りんご爆弾を投げつけてくる攻性植物

作者:なちゅい

●りんご狩り中の悲劇
 青森県といえば、やはりりんごのイメージが強い。
 そのりんごの収穫時期はだいたい9月から11月中頃ということで、時期的に終わりに差し掛かってきている。
 この時期だとりんご狩りにはやや時期は遅いものの、OLの藤吉・乃亜は大学生時代の友人と共にドライブついでに農園を訪れていて。
「良かった。まだ、りんご残ってるね」
 彼女はまだ収穫されていないりんごがあることを確認してホッとしながらも、友人と楽しくりんご狩りに興じていたのだが……。
 ふわりと園内に飛んでくる怪しげな花粉。
 それが1本のりんごの樹に取り付くとその樹は突如として動き出し、実らせたりんごを周囲へと投げつけてくる。
 地面へと落ちたそのりんごはグラビティの力もあってか、爆発四散してしまっていた。
「危ないぞ、逃げろ!!」
 すぐに異変に気付いた農園主の男性が客に避難を促し、すぐさま警察に連絡を入れる。
 人々は何とか逃げようとするが、乃亜が攻性植物の枝触手に捕らわれてしまって。
「きゃああっ!!」
「のあぁぁ!!」
 友人達が手を伸ばすが、もう遅い。攻性植物はそのまま、彼女の体を自身の幹へと取り込んでいった。
 農園主はやむを得ず、その友人達の手を引いてこの場から退避していく。
 一方、乃亜を自らの体の一部とした攻性植物は更なる力を得て、周囲を破壊する。
「あ、あぁ……」
 捕らわれ、寄生されてしまった乃亜は声すら上げることができなくなり、意識を遮断してしまったようだった。

 11月に入り、朝晩は涼しいどころか寒気すら感じるようになってきた。
 ケルベロス達の容姿も少しずつ厚着になってきており、冬支度が進んでいる感がある。
「季節の変わり目だから、風邪引かないように気をつけないとね」
 とある朝、リーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)はジャケットを一枚羽織ってケルベロス達へと対していた。
 自身の操縦するヘリオンで移動することも多い彼女はそのヘリオン内に羽織り物を置いているらしく、暑さ寒さ対策は十分できるとのこと。
 さて、今回の依頼だが、カヘル・イルヴァータル(老ガンランナー・e34339)のこんな一言がきっかけだ。
「今が旬の味覚、林檎がボンバーな攻性植物が登場するかと思ってのう」
 その話を元にリーゼリットが予知を行ったところ、それらしい事件が発覚した。
 現場は、青森県のとあるりんご農園。
 飛んできた謎の花粉によって1本のりんごの樹が攻性植物となり、それが1人の女性に寄生して自らの体の中に取り込んでしまうというのだ。
「攻性植物が新たな被害を起こす前に、皆の手で倒してほしいんだ」
 りんごの攻性植物は1体のみ現れ、配下などは連れていない。
 クラッシャーとして攻めて来る敵は、枝を使った蔓触手を振るい、咲かせた花から破壊光線を放つ他、実らせたりんごの果実を爆弾のようにして投げつけてくるようだ。
「後、取り込まれた女性は攻性植物と一体化しているから、普通に攻性植物を倒すと一緒に命を落としてしまうよ」
 この女性を救出するのであれば、攻性植物にヒールをかけながら戦ねばならない。そうすることで、戦いの後に女性を救出する可能性がある。
 ケルベロスが農園に到着した時にはすでに周辺では警察が駆けつけており、人的避難は進んでいるはずだ。この為、ケルベロスとしては、攻性植物への対処に専念したい。
「女性を救出したい気持ちもわかるけれど、あくまで攻性植物の討伐が最優先だということは理解してほしい」
 攻性植物を倒せなければ、新たな犠牲者が生まれる可能性もある。最悪の場合の想定はしておくべきだろう。
 また、攻性植物を討伐できたなら、農園主から礼としてりんごを振る舞ってもらえるとリーゼリットは語る。
「りんごはそのまま食べても美味しいけれど、調理してから食べるのもいいよね」
 農園主から台所を貸してもらえるので、何か作って皆で食べるのもいいだろう。
 できれば、心からりんごを楽しむ為にも女性を救出したいところだが……、そこはケルベロスの力の見せ所だ。
「どうか、よろしく頼んだよ」
 リーゼリットはこの1件をケルベロスに託し、最善の形での事件の収拾を願うのである。


