カップルでプール絶対許すまじ!

作者:小鳥遊ちどり

●カップル割引ナイト
 福島県南部に、ハワイをテーマとした大規模な温泉リゾート施設がある。豪華なホテルや入浴施設、本格フラダンスのステージも人気だが、やはり一番人気は、レジャープールゾーンだ。
 広大なエリア内には、流れるプールに波のプール、スライダーは5本、プール周りの売店やカフェもハワイ風で、週末ともなれば多くのファミリーで大賑わいである。
 しかしその夜は、いつになくカップル率が高かった。
 元々この施設は夕方からの入場だと割引になるのだが、更にこの夜は間近に迫った11月22日の『いい夫婦の日』にちなんで『カップル割引』が設定されているのだ。とはいえ平日の夜なので、さほど混雑することもなく、カップルたちは水着やアロハ、ムームー姿で幸せそうにプールを楽しんでいる。
 1つの浮き輪につかまって流れるプールに身を任せたり、大きなグラスのトロピカルドリンクに2本ストローを挿してシェアしたり、重なり合うようにしてスライダーを滑り降りたり……。
 とにかくその夜のプールゾーンは、ウフフアハハでピンク色の空気に満たされていたのである。
 が、そこに。
 幸せな空気を破壊する存在が、突如現れた。
「カーーーーーッ、なんじゃこの淀んだ空気は! ふしだらなカップルが神聖なるプールを冒涜するとは許せん、プールは健全な青少年育成のために存在するというのに!」
 南国風の観葉植物を蹴倒し、やけにお堅い主張を繰り広げはじめたのは、黒い羽毛に長い首のビルシャナであった。羽毛に包まれたボディはムキムキで、何となく鵜飼いのウっぽい。
 いきなりのデウスエクスの登場に怯え、腰を抜かしたり、悲鳴を上げて逃げ出す人々に向かって、ビルシャナはピカーンと目を光らせて、
「カップルに媚びるこの施設の経営っぷりも気に食わん、全てまとめてワシの光で浄化してくれるわー!」
 やたらめったら光線をまき散らし始めた。

●ヘリオンにて
「レジャープールでデートって、デートコースとしては割と健全な気がしますけどね」
「ですよねー」
 などと言い合っているのは、この事件の発見者、エルバート・アーヴィング(二親喰らい・e46758) と笹島・ねむ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0003)、そして集ったケルベロスたちである。
 個人的な主義主張によりビルシャナ化してしまった人間が、個人的に許せない対象を襲撃する事件は後を絶たず……というあたりは耳タコであろうから、多くは語らない。
 今回は『プールにカップル絶対許さない』ビルシャナが、温泉レジャープールの『カップル割引ナイト』を襲うので、それを阻止して欲しいという依頼である。
 幸いにして手下はいないので、ビルシャナを倒すこと自体はさほど大変ではないだろうが、何しろ場所が場所なので、問題は大勢の人々をどう無事に避難させるかだ。
 ねむは腕組みして、
「とにかくカップルを目の敵にしてるみたいなんで、まずは皆さんのうち何人かがビルシャナの目の前でラブラブカップルの演技をして、引き付けるってのはどーでしょう?」
 エルバートは頷き、
「なるほど、その間に残りの者が避難誘導に当たるということですね。監視員さんとか、プールのスタッフさんに協力してもらう必要もありそうです」
 現場到着はビルシャナ出現の直前くらいになるので、スタッフに事前に説明しておく余裕はなさそうだが、施設柄訓練は行き届いているだろうから、ある程度アテにできるだろう。
 尚、客は100人ほど、スタッフは20名ほどがエリア内にいる。
「避難が無事済んだら、ビルシャナとなってしまった人は救うことはできないので、心置きなく撃破しちゃってください。そんで首尾良く事件を解決したら……」
 ねむはそこでニコっと笑い。
「せっかくなのでぜひ温泉レジャープール、楽しんできてくださいね!」


