●突然の乱入者
東京都某所。
現在、アイドルを目指す者は多く、沢山のアイドルが鎬を削って自らのステージでアピールする。
「皆、りりなのステージにようこそ!」
とある小さなライブハウスでは、新人アイドルの少女『星・りりな』が集まった50名弱のファンに向けて呼びかける。
「「「り・り・な! り・り・な!」」」
まだデビューしたばかりではあるが、すでに固定ファンがついているところを見ると何か光るものを持っているのだろう。
アップテンポの応援曲を歌うりりなに、ファンのテンションもうなぎのぼり。
「りりなの応援ありがとう!!」
一曲歌い終えた彼女は息つきながらさらに大きく手を振り、ファンに笑顔を振り撒く。
ただ、そこに怪しげな乱入者が……。
「皆、こんにちは! あたし、アトランダム! アトラって呼んでね!!」
突然ライブハウスの入り口から入ってきたのは、可愛らしい衣装を纏った銀髪の少女。
その後ろでは螺旋の仮面を被ったガタイのよい男2人がサイリウムを両手に握って、舞いを踊る。
「な、何なの……!?」
「ちょっと邪魔ね。寝ていなさいな」
りりなが呼びかけると、その少女アトラはマイクで言葉を返す。すると、りりなはそのままステージ上で気を失って倒れてしまう。
「ここからは、アトラのオンステージよ!」
仮面の男達がりりなをステージの端に運ぶと、アトラ……アトランダムはチャーミングに微笑んで、美声を響かせ始めた。
りりなのライブを見に来たはずのファン達は、なぜかアトランダムの歌声と屈強な男達の舞いに魅了されてしまって。
「ふふ、ありがとう。よければ、これからアトラと一緒に……どうかな?」
「「「はい、アトラちゃん!!」」」
ファン達の目は正気を失い、これ以上ないテンションでライブハウスを出るアトラについていってしまうのだった……。
ヘリポートに集まるケルベロス達。
「アイドルとして、地球社会に潜伏していた螺旋忍軍が動き出したようだね」
そこでは、リーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)が新たな事件の説明を始めていた。
他のアイドルのライブに乱入した螺旋忍軍達は、罪もないファンを略奪して連れ去ってしまう。
山下・仁(ぽんこつレプリカント・e62019)が危惧していたように、この連れ去られたファン達は黒幕であるシャイターンの元に送られる。
「そうして、彼らはシャイターンの選定を受けて、死ぬかエインヘリアルにされてしまうんだ」
それを阻止する為、ライブハウスに向かって螺旋忍軍を撃退して欲しい。
場所は、東京都内のとあるライブハウス。
元々、そこでライブを行っていた地下アイドルの少女『星・りりな』は、気絶させられている状態だ。
アップテンポな曲を歌う少女のライブ中に現れる敵は、アイドル螺旋忍軍のアトランダム。それに、配下となるオタゲイジャー2体。
「アトランダムは地下アイドルといった姿と振る舞いをしているね。ジャマーとして、自身の歌や踊りで相手の攻撃の手を鈍らせたり、魅了したりしてくるよ」
配下オタゲイジャー2体はディフェンダーとして、アトランダムの護りに当たる。
その上でサイリウムブレードで斬りかかり、さらにオタ芸の舞いを踊って見る者を惑わせる。螺旋忍軍らしく、螺旋氷縛波を放って攻撃してくることもあるようだ。
「アトランダムはケルベロスが攻撃を仕掛けてくると、オタゲイジャーにケルベロスを任せてファンを連れて逃げ出そうとするようだね」
これを阻止する為には、戦闘を行う前にステージに『アイドルとして乱入』してファンを奪い取る必要がある。
会場の一般人は螺旋忍軍に幻惑されている為、正常な判断力は失われているが、その分『アイドルの魅力を判断する能力』が高まっており、アイドル螺旋忍軍を上回るパフォーマンスを行えば、一気にファンを奪い取る事が出来るはずだ。
「ファンを奪い取ると、アトランダムはケルベロスを撃破した後に再度ファンを取り戻さなければならないと考えるからね。撤退する事は無くなるよ」