参加者
クィル・リカ(星願・e00189)
多留戸・タタン(知恵の実食べた・e14518)
オリヴン・ベリル(双葉のカンラン石・e27322)
カヘル・イルヴァータル(老ガンランナー・e34339)
エリアス・アンカー(ひだまりの防人・e50581)
ウィル・ファーレイ(研究の虜・e52461)
セーブ・サパナ(楽園追放・e62374)

■リプレイ

●りんごと捕らわれの女性
 青森県某所のりんご農園。
 そこに、ケルベロス一行が降り立つ。
「林檎の危機に! サッソーと! タタンとジョナの登場ですよ!」
 りんご農家の娘とあって、りんごのタルト菓子から名づけられた多留戸・タタン(知恵の実食べた・e14518)。りんごの事件と聞いて、彼女はいても立ってもいられず駆けつけてきたのだ。
 すでに、被害が広がらぬようりんご農園近辺は警察の手で人的避難が行われている。農園主を始め、多くの人が遠巻きに園内の方を不安げな表情で見つめていた。
「こう天気が良けりゃ、人も集まるもんな」
 色黒なオウガの青年、エリアス・アンカー(ひだまりの防人・e50581)は一度天を仰いでから人垣に目をやる。
 敵も美味いところを狙ってくるわけだと、エリアスは皮肉を口にしていた。
「林檎は今が一番の食べ頃なんじゃがのう」
 遠くに見えるりんご園を臨み、飄々とした態度をしたカヘル・イルヴァータル(老ガンランナー・e34339)が呟く。
 彼が言うように、美味しい旬のりんごを楽しむ一時だったはずが、妙な事件が起きてしまっている。
「林檎はとても美味しいですし、私も好きですけど……、その林檎が攻性植物になるとは、放ってはおけませんね」
 青い長髪のヴァルキュリアの青年、ウィル・ファーレイ(研究の虜・e52461)は落ち着いた様子で自らの考えを語る。
「せっかくりんご狩りを楽しみにきたのに、取り込まれてしまうなんて……」
 銀髪の人派ドラゴニアンの少年、クィル・リカ(星願・e00189)は攻性植物となったりんごの樹に捕らわれた女性を気遣い、無事に救出をと意気込む。
「その後にはしっかりと、りんご狩りを楽しめるようにしましょう」
 そう言うクィルを含め、皆その後のご褒美も楽しみなようで。
「りっんご~りっんご~♪」
 柔和な表情を浮かべ、リティア・エルフィウム(白花・e00971)はハイテンションに鼻歌を口ずさむ。
「がっつりばっちり女性を救って、最高にあっぷるな時間を過ごしましょう!」
 そんな彼女を、カヘルは微笑ましげに見つめて一言。
「攻性植物倒すついでにお嬢さんを助け出して、美味しい林檎を頂こうかのう」
 それに同意したメンバー達は、攻性植物の現れた農園内へと足を踏み入れるのである。

