青いガラスを一面に敷き詰めたような秋の空を、綿のような雲が流れていく。
猛威を振るった暑さも遠くなり、冬の訪れを微かに感じさせる、間の季節。
ぽん、ぽんと、花火が景気の良い音を立てて爆ぜる。
その日、その街では、巨大なショッピングモールを中心にして、ハロゥインイベントが大々的に開かれていた。
周囲の道にジャックランタンを並べられ、仮装パレードが『トリック・オア・トリート!』と叫び練り歩く。
モールの中は当然のようにハロゥイン一色。隣接した広場にもたくさんの出店が並び、あつらえられたステージではショーが行われていた。
誰もがどこか現実から乖離したお祭り騒ぎに興じていたから、左肩に大きな翼を生やした着物の少女が、広場の真ん中に佇んでいても、最初は気にも留めていなかった。
少女の貌はモザイクに覆われており、瞳の部分だけモザイクが欠けて、昏い闇が覗いていた。
少女はするりと帯を解き、青い着物を脱ぎ捨てる。翡翠色の翼でさっと我が身を撫でると、あっと言う間に醜怪な老婆の姿へと変わる。
のみならず、その背がみるみる伸びて、10メートルもの大きさにまで巨大化した。
それは、かつてケルベロスと争った強力なドリームイーター、ポンぺリポッサの姿である。
ポンぺリポッサとなったドリームイーターは、驚き逃げ惑う人々を甘い香りで幻惑し、夢見心地のままウィンナーに埋もれさせていった。
広場に山と積み上がったウィンナーを貪り食らい、ハロゥインの魔力を吸収しつくしたドリームイーターは、次に、ショッピングモールへと狙いを定めるのだった。
●
亜月・更紗は、メモ帳に書きとめた予知を読み上げている。
被った魔女の帽子は少しぶかぶかで、時々ずり落ちている。金魚柄の傘をくるくる回せば、赤い魚たちは鬼火のように宙を泳いだ。
「ハロウィンの力を求めてドリームイーターの魔女ポンペリポッサが動き出したみたいなの。
寓話六塔戦争で受けた痛手を回復するために、ハロウィンの魔力を狙ってるのね。
ハロウィンで賑わう街角に現れたドリームイーターが、ハロウィンの魔力を利用して『ポンペリポッサの姿に変身して巨大化』するの。
ポンペリポッサ化したドリームイーターの全長は10mくらいで、その戦闘力は本物のポンペリポッサには及ばないけれど、かなりの強敵となると思うの」
●
目までずり落ちてきた魔女の帽子を直して、更紗は続きを読みあげる。
ポンペリポッサ(偽)が現れるのは、とある街で行われているハロゥインイベントの会場。
巨大ショッピングモールを中心にして開かれており、周囲の広場にも出店やステージを設置して賑やかだ。
ポンぺリポッサ(偽)は、まず広場の真ん中へと現れ、一通り魔力を奪った後、ショッピングモールを破壊すると言う。
お菓子の香りで人々を惑わし、巨大ウィンナーを乱舞させて襲うのだ。
「でもね、ポンペリポッサの姿に変身して戦闘するためには、ハロウィンの魔力を使ってしまうの。だから、変身していられる時間は5分程度なの。
それを過ぎれば、しゅるるるって変身が溶けて、元のドリームイーターに戻るから、その後なら有利に戦う事が出来ると思うの。
いい手があるの。ケルベロスの皆が『ハロウィンらしいこと』をしながら戦えば、ドリームイーターからハロウィンの魔力を奪い取る事もできるの。
例えば、仮装するとか、トリック・オア・トリートって言いながら攻撃するとか……出来るだけビックリで楽しいことがいいかもなの」
もしハロウィンの魔力を奪い取る事が出来たら、5分よりも早く、ポンペリポッサ化を解除できるかもなの」
むしろ自分がやりたそうに、更紗は瞳をキラキラさせている。
「……ごほん、なの。元のドリームイーターは『ヒスイキセキ』と言うの。片手が綺麗な翡翠の翼になった着物姿の女の子の姿で、顔はモザイクに覆われていて、見えないの。
翡翠色の鍵を使ったり、モザイクで心を壊そうとするの。そして受けた傷はモザイクで直しちゃうの。
ポンぺリッサ化してるときに比べれば倒しやすいと思うけど、油断はしないでね」
全て言い終えて、もう一度魔女の帽子をかぶり直した更紗は、少し不思議そうに首を傾げた。
「ハロウィンの魔力は、ドリームイーターにとってすごく重要な物なのかな?
