清楚な和風メイド、佳きかな佳きかな

作者:木乃

●メイドは三歩下がって貞淑に
 慎ましい立ち振る舞いは現代の疲れた者にとっても、癒やしの在り方である。
 静岡県静岡市にある和風メイド喫茶。
 今日も今日とて疲れた市民が、美味しい茶菓子と和服メイドさんに癒やされていた。
 ――そしてそれを見守る、不穏な影が三つ。
「和風メイド。なんと浪漫輝くマリアージュ」
「古き良き時代の侘び寂びに、色即是空――すなわち『心の余裕』を作る。げに恐ろしき大和撫子ぞ」
 和やかな雰囲気に、客達も場の空気を楽しむ余裕すらある……利用価値は十全!
 影羽衆の三人はじっくり品定めしつつ、選考基準を話し合う。
「やはり『清楚系美少女』が良いで候! しかして、気が強い者は食傷気味」
「ツンデレ配下は何処も供給過多なり」
「ならば『上品さ、奥ゆかしさ』は必須であろうな……小生の審美眼はあのおなごにティンと来た!!」
 一人の指差した先には、控えめに微笑む黒髪ショートボブの少女。
 ゆったりした仕草はしとやかでいて、無駄がない……まさに『大和撫子』と呼ぶに相応しい、絶滅危惧種!!
 早急に確保すべきだ、いつ確保するんだ? ――今でしょ!!
「奥ゆかしきメイドさん、我ら影羽衆が貰い受け候! 高値で売りつけて参るぞ!!」
「邪魔立てする者共はグラビティ・チェインにして変換にしてくれるわぁ!」
 どどどどどどどどどっせーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!
 突撃☆メイド接収に、店内は一転して騒然としていく。

「……影羽衆って、こんな人達ばっかりなの?」
「でしょうね。彼らの目的からしても美少女・美少年は必須事項のようですし」
 怪訝な顔の不入斗・葵(微風と黒兎・e41843)にオリヴィア・シャゼル(貞淑なヘリオライダー・en0098)は眉一つ動かさず、事件について語り始めた。
「彼らの目的はサブカル系の美少女や美少年を誘拐、洗脳や改造を施し、他のデウスエクス勢力へ人身売買することですわ。名誉挽回、汚名返上に焦っているのでしょう」
「うーん、なんでそんな事するのかなあ?」
 葵が首を傾げるのも無理からぬ事。
 目的以外は不明点が多いものの、デウスエクス勢力の手駒が増える危険性もある。
 なにより、罪のない少年少女を犠牲者にする訳にはいかない。
「どうやら今回は美少女を狙っているようです。皆様には静岡県静岡市に飛んで頂き、襲撃する影羽衆の目論見を阻止して、撃破してくださいませ」
 影羽衆の出現ポイントは静岡市にある和風のメイド喫茶だ。
「いわゆる『和風ロリータのメイド喫茶』のようですわね。静岡名産のお茶やお菓子、和やかな雰囲気を売りにしている、落ち着いた雰囲気のお店ということです」
 従業員も明るくフレッシュな美少女、というより『古風な落ち着いた美少女』が大半のようだ。
「定型句にはなりますが、『事前に避難させてしまうと、警戒した影羽衆は別の場所を襲撃』してしまいますわ。避難誘導は影羽衆の出現後、予知が確定した状況になってからお願いしますわね」
 さて、問題は今回の影羽衆の狙う好みのタイプ。
「『清楚系の美少女』で『上品さ、奥ゆかしさ』が必須……相変わらず注文の多い方々ですわね。影羽衆はその場にいる少女の中で『最も自分達の趣味嗜好に合う一人』を狙って誘拐しますわ。ケルベロスが敢えて、条件を揃えていけば囮として機能する可能性が高くなりましてよ」
 内面から滲み出るものは仕草、心構えが重要になる。どのようにして気を引くかがポイントだ。
「襲撃する影羽衆は三人。使用グラビティは一人が螺旋手裏剣による撹乱、主力の二人はライブ用ペンライトに改造した日本刀を使用しますわ……ヲタ芸抜刀術とでもいうのでしょうか」
 理解に苦しむ点は多いが、侮るなかれ。油断していると一瞬で斬り捨てられてしまう。
「清楚、と言っても自分の性分に合わない方もいるでしょう。無理せず利用客として混ざるなど、現場で対応しやすい形をとってくださいませ。……それにしても、和風メイドなんてよく見つけましたわね」
 日本のサブカルチャーは幅が広い、オリヴィアは妙な感心を覚えていた。