 事後のりんごを楽しみにするケルベロス達とはいえ。
 実際にその攻性植物と対面すると、メンバー達の表情は一斉に曇る。
 ケルベロス達の倍余り樹高のあるりんごの攻性植物。その幹には捕らわれた女性の姿が見える。
「まったく、林檎を好きな人を取り込むとはなんとヒドーな! 林檎の皮をかぶったワルイヤツめ!」
 タタンはそいつへと真っ先に啖呵を切ると、攻性植物はケルベロスに気付いて振り返る。
 実際には、攻性植物へと化した胞子が元凶なのだろうが……。
「りんごを悪者にするとか、信じらんない」
 これがケルベロスとしての初依頼だという、男勝りなセーブ・サパナ(楽園追放・e62374)は、りんごのように顔を真っ赤にして憤る。
「絶対助けて、心置き無くりんご満喫してやるんだから」
 若干の緊張もあるが、大好きなりんご絡みの依頼とあってセーブの士気は高い。
「美味しい林檎に不幸は要らん。お嬢さんを助け出すぞい」
 この樹には気の毒な状況だが、人命第一とカヘルは構えを取る。
 メンバー達は女性の救出を目指し、陣形を整えていく。
 ヒールを掛けながらの立ち回りを要求されるということで、クィル、ウィルが女性へとヒールを施す役回りを請け負う。
 対し、リティア、オリヴン・ベリル(双葉のカンラン石・e27322)らが攻撃に当たって、攻性植物としての体力を削ることになる。
「のあさん、今たすけます、ね」
 眠たげでローテンションなオリヴンだが、甘い物を間近に見つめて彼なりにテンションを高めている様子。
「助けたら、リンゴ、今度はぼくたちが食べちゃおう」
「オイシー林檎に、カナシーことは似合わないので!」
 タタンも気合を入れ、小動物のような動きでウォーミングアップしていく。
「乃亜さんも助けて、オイシー林檎をいただくですよ!」
「ああ、被害者にもリンゴにもダメージがいかねぇように、サクッと終わらせてやろうか!」
 枝触手を伸ばしてくる攻性植物へタタン、そして周囲の状況を確認していたエリアスは正面から立ち向かう。
 攻性植物の討伐、そして捕らわれの女性の救出を目指して。

●粘り強く、救出の為に
 枝触手を伸ばすりんごの攻性植物。
 前線メンバーがそれに身体を絡まれる後ろから、跳び上がったリティアが敵頭上より流星の蹴りを浴びせかけていく。
 箱竜エルレも後方から相手を狙い、ブレスを吹きつけてリティアを援護する。まずは、相手の動きを鈍らせたいところだ。
 ミミックのジョナと共に、枝触手に絡まれていたタタン。
 ジョナが相手の枝を武装具現化した林檎飴型こん棒で殴りつけたのに合わせ、タタンはオウガメタルを纏った拳で枝を殴りつけていく。
「きっと助けるですから、乃亜さんもがんばるですよ!」
 攻撃しながら、タタンは女性に呼びかけも行う。
「まだまだ大丈夫」
 オリヴンもまた攻撃役となり、確実にダメージを与えようと捕食形態としたブラックスライムをけしかけ、敵の動きを封じようとしていく。
 さほど命中率は変わらないと判断したオリヴンは、敵の抑えをメインに立ち回ることにしていたようだ。
 枝触手に絡まれる仲間の癒しには、カヘルが当たる。
 カヘルはまず癒しも兼ねて前列メンバーにオウガ粒子を振り撒き、仲間の感覚を研ぎ澄ます。その後、彼はリボルバー銃に癒しを込めた弾丸を装填し、仲間に向かって発砲していく。
 前に出ていたカヘルの箱竜も、主の指示に従って属性注入でメンバーの癒しに当たっていたようだ。
 一度、クィルも紙兵を仲間の手前に撒き、護りに当たらせた直後は攻性植物に捕らわれた女性の癒しへと当たっていく。
「絡まった運命の糸を 今解きほぐして そっと この空に広げよう……♪」
 クィルはウィルと連携をとって回復に当たるが、そのウィルは初手から『希望の為に走り続ける者達の歌』を歌う。
 そうして、ウィルは攻性植物共に体力を削られる女性の体力を幾分か取り戻す。
「大丈夫です、私達が必ず助けますので。辛抱してください」
 ウィルもまたグラビティを使う合間に、意識のない女性へと励ましの声をかけ続けていたようだ。
 ただ、女性を癒すということは、同化した攻性植物を癒すことにも繋がる。
 活性化した攻性植物はさらに暴れ、実らせたりんごを周囲へと投擲していく。
 バラ撒かれたりんごはグラビティの影響で爆ぜ飛び、りんご農園を破壊し、ケルベロス達にもダメージを与えてきていた。
 身構えたエリアスはそれに耐え切り、砲撃形態とした竜鎚から弾丸を発射する。
 できるだけりんご爆弾を地面へと着弾する前に、エリアスは迎撃しようとしていたようだ。
「ああ、もう! りんごは投げるものでも、爆弾にするものでもないっての!」
 大好きなりんごを物のように扱う攻性植物にセーブは苛立ちつつ、地獄の炎弾を発して相手の体力を削る。
「絶対助けるから、もうちょっとだけ頑張って!」
 顔面蒼白な息に捕らわれた女性にセーブは声をかけ、さらに攻性植物へとオウガの拳で殴りかかっていくのだった。

