クロム・レック決戦~採掘基地を撃破しろ!

作者:宮下あおい

●報告
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は、集まったケルベロスたちを見回し、説明を始めた。
「クロム・レック・ファクトリアの探索に向かっていたケルベロスが帰還しました。2名のケルベロスが暴走して、敵の追撃を食い止め撤退という厳しい結果となりましたが、得られた情報は非常に価値の高いものでした」
 伊豆諸島海底部の海底熱水鉱床で、多くの資源がダモクレス勢力によって奪われていたこと。
 そしてこの採掘を行ったのが『クロム・レック・ファクトリア』で、その護衛にディザスター・キング率いるディザスター軍団の姿があった。ディザスター・キングが直接防衛指揮をとっていることからも、『クロム・レック・ファクトリア』が、ダモクレス全軍にとって重要な役割を果たしているのだろう。
「さらに伊豆諸島海底部にはもう一基の拠点、ダモクレス『バックヤード』の姿も確認されています。バックヤードの詳細は不明ですが、巨大な『環状の門』のような形状から『魔空回廊を利用して、採掘した資源の輸送を担当している』と考えられます」
 バックヤード側の戦力は、巨大な腕型のダモクレスが確認されている。指揮官として『五大巧』という、5体の強大なダモクレスが存在しているようだ。
 クロム・レック・ファクトリアが採掘した資源量は膨大であり、概算では『ここ数年のダモクレスの侵略に必要な資源』の過半数は、ここで採掘されたと考えて間違いない規模だ。
「つまりクロム・レック・ファクトリアの撃破に成功すれば、ダモクレスへの打撃は非常に大きなものとなるでしょう」

●突入方法
 ケルベロスによって拠点の場所を暴かれたダモクレス勢力は、『クロム・レック・ファクトリア』の移動準備を開始したとの報告がある。ならば遅くても一週間以内に、移動準備の整った『クロム・レック・ファクトリア』は、伊豆諸島海底から姿を消してしまうだろう。
 セリカは広げた地図を指し示しながら続ける。
「クロム・レック・ファクトリアが移動してしまえば、大きな犠牲を払って手に入れた情報が無駄になってしまいます。そうしないためにも、『クロム・レック・ファクトリア』が移動する前に、短期決戦で撃破する必要があります」
 クロム・レック・ファクトリアを破壊するためには、内部に潜入してディザスター軍団の防衛網を突破、ファクトリア中枢に侵入して、ディザスター・キングの守る中枢部の破壊を行うことだ。
「ダモクレス側も『ケルベロスの襲撃を撃退すれば、撤退までの時間が稼げる』として、決死の防衛を行ってくるため、激戦が予測されています。危険な作戦となりますが、皆さんの力を貸していただければと思います」
 クロム・レック・ファクトリアの外周部には29箇所の資源搬入口があり、そこから内部に潜入することが可能だ。しかし、全ての搬入口が中枢に続いているわけではないため、特定の突入口からのみの突入は避けなければならない。
「ディザスター・キングは、敢えて、中枢に繋がる搬入口と、それ以外の搬入口の警備を等しくすることで、ケルベロス戦力を分散させようという作戦をとっているようで、警備の様子などから予測するのは不可能となっています」
 中枢に繋がる搬入口以外も、ディザスター軍団のダモクレスによって堅く守られており、敵を撃破して実際に探索してみなければ、その搬入口が中枢に続いているかどうかを確認することもできない。
 複数チームが一つの搬入口から進行した場合、侵攻時の安全性が向上するが、その搬入口が中枢に続いていなかった場合、ディザスター・キングとの戦いに参加できる戦力が低下してしまう危険がある。
「クロム・レック・ファクトリア内部は、ディザスター軍団のダモクレスの防衛部隊が展開しています」
 彼らは隠し部屋を利用した待ち伏せなど、奇襲攻撃を行うことで、少ない戦力でケルベロスを消耗させる作戦を仕掛け、最奥となる場所に有力な戦力を集めてケルベロスの撃破を狙ってくる。
「対抗するためには、敵の奇襲を察知して素早く撃破し、道中の損耗を避けつつ、有力ダモクレスとの決戦に勝利することが重要となるでしょう。
 この決戦に勝利後、通路が中枢に繋がっていた場合は、ディザスター・キングとの決戦が続くことになります」
 ディザスター・キングとの決戦では、中枢に到達した全てのチームが協力して戦うことになる。
 そして今回の作戦では『バックヤード』への攻撃も可能となっている。
 しかし、バックヤードに戦力を投入した場合、クロム・レック・ファクトリアの撃破が難しくなるため考慮が必要だ。
「バックヤードは『2本の巨大腕型ダモクレス』に護衛されているため、バックヤード内部に取りつくには、巨大腕型ダモクレスと戦う2チームと、バックヤード内部の探索を行う1チームで、最低3チームがバックヤードへの攻撃を行わなければ、内部の情報を得ることも不可能となります」
 また、バックヤードには『探索活動中に暴走した2名のケルベロスが捕縛されている』可能性が高く、探索に成功すれば、捕らえられていたケルベロスの救出も可能かもしれない。
「今回の作戦に成功すればダモクレスの侵略に大きな打撃を与えることが出来るでしょう。皆さん、宜しくお願いいたします」


