●ポンペリポッサの魔女作戦~ハロウィンの狂人
賑やかなハロウィン会場。仮装した人々や、カボチャに関する物やお菓子。その盛況な所にネグレッド・スミナアミナは訪れた。そして、ネグレッド・スミナアミナはハロウィンの魔力を受けてポンペリポッサ化を始める。それは凄い力で巨大化し始めて、会場に集まっていた人々は、その恐ろしさに逃げていく。そして、ポンペリポッサ化したネグレッドはどんどん巨大化し、全長10mに及ぶ姿になっていた。
●ヘリオライダーより
「実は、ハロウィンの力を求めて、ドリームイーターの魔女ポンペリポッサが動き出したみたいなんだ」
そう語りながらデュアル・サーペント(陽だまり猫のヘリオライダー・en0190)は、話を始める。
「寓話六塔戦争で受けた痛手を回復する為に、ハロウィンの魔力を狙ったという所なんじゃないかな。発生する事件はハロウィンで賑わう街角に現れたドリームイーターが、ハロウィンの魔力を利用して『ポンペリポッサの姿に変身、そして巨大化』するというものみたいだ。ポンペリポッサ化したドリームイーターの全長は何と10mもあって、その戦闘力は流石に本物のポンペリポッサには及ばないんだけど、かなりの強敵になると思うよ」
デュアルは説明を始める。
「襲撃されるハロウィン会場は愛媛県の西条市。ここにポンペリポッサ化したドリームイーターが現れる。ポンペリポッサ化したドリームイーターはハロウィンの会場らしく、カボチャのお菓子なんかを使って攻撃してくるよ。ただ、ポンペリポッサの姿に変身して戦闘する為には、ハロウィンの魔力を消費してしまうんだ。だから、変身していられる時間は5分程度くらいかな。それが過ぎれば変身がとけて、元のドリームイーターに戻るから、その後なら有利に戦えると思うよ。後ね、戦闘の時にハロウィンらしい演出を行う事を出来たら、ドリームイーターからハロウィンの魔力を奪い取る事も可能だよ。ハロウィンの魔力を奪い取る事が出来れば、5分よりも早く、ポンペリポッサ化を解除する事が可能なんだ」
最後にデュアルは皆に呼びかける。
「折角の楽しいハロウィンなんだ。やっぱり、楽しく過ごす事が一番だよね? だから、みんなが楽しめるハロウィンにしなくっちゃ。みんなの頑張り、期待しているよ!」
参加者 | |
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クロノ・アルザスター(彩雲のサーブルダンサー・e00110) |
古海・公子(化学の高校教師・e03253) |
笹ヶ根・鐐(白壁の護熊・e10049) |
輝島・華(夢見花・e11960) |
颯・ちはる(寸鉄殺人・e18841) |
四方堂・幽梨(義狂剣鬼・e25168) |
神楽火・天花(灼煌緋翼・e37350) |
ユノー・ソスピタ(守護者・e44852) |
●ポンペリポッサの魔女作戦~ハロウィンの狂人
場所は愛媛県西条市にあるハロウィン会場。
ここで事件が起こる事が分かっているケルベロス達は会場に潜り込んでいる。
四方堂・幽梨(義狂剣鬼・e25168)は魔女のコスプレをして、自作のステンドグラスクッキーやキャンディを振舞って回る。演出用にジャックオーランタンを模した籠にお菓子を詰め込み、配って歩く。普段はジャージを愛用している彼女なので、今回着ている裾の短いカボチャ色のドレスは恥ずかしかったりするのだが、魔女だから! と、自分を言い聞かせている。
クロノ・アルザスター(彩雲のサーブルダンサー・e00110)はミイラ女の格好だ。ちょっと血糊なんかも包帯につけているけれど、陽気なホラーミイラさん。ライドキャリバーのエアも包帯ぐるぐるだ。
そんなクロノは、ライドキャリバーのブルームと一緒に箒に乗った魔女の仮装をしている輝島・華(夢見花・e11960)の後ろに近づいていく。そして……。
「べろべろばぁ」
「きゃあああ!?」
「どう? 華ちゃん似合う~~? あはは」