 その後、ケルベロス達は攻性植物の攻撃に耐えながら、女性の回復と攻性植物への攻撃を繰り返すこととなる。
 リティアが竜鎚より轟竜砲を撃ちこんだ直後、ウィルは女性の危機を察して。
「一度、攻撃を止めてください」
 仲間へと攻撃停止を呼びかけたウィルは、再度、『スカイクリーパー』の歌詞を口ずさむ。
「希望の為に走る者よ、希望を忘れないで下さい!」
 そうして、ウィルは捕らわれの女性の傷を大きく癒す。
 しかし、活気づく攻性植物がまたも枝触手やりんご爆弾を行使してくるのに、オリヴンは耐えてから一言。
「攻撃、いくよ」
 バスターライフルを手にしたオリヴンは、相手のグラビティを中和し弱体化するエネルギー光弾を発射する。
 命中したことで、確かに攻性植物のグラビティは弱まっていたようだった。
 だが、オリヴンにとって想定外だったのは、仲良しのテレビウム、地デジのこと。
 特に指示を出していなかったこともあり、地デジは凶器攻撃と画面を繰り返して攻撃してくれていた。
 その中で、顔から発する閃光は攻性植物の注意を強く引くこととなる。
 地デジを巻き込んだ広範囲攻撃も多く、主に前列メンバーが纏めて攻撃の対象となってしまう。
 彼らに対し、カヘルは花びらのオーラを舞わせて回復に当たる……が、ステップを踏む際に腰に鈍い痛みを覚えていたようだ。
 カヘルの箱竜や、ミミックのジョナが時にカバーしてくれてはいたが、それでも攻撃は地デジへと集中する。
 樹上に咲かせた花から放たれた破壊光線をまともに浴び、地デジは姿を消してしまった。
 オリヴンは自身のサーヴァントを気にかけながらも、攻撃を続けることとなる。
 ただ、その間、メンバー達は順調に攻性植物へと対処に集中も出来ていたようだ。
 攻性植物の体力状況へと細やかに気を払い、立ち回るケルベロス一行。
「さ、立て直すぜ!」
 仲間の盾となるエリアスは仲間の負傷状態を見て、両手の拳で仲間の傷を殴り飛ばしていく。
 両腕でやれば早いという考えから、エリアスが生み出したグラビティ。彼は両手の拳で、仲間達を次々に癒していく。
 さらに、エリアスは指輪から発した光る剣で相手の蔓触手を切り払い、攻撃を再開させていった。
 セーブもしっかり状況を見定め、回復とダメージのバランスをうまく調整する。
 仲間の傷も気にかけ、セーブは再度樹上へと強く蹴りかかり、相手の動きを止めようとしていた。
「攻撃は十分当たるようになってきたかな」
 セーブは仲間の攻撃も合わせ、攻性植物へと命中しているのを見て、自身が予め組んだローテーション攻撃を繰り返す。
 しかしながら、相手を生かず倒さず弱らせるというのはなかなかに難しい。
 ミミックのジョナが大きく口を開いてかぶりついた直後、タタンは女性が苦しみ悶えたのを見て、蜜がたっぷり入ったりんごを取り出す。
「甘いは美味い。美味いは甘い。ナイショの一口あげましょね!」
 女性の身が危険と判断したタタンがそのりんごを女性へと分け与えると、少しだけその頬に赤みが戻ったようだ。
 だが、攻性植物はそれほど体力が戻ったようには思えない。
 見れば、女性の体が幹から浮き出しているようにも見える。攻性植物もかなり弱っている。
 念押しにとクィルは女性へと緊急手術を施し、ウィルも『スカイクリーパー』を高らかに歌うが、攻性植物が活性化する様子はない。
 逆に、攻性植物の弱まりと共に、寄生していたはずの女性の体が剥がれかけてきている。
「よし、今じゃ」
 仲間へと回復が必要ない状態と判断したカヘルは攻性植物目掛けて素早く発砲し、相手の幹上部を撃ち抜いていく。
 さらに、封印箱に入った箱竜エルレが力の限り体当たりすると、攻性植物の体が大きく揺らぐ。
「一気にいきます!」
 白い翼を広げたリティアがそこで、聖なる光を発射する。
 全身を撃ち抜かれた攻性植物の体は急激に枯れてしまい、横倒しになって倒れていく。
 一方で、地面へと落ちた女性の体。
 その胸が上下しているのを確認したメンバー達は、安堵の息を漏らしたのだった。

