ポンペリポッサの魔女作戦~無垢な少女がなりたいモノ

作者:なちゅい

●ハロウィンの魔力
 そこは、山梨県某所のテーマパーク。
 この時期になると各地ではハロウィンをメインとしたイベントが開催され、人々が集まって活気づく。
 イベント会場ではカボチャを使ったタルトやパイなどハロウィンらしい食べ物が振る舞われ、さらに仮装パーティーなどが参加客を大いに楽しませる。
 しかし……、そこにふらりと現れたドリームイーターが1人。
「ふふ、いいわ。すごい力……」
 翼を生やす全身真っ白な少女は微笑みながら、ハロウィンで溢れる魔力を取り込む。
 すると、その姿は大きく膨れ上がり、さらに大きく姿を変える。
 それは、多くのケルベロスが目撃したなら、声を上げたことだろう。寓話六塔戦争の終結後、姿を消したポンペリポッサと違わぬ姿をしていたのだから。
「逃げろ、巨大デウスエクスが襲ってきたぞ!!」
 襲撃とあらば、パーティーを楽しむどころではない。
 ハロウィンで浮かれていた人々も現実に引き戻され、被害に遭わぬようにとその場から逃げ出し始めるのだった。

 ハロウィンに乗じて、ドリームイーター達が大きな動きを見せている。
「ハロウィンの力を求めて、ドリームイーターの魔女ポンペリポッサが動き出したようだね」
 ヘリポートでは、リーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)がケルベロス達へと説明を始めている。
 魔女ポンペリポッサだが、寓話六塔戦争で受けた痛手を回復する為に、ハロウィンの魔力を狙ったという所だろう。
「ハロウィンで賑わう街角に現れたドリームイーターが、ハロウィンの魔力を利用して『ポンペリポッサの姿に変身して巨大化』するようだね」
 ポンペリポッサ化したドリームイーターの全長は10mほど。
 その戦闘力は本物のポンペリポッサには及ばないが、かなりの強敵となるだろう。
「ドリームイーターが現れるのは、山梨県北杜市のハロウィンイベント会場だね」
 そこでは仮装大会が行われており、家族連れも多数訪れている場所だ。
 とあるテーマパークでのイベントであり、人は多数訪れている。
 しかしながら、状況次第で有利に戦うことができるので、考慮した上で戦うと良いだろう。
「戦闘開始時はポンペリポッサの状態で交戦となるよ」
 ポンペリポッサの姿となった際はクラッシャーとして、本家と似たグラビティを発してくる。
 ただ、その姿を維持するにはハロウィンの魔力を消費するらしく、変身していられる時間は5分程度しかないようだ。
 それが過ぎれば、変身が解けて元のドリームイーターに戻るので、その後ならば有利に戦う事が出来るだろう。
「あと、戦闘時にハロウィンらしい演出を行う事ができたなら、ドリームイーターからハロウィンの魔力を奪い取る事も可能だよ」
 ハロウィンの魔力を奪い取る事が出来れば、5分よりも早く、ポンペリポッサ化が解除する事が可能だろう。
 変身が解除されたドリームイーターは、髪、肌、衣服など全身が白いのが特徴的な少女、ニヒトだ。
 モザイクを帯びた黒いコートを纏う彼女が消失しているものは不明だが、こちらもクラッシャーとして相手の願いに反応してグラビティを行使することが確認されている。
 ポンペリポッサ時と比べればかなり弱体化した相手ではあるが、それでも侮れぬ力を持つので最後まで油断せぬよう相手したい。
 一通り説明を終え、リーゼリットは参加を決めたケルベロスにこう続ける。
「ポンペリポッサ化したドリームイーターはかなり強力な相手だよ」
 それだけ、ハロウィンの魔力はドリームイーター達にとって魅力的なものなのだろう。だからこそ、ここでしっかりと敵の動きを制しておきたい。
「ハロウィンの一時を楽しむ為にも、皆でこの事件の解決を。よろしく頼んだよ」
 そして、リーゼリットは自らのヘリオンへと、ケルベロスを招き入れるのだった。