参加者
ティ・ヌ(ウサギの狙撃手・e19467)
リィナ・アイリス(もふきゅばす・e28939)
妹口・琉華(ひとひらり・e32808)
秦野・清嗣(白金之翼・e41590)
彼者誰・落暉(ウィッチドクターと心霊治療士・e41593)
エルバート・アーヴィング(二親喰らい・e46758)
リリベル・ホワイトレイン(怠惰と微睡・e66820)
アーデルハイト・リンデンベルク(最果ての氷景・e67469)

■リプレイ


 現場へ到着したケルベロスたちは、急ぎ水着に着替えると、ピンク色の幸せそうな空気の中、馬に蹴られないよう気を付けながら避難経路の確認に走り回った。施設スタッフに警告するほどの暇はないと聞いている。移動中にリリベル・ホワイトレイン(怠惰と微睡・e66820)が入手した見取り図をたよりに、非常口などを見て回り……と。
「カーーーーーッ、なんじゃこの淀んだ空気は!」
 唐突に、鳥っぽい声を張り上げ現れたのは、鵜風のビルシャナ。プールの入り口付近で黒い大きな翼をバッサバサいわし暴れている。
「出たな!」
 8人は素早く視線を交わし、打ち合わせ通りそれぞれの役割を果たすべく散っていく。
「……久しぶりの、ビルシャナさーんっ! 今日は、りゅーも、いるし……思いっきり、頑張るのー!」
 囮となるべくビルシャナに接近していきつつも、幼馴染と一緒の任務にはしゃいでいるのはリィナ・アイリス(もふきゅばす・e28939)。パートナーを務める幼なじみの妹口・琉華(ひとひらり・e32808)は、むずがゆそうながらも、さすがに少し真剣な表情だが、
「カップルを邪魔するビルシャナか……本当に理不尽な理由で一般人を襲うんだね。何はともあれ、ボク達は囮役頑張ろうね。頼りにしてるよ、リィナ」
「……えへへ……こちらこそ、よろしくね……? 私たちの、仲の良さ……見せつけちゃおー!」
「お手をどうぞ、レディ……ふふ。こんなのはいつものボクと違う? でもエスコートさせて欲しいな」
「……手……? 手だけ、なのー? どうせなら……こう、しちゃおうよーっ!」
 腕をしっかり絡めあったりして、しっかりいちゃいちゃ。
 ちなみに琉華はユニセックス風のサロペット水着、リィナは白地にカラフルな水玉の水着で、とてもかわいらしいカップルっぷりだ。
 そしてふたりはいよいよ、
「ふしだらなカップルが神聖なるプールを冒涜するとは許せん、プールは健全な青少年育成のために存在するというのに!」
 聞いてる方が情けなくなってくる主張をがなりたてているターゲットの間近にやってきた。
「……鳥さん……いちゃいちゃは、いいもの、だよー? 貴方にも、おすすめして、あげるのー♪」
「ボクらの仲の良さに嫉妬してるの? キミもそんなことしないで、恋人作って遊びにくればいいのに、一人だと寂しくないの?」
 これみよがしにハグして見せつけてみたりして。
「くわーーーーっ!」
 いちゃいちゃアピールされたビルシャナは、当然怒り狂った。長い首をのけぞらせ、高い天井を仰いで甲高い鳴き声を上げ、
「神聖なプールでのふしだらな行い、絶対許さん、まずはお前らから血祭に」
「何か珍しいお客さんがいるねぇ」
 その勢いをそぐように飄々と介入したのは、秦野・清嗣(白金之翼・e41590)と、彼者誰・落暉(ウィッチドクターと心霊治療士・e41593)である。こちらのふたりももちろん、これ見よがしに楽しそうに手を繋いでいる。
「どうしたのさ、何かあるなら話聞くよ?」
 清嗣が親切ごかしに、落暉にぺったりと寄り添いながら尋ねた。