●美味しいりんごをご堪能あれ
 無事、女性を救い出した上で攻性植物を倒した一行。
 まずは、セーブが被害者藤吉・乃亜を介抱し、光の盾で包み込んで癒しに当たる。
 カヘルが癒しの力を込めた弾丸を女性の体へと撃ち込み、さらに、オリヴンも珪孔雀石の様な柔らかい光で彼女を包み込むと、ようやく乃亜は目を覚ます。
 その無事を横目にしながら、クィルは農園を綺麗にすべく景観そのままに直せるよう心がけて修復に当たる。
 農園主は問題ないと主張してくれたことで、メンバーはヒールグラビティも使って修復の手を進めていく。
 手早く済ませようとエリアスは両手の拳で荒れた農園に力を与えていき、リティアは修繕にと見た目も考えて農園内へと癒しの光を降り注がせる。
「林檎農家にとって、林檎の樹は宝物ですので!」
 タタンなどは念入りに戦場近辺のりんごの樹へ、蜜がたっぷり入ったりんごを使って癒しに当たっていたようだ。

 修復も終えたメンバー達は園内へと戻ってきた農園主の好意に甘えて、甘く熟したりんごを頂くことにする。
 早速、カヘルは1つりんごを手に取り、鮮やかなナイフ捌きでウサギ型のりんごを披露してみせる。
「これは、見事だな」
 料理のうまい友人の土産にと、りんごを農園主から譲り受けていたエリアスは、それに唸りながらも早速ひとかじり。
 同じりんごではあるが、見た目が変わるだけでも一層美味しく感じるものだ。
「やはり、林檎は採れたてが一番ですね」
 ウィルもまたその兎りんごを見つめ、旬な味を堪能する。
 そんなメンバー達の姿に、カヘルは自身の年齢を意識して引率者の気分を感じていた。
「芯をとって、バター入れて、アルミホイルで包んで、オーブンにポン!」
 テンションが高まるオリヴンは再び姿を現した地デジやタタンと一緒にオーブンを借り、焼きりんごを作る。
「タタンはーちょっと大人になったですからー、シナモン大丈夫になったですよ!」
 タタンが作ったのは、お友達のお店で覚えたシナモン入り焼きりんご。程よいシナモンの甘さがりんごと合わさり、大人の味わいを感じさせてくれる。
 セーブも内心でテンションが爆上がりし、幸せそうに顔を緩めながらも仲間達が作ってくれた焼きりんごを口にしていた。
 同じく、クィルやリティアは2人で楽しくアップルパイ作り。
 手間暇かけ、2人はフィリング作りからスタート。
 リティアが主導となり、メモをとるクィルに教える形で進めていく。
「さすが、ティアはお料理上手ですね」
 感心するクィルがふんふん頷く様子に、リティアは少しだけイタズラ心をくすぐられて。
「誰に食べさせるつもりなんですかぁ~~~?」
「ふふん。誰に食べさせるのかはナイショと言うことにしておきましょう」
 その後、2人はパイ生地を作り、先ほど作ったフィリングをのせ、さらにパイ生地を網目に敷き詰めてオーブンへ。
 しばらくして焼き上げたアップルパイを、リティア、クィルは仲間達へと振る舞う。
 とても美味しいと仲間の賛辞を受けつつ、彼らもまた仲間の作った兎りんごや焼きりんごを食べ、和やかな一時を過ごすのだった。

作者:なちゅい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年11月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 5/キャラが大事にされていた 0
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