参加者
モモ・ライジング(神薙画竜・e01721)
ヴィンセント・ヴォルフ(銀灰の隠者・e11266)
祝部・桜(玉依姫・e26894)
プラン・クラリス(愛玩の紫水晶・e28432)
彩葉・戀(蒼き彗星・e41638)
夜巫囃・玲(泡沫幻想奇譚・e55580)
犬飼・志保(拳華嬢闘・e61383)
星奈・惺月(星を探す少女・e63281)

■リプレイ

●パーティーの前に
 ケルベロス達は、山梨県のテーマパークへと向かう。
 ここでは現在、ハロウィンイベントが行われており、ドリームイーターがそれを狙っているという。
「また、ハロウィン関連のドリームイーターか」
 辟易とした表情のモモ・ライジング(神薙画竜・e01721)は、警官姿での仮装でこの場にやってきている。
「楽しいハロウィンでも、デウスエクスは空気読まないのですね」
 クールな雰囲気の犬飼・志保(拳華嬢闘・e61383)は今回、怪盗を意識した格好をし、ウイングキャットのソラマルにも怪盗らしく黒いアイマスクなどを着用させていた。
「楽しいハロウィン……。守らないと……」
 感情を出さず、星奈・惺月(星を探す少女・e63281)が決意を口にする。
「『ハロウィンの魔力』の回収も……。防がないとね」
「うむ。一度ならず二度までも、人々の楽しみを奪おうというのかの。左様なことはさせぬ」
 それに、彩葉・戀(蒼き彗星・e41638)も賛同して。
「人々を守る為にも、今宵を楽しむ為にも、必ず阻止せねばの」
「何度も来るなら、何度も追い返すまで!」
 戀の言葉に応じたモモはポケットから取り出した飴を口に入れ、今作戦に意気込みを見せていた。
 そんな中、とある小説に登場するフランケンシュタインに扮するヴィンセント・ヴォルフ(銀灰の隠者・e11266)はぼんやりと一言。
「……ハロウィンらしいことって、どうしたらいいんだろう」
 大和撫子の祝部・桜(玉依姫・e26894)もまた同じ人造生物の仮装をしていたが、そんな恋人の彼の様子を気がけて。
「ハロウィンは西洋の黄昏、逢魔が時と聞きます」
 ――あちらとこちらの境が近くなっているかもしれない。
 桜は大切な人へと注意を促す。
「ヴィンセント、お気をつけくださいませね」