参加者
クロノ・アルザスター(彩雲のサーブルダンサー・e00110)
セレナ・アデュラリア(白銀の戦乙女・e01887)
山之内・涼子(おにぎり拳士・e02918)
市松・重臣(爺児・e03058)
輝島・華(夢見花・e11960)
ハンナ・カレン(トランスポーター・e16754)
葛城・かごめ(幸せの理由・e26055)
蔓荊・蒲(サクヤビメの選択者・e44541)

■リプレイ

●探索、そして
 クロム・レック・ファクトリアの中は、最大規模というだけあって広い。ダモクレスの基地のため、人の気配もなく無機質だ。
 搬入口もやけに静かすぎて、むしろそれが怪しいほどだ。
 全員で奇襲を警戒しながら、慎重に進む。先頭はクロノ・アルザスター(彩雲のサーブルダンサー・e00110)だ。ライドキャリバーのエアも周囲を警戒していた。
「この先が、分かれ道ね。皆、相談した通り、右手に沿って進む、でいいわね?」
「もちろん! さっきの隠し部屋は何も情報なかったし、今度は何か見つかるといいね」
 代表して応じたのは涼子だ。他の皆も頷く。
 クロノはここまでアリアドネの糸で、搬入口と自分を繋いでいた。
 山之内・涼子(おにぎり拳士・e02918)は隠密気流で、気配を殺し、できるだけ目立たぬようにしている。
 無機質ゆえに油断すると足音が響く。
 少し進めば、曲がり角が見えてくる。
 壁から少し顔を覘かせ、市松・重臣(爺児・e03058)は天井を見やった。オルトロスの八雲も、耳をピンと立て、時折周囲を見回して警戒している。
「――待たれよ、あれは監視カメラじゃな」
「それにあの下のはセンサーでしょうか。感知器か何かのように見えますね」
 葛城・かごめ(幸せの理由・e26055)が重臣が視線を向けた下方、足元辺りの壁には感知器らしいものが見える。
 皆が最後尾を警戒している輝島・華(夢見花・e11960)へと視線を向けた。
 それを受けて華が改めて周辺を探ぐるが、今のとろこ奇妙な気配も音もしない。ライドキャリバーのブルームも華とともに後方の警戒に当たっていた。
「後方は異常ありません。……敵の気配も、奇妙な音もありませんわ」
 蔓荊・蒲(サクヤビメの選択者・e44541)が対面の壁の一点へ視線を向けた。奇妙な継ぎ目だ。
「待つっす、もしかして、これ――」
 蒲が言い終わるより早く、壁が爆発し穴が空いた。
 爆風とともに埃が舞う。ディザスター軍団の銃口が此方を向いた。先手を打ったのは、ケルベロスたち。
「おっと……させないよ。先ずは軽く行こうか」
 乱打――マシンガン。
 ハンナ・カレン(トランスポーター・e16754)のグラビティ。連続ジャブによる衝撃波を放つ。一撃が軽い分威力こそ低いが、攻撃を受けた部位にグラビティが滞留し、継続的に耐久力を低下させる。
 それに続いたセレナ・アデュラリア(白銀の戦乙女・e01887)が踏み込む。
「アデュラリア流剣術、奥義――銀閃月!」
 銀閃月――ギンセンゲツ。
 騎士の一族であるアデュラリア家に伝わる剣術の奥義の一つ。一瞬の内に自身の肉体に魔力を巡らせ、瞬間的に運動能力を限界まで向上させる。高められた能力全てを使い、急所へと放たれる一撃。その鋭さは、一振りの剣の如く。その速さは、閃光の如く。その剣技の冴えは、夜空に浮かぶ月を思わせる。
 まだこの先は長い。雑魚は蹴散らすのみだ。ケルベロスたちの戦いが始まった。