この世のものとこの世じゃないものが出会う、不鮮明な夢のような、そんな日には……永遠に失くしたはずのものを、見たりもするのかな?」
それは誰にも答えられないことだ。
「でもでも、折角の楽しいハロウィンを台無しにするのはダメなの! だから、みんな頑張って、ドリームイーターを倒して欲しいの! どうぞ、よろしくお願いしますなの!」
そう言って更紗が勢いよくお辞儀をすれば、魔女の帽子がふわりと床に落ちた。
参加者 | |
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幸・鳳琴(黄龍拳・e00039) |
ジョーイ・ガーシュイン(初対面以上知人未満の間柄・e00706) |
アリシスフェイル・ヴェルフェイユ(彩壇メテオール・e03755) |
遠野・葛葉(鋼狐・e15429) |
砂星・イノリ(ヤマイヌ・e16912) |
未明・零名(ネームレス・e33871) |
寺井・聖星樹(爛漫カーネリアン・e34840) |
トリューム・ウンニル(碧き天災の運び手・e61351) |
●万聖節寓話大戦
ショッピングモールのハロゥインイベントに現れたドリームイーター、ヒスイキセキ。
それは、ハロゥインの魔力によって寓話六塔の魔女、ポンぺリポッサと化した。
10メートルもの巨大なドリームイーターの出現に、ハロゥイン会場は、恐慌に陥った。
膨大な魔力が渦巻いて、飾り付けられていたジャック・ランタンやオバケたちが意志を持ったかのように宙に舞い上がる。
巨大老婆は醜怪な笑みを浮かべ、舌なめずりをしながら恐怖する人々へと迫ったーーその時。
「トリック・オア・トリート!」
響き渡る声、そして派手なスモークが広がった。
アリシスフェイル・ヴェルフェイユ(彩壇メテオール・e03755) がバトルオーラを漂わせて疑似的にスモークを演出したのだ。
「ふははは!怪盗フォックステイル参上!」
「あーお客様ー、一般人を巻き込まれては困りますー!」
メイド姿の寺井・聖星樹(爛漫カーネリアン・e34840)と白タキシードがキュートなヴァンパイア姿の遠野・葛葉(鋼狐・e15429)が颯爽登場だ。
「乗っかられた……まあいいけど」
一歩遅れてアリシスフェイル本人が登場する。茨姫の自身のみならずバスターライフル『穹砲』には蔓茨の飾り、エアシューズ『凛翔』にオレンジのリボンを巻いてと、華麗なハロゥイン仮装だ。
後に続いて次々現れる、ケルベロスたちも、ほとんどがハロゥインらしい仮装をしている。
幸・鳳琴(黄龍拳・e00039)は、露出度の高い戦闘服を着用、さながら悪の組織の女幹部のようないでたちだ。
宿敵『竜闘姫』を意識したコスチュームだが、胸元にはカボチャのチャーム、頭部に蝙蝠の羽根カチューシャと、ばっちりハロゥイン仕様である……が!