 一方、避難誘導担当のメンバーも作戦を開始していた。
 エルバート・アーヴィング(二親喰らい・e46758)は、
「普通に健全に、プールを愉しんでるんだから、他人が頭ごなしにどうこう言うのは、無粋だよね……」
 ビルシャナの石頭を嘆きつつ、スタイリッシュモードで怯える一般人を鼓舞しながら走り回っている。驚きのあまり凍り付いているスタッフを見つけ、
「アイツの処理は僕達に任せて! 慌てず急いで、お客さんの避難お願いします!」
 デウスエクスの出現にパニックをおこしかけている客の上空では、
「はーい、こっち~」
 リリベルがプールの高い天井を生かし、翼飛行で一般人を出口の方へと誘導しはじめた。
 その出口の方では、アーデルハイト・リンデンベルク(最果ての氷景・e67469)が落ち着いた声で、
「慌てずにプールから出てください、こちらが非常口です」
 割り込みヴォイスを使い、一般人たちに確実に指示を届けている。

「まさか年内にもう一度この水着を着るチャンスがくるだなんて……グッジョブ! ビルシャナ! グッジョブ!」
 ティ・ヌ(ウサギの狙撃手・e19467)は、内心うきうきしながら、ビルシャナと一般人たちの間に入り、バックアップの役割を果たしていた。囮役の方の様子を窺ってみると、
「ふむ、確かにジムやクラブ等のスポーツ施設なら、君の主張もありだろうね」
 落暉がちょっとばかし理解ありげに頷いている。だが、そう言いながらも清嗣の腰に手を回し、
「だがここはレジャー施設、しかも夜、施設側も歓迎している。非日常のアヴァンチュール、結構な事じゃないか」
「だよねえ?」
 いかにも仲良さげに囁き交わしたりしているわけだが。
 もちろんビルシャナは余計に激高して、
「いいいい、いちいちいちゃつくんじゃねえ!」
 壮年の男性カップルでも煽り有効らしい。
 そこでティは、ぴょこ、と議論(?)の輪に首を突っ込んだ。
「なに、ティさん、お話したいの?」
 旅団仲間である清嗣に話をふられて、ティは。
「ねえねえ、ビルシャナ。この水着ちょーかわいいと思わない? デザイナーさんにお願いして特別につくってもらった一品モノなんだよ? すごいでしょ?」
 あろうことか、ビルシャナに水着を見せびらかしはじめた。

「じゃ、あとは頼みます」
 落ち着きを取り戻したスタッフたちに、非常口から外の誘導を任せ、避難誘導組の3人は扉を内から閉めた。
 広いプールには相変わらずふんだんに温泉が流れ込んでいるが、客の姿はない。入り口の方でもめている仲間たちとビルシャナの声が響いてくるだけだ。3人の工夫で、ひとりも重大なケガを負わせたりすることなく、避難は完了した。
 よし、とエルバートはかねて用意の空メールを一斉送信し、そして自分たちも武器を抜くと、ターゲットの元へと駆けだした。

「ほらもっとちゃんと見て? 細かなところまでスゴクこだわって作ってあるから。このサングラス。ニンジンの形になっているんだよ?」
「何でいきなり水着を見せびらかされにゃならんのだ!」
「デザイナーさんには大感謝だよ。こんなにかわいくしてくれると思ってなかったし~」
「はいはい、わかったわかった」
 明らかにウザそーなビルシャナに、ティの水着自慢は続いているが。
 ブルルル。
 皆の携帯が一斉に振動し。
「おや、お話の時間は終わりのようだ」
 清嗣がさりげなく話を遮り、嘉留太を手に取った。