●強敵
 迷路のような通路をだいぶ進んだ。時に奇襲を退け、罠を回避しながらケルベロスたちは探索を進める。
 服は裾が破れたり穴が空いたりとボロボロだ。大怪我は回復グラビティで治しているが、すり傷やかすり傷は数えきれない。
 物資が置かれた保管庫、どこかの管理をしているらしいコンピューターが設置された部屋、長大なベルトコンベアが置かれ、何かの製造していたらしい施設。それらの探索と戦闘を繰り返し、辿り着いた大きな部屋。そこは巨大な保管庫のようで、コンテナがいくつも積み上げられて、ちょっとした迷路のような状態になっている。
 肉体的な怪我は治せても、精神的な疲労まではなかなか抜けるものではない。連戦と緊張が続いたため、戦闘時の立ち位置も少し交代してある。
「さて、今度は何が出てくるか……なんだ、今のは!」
 ハンナの呟きに応じるかのような爆発音。蒲の耳がぴくりと動いた。彼はニホンウサギのウェアライダーだ。
 そちらへ目を向ければコンテナの影から顔を出したのはダモクレス。ディザスター軍団のダモクレス、アニメかゲームに出てくるロボットのような外見。まるでナイトのように片手が刃となっている機体。、ディザスター・ナイト・FA。それにロケット弾が装備されているのだろうか。肩に四角い箱のようなものを担いだ茶色いダモクレス――ディザスター・ルーク。
 ケルベロスたちを認識したのか、目に当たる部分が光った。
 威圧感。
 ここまで退けてきた敵とは違う何か。重臣が武器を構える。眼光の鋭さは、年齢もあるが戦場を潜り抜けてきた証でもある。
「これは……強敵じゃな。皆、気を引き締めるのじゃ」
 皆がそれぞれの位置につく。
 ロケット弾の銃口が開く。それと同時。
「させないよ! こいつらを倒して、先へ進むんだ!」
 涼子が流星の煌めきと重力を宿した飛び蹴りを炸裂させ、敵の機動力を奪う。涼子が飛び退る。
 そこへ重臣が飛び込む。
「最早問答無用――我が真髄を刮目せよ!」
 天衣無縫――エクストリームテッケンセイサイ。
 拳で語る。早く平和な日常に戻りたい、もといおうちでごろごろしたいとかそんな想いを拳に込めて、今必殺の鉄拳制裁。世を乱す者への怒りの顕れか、単なる殴打効果か不明だが、雷を落とされた様な謎の痺れが伴う。なお、何がエクストリームかも謎。横文字付ければ格好良くなると思った可能性もあるが、それがまた重臣らしいとも言える。
 八雲もパイロキネシスで主人の援護に回った。
「そろそろ海底のお宝でも見つかんないかなー」
 クロノは精神を極限まで集中させ、ナイトを突如爆破させる。まだ1手目、致命傷には至らない。エアも主人と同時にキャリバースピンで、ナイトの足元を走り回り行く手を遮った。
 それに反撃するかのように、ナイトが左肩に装備されているバスターライフルを発射した。ケルベロスたちがよく知るバスターライフルとは、外見は少し違うもののようだ。
 発射音。
 狙われているのは――かごめ。
 かごめが咄嗟に避ける。しかし間に合わない。
「こ、れは……っ! ゼログラビトン、でしょうか?」
「かごめ姉様! さあ、もうひと頑張りですよ!」
 花女神の鼓舞――ハナメガミノコブ。
 近くにいた華が回復グラビティを使用した。三つ編みにしている髪がふわりとなびく。活力を与える魔力の花を生み出し、対象の周囲に花弁を舞わせ傷を癒す魔術。舞う花弁は光となり治癒と浄化の力を齎す。
 ブルームは華の前に立ち、グラビティを使う間の時間稼ぎのように、ガトリング掃射を放った。
「海底のお宝か、そりゃいいな。見つかったら全員で山分け、ってな!」
 ハンナが目にも止まらぬ速さで礫を放つ。狙ったのはナイトが装備しているバスターライフルのような武器。
「我が名はセレナ・アデュラリア! 騎士の名にかけて、貴殿を倒します!」
 畳みかけるようにセレナがスターゲイザーを放つ。
 反撃する隙を与えず、そのうえで片方の牽制をしなければ。ルークが大きなコンテナを持ち上げようとしている。グラビティではないにしても、単純に投げるだけでも充分な攻撃だ。ケルベロスといえど、痛いものは痛い。
「――あなたの相手はわたしです!」
 かごめがルークを止めようとハンマーを砲撃形態に変形させ、竜砲弾を放った。
「神話検索、展開……再構築。冠するは『八咫鏡』、汝総てを癒す者なり」
 咲耶姫第二形態『八咫鏡』――サクヤビメダイニケイタイ・ヤタノカガミ。
 蒲のグラビティ。回復だけでなく、皆の支援効果もある。ガジェット『サクヤビメ』を内蔵データベースを元に変形させ、神鏡『八咫鏡』模倣形態へ。太陽神の姿をその鏡面に写した逸話から、生命力や自然治癒力を引き上げる太陽の魔力を内包している。鏡面から溢れ出た陽光が治癒結界を構築することで効果が発動する。