(「ちょ、ちょっと失敗だったかも!?」)
ハイレグの切れ込み具合が予想以上に恥ずかしいかも。好きな人にはちょっと見られたくないかも。お尻の当たりの布を引っ張りたくなるのを堪えているのだった。
トリューム・ウンニル(碧き天災の運び手・e61351)は、プリンセスモードで諸々セーフティな姫コスチュームに変化している。
未明・零名(ネームレス・e33871)はルーンアックスを箒にし立て、ボクスドラゴンのマーナガルムとおそろいの魔女衣装だ。
南瓜の形バスケットにはお菓子をたくさん詰めて、ランタンもちゃんと持っている。
ハロゥインなケルベロスが乱入したことでポンペリポッサの注意は逸れて、人々は逃げおおせている。
近くに一般人のいないことを確認して、零名は。
「お菓子をくれないから、おもいっきり悪戯しちゃうよ」
ポンペリポッサはぐにゃりと顔を歪める。その体から、甘ったるいバニラの香りが漂い始める。
零名の足元に守護星座の魔法陣が輝いてケルベロスたちを包み、それが戦闘開始の合図となった。
●ポンペリポッサ
ケルベロスの中で先陣を切ったのは、唯一仮装していないジョーイ・ガーシュイン(初対面以上知人未満の間柄・e00706)だ。
(「40に差し掛かろうとしてる野郎が仮装して菓子ねだる様ァ見たって、誰も得しねェだろ!」)
そしてクッソ面倒くさい。そのかわり、と言っては何だけど、ばらばら、ばら撒く礫は飴玉だ。
飴の弾丸をポンペリポッサは、口で受け止めぼりぼり噛み砕いてしまった。その上、裂けた口をあーんと開けてもっと寄越せと挑発して来る。
「トリック・オア・トリート。お菓子をくれなきゃ、いいえあなたはお菓子をくれたって」
アリシスフェイルは、にやけたポンペリポッサの口めがけてフロストレーザーを照射した。口が凍り付いてはポンペリポッサもたまらない。
「さぁ、トリック・オア・トリート! お菓子をくれないと抉りますよ!」
平和なハロゥインを守るため、寓話六塔の企みを阻止するために、鳳琴も恥ずかしがってる場合ではない。
思い切り大地を蹴って、輝く星と共に重力の一撃をポンペリポッサに叩きつける。
「ぽんぽんぽりっさ? ぽんぽこりっさ? うむ、タヌキっぽい名前の奴を殴れば良いのだな!」
違っても殴ればよかろうなのだ。葛葉はオウガメタルを纏った拳で殴りかかる。ポンペリポッサの身体は樹の幹のようで堅い。
鋼の拳はそれでも砕いた。
聖星樹はエプロンドレス翻してオウガ粒子を放出し、前衛を強化する。
ボクスドラゴンのロールが属性インストールでお菓子の香りに対抗する。南瓜の帽子が可愛い。
砂星・イノリ(ヤマイヌ・e16912)は、オウガメタルを使って銀の腕持つ蜘蛛アラクネに扮する。
「ステージはボク等が引き継ごう。ケルベロスハロウィンをとくとご覧あれ」
その姿にふさわしく天高く跳ね回り、重力と共に背に降りて踊れば、魔女も振り落とそうともがき踊った。
仮装し、トリック・オア・トリートを叫び『ハロゥインらしい事』をするたびにポンペリポッサからハロゥインの魔力を奪える。
「トリックオアトリート!」
だからトリュームも叫びつつスターゲイザーで飛び込むのだ。楽しんでる部分も実はあるけれど。
ボクスドラゴンのギョルソーには属性インストールを命じる。
「Trick or Treat!」
零名は箒を振るう動作でスターサンクチュアリを展開する。
ボクスドラゴンたちは、主の命に従い、属性をインストールしていく。
ハロゥインの仮装をした3体のボクスドラゴンは、本物のオバケが飛び交ってるようにも見えた。
そんなボクスドラゴンたちを中心に、ポンペリポッサは大量のウインナー投げつけた。
大きくてそこそこ硬いウィンナーが、雨あられと降ってくるのだからたまらない。しかも熱々だった。
ギョルソーが葛葉の前に飛び出し、数本のウィンナーに滅多打ちされる。