参加者
キーラ・ヘザーリンク(ラブラドレッセンスの魔女・e00080)
パトリック・グッドフェロー(胡蝶の夢・e01239)
ズミネ・ヴィヴィ(ケルベロスブレイド・e02294)
ラギア・ファルクス(諸刃の盾・e12691)
彩咲・紫(ラベンダーの妖精術士・e13306)
不入斗・葵(微風と黒兎・e41843)
ベルローズ・ボールドウィン(惨劇を視る魔女・e44755)

■リプレイ

●メイドの極意をご覧じろ
 和風メイドに相応しく店内はエンジ色の丸障子、古典柄の仕切りなど和ポップな内装で構成されている。
 大正浪漫を現代風アレンジしている要素も、サブカルチャー的な場であることを意識したものだろう。
 囮役を見守るケルベロス達は店舗側から入ると、お下げ髪の和風メイド少女が出迎える。
「お帰りなさいませ。若様、姫様。お席までご案内いたします」
(「……オレも『若様』に入ってんのかな」)
 女装男子、もとい異性装のパトリック・グッドフェロー(胡蝶の夢・e01239)だが、わざわざ確認するのも野暮とお口チャック。
「うーむ、控えめな立ち振る舞い。客層が男女偏っていないのも頷けるな」
 ラギア・ファルクス(諸刃の盾・e12691)が店内を見回すと、若い女性客や老夫婦の姿もあった。
 単なる物珍しさが人気の秘訣ではないことが伺える。
「本当に特徴的な制服ですわ……和風メイド」
 似合わないだろうと辞退した彩咲・紫(ラベンダーの妖精術士・e13306)は、通り過ぎるメイドの制服を注視する。
 フリルと着物を合わせた姫袖に膝丈ふんわりスカート、リボン風の飾り結びをつけた帯風コルセット。
 靴は各々の趣味に任せているのか、編み上げブーツやストラップシューズで個性を出している。
「この前は美少年の執事を狙って……なんか、見境ないというか」
 もはや、なにを基準に選んでいるのやら。不入斗・葵(微風と黒兎・e41843)は首を傾げるが、大人になるってそういうことさ。(?)
(「でも大和撫子は憧れちゃうかも、葵も着物が似合う大人になりたいなぁ」)
「おー料理も美味しそうだ! オムライスにあんみつ、ミルクセーキ……迷うなぁ」
 五人でお座敷席につき、リーズレット・ヴィッセンシャフト(迷いの森・e02234)はさっそくお品書きに目を通す。
 品揃えは和洋折衷のようだ。まずは店の雰囲気に馴染もうとメニューを選び始める。