不意打ちを喰らった華は突然現れたミイラ女の登場に驚いたものの、よく知っている声に少し膨れてみせる。
「クロノ姉様、不意打ちは卑怯です!」
「脅かすのも一興だと思うんだけどなあ。それはとにかく、機嫌直してお菓子を配ろう?」
「……はい」
何か釈然としない物を感じながら、華とクロノはお菓子を配り始めるのだった。
(「義務感が無ければもうちょっと楽しかったんだけどねぇ?」)
そんな事を思いながら可愛らしい玉乗りピエロに扮しているのは笹ヶ根・鐐(白壁の護熊・e10049)。頭には同じくピエロ姿の明燦が乗ってお菓子をばら撒いていく。だが、明燦は『お菓子を撒く』ことにちょっと涙目だ。後でたっぷり買ってやる! そう思う鐐だった。
そんな会場に来たのはネグレッド・スミナアミナ。彼はハロウィンの魔力を吸い込みポンペリポッサ化していく。ポンペリポッサ化したネグレットは、どんどん巨大化していき、その全長は10メートルにもなる。それを見て会場は大騒ぎになった。
「皆さん、こっち、こちらです!」
避難を誘導するのは古海・公子(化学の高校教師・e03253)。魔女に扮する彼女は人々を励ましながら誘導していく。
逆の対応をするのは神楽火・天花(灼煌緋翼・e37350)。
「大丈夫、あたし達ケルベロスが絶対あいつをやっつけるよ! けど、ただ倒すだけじゃダメなんだ。みんなの力が必要なの!」
そう呼びかけながら、同時にオレンジのケミカルライトを配っていく。
「みんながハロウィンを楽しむ気持ちが、あいつの魔力を弱めてくれる。だから、あたし達を応援してください!」
ハロウィンはお祭り。楽しむ事が好きな人達も大勢いる。戦闘に危なく無い位置でケルベロスを応援できるとなれば、楽しい人達がいるのも確かな事実なのだ。
公子の誘導で会場から避難する人達、一方で天花の呼びかけに乗ってケルベロスを応援する人達に分かれて安全な場所へと案内していく。
颯・ちはる(寸鉄殺人・e18841)は、相棒のライドキャリバーちふゆをカボチャ色に塗装、更にカボチャの被り物を乗せてカボチャの馬車仕立てなカボチャ車に。ちはる自身はそれに乗るゴーストのイメージだが、顔色は青白くしていてもプリンセスモードで華やかさも演出している。そしてポンペリポッサ化したドリームイーターの前に大量のお菓子を車体に乗せて、配りつつ頬張ったりしつつして華麗に登場だ。
「とりっくおあとりーと!!」
「Trick or Treat! ――どちらを選んでも同じだぞ」
魔女姿のユノー・ソスピタ(守護者・e44852)も、ポンペリポッサ化したネグレッドの前に立ちはだかる。
「この私に挑もうというのか?」
そして、この偽物の余裕の言葉がケルベロス達に降ってきたのだった。
●偽ポンペリポッサ
偽ポンペリポッサから甘い香りが漂ってくる。甘くて優しくて、そしてクロノ達を眠りへと誘っていく、心地よい香り。
「トリック? オア! トリック! トリック! トリック!!! 標的がでかいと狙いやすくていいわねー! お菓子まみれにしてやるよぉ!」
眠気と戦いつつ、クロノは持って来たアクセサリー『Trick☆launcher』を、ぶっ放す。それに合わせてエアも炎を纏わせて突っ込んでいった。
「Trick or Treat! だが君はTrickがお望みのようだね?」
鐐は受けていた眠気をシャウトで回復させる。明燦は公子に属性インストールを施していった。
「Trick or Treat! お菓子の代わりにハロウィンの魔力をいただきます」
華は纏っているオウガメタルからオウガ粒子を花びらの様に放ってユノー達の神経を研ぎ澄ませていく。一方のブルームは激しいスピンを使って、偽ポンペリポッサを轢き潰していった。続いて幽梨もオウガ粒子を華と自身にかけていく。
「お菓子をくれないとイタズラするぞー祟るぞーあの世に連れて行くぞー♪」