「ギョルソー選手に見事命中です! キャハハハハッ」
自分のサーバヴァントに容赦ないトリュームである。
「お客様ー、食べ物を投げないでくださーい! あ、熱い、痛い、あついたたたたっ」
両手を広げて飛び出し制した聖星樹にもすっごい当たった。
吹き荒れるウィンナーの嵐の隙間をかいくぐり、ジョーイはポンペリポッサとの距離を一気に詰め、同時に冥刀を抜き打つ。
痛打を浴びて、ポンペリポッサは悲鳴を上げる。その衝撃でウィンナーは全て地に落ちて腐れて消えた。
隙を逃さず、アリシスフェイルは次の一手を放つ。
「『交わる荊棘、置き去りの哀哭、壊れた夢の痕で侵せ』」
詠唱と共に片手を軽くひと振りすれば、青と灰の光が絡み合う棘の槍が生み出される。動きの鈍った巨体は格好の的、貫いた槍から魔力の棘が潜り込み、蔓延り、魔女の身体を苛んだ。
今が好機と葛葉が畳みかけた。
「Trick or Treat! ……ぶち抜くぞ!」
音速を超える拳を放ち、生じた爆発的な気をこれでもかと叩き込んだ。
聖星樹は詠唱する。
「昔々、あるところにとても子供を愛していた母親がいました」
……日本昔話だった。死んだ母親が幽霊となり我が子のために毎夜飴を買う話を切々と語りつつ、配られた飴玉が傷を癒す。
「『繋いで、繋げて』」
イノリの歌うバガテルがポンペリポッサの魂を喰らい、取り込む。
トリュームの袖からカボチャ蔓に似た攻性植物が飛び、ポンペリポッサを捕縛した。
「さぁさ、奇跡の魔法をご覧あれ!」
零名は箒からのルーンアックスを振りかぶる。ルーンの呪力で輝く箒を振り下ろし、蔓に絡めとられたポンペリポッサを滅多打ちにした。
「お菓子くれないとっ……蹴り砕く!!」
鳳琴は幸家・亢龍を叩き込む。今日は子供全開、いつもと違う自分を楽しんでいる鳳琴だ。多分、照れ隠しもちょっとある。
ポンペリポッサの巨体が、縮んだように見える。いや、実際に魔力を失い縮んでいるのだ。
カボチャ蔓にがんじがらめでもがきながらも、ポンペリポッサは甘い香りを振りまいてう癒し手たちを操ろうとする。
しかし、手厚く施された守護の力によって、ダメージはあっても、操られるには至らない。
そのダメージも、零名の呼び出した花弁が癒す。
「魔女の魔法でなんでも治しちゃうんだから!」
悪戯っぽく零名は笑った。
「お菓子ですか? イタズラですか? 本日のご注文はどっち?」
聞いてみただけ、答えは待たず、聖星樹は鋼の拳を全力で叩きつけた。
キャハハ! とトリュームの高笑い。
オシャレなブレスレットをつけた腕を掲げると、光輝く機械の腕に変形した。轟音とともに発射された腕は、ポンペリポッサを鷲掴みにする。
「燃えてるブドウを掴むなんて面白そうじゃない? あ、アンタのそれしわしわでブドウそっくり! もーらい!」
キャハハハハ! 一層高い笑い声と共にぱちんと指を鳴らせば、ポンペリポッサを掴んだ機械腕から高圧電流が放たれ、凄まじいショックを与えた。
ぽん、ぷしゅう。
殴りつけたそこから間の抜けた音をさせて、ポンペリポッサは急激に萎れ始めた。
ケルベロスたちの攻撃によってハロゥインの魔力を奪われた魔女は、あっという間に萎びて小さく小さく縮んでしまう。
天まで見上げた老婆の姿は消え失せ、後には少女ドリームイーター、ヒスイキセキの姿があった。
空とは違う青い着物、片肌をはだけさせている。カワセミの羽根と化した腕に持つ翡翠色の鍵にも、カワセミの羽根飾り。
顔を覆う青いモザイクが泣き笑いの形に欠けて、虚無が覗いていた。
●ヒスイキセキ
ヒスイキセキは翡翠色の鍵を取り出すと葛葉の心臓めがけて斬りかかった。
「ふん! ぽんぽこたぬっさになぞ負け……タヌキじゃないだとぉ!?」
うん、カワセミだね。
驚く葛葉に、翡翠の鍵が突き刺さる。現れた不可視の何かが、葛葉をさらに痛めつけた。