●ナイトの戦死
 攻撃、牽制、回避、防御、回復。それらを幾度となく繰り返す。
 コンテナが両者の攻撃による爆発で粉々になり、中身が飛散する。――金属片。
 華の頬を小さな欠片が掠め、浅く切る。この程度で立ち止まるようなケルベロスではない。
「皆さまが得てきた成果を無駄にはできません! ……今ですわ、ハンナ姉様!」
 華がライトニングロッドを掲げた。杖からほとばしる雷を、ナイトへ向けて放った。
 あと、一撃。
 ブルームが足止め代わりに、ナイトの周囲で激しいスピンを繰り返した。
「ったく、手こずらせてくれる! とっととくたばれ!」
 ハンナはバスターライフルから敵の熱う凍結光線を発射。
 衝撃に紛れて聞こえるのは、金属同士がぶつかる甲高い音。
 凍結光線はナイトを飲み込み、その姿を消し去った。後に残った金属片がナイトの残骸か、それとも飛散した資源の一部か。どちらか分からないほど、その原型は分からなくなっていた。
 次はディザスター・ルーク1体。
「残るは、あなただけ! この戦いで最後にするのよ!」
 クロノがゾディアックソード――アルヴァーレを構え踏み込む。星座の重力を剣に宿し、あらゆる守護を無効化する重い斬撃を放つ。
 ルークはその腕で斬撃を受けた。火花が散り、耳障りな音が響く。まるで鍔迫り合いだ。
 エアが主人と連携するように、炎を纏いルークへと突撃した。
 僅かな隙。おそらくはエアに気をとられたのだろう。そしてここまでで蓄積されたダメージもある。
 ルークの片腕が斬り落とされ、まだ破壊されていないコンテナの向こうへ飛んだ。
「ここが正念場! ボクも頑張らなきゃ」
 涼子がガントレットに内蔵されたジェットエンジンで急加速し、高速の重拳撃を放つ。
 吹っ飛ばせるか。確かに手ごたえはあった。が、機械の体は重かったのか、それとも別の要因か。その体を殴り飛ばすまでには至らなかった。
 ディザスター・ルークは、蒲へ銃口を向けた。それも僅か一瞬。バスタービームが放たれる。
 その間に割って入ったのは重臣だ。
「蒲殿!! ……っと、これは……ちと失敗したかのぅ」
「――重臣! ありがとうっす、今回復するっすから」
 蒲は武器や動力装甲から魔導金属片を含んだ蒸気を噴出し、防御力を増強する。
「やってくれますね……! ですが、思い通りになどさせません。人々を守る盾であるこの身を、簡単に砕けるとは思わないでください……!」
 セレナが踏み込んだ。ローラーダッシュの摩擦を利用して、炎を纏った激しい蹴りを放つ。
 かごめがバスターライフルで魔法光線を発射した。
「可能な限り反撃の隙を与えずに、皆さん、もうひと息! 頑張りましょう」