「若様、姫様、本日はどちらをご賞味されますか」
 幾ばくか経ち、制服姿のキーラ・ヘザーリンク(ラブラドレッセンスの魔女・e00080)が席までやってきた。
(「姫カットに和風メイド、これはいけるんじゃ!?」)
 銀糸の髪に伏し目がちな金の瞳。
 着物風の洋装姿との好相性に、リーズレットは「おー!」と感嘆の息をつく。
 制服をまじまじと見ていたパトリックも改めて(「良いメイド服だなぁ」)と感心。
「本日は皆様のために心を込めてご用意させて頂きます」
 平素と変わらぬ振る舞いのキーラに、リーズレットが注文している途中。
 ラギアは通り過ぎようとした少女を呼び止める――予知で影羽衆に狙われていた少女だ。
「そこなメイドさん、ちょっと相手してもらえるか?」
 巨漢のラギアにも怖じけず、ショートボブ少女は春風を思わす微笑で先を促す。
(「万に一つだ、彼女が標的から外れるようにしないとな」)
「恭しい態度も悪くないが、俺はツンデレを所望する!! 出来ないということはないな?」
 ラギアの無茶ぶりに少女は目を丸くするが、主人からの命とあらば応えてみせるがメイドの勤め。
「え、と……べ、別に、好きでメイドしてる訳じゃ、ないんだからねっ?」
 うーん、この拙いながら一生懸命こなす感じ。むしろ健気で堪らん!
「も、もっと強気な感じで堂々と!」
 キュンキュンしているラギアを尻目に、紫と葵はメイドさんに扮する他の二人を探す。
 先に見つけたのはズミネ・ヴィヴィ(ケルベロスブレイド・e02294)
 制服のスカートにスリットを作り、純白のニーハイソックスが目立つよう改造していた。
「お料理をご用意しました、今美味しくなる魔法をかけますね――」
 人差し指と親指でハートマークを作ったズミネは、困ったように眉を寄せて例の呪文を唱える。
「も……萌え萌え、キュン……。もっ、萌え萌えキューン!」
 語尾に(はぁと)がつく勢いで、定番ムーヴを披露したものの、お客さんは困惑気味。
 『古風な落ち着いた美少女』が多いこともあってか、普段と違うタイプに驚いているようだ。

「……ベルローズさんは入店案内中ですわね」
 紫の声に葵は視線を移す。
 三人目の囮、ベルローズ・ボールドウィン(惨劇を視る魔女・e44755)は少し窮屈そうな制服姿で応対中。
 膝下スカートをさりげなく抑えつつ、席へ案内してメニューを差し出す。
「ねえねえ、君のオススメってある?」
「若君には駿府城特盛り天守閣カレーが人気ですね、甘味でしたら抹茶の和みパフェもお勧めでしょうか」
 ベルローズの丁寧な応対に「それにしよっかなぁ」とお客さんも乗り気な様子。
「なかなか良い感じじゃないか?」
 一旦、キーラが席を外したところでパトリックも様子見に加わる。
 件の少女はラギアのリクエストでツンデレ対応している限り、目をくれることはないだろう――、
「ちょーっと待ったぁ! まだキーラさんの真骨頂を見てないのに気が早いぞ?」
 が、リーズレットは待ったをかける。どうやら秘策があるらしい。
 ……まさか肝心要な点を見落としていた、とはいざ知らず。
「お待たせいたしました」
 そこへ注文された料理を手にキーラが戻ってきた。配膳する彼女にリーズレットが身を乗り出す。
「お姉さん、あーんして欲しいなぁ♪」
「あ……あーん、ですか?」
 あまり表情を変えないキーラだが、白い頬にはポッと薄紅色が浮く。
 パトリック達や周囲の視線を確かめるように一瞥すると……木串で一口、切り分ける。
「では……あーん」
 そのままリーズレットの口元へ運ぶと、手ずから食べさせた。
 口いっぱいに広がるしっとりした甘さ、口溶けも上品。実に美味である。
「お~いひ~♪」
 頬を赤らめる友人の姿も絶景とばかりに満足げな彼女だが――――相手方の『標的』も定まったようだ。