 突然みなぎった殺気にビルシャナがハッと気づくと、プールから一般人の姿は消え、目の前のカップル+αが武器を構えている。しかも奥の方からは、同じように武器を手にした3人が走ったり飛んだりして近づいてくる。
「お、お前らケルベロスか!?」
「今頃気づいた?」
 気づいた時にはもう遅い。もっとも近くにいたティが砲撃形態に変形させたドラゴニックハンマーを構え、
「本当は私、ビルシャナは殺したくないんですよね~。価値観が違うから殺すって野蛮人みたいじゃない? そういうのなんか嫌。でも人間に戻せないから、せめて戻す方法がわかるまでコギト玉になって貰って、大人しくしててと思っていたんですけれど、それも無理みたいなんで。じゃあもうビルシャナの存在価値って無いじゃないですか? だからどうせ死ぬなら、せめて私の自慢話ぐらい聞いてくれてもいいでしょ? というか、私の自慢話を聞いて、褒めて、死ね」
 ドゥン!
 言いたいだけ言って撃ち込まれた砲弾を皮切りに、全員集合したケルベロスたちが次々と先制攻撃を加えていく。
 清嗣は、ドラゴンの響銅にディフェンダーへの属性インストールを命じると、
「懺悔なら聞きますよ?」
 自らは羽毛に追儺鬼火の札の炎をまとわりつかせる。方やリイナは、
「……見惚れて、いたら……ケガ、するの……!」
 素早く描いて僕とした氷の動物をけしかけ、翼を畳んで舞い降りたリリベルは、
「シロハ、キャットリング」
 愛猫の援護を受け、稲妻を帯びた槍で高速の突きを入れた。琉華もドラゴンのぴぃに味方の防御アップを命じると、自らは素早く傍らのスライダーを駆け上がり、頂上から鳥の後頭部に流星のような跳び蹴りを見舞った。
「いでっ……なにしやがんだ、お前ら!」
 ガツッ。
 振り向こうとした水鳥の足下に、エクトプラズムの霊弾を撃ち込んだアーデルハイトは。
「プールというのは確かにファミリー層の利用は多いけれど、そもそもプールというのはいろんな人が水に親しむための施設であるはずよ。カップルに媚びるというけれど、カップルを軒並みお断りなんてしていったら、この施設の経営は危うくなるわ」
 大人の女性の貫禄で、真っ向説教を喰らわせる。
「男女で入るのがダメ? ペアもいけない? 年の差が離れていてもふたりならカップル? どう見分けるわけ? そこの人たちは一般的なカップルではないかもしれないけれど、枠にとらわれていないのよ。こういう人たちまで排除するなら、もう誰も来れなくなってしまうわね?」
 と、示したのは、ぱっと見女の子同士にも見えちゃうリィナと琉華、壮年男性カップルの清嗣と落暉。
「かっ、カップルの組み合わせとかはどーでもいーんじゃ!」
 ビルシャナは黒い翼をばっさばっさいわせて。
「ワシはただプールの健全な利用法を思い知らせてやろうとーーーっ!」
「!」
 ビカッと鋭く光った目がアーデルハイトを睨むと、光線が迸った。
「そう簡単に、仲間はやらせない……! 他人の恋路を邪魔する鳥は、そっ首かっ飛ばして地獄行きだよ!」
 果敢に飛び込んで盾となったのはエルバート、目映い光に歯を食いしばって耐え『零の境地』を載せた拳を突き出す。
 後方では即座に緊急治療を施せるようにと、落暉が待ちかまえている。
「どうやらこのビルシャナも救えないようだね」
 清嗣が悲しそうに、且つ無駄に色っぽく首を振った。彼はビルシャナ化してしまった人間も、何とか救う方法がないかと模索しているのだが。
 被害を出さないうちに倒してやるのも慈悲、と、気持ちを切り替え、彼は嘉留太を手の中に広げ、氷の弾丸を発射した。