「チッ!」
ジョーイは冥刀を振るい、ヒスイキセキの横合いから鬼神の一太刀を見舞う。
凄まじい気合と共に繰り出す斬撃に深く抉られ、ヒスイキセキは後退する。アリシスフェイルが超音速の拳で、更に間合いを離した。
「だ、大丈夫ですか?」
「ふ、ふーんだ! かすり傷じゃもんっ」
聖星樹は黄金の果実を実らせて、葛葉のトラウマを消してやる。
「『繋いで、繋げて』」
イノリの口ずさむバガテルが、ヒスイキセキの魂を奪う。
(「永遠に失くしたはずのもの、か。彼女は何を失ったんだろうな」)
魂を啜られ、寒さに身を震わせるヒスイキセキを見て、イノリは不意にそんな事を思う。
トリュームが布を被ったブラックスライムを放った。ヒスイキセキは身を捩り、その攻撃をはだけた素肌で受け止める。
(「わざわざ素肌で受ける……ドMか?」)
ヒスイキセキのモザイクがイノリの心を侵食する。空っぽの何かが心を包みこみ、飢餓に似た衝動で満たしていく。
けれど、奥深くまで滲みこむ前に、いくつも重ねた守護がモザイクを打ち消してしまう。
(「その泣き笑いの顕すものは何だろう。彼女は何を求めているのだろう」)
イノリの疑問を知るすべなどなく、今は喰らい合うしかない。
オウガメタルを纏う拳で殴りつければ、ヒスイキセキはあっけなく吹っ飛んだ。
アリシスフェイルのフロストレーザーで凍り付き、鳳琴は輝く龍のオーラを纏い蹴り込む。
聖星樹の、稲妻を帯びた一撃をヒスイキセキは躱せない。
モザイクで自分を覆い癒すも追いつかず、光の粒子となったトリュームの突撃によってさらに剥がれ落ちる。
大量の魔力を失ったドリームイーターには戦う力が残ってないのは明らかだった。
「あばよ」
ジョーイの刀が銀色の弧を描く。その軌跡をヒスイキセキはただ見上げていた。
振り下ろす刃は冷たく、やすやすとドリームイーターを両断した。
ぱき、とか細い音を立ててカワセミ羽根飾りが砕けて落ちる。
翡翠色の鍵はそのまま、ボロボロに崩れてしまった。
ヒスイキセキはだけていた着物を引き上げ、消えゆく身を抱きしめてうずくまる。
顔を覆うモザイクが少しづつ剥がれて零れ、涙の跡の形に虚無が覗いた。
ジャック・ランタンは、天国にも地獄にも行けずに彷徨う男の魂だと言う。
ヒスイキセキも、そんな魂の一つだったのだろうか。
あるいは、誰かの無くした『何か』こそがヒスイキセキだったのかもしれない。
イノリがそんな事を考えてしまうのは、泣き笑いの形に欠けたモザイクのせいだろうか。
翡翠色の小さな灯がゆらり揺れて、儚く消えた。
●
ドリームイーターが倒されたと知らされて、ショッピングモールに避難していた人々が外に出て来る。広場は歓声に包まれた。
そこかしこが壊れてヒールは必要だが、治すのにそう苦労はない。人的被害もなくケルベロスたちは安堵する。
被蓋が最小限に住んだことを聖星樹は特に喜んだ。
演奏や芝居の他、仮装コンクールが行われるらしいとかで、ステージの補修が最優先だった。
コンクールに出て見ようかと誰かが言ったが、鳳琴は応えなかったと言う。
南瓜のランタンが吊るされ灯りがともされる。飾られたオバケや魔女たちも、夜にはもっと存在感を増すだろう。
ハロゥインはこれからが本番。
戦い終えたケルベロスたちも、本当のお楽しみはこれからだ。
誰もかれもがも浮かれ騒ぐ日、この世ならざる何かが、あなたの隣で笑っているかもしれない。
作者:黄秦 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2018年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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