ファンを奪えなかった場合、アトランダムは隙を見てファンを連れて逃げ出そうとするので、それを阻止する為の作戦が必要になるだろう。
一通り説明を終えたリーゼリットは、しばし考えて。
「この事件の黒幕は、一体誰なのだろうね」
エインヘリアルが絡んでいるのは間違いないものの、これまでの事件の経緯を考えれば第四王女の作戦ではないと思われるが……。
「ともあれ、犠牲が出る前に螺旋忍軍の撃破を。……よろしく頼んだよ」
彼女はそうして、事件の解決をケルベロス達へと願うのである。
参加者 | |
---|---|
久遠・翔(銀の輪舞・e00222) |
呂・花琳(デウスエクス飯・e04546) |
ロディ・マーシャル(ホットロッド・e09476) |
ニュニル・ベルクローネス(ミスティックテラー・e09758) |
志穂崎・藍(蒼穹の巫女・e11953) |
神宮・翼(聖翼光震・e15906) |
シルヴィア・アストレイア(祝福の歌姫・e24410) |
ミミ・フリージア(ヴァルキュリアの鎧装騎兵・e34679) |
●ライブの開始前に
東京都内某所。
螺旋忍軍が引き起こす事件に対処すべく、メンバー達はとあるライブハウスへと向かう。
なんでも、地下アイドルを応援するファンを、螺旋忍軍は連れ去るとのことだが……。
「アイドルにとってファンもライブも非常に大切なもの。それを選定の手段に利用する等、絶対に許せない!」
現役のアイドルであり、雑誌のグラビア等モデル業もこなすヴァルキュリア、シルヴィア・アストレイア(祝福の歌姫・e24410)は、声を荒げて今回の敵に強い憤りを見せていた。
「自分のライブだったら、返り討ちにしてやったのに」
「アイドルを襲ってファンを攫うとか、相も変わらず、こすっからい奴らだニャ」
シルヴィアに同意する白猫のウェアライダーの志穂崎・藍(蒼穹の巫女・e11953)もまた、敵の手口に悪態をついてしまう。
「襲撃されるアイドルもファンもかわいそうじゃのぅ」
まだ幼さも残す金髪ツインテールのミミ・フリージア(ヴァルキュリアの鎧装騎兵・e34679)は、被害に遭うファンはもちろんのこと、ライブを台無しにされるアイドルの気持ちも慮っていた。
そこで、ケルベロス達が立てる作戦。それは……。
「それなら、ボク達もアイドル対決だにゃ! 負けないニャ」
藍は可愛らしい仕草で、気合を入れていた。
ケルベロスが想定している作戦は、まず出現した敵が自らの歌や踊りでファンを魅了したタイミングで、こちらもアイドルとして乱入する。
ファンを取り戻しつつ、敵の撤退を阻止して戦うといった作戦だ。
「皆を助け、アイドルとしてもケルベロスとしても、勝ちにいくのじゃ」
ミミもこれからの作戦に、気合十分。
「フリとはいえ、まさか自分がアイドルになってステージに立つ日が来ようとはな」
しかしながら、黒い角を額に生やす人派ドラゴニアンの少女、呂・花琳(デウスエクス飯・e04546)はやや不安もあったようで。
「いや……、別に嫌と言う訳ではないが……、あぁ言うキャピキャピな踊りって、我出来るかの……」
不安を抱きながら、花琳は仲間とライブハウスへと入っていくのである。
そんな女性メンバー達が衣装など準備を整える間、2人の男性ケルベロスはライブハウスの警備室や詰め所を回っていた。
「……このやり口は、確かに別物なんっすけど……。なんか引っかかる、っすね……」
中性的な外見をした久遠・翔(銀の輪舞・e00222)はしばし、敵の手口について考える……が、関係者がやってきたことで気を引き締め直す。
「……と、いけない。今は目の前の事をしっかりしないといけないっすね」
「裏方のカッコよさを見せてやるぜ!」
今回は裏方として、ロディ・マーシャル(ホットロッド・e09476)は意気込みを見せ、翔と共に他メンバーのサポートや事態の解決に動く。
自分達の素性をケルベロスだと隣人力を働かせた翔がライブの関係者に明かし、中止した場合も含めた事情を説明の上で協力要請を行う。
ライブの責任者もケルベロスの頼みであらばと、不承不承ながらも首を縦に振っていたようだった。
●KRB48、参戦!
