲間達を守護する空間を作り出す。
「ここからは皆さんのために音楽を奏でましょう」
 四季は指揮者としてタクトを振るい、愛しいメロディがオーケストラの重厚な音となって流れ仲間達を癒し活力を取り戻させた。
「怖かっただろうがッ! 死んじまうかと思って走馬燈を見ちまっただろォ!!」
 恐怖を怒りで掻き消したカーラは、回し蹴りを叩き込んで敵を建物に突っ込ませた。
「ブッ飛ばされたお返しに、ブッ壊してやんヨ!」
 跳躍した神月は上から蹴りを叩き込み、ベルトを凹ませ動きを遅くした。
「ルームランナーは何も悪くはないんじゃがのう、こういうのも全てダモクレスのせいじゃな」
 ならば止めてやるのもケルベロスの務めとカヘルは視線をベルトに向けてグラビティを集中し、爆発を起こしてベルトを弛ませて上手く回転出来ないようにした。
「ここからは真剣勝負……全力でいくよ……」
 敵に向かって全力で駆け出した千鶴はすれ違うように駆け抜け、巻き起こるソニックブームで敵を深く切り裂いた。
『走る~走る~』
 残ったローラーを無理矢理動かし、魔法陣を拡大していたフレデリが荷物のようにベルトに掬い上げられる。
「疲れたらちょっと飛んで行って休んだらダメ? ……ダメだよな」
 諦めてフレデリは覚悟を決め走り出す。
『速く! もっと速く! ハイハイハイッ!』
 ベルトの速度が上がり続け、フレデリは砲弾のように吹っ飛ばされ公園のブランコに突っ込んで鎖に巻き付かれるように薙ぎ倒した。
「うろうろするんじゃねぇよ。迷惑ってもんを考えろよな」
 梓は銃口を向けて光弾をばら撒き、ローラーを撃ち抜いて動きを止める。
「走るのは苦手だが奔るのは得意だ。我が精神に潜む明日の怪物。さあ。厄介な器具に終幕の時を。如何なる仔でも最後は必要だ。自宅警備の所業を此処に」
 息を荒くしながらもユグゴトは纏う名状し難き衣を硬化させ、槍の如く敵を深く貫いた。
「音楽はただそれだけで素晴らしいものですが、こういった使い方も出来るということです。まぁ、そんなものになり下がった貴方に理解していただける程の腕は私に御座いませんけれども」
 四季は幻想楽団の元気になれるアップテンポの曲を流し、仲間達の闘争心を高め力強さを与えた。