●パーティーの闖入者
 日中よりテーマパークにて開始される、ハロウィンパーティー。
 開始直前、夜巫囃・玲(泡沫幻想奇譚・e55580)は事前にイベント連絡者と連絡を取り、イベントの演出は稼動したままでいて欲しいと要望を出す。
「あと、できるなら、遠隔操作とか出来ないかな」
 こちらの動きに合わせて動かしてほしいと彼が協力を願うと、主催も唸りつつ最善を尽くすと回答してくれた。
 さて、パーティーは始まり、沢山の人々が仮装して楽しい一時を過ごす。
 互いの仮装姿に笑い合いながら、トリック・オア・トリート。
 子供達の求めに大人が応じ、お菓子を差し出す。
 また、会場にはカボチャを使った食べ物が並び、口にしながら楽しい一時を過ごす……はずが、物陰からいきなり何かが姿を現す。
 それは、緑色の顔をした巨大な魔女。
 かつて、ケルベロスの展開した寓話六塔戦争時に姿を消した、ポンペリポッサと酷似していた。
「いいわ。もっと、もっと力を……!」
 突如現れたデウスエクスに現場は混乱を始めるが、さらに人々を驚かせる展開が待っていた。
「「「トリック・オア・トリート!!」」」
 複数の声と同時に、会場の照明が落ちる。
 何事かと思って人々がそちらを向くと、楽しげな音楽に合わせて仮装したケルベロス達が飛び出してきた。
 後方の戀はジャック・オー・ランタンの姿で現れ、カボチャの髪留めやネックレスを揺らし、人々に手を振る。
 左手で黒猫のぬいぐるみを持った惺月は右手のバスケットにハロウィンらしいスイーツやジュースを用意し、混乱する人々に振る舞っていた。
 スタッフが思った以上の演出をしてくれたことに感謝する玲は、狂気の帽子屋マッドハッターをイメージした衣装での登場だ。
「さぁ、終わらないハロウィンの始まりだよ! お帰りはあちらだ!」
「パーティーは楽しまないとね」
 勢いに任せて叫ぶ玲に、セクシーな吸血鬼の仮装をしたプラン・クラリス(愛玩の紫水晶・e28432)が人々の視線を釘付けにする。
「硝子ランプにパイにお菓子にクラッカー……、思いっきり楽しもうね」
 彼女もまた、ハロウィンらしい髪飾りやイヤリングで全身を装飾していたようだ。
 そして、ヴィンセントは桜と一緒にお菓子……手作りのジャック・オー・ランタンかぼちゃクッキーを差し出す。
 こんな状況にもかかわらず、子供達がお菓子を2人の手から持っていく。
「は、とられてしまいました……!」
 呆気にとられる桜。ヴィンセントも些かお菓子がなくなり、しょんぼりとしていたようだ。
 さらに、女怪盗に扮する志保が決めポーズをして。
「怪盗ブルーキャット、只今参上。ハロウィンの菓子は私が全て頂くよ!」
「待ちなさい! ブルーキャット!」
 そんな彼女を、警察官になりきるモモが追う。
「ゲェーッ、マッポ!?」
「安心してください。ケルベロスとして、必ずデウスエクスを倒します!」
 そんな楽しげなケルベロスの様子に、夢喰いの魔女はハロウィンの魔力が奪われるのを感じて。
「ケルベロス……許さないわ」
 甘い香りを漂わせる巨大な魔女は、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
「どうだ! 大量の本物のお菓子の中に本物は一つだけだ!」
 人々が魔女の接近に伴って逃げ出したところで、大量のお菓子をバラ撒いた玲が相手に対していく。
「ハロウィンの魔力は渡さないよ」
 艶かしい所作で、プランもまた迫り来る巨大な夢喰いへと向かうと、怪盗と警官もいさかいを止めて。
「ここは一時休戦、共闘といきましょう!」
 了解を態度で示すモモが警官らしく会場にキープアウトテープを張り巡らせ始めると、怪盗、志保は高く宙返りしてポンペリポッサへと攻撃を仕掛けていくのである。

●ハロウィンの魔力を奪い取れ!
 楽しげな曲が響くパーティー会場で、ケルベロスは10mもある魔女ポンペリポッサに立ち向かう。
「これはどうかしら?」
 魔女が放つお菓子の濃厚な香りは、ケルベロスですらも惑わせてしまう。
 仲間に向けられたその香りの前にはプランが立ちはだかり、平然とした態度をとってみせる。
「残念、夜の吸血鬼は無敵だよ。朝が来るまで試してみる?」
 まさに不死身と言わんばかりの態度で、彼女は悠然と笑みを浮かべていた。
 その上で、プランは『祓の短刀』を手にして。
「夜の女王が月の加護を与えてあげる」
 地面に守護星座を描き、彼女は自身を含めた前衛陣を魔女のグラビティから護ろうと動く。
 こちらも盾役となる桜が自身の周囲にオウガ粒子を舞わせると、隣からヴィンセントが巨大な敵へと電光石火の蹴りを浴びせかける。
 続き、仲間の支援の為に歌声を響かせていた戀は、ジャック・オー・ランタンらしさを引き立たせるベく、周囲に鬼火のようなエネルギー体を浮かび上がらせていた。
「それだけ図体のでかい仮装じゃ。さぞや大量のお菓子を持っとるのじゃろう?」
 イタズラされたくなければお菓子を寄こさぬかと、戀は夢喰いに問いかける。
「これが噂の『好奇心』のドリームイーター……ふむふむ」
 そんな戀の催促に対して笑う夢喰いが、多数のウインナーソーセージを用意する姿を玲は見上げる。偽物とはいえ、中々に迫力ある敵だ。
「好奇心を無垢なる者が演じる……。くふふ、まさに好奇心そそられますね」
 玲は自らも敵に強い興味を抱きながら、妖力を纏った禍刀【名残鳥】で相手の体を冥界の飴、もとい雨のごとく切り裂いていく。
 志保も会場の設備を使い、軽やかに空高く舞い上がる。
 普段は我流の喧嘩殺法で戦う志保だが、今回はハロウィンだ。怪盗に扮していることもあり、アクロバティックに戦いを展開して。
 宙から舞い降りる彼女は相手の太ももを狙い、ローキックを繰り出す。
 さらに敵の体を利用して飛び上がった志保は、戦篭手を嵌めた4本の指で相手の体を鋭く突いていく。
 傍では、ウイングキャットのソラマルが必死に巨大な相手の体を引っかいてくれていたようだ。
 そこに、戦場の状況を整えていたモモが駆けつける。
「すまない、避難誘導に遅れた。これより戦闘に参加する!」
 己の感覚をグラビティによって増幅させていたモモはリボルバー銃『竜の爪牙』を抜き、警官らしく発砲していった。