ちふゆに騎乗したちはるはドラゴニックハンマーを変形させて砲弾を偽ポンペリポッサに撃ち込み、ちふゆは轢き潰しにかかる。ユノーは魔女の黒マントをなびかせると、重ねるようにクロノ達へとオウガ粒子を放ち、集中力を高めていった。
(「私よりももっと若い仲間が頑張っているというのに、私が負けてられるもんですか! 兎にも角にも、回復手は引き受けます!」)
一般の人達の避難を終えて戻ってきた公子は、高校の先生である事もあり気合を入れる。エクトプラズムで疑似肉体を作りあげると天花達へと癒しと護りの力を与えた。
「舶来の文化であっても祭りは祭り。ハレの場を汚す狂気、私が討ち破る!」
天花は弧を描きながら、偽ポンペリポッサの急所を狙って刃を突き立てる。
「まだまだだよ。ポンペリポッサ、力を私に……!」
偽ポンペリポッサはカボチャを召喚すると縦横無尽に投げつける。そのカボチャによる激しい攻撃が鐐達に襲い掛かり、守りの力を下げていく。
「まだまだ行くわよ」
クロノは弓を引くと偽ポンペリポッサに向かって矢を放つ。それに合わせてエアも炎を巻き上げて矢の演出を盛り上げて攻撃していった。
鐐は低い体勢を取ると偽ポンペリポッサを組み敷くように動く。……相手は10メートルもあるので、実際は組み敷けないのだが、偽ポンペリポッサの気を引く事が出来れば上々だ。明燦もタックルをかまして応援攻撃を加える。
華は精神を集中し、偽ポンペリポッサに凍結の花による爆発を与える。それを援護する様にブルームはガトリングガンを使って次々と銃弾の撃ち込んだ。
「我が身、是空と也……色ぞ風花の如く舞い踊り……泡沫が如く空と為せ……」
幽梨は剣と身を、そして身と空を合一し、裂帛の気合と共に霊気を乗せた剣圧波を放つ。
「ちふゆ、宜しくね」
相棒であるちふゆに声をかけると、ちはるは偽ポンペリポッサに輝きを伴う重い蹴りを放つ。そして、そのちはるを乗せたまま、ちふゆは炎を纏いながら突っ込んで行った。
ユノーは全身の力を溜める。そして筋力に加え、真っ直ぐな太刀筋で偽ポンペリポッサを斬りつけた。続いて公子がエクトプラズムを使って大きな砲弾を作り上げて放ったのだが、的が大きい割に上手く当たってくれない。ここは回復に徹した方が良さそうだと公子は悟る。
「これはちょっと厳しそうかな」
公子の攻撃を見て、天花も攻撃を変更する必要が出てきた。とにかく当たらない事には意味が無いのだから。だから天花もファミリアロッドを偽ポンペリポッサに向けて、魔法の矢を一斉に発射した。
●ネグレッド・スミナアミナ
ケルベロス達の攻撃と、会場に残って遠巻きに応援してくれている人達のおかげもあってか、偽ポンペリポッサに変化が起き始める。10メートルはあった体長が小さくなり、その姿も変わっていく。そこに現れたのは中性的な雰囲気を持ち、王子様の様な冠を被った綺麗な少年が現れた。
「ポンペリポッサ! 力を貸してくれるのではなかったのか!?」
偽ポンペリポッサの本体、ネグレッド・スミナアミナはそう叫ぶが、援護を貰える気配が無い事を悟ると、肩をすくめた。
「……全く、私とした事が騙されるとは。しかし、あなた達との戦いは続けるつもりだよ。それに、そちらの闘い方は理解したつもりだしね」
そう言うと、ネグレッドは特徴的な大きな鍵を構える。そしてその鍵を使って公子とちはるを薙ぎ払った。痺れるような痛みが二人を襲う。
「本体の登場って訳ね! あなたにもあげるわよ、お菓子乱舞をね!」
クロノは再び『Trick☆launcher』を取り出すと、ネグレッドに向かってぶっ放した。続いてエラのスピン攻撃が襲い掛かる。鐐もナイフを構えると、ジグザグに引き裂き、そこに明燦のブレスが放たれた。
「綺麗な花吹雪、楽しんで下さいませ!」
華はネグレッドの頭上に魔力で作った花を生成する。その花は花吹雪となってネグレッドの全身に襲い掛かった。それに合わせて、ブルームのスピン攻撃が加えられる。更に幽梨の刃が急所を狙い、斬りつけた。
「さっさと轢き潰して終いにするよ、ちふゆ」