●冥土の土産はたっぷりと
 けたたましい破壊音と共に曲者どもが立ち入る。
「奥ゆかしきメイドさん、我ら影羽衆が貰い受け候!」
 一息に名乗り口上をあげた影羽衆の一人が逸散に飛びかかった。
「! こちらに来ましたか」
 ――ベルローズはロングスカートを翻さぬよう身構える。
 無遠慮な忍びは瞬時に間合いを詰め、手首を掴まれるがベルローズは冷静に対応。
 袖から姿を見せたブラックスライムで牽制し、間合いをひらかせた。
「響、援護を頼む! にしてもキーラさんがスルーされるって、どこがダメだったんだ!?」
「え……そこな銀髪の『ご婦人』?」
 混乱するリーズレットだが、ターゲットは『清楚系の美少女』
 つまり『少女』であることが前提となる。
 ベルローズは16歳、件のメイド少女も18歳前後か――しかしキーラ、28歳。
 ミステリアスな美女には違いない。違いないが……、
「そういう嗜好も否定せぬが、拙者らメイドご婦人は守備範囲外にござる」
 ちょっと。いや少し。えー、かなりですね……年齢的に少女とは、言い難い……!
 上品さ、奥ゆかしさを気にするあまり、前提条件が抜けてしまっては本末転倒だ。
「露骨な純白ニーソアピも女性性を強調し過ぎる、故に美しくない。正に清楚と真逆なり」
 ギリギリラインだったズミネも『路線ミス』と一蹴される。
「うーん、メイドさんってああいう感じだと思ったんだけどなぁ?」
 不満げなズミネはグラビティで動物の練り切りを形作り、負傷した市民達の元へ急行させ、
「ほんっっっとに面倒くさい連中だな!?」
「皆は早く避難して、葵たちがやっつけるから!」
 好き放題のたまう影羽衆が互いを見合わせている間に、パトリックと葵も市民に避難を促す。

「ラベンダーの芳香よ……辺りを包み込み、まどろみの世界へ誘え」
 頭痛を覚える紫だが、溜め息をついている場合ではない。
 紫を中心に濃密な香りが屋内を満たし、躍り出たラギアが竜尾を鞭のようにして張り倒す。
「慇懃な言い回しだが無礼極まらん、しかも癒やしの最高峰メイド喫茶を狙おうとは!」
「ご婦人、ご婦人……メイドご婦人、ですか……」
 念鎖で方陣を描くキーラは何度も同じ単語を口にした――室温が下がったように感じるのは気のせいか。
 ペンライト型の小太刀を手に、散開する影羽衆は、激しく踊り真空波を発生させる。
 飛来する真空波を響と、もう一体のボクスドラゴン・ティターニアが制止。
「節操はないし常識もないし、お店の中で踊るのもマナー違反よ!」
 怒りを通り越して呆れかえる葵の歌声に、ペンライトの片方が点滅して動作不良を起こす。
 支援する影羽衆は目眩ましに螺旋手裏剣をばらまくが、ベルローズによってすかさず対処される。
「死を告げし嘆きの精よ。一陣の疾風となりて、我らに敵を屠る権能(ちから)を与え賜え!」
 すすり泣く妖精の嘆きは戦場に狂風をもたらす。
 風にまぎれる惨禍の記憶が魔力を引き出し、動きが鈍る紫達に精彩を取り戻させた。
 場が整ったところで、避難誘導を終えたパトリックが加勢する。
「しょうもない連中だな。独占しようとするのは、ヲタ活から程遠い『外道』なんだぞ!」
「外道結構、我らの抜刀術を受けるでござる!」
 二節棍にした如意棒で殴りかかると、影羽衆は小刀で受け止め、互いの得物を激しく打ち合う。
 火花を散らす両者に、ティターニアが突撃して影羽衆を押し切ると、周囲の空間を歪曲させたリーズレットと視線がかち合う。
「私の大事な友達に暴言吐いて、ラクに死ねると思うな下衆共……――見えなき鎖よッ!」
 そこに影はなく、姿形も視えざれど。確かに存在する物が、負傷する影羽衆の一人を雁字搦めにする。
 最初は右脚、左脚、次は絡め取った両腕へ。次々と圧砕する不可視の鎖が、首筋に到達した。
 首を括った鎖も容赦なく締めつけ――縊りあげた死体は塵と化す。