 ビルシャナ光線の目眩ましや、鐘の音によって引き起こされるトラウマはやっかいであったが、手数と連携に勝るケルベロスたちは、畳みかける攻撃と、的確なヒールによって着実に勝利を手にしようとしていた。
 数分の後には――。
 ティの獣腕の力強い一撃と、リィナの漆黒の魔法弾に押し込まれ、波打ち寄せるプールサイドに追いつめられたビルシャナは、
「うぬぬぬ……仕方ない、ここは一度」
 ふんっ、と翼を広げて気合いを入れた。すると丸い頭の後ろに後光のような光輪が現れ……。
「うわっ、なんだなんだ」
 その目映さにケルベロスたちは一瞬視線を逸らしてしまったが、
「まぶし……あっ、これって回復じゃないかな!?」
 気づいた琉華は、目を細めつつも弓に矢をつがえて素早く放った。矢はターゲットの胸肉あたりに吸い込まれ、ビルシャナは一瞬呆けたような表情になり、後光が止んだ。
「GJ」
「捕まえるわよ」
 すかさずリリベルとアーデルハイトがスライムを伸ばして丸飲みし、エルバートが喰霊刀で毒を含んだ一閃を見舞う。
 それでもビルシャナはしぶとく、
「こ……このままでは終わらぬぞ!」
 ゴーーーン。
 響く鐘の音は、中衛にトラウマをもたらし、清嗣とリィナが苦しげな表情で凍り付く。
 だがそこに。
「大丈夫、今治すよ」
 落暉が優しい雨を降り注がせて、すぐに2人をトラウマから救い出した。
「ありがとう」
 ホッとした様子で礼を言う清嗣に、落暉はそっと囁いた。
「さっきのは、芝居じゃなくて本気だからね?」
 美形壮年2名の恋模様はさておき、仲間たちは、ここが勝負処とたゆまず攻撃を仕掛けていく。
 リィナはロッドから出現させたうさぎに傷口を広げさせ、琉華は鉄の鬼の拳で羽毛を引きむしる。幼なじみ2人の息の合った攻撃で出来た隙を逃さず、
「バン!」
 ティが俊敏に鳥の懐にもぐりこんでグラビティ・コアを撃ち込むと。
「ぐわぁっ」
 その勢いに、たまらずビルシャナは。
 ざっぶーん。
 派手な水しぶきを上げてプールに落ちた。
 だが。
 ゴーーーン。
 水中からまたしても鐘の音が響いた。陰鬱な響きが、続いてプールに飛び込もうとしていたクラッシャーを含む前衛を包み込もうとする。
 しかしそこに。
「そろそろトドメの時間かな。一気に畳み掛けましょう!」
 サーヴァントたちを引き連れ、果敢に割り込んだのはエルバート。トラウマまみれになりつつも、プールサイドに仁王立ちになって壁となる。
「乙!」
 リリベルは脚に炎を宿し、アーデルハイトは影のような素早さで、
「痛いのは嫌いだけれど、悪いやつに痛くするのは嫌いではないの。甘く見られっぱなしでは女が廃るというものよ」
 迷いなくプールに飛び込んだ。
 炎のキックと、影の斬撃がターゲットを捉え――。
「……ぷ……プールでいちゃいちゃは……ゆるさ……ん」
 こうして頑迷な鳥は、大好きなプールの中で消滅したのであった。


 現場がなにしろ広いのでヒールには多少手間取ったが、そこはケルベロスの力でキチンと現状復帰し、無事にスタッフと客を呼び戻すことができた。
 さあ、これで自分たちも心おきなく温泉プールを楽しむことができる。
「ふふふ~、自慢の水着もこれでこそ生きるってものよ」
 ティはプリンケプスを連れて、ハワイ風のプールサイドをうろつき回り、水着を見せびらかし中。
 こちらもフリルつきのステキなブルーの水着姿のエルバートは、女装男子の面目躍如といった感じで、
「まったり、のんびり。こういうプールの楽しみ方も、良いよねー」
 浮き輪に乗ってプールの流れに身をゆだね、無事に任務を終えた達成感を味わっている。
 リィナと琉華も流れるプールでのんびりと浮き輪に乗り、
「……幼馴染、4人で、遊びに来ることが、多いから……二人で、遊ぶのは、新鮮だね……?」
「そうだねぇ……そうだ、リィナ、浮き輪押してあげようか!」
「……うん……え? わあ、速い!」
 琉華は珍しくはしゃいで、はりきって幼なじみの乗る浮き輪を押してやる。
 落暉と清嗣は、プールサイドでトロピカルドリンクのグラスを挟み、大人のデート中である。
「プールのデートもいいものだねえ」
「そうだね……ところで、清嗣」
 こほ、と落暉はちょっと咳払いなどしてみたり。
「ホテルのスイートをとってあるんだ。君が良ければ、来てくれると嬉しい」
 おおお大人だあ。
 さて、リリベルは。
「遊ぶぞー!」
 プールサイドで張り切っている……のだが。
「んでも、こーゆーとこ来たことないから、遊び方わかんないんだけど……」
 トロピカルでピンク色な空気の中、少々空回り……。

作者:小鳥遊ちどり 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年11月23日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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