ちはるの声掛けに、ちふゆが了解と言わんばかりにエンジン音を鳴らす。それに対して満足気に頷くと、ちはるは変形させたドラゴニックハンマーから砲弾のネグレッドに撃ち込んだ。その勢いをそのままに、ちふゆは更にスピン攻撃を加えていく。
「その鍵、貰い受ける!」
ユノーはバスタードソードを使って、ネグレッドの大きな鍵を狙って攻撃を繰り出す。勿論、ネグレッドも鍵でその攻撃を受け、つばぜり合いになった。ギリギリと軋む音の中、どちらとも知れぬ欠片が落ちる。
「Standup and Bow!!」
ユノー達がつばぜり合いをしている間に、公子は寺院の鐘を鳴らす事で、自身やちはるの傷を癒していった。
ユノー達が一旦離れた所を狙って天花はファミリアに魔力を与えてネグレッドに撃ち放つ。
「は、はははははは! 私は騙された上に、ここで使い捨てという事か? はははははははは!!」
ネグレッドの笑いは狂気を感じる。それは裏切られた恨みというよりは、彼そのものが持っていた性質の様にも見えた。その狂気の笑いに、ケルベロス達は正気を保つことが難しくなる。
「皆さん、しっかり!」
公子の清らかなる雨がクロノ達の意識を取り戻させていく。
「ありがとう! これでもくらえ!」
公子に礼を伝えながらクロノは妖精の力を宿した矢でネグレッドを貫き、エアがガトリングガンを撃ってその援護をした。
「さあ、こっちだ」
鐐はネグレッドに組みつき、彼の標的を自分の方に向けさせるように仕向ける。一方の明燦は、タックルを叩き込んだ。
華はネグレッドに向かって凍結の花を咲かせ、ブルームはガトリング射撃で援護をする。更に幽梨の急所を狙う一撃が加えられた。
「おいで、有象無象。餌の時間だよ。――忍法・五体剥離の術」
ちはるは掌に術式を書き込み、ネグレッドに手刀を喰らわす。これは蠱毒による攻撃。どんどんネグレッドの体内を蝕んでいく。ちふゆは炎を渦巻かせ体当たりを喰らわせた。
ユノーは力を溜め、高速の斬撃をネグレッドに喰らわす。
「我が手に燃えよ、聖咎の剣。正しき怒りと切なる祈りに応え、邪神を断つ輝きとなれ!」
天花はグラビティ・チェインを両手に集め、ネグレッドに飛び込むと零距離から連続で攻撃を撃ち込んでいく。その攻撃を受けて、ネグレッドはモザイクの如くキラキラと消えていく。しかし、同時にいつまでも耳に残る笑い声が聞こえた気がした。
●ハロウィンパーティー
「みんな、応援ありがとうー!」
遠くから声援を送ってくれていた人達に、天花は手を振りながらお礼を言う。
「あーもう、めちゃくちゃにしおってからに……」
体長10メートルのデウスエクスが暴れたのだ。会場は大参事になっている。
「お手伝いしますよ」
ヒールを始めた鐐に、公子、幽梨、ユノーが手を貸して、ヒールを行い、再びハロウィンパーティーが出来る会場に整え直した。
クロノ、華、天花は、一般の人に改めてハロウィンパーティーの参加を呼び掛けている。
「ハロウィンを楽しみませんか? 折角お菓子も用意して来たので」
「あたし、沢山お菓子を持って来ているから」
「あたしも!」
華、幽梨、天花が持って来たお菓子を広げる。そうすると、一般出来ていた人達も、用意していてまだ無事だったお菓子や飲み物等を広げてくれた。流石に戦いが始まる前の様にはいかないが、十分に楽しめる。
「さて! では食べ歩くとしようか!」
「ハッピーハロウィン!」
鐐とクロノの言葉で、色々な人達が集まって、再びハロウィンパーティーが始まる。今度こそ平和で楽しいハロウィンパーティーが始まったのだった。
作者:白鳥美鳥 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2018年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 1
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