「あなや、げに恐ろしき地獄の番犬……!」
「今更怖じ気づいたって遅いのよね、天罰を下してあげるわ」
 速攻で一人沈められた影羽衆に動揺が走り、ズミネがもう一体の前衛忍者に雷を落とす。
 マインドリングを剣に変えたキーラの閃光が膝下を裂き、後方の影羽衆にベルローズが水晶の焔で妨害を試みる。
「むっ! オラトリオのお嬢さん、メイドに興味は「ありません。静かにお眠りくださいませ」
 手裏剣と共になぜか勧誘してくる影羽衆に、紫は食い気味にお断り。
 紫電鋼で弾き落とした勢いを乗せ、振りかぶった拳を動きが鈍る螺旋忍軍に叩き落とす。
「この尻軽忍者どもが、ティターニア!」
 ラギアが中衛を蹴り飛ばし、リーズレットが前衛の覆面忍者をたたみかけたところにパトリックが飛び込む。
 ズミネ達が動きを鈍らせたことでフラフラする影羽衆へ、ティターニアが鳩尾にタックルをぶちこみ、パトリックも全身のグラビティを滾らせる。
「Live and Let Die!!」
 ヲタ芸抜刀術で捌こうとするが、小太刀が裂いたのはいずれも残像。
 ――気づけば袈裟に斬られ、肩口から脇腹まで大きな裂傷が施されていた。
「なん、だと……――」
 霧散する影羽衆を見ることなく、パトリックは刀を納めて最後の一人を見やる。

「ぐぬぬ……まさか候補のメイドさんがケルベロスでござったとは」
 ネズミ花火じみた軌道を描く手裏剣。ラギアは白雪のオウガメタルで逸らし、黄金に輝く伏雷で脇腹を強打させる。
「なにが『ぐぬぬ』だ! メイドさんを怖がらせる連中に、メイドさんと戯れる資格はない!」
「残るは一人です。これ以上荒らされる前に終わらせましょう」
 ベルローズとズミネが前・中衛に立て直しのヒールをかけ、一斉攻撃が影羽衆に襲いかかる。
 業炎。光線。幻影。雷電――身を切るほど攪拌する嵐に飲まれ、血に染まる不届き者に紫は雷華の鉄杖を向ける。
「貴方の時間ごと、凍結させてあげますわ!」
 花咲くように鮮やかな火花が圧縮されていく。
 ビー玉ほどに凝縮された弾丸は凍気をまとい、ロッドの先から音もなく射出――胸板のど真ん中を貫いた。
 心音が、鼓動が、思考が――呼吸がもう一度、動きだすことはない。


「ヒールしたいけど、雰囲気壊しちゃったらどうしよう……」
 幻想化して雰囲気を壊してしまうのでは?
 ケルベロスカードを手に唸る葵に、ラギアも困り顔で頭を掻く。
「一理あるが、修繕するために休業を余儀なくされるからな」
「取り除けるものは取り除く、ってのはどうだ?」
 休業した分だけ売上が出せなくなるのは、お店側も維持できなくなる。
 柄模様のテクスチャまでは手が及ばずとも、生えた植物や無機物は摘んでしまえばいい。
 パトリックの一言に葵は小さく頷き返す。
「じゃあ、取り除けなかった分の修理費に使ってもらうね」
 カードは後ほど渡すことにしてズミネ達は修復作業にとりかかる。
「De aarde omhult alles……」
 大地よ、我らを包み給え――タロットカードを足下に伏せたキーラを中心に、『世界』が広がっていく。
 ズミネも特製薬液を振りまき、余分な蔦や歯車をパトリック達が手作業で回収……店内の幻想化を最小限に抑えた。
「床だけカラフルな市松模様になっちまったが……思ったよりマシか?」
「全面鏡張りにならなかっただけ安心ですわね。あとはお店の判断にお任せいたしましょう」
 ぺたぺた触って床の具合を確かめるパトリックに、紫も安堵の息を漏らす。
「では、気を取り直して和風メイドカフェを楽しもう」
「キーラさんも一緒に食べよ! 今度はゆっくり堪能できるからさ?」
 疲れた体には甘いものが一番。
 メイドさんや市民を呼び戻し、平穏を取り戻した和風メイドカフェは再び活気づいていく。

作者:木乃 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年11月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 4
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