 ケルベロス達がハロウィンを演出することで、ドリームイーターはみるみるうちにハロウィンの魔力を奪われていく。
「パンプキンパイは如何かな? さもなければ、死あるのみだ!」
 意味を持たぬ発言を勢いで繰り返す玲は、惨殺ナイフを手に魔女の身体を切り裂いていく。
 魔女らしくと心がける惺月は、それらしく魔法を込めたつもりになって流星の蹴りを相手に浴びせかけ、さらにオウガメタルを纏って渾身の力で殴りかかる。
「きゃああああああっ!!」
 突然、ポンペリポッサが大声で叫んだかと思うと、その体が急激に縮んでいく。
 変身の解けたドリームイーターは、全身が真っ白な少女。それがモザイクのかかったコートを纏った姿だった。
「よくも……、やってくれたわね」
 少女は僅かに両目を細め、手にする巨大な鍵を振るって攻撃を仕掛けてきた。
「あれは、どこかで見覚えがあるような……」
 それを、プランが抑えてくれていたが、変身までは確実な攻撃をと大鎌『Croix du sud』に斬りかかっていたヴィンセントが少女の姿に何か既視感のようなものを覚えていた。
 相手の鍵での一撃を受け止めた桜が、そんな恋人の姿を心配そうに見つめる。
(「もしかしたら……」)
 ヴィンセントの出自について大まかに把握していた桜は、夢喰いの素性について何か思い当たったようだった。