●決着
 蒲が飛んできた大きな金属片を喰霊刀で叩き落とす。そのまま負傷した涼子を回復しようと、喰霊刀が捕食した魂のエネルギーを分け与える。
「頑張るっすよ! だいぶ弱ってきてるはずっす!」
「何を企んでおるかは知らぬが、これ以上の勝手は許さぬ」
 重臣が誓いの心を溶岩に変え、ルークの足元から噴出させる。
 直撃には至らない。しかしそれを見越したように、オルトロスが口に咥えた神器の剣で斬りかかった。
「お返しだよ! かわせるかな?、地摺り焔鮫!」
 地摺り焔鮫――ジスリホムラザメ。
 涼子のグラビティ。素早い蹴撃より放たれた炎のグラビティが、獲物を喰らう鮫の如く地を這い、ルークに襲いかかる。
 既に部品が欠け、あるいはヒビが入り、攻撃の威力も最初に比べたらだいぶ落ちている。決着まであと少し。
「好き勝手暴れてくれたな。そろそろ終いにさせてもらうよ」
 ハンナが目にも止まらぬ速さで礫を放った。ふとしたことがかっこよく決まるのは、やはりスタイルの良さもあるのだろう。
 そこへセレナが卓越した技量からなる、達人の一撃を叩き込む。まるで軌跡のように銀色の髪が仕草に合わせて揺れる。
「騎士として、皆を守ってみせます。企みも阻止してみせます!」
「ええ、私もいつも通り、出来ることをするのみですわ」
 華は地面にケルベロスチェインを展開し、味方を守護する魔法陣を描く。それを邪魔させまいとするかのように、ブルームがガトリング掃射で牽制する。
「それは水面に浮かぶ三日月の様、クレッシェンドファング・ヴァイ!」
 クレッシェンドファング・ヴァイ。
 クロノのグラビティ。振りかざしたその剣は、果たして振り下ろされたのか、薙いだのか、はたまた突いたのか、出所は掴めず、行き先も読めず、その剣閃は歪に姿を変えた。それはまるで波紋に揺られた水面に映る三日月だ。
 エアが敵を翻弄するように、キャリバースピンで走り回る。しかし大きくエアが吹っ飛ぶ。ルークに蹴られたのだ。
 今はそれよりも、攻撃が先だ。この一撃で最後――。
「これ以上破壊させません。自然も、人も、私たちも! これで最後です。一斉発射!」
 ジグザグミサイル。
 かごめのグラビティ。背中・肩・手足等からミサイルポッドを出し、ディザスター・ルークに大量のミサイルを浴びせた。

 2体を倒し終えたのと同時、基地全体が大きく揺れる。
 他の搬入口から突入し、中枢に達したグループがいたのだろう。ならばこの基地はキングに勝った後、破壊される。
 皆は顔を見合わせ、援護へ回るべく行動へ移るのだった。

作者:宮下あおい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年11月7日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。