●走らせるもの
『ダッシュダーッシュ!』
 モーターが唸りを上げベルトのスピードが上がり出す。
「はあはあ……やっと戻ってこれた。まだ走れる! 君がっ! 倒れるまでっ! 走るのをやめない!!!」
 翼を羽ばたかせヒイヒイと息を切らしながら戻ったフレデリはあえて敵に乗り、ウイルスカプセルを叩き割り敵の修復力を低下させて走り出す。
「ただ走るよりも、こうして音楽に合わせて走る方が心も体も楽になるものです。リズムはあらゆる生き物にとって大切なものですから」
 四季の指揮に合わせ、希望に満ちた音楽が流れ出し、仲間達にまた元気に走る力を取り戻させる。
「そんなに速く回したら危ねぇぞ」
 敵の上に駆け上がった梓は刀を突き立て、動くベルトがそこで勝手に斬り裂かれていく。
「デッドエンド……インパクトおおおお!」
 ダッシュした千鶴は懐に入るとパイルバンカーの杭をボディに撃ち込み、穴を穿ち放射状にひびが入る。
「もう疲れたのかヨ? まだまだこれからだゼ!」
 神月は降魔の力を宿した拳を敵の側面に打ち込み、さらに蹴りを叩き込んで装甲をボコボコにする。
「走るよりも愉しい永劫の快楽を味わわせてやろう」
 ユグゴトはおぞましい狂気の怪物を呼び出し、敵に襲い掛からせると貪るように装甲を削り抉り溶かし、形容しがたい傷痕を刻み込んだ。
「若いもんは元気じゃのう」
 跳躍したカヘルは足に星のオーラを纏いながら蹴りを打ち込みひびの入った装甲を叩き割った。すると敵は身体を揺すってカヘルをベルトに乗せ強引に走り出させる。
「わ、わしが走ることになるとは! ふぉっふぉっふぉっ……ぬぐぅ! 腰が!!」
 腰をグギッといわせたカヘルが転倒しぶっ飛んだ。その射線上にいたボクスドラゴンを巻き込み一緒に飛んで行く。
『ブォーン!』
 敵が動き出し車体をブンブン振り回し上に乗ったフレデリと梓を振り落とす。
「走らせるのがお前の仕事だろ、自分が走ってどうするんだよォ!」
 アスファルトが削れる勢いで地を蹴ったカーラは側面に飛び込んで拳を打ち込み、疾走する敵のローラーを殴って停車させた。
『ファイッオー!』
 ベルトを動かし近づく者を走らせようと高速回転を始める。
「さぁ、ここからは一気にフィナーレへと向かいます!」
 四季がタクトを力強く振るうと、それに合わせて幻想楽団の演奏にも力が入る。そのメロディに乗るように仲間達の動きも良くなり、一斉に敵に向かって攻勢を仕掛けた。
「数ミリ、数十ミリ秒でも速く。スピードの向こう側に―――」
 クラウチングスタートから一気にトップスピードに乗った千鶴は、真っ直ぐに疾走し敵の上を駆け上がり、ベルトよりも速く地を蹴って走り切る。それに合わせて起こるソニックブームがベルトをズダズダに切り裂いた。
「動けねぇなら、ただの大きな的だな。ゴミに出しやすくしてやるよ」
 刀を正中に構えた梓は、全剣気を集めて真っ直ぐに斬撃を放つと剣気が飛翔し、するりと敵の身体に浸透し、内部のコアまで届くと力が解放されて電気系統を破壊した。
「いっぱい走ってくれたのならもう満足じゃろう? 解体の時間じゃ」
 戻ったカヘルはリボルバーから空の薬莢を出し新たに装填し、銃口を敵から少し下げて全弾地面に撃ち込む。アスファルトに当たり跳弾した弾丸は、ローラーを撃ち抜き軸を破壊して完全に足を潰した。
「ポンコツはポンコツらしくスクラップにしてやる!!」
 カーラは敵の下に潜り込み、ガジェットを叩き込んで押し上げて投げ飛ばした。ひっくり返ったロームランナーが空回りする。
「凍てつき滅びよ、終焉に抱かれるがいい」
 ユグゴトは腕に混沌としたものを纏わせ敵を殴りつけると侵食するように穿ち、触れた部分全てを凍りつかせた。
「走りきった俺達の勝ちだ!」
 宝剣を抜き放ったフレデリは、上段から剣を振り下ろし眩い光と共に放たれた衝撃波によってボディを真っ直ぐに斬り裂いた。
『まだ走れるよ~』
 ギギギと異音をさせながらベルトが回る。
「スピード緩いんじゃねーカァ!? 電力補充してやんヨ!」
 神月はかつて喰らった天地殲滅龍の力を呼び起こし、天に腕を掲げ暗雲を生み、拳を握ると天から閃光が迸り雷が敵を粉々に撃ち砕いた。

●運動の後は
「もう大丈夫です。皆さん安心して日常に戻ってください」
 タクトを振るった四季は明るい音楽を流し、人々に平穏が戻ったことを報せる。
「邪魔だしごみ捨て場に捨てにいくかねぇ」
 梓は用意しておいた軽トラに大きな残骸を皆で乗せた。
「いい走りができたわ……」
 満足そうに千鶴は汗を拭い、身体をほぐすように軽くジョギングをしてクールダウンする。
「楽しい戦いだったナ! 体が温まったヨ」
 神月もいい運動をしたと水を飲む。
「げほっごほっ。やはり走るのは苦手だ」
 ゆっくりと深呼吸をしたユグゴトは咳込み、頭を抱えてじっと蹲って過度の運動の副作用に苦しんでいた。そこへ神月から水が差し出され受け取る。
「まったく、年寄りは労わるもんじゃ」
 イタタと痛めた腰にカヘルは癒しの力が込められた弾丸を当てて一息つく。
「ダモクレスになっちまったらルームランナーですら凶器になるな」
 あんな風に飛ばされるのは二度と御免だと、思い出したカーラはブルッと震えた。
「疲れたし腹減ったな~何か食べに行こう!」
 フレデリが皆で運動の後の食事に行こうと誘う。
 激しい運動で消耗した体力を補充しようと、ケルベロス達は駅前に向かって歩き出した。

作者:天木一 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年12月11日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。