●ドリームイーター、ニヒト
 あの夢喰いの少女に、見覚えがある。
 そんなヴィンセントの言葉を耳にしたメンバー達は、2人に因縁があるのだろうかと察しつつ戦いを進めていく。
「素直にホールドアップしなかった事を後悔しなさい!」
 モモは相手に銃口を突きつけ、素早く発砲していく。
 弾丸を浴びながらも、着ているコートをはためかせる夢喰いの少女、ニヒトが近づいてきて。
「ふふ、あなたの願い、奪ってあげるね」
 見た目に似合わぬ動きで、ニヒトは大きな鍵を槍のように振り回す。
 仲間の庇いに当たるプランは幾度か攻撃を食らってはいたが、まるでダメージなく立ち回り続けていて。
「トリックアンドトリート、お菓子をくれても悪戯するね、乙女の生き血を吸っちゃうよ」
 刃を操り、彼女は相手の体を斬りつける。滴る血を吸うような仕草をとるのは、吸血鬼らしく振る舞うゆえか。
 ただ、相手の傷口から流れるのはモザイクだけ。
 またプランは、実際にはしっかりと傷を負ってはいる。
「ここで一つ、お聞きあれ。幻想曲」
 それを察した戀が響かせるのは、副旋律が主旋律を模倣して追いかける幻想曲。
 あたかも優しき癒しの光が降りたかのように、傷つく仲間へと癒しをもたらしてくれた。
 さて、相手は確かにデウスエクスだが、ポンペリポッサ形態の後だと、いささか拍子抜けの感すらする相手。
「わかる、わかるわ、あなた達の願い……」
 その無邪気な笑みの奥底には底知れぬ感情があるのを思わせ、鍵を振るいながらケルベロス達の心のそこを見抜こうとしてくる。
 しかし、ケルベロスは一気にたたみ掛け、ニヒトの討伐へと当たっていく。
 玲は摩訶不思議なハロウィンを演出すべく、楽しそうに狂気の帽子屋を演じ続け、妖刀を舞わせて夢喰いの全身を切り刻む。
 後方から、相手を狙う惺月。
 無表情な彼女ではあるが、楽しいハロウィンを護りたいという気持ちを強く持っていた。
 相手の動きが少しずつ鈍ってきたことを察し、惺月は精神集中して敵が持つ大きな鍵を爆発させる。さながらそれは、魔法を思わせる一撃だ。
 翼猫のソラマルが飛ばすリングをニヒトの鍵に絡ませた直後、志保が相手の眼前へと舞い降りてきて。
「あたしからの口付け、その身で味わいなさい!」
 一気に、連続キックを浴びせかけていく。
 だが、夢喰いの少女は倒れない。
「……なりたいモノが、あるの」
 纏うコートを抱き、ニヒトは自らの力を高める。
 そうして、体力を取り戻す夢喰いが再び鍵を手にし、ケルベロス達の心を抉ってこようとしてきた。
 それを防いでいた桜は、そんな無邪気な少女を目にして。
(「もしかしたら、仲間になれたかもしれない。あるいは」)
 ――隣のヴィンセントが彼女だったのかもしれない。
 そんな神妙な表情で自身を庇ってくれる桜を無理させぬようにと、ヴィンセントは必要以上に突出せぬよう立ち回る。
 ただ、目の前の夢喰いの少女は彼にとって、余りにも気になる存在。
 かすかな記憶の中、記憶の片隅にあった少女の言葉。それは……。
「……確か、ケルベロスになりたいと、言っていた」
 言葉と同時に、ヴィンセントは白い獣を具現化する。
 その貪欲なあぎとは、夢喰いの少女の身体を貪り食らっていく。
 少女の瞳は、あの時と同じまま。
「なりたかった……の」
 小さく言葉を漏らし、少女の体は徐々にモザイクに包まれる。
 倒した少女へ、ヴィンセントは自らのケルベロスコートを羽織らせ、手向けとした。
「オレと同じく覚醒していたなら、仲間に、なれたのかもしれないから」
 そんな彼の手を、桜は黙って握る。
 ――連れて行かれなくて、よかった。
 小さく告げた桜はそっと、ヴィンセントへと寄り添うのだった。

●パーティー再開!
 夢喰いが倒れたことで、ケルベロス達はすぐに事後処理を始める。
 モモが会場に入ったテープを解いた後、失われた面影を悼む歌を口ずさむ戀は周囲の人々に告げた。
「もう安全じゃぞ、パーティー再開なのじゃ」
 徐々に戻ってくる人々を見ていた惺月は、逃げる際に転んだと思われる少女の為に星を召喚し、傷を癒す。
「トリック・オア・トリート……。ハロウィン……。楽しんで……。ね……?」
 惺月の言葉に少女が頷き、両親と共にパーティーへと戻っていく。
 それを見た惺月も左手に黒猫のぬいぐるみを抱き直し、その後を追っていった。
「折角だし、ハロウィンを楽しんでいこうかな」
 プランも再開したパーティー会場に再度並ぶ料理を手にとり、美味しそうに食べる。その姿に、近場の一般男性客が色めきたっていたようだ。
 ところで、警官衣装のモモは会場にバラ撒いたお菓子を回収する怪盗志保の姿を目にして。
「……さて、ブルーキャット。共闘はここまでよ、逮捕するわ!」
「それでは、アデュー&ハッピーハロウィンッ!」
 翼飛行でこの場を去ろうとする志保を、チョコをかじるモモが追いかける。
 その様子は、会場の人々を大いに沸かせていたようだった。

作者:なちゅい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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