そのライブハウスのステージには、地下アイドルの『星・りりな』が手を振りながら上がっていた。
「皆、りりなのステージにようこそ!」
「「「り・り・な! り・り・な!」」」
まだまだ駆け出しアイドルではあるが、人を引き付ける魅力を持つりりなに少なからず集まるファン達が声を合わせて掛け声を上げていた。
「りりなの応援ありがとう!!」
それに気を良くするりりなが自らのライブに全力投球し、ライブが盛り上がりを見せる中、入り口からマイクを持つ黒ドレスの少女が現れる。
「皆、こんにちは! あたし、アトランダム! アトラって呼んでね!!」
りりなのファンが自身に注目したことを確認した新たなアイドル、アトラことアトランダムは可愛らしく回転して美声を響かせる。
その後ろに引き連れられた螺旋の仮面をつけた半裸のマッチョ……オタゲイジャー2人がサイリウムを振り回して主のパフォーマンスを盛り上げる。
「アトラ……」
「「アトラ……アトラ……!」」
徐々にりりなのファンがアトランダムの名前を呟き、音頭をとり始める。
「な、何なの……!?」
「ちょっと邪魔ね。寝ていなさいな」
その様子に唖然とするりりなを、壇上に上がったアトランダムが気絶させてしまう。
会場の様子を見ていた、はちきれそうな胸を持つサキュバス、神宮・翼(聖翼光震・e15906)はアトラと名乗る螺旋忍軍の少女に注目する。
「アイドルとしての実力は本物よね。……でも、それはあたし達が負ける理由にはならない」
ただ、翼はアトランダムがファンを道具としていないことを見透かして。
「りりなちゃんのステージを、台無しになんてさせないから!」
頷き合う6人の女性メンバー達は、ステージ袖から一斉に飛び出す。
「待ち給え。アイドルというなら、此処にもいるよ?」
真っ先に呼びかけたのは、ゴスロリ衣装に大きな縦ロールの少女ニュニル・ベルクローネス(ミスティックテラー・e09758)だ。
「はーい、あなたの出番はおしまい。ここからはあたし達のステージよ♪」
翼もまた爆乳を弾ませ、アトランダムへと呼びかける。それに、螺旋忍軍の少女も怪訝そうな表情を見せていた。
ステージの上から飛び降りる白猫が宙返りし、ステージに立つと同時に人間の姿へと変わって。
「皆、元気にしてるかにゃ~」
スタイリッシュモードを発動させ、藍は場を盛り上げる。
不安そうにしていた花琳も思い切った態度でプリンセスモードを発動させ、自身の存在感を示す。
「……ボクら、『KRB(ケルベロス)48』がね」
「ボク達、KRB48も参戦するにゃ~」
ニュニル、藍が名乗ると、この場の観客が一斉に声を上げる。新たな挑戦者の登場に、どうなるものかと場内は白熱していく。
しかし、アトランダムはそんな彼女達を鼻で笑って。
「フッ、たった6人しかいないじゃない」
「有名アイドルグループだって、いつも48人全員出てくる訳じゃないでしょ?」
言葉を返しつつ、翼はステージ端のロディへと視線を向けていた。
いつもペアを組むこの2人だが、今回ばかりは別行動。
「あたしのステージ、お見せできないのが残念かも♪」
実際、ロディは翼とは連絡をとるものの、なかなかステージばかりを見てもいられない。彼は倒れたりりなを保護し、安全な場所へと運んでいたのだ。
『君のステージはオレ達が取り戻す byロディ』
りりなが目を覚ましたときの為にそう書いたケルベロスカードを添え、ロディはこれから始まるアイドル勝負に勝利することを信じつつ、移動していく。
「アトラと勝負しようっての? 面白いわ」
すると、アトランダムと、KRB48が一斉にパフォーマンスを披露し合う。
「さあどうぞ、ご一緒に。何処よりもリアルな夢の国を、皆で一晩中楽しもう♪」
ニュニルもプリンセスモードを発動させ、仲間と思い思いに歌やダンスを披露し始める。
親友のピンククマのマルコや黒猫や狐など他の沢山の小さなぬいぐるみと一緒に、ニュニルはミニスカートの裾を波打たせて優雅に舞う。
好きな人から貰った妖精靴で、彼女は華やかにステップを踏む。
ニュニルにとって旅団の知人である花琳はコーラスを歌い、バックダンスで仲間を支援する。
同じく、ニュニルの知人であるミミも、プリンセス変身でこの場の観客を励ましてみせて。
「わらわ達はステージでも勝たねばならんのじゃ」
嗜みとして、歌や踊りの経験があるミミ。
彼女は大好きな猫のぬいぐるみを抱き、光の翼を広げて軽やかに踊り、歌う。
まさか実際にこうしてステージに立つとは思っていなかったミミだったが。
「賑やかなのは大好きなのじゃ」
仲間とパフォーマンスするのは実に楽しいと、彼女も実感していたようだ。
皆のパフォーマンスの繋ぎとなることを意識する藍。
歌が苦手とあって、藍はその分ウェアライダーとしての体のしなやかさを活かしたダンスで魅せつける。
チームのお色気役として翼も仲間と入れ替わって前に出て、自らのセクシーさをアピールする。
情熱的な翼の歌と踊り。
さらに、きらきらと光る翼は観客を魅了して、自分達へと引き付ける。
「「K・R・B! K・R・B!」」
ケルベロスを応援するファンの声が大きくなってくるのを、藍も感じて。
「なんだか、こうやってアイドルやっていると、癖になりそうだニャ」
だが、それをアトランダムも指をくわえて見ているはずもない。
「ほらほら、皆、アトラも見て!」
ステップを踏むアトランダムとて、見る者を魅了する術に長けている。ケルベロスに意識が向きかけた観客を再び自分へと引き戻そうと歌い、激しく舞い踊る。
後ろの配下もオタ芸の舞いで主を引き立たせ、観客を惑わせようとしていた。
しかし、ケルベロスも負けはしない。
特に、現役アイドルであるシルヴィアは人一倍相手を敵視し、全力以上の力でパフォーマンスに当たる。
「今だよ!」
歌のサビで、最高潮となったタイミング。
シルヴィアはニュニルやミミと合わせつつプリンセスモードを発動し、光の翼を広げた。
「「「おおおおおおっ!!」」」
一斉に湧き上がる、ライブハウスの観客達。
「ロディくん!」
観客が正気に戻ったと判断した翼が呼びかける。
すると、会場の設備や避難経路を確認していたロディが警備員と連携して、避難誘導に動く。
最悪の場合、男性2人はアトランダムが脱出する経路の封鎖も兼ねて備えていたが、その必要はなさそうだ。
「避難は任せたっす!」
翔はこの後の戦いに備えて、警備員に避難を任せて会場へと急行する。
それを、アトランダムは忌々しげに見つめて。
「わらわ達のステージはどうだったかの?」
「最悪だったわ」
ファンの為のパフォーマンスなら勝てなかったかもと示唆するミミに、アトランダムは苛立ちを隠さない。
すでに、力ずくでもという構えをみせており、バックダンサーをしていたはずのオタゲイジャー達が手前に出てサイリウムを両手に構えを見せる。
「今時のアイドルは可憐さだけじゃなく強さも必要だよね。勿論、そっちでもキミ達に劣る気はないよ」
敵を逃がさぬよう挑発しつつ、ニュニルもまたステッキを手に仕掛けていくのだった。
●アイドル頂上決戦!
せめて、1人でもファンを連れ去ろうと動く螺旋忍軍アトランダム。
そこに、素早く会場内へと飛び込む翔とロディ。
邪魔するオタゲイジャーどもを気にもかけず、ロディはアトランダムへとファイヤーボルトから銃弾を放つ。
「オレと翔にも、見せ場をくれよな?」
もちろん、この場の女性メンバーも交戦の構えを見せて。
「猫のウェアライダーの反射神経をみるのにゃ!」
藍はアクロバティックに宙返りし、卸した御業から炎弾を発してオタゲイジャーどもを炎に塗れさせる。
そいつらもサイリウムを叩きつけてくるが、しっかりとミミのテレビウムの菜の花姫が止めてくれていた。
同じく、花琳も相手へと突撃する自身のライドキャリバーと前線で盾となり、配下へと喰霊刀で切りかかっていく。
そうして、花琳は配下の魂を啜り、自らの傷も塞いでいたようだ。
「私の歌を聴けーっ! ってね♪」
シルヴィアがギターをかき鳴らし、仲間達へと『紅瞳覚醒』を歌い聞かせる。
その後方では翼が桃色の霧を展開しながらも、合間に2本のファミリアロッドで敵陣へと攻撃も仕掛けていたようだ。
さて、地獄を注ぎ込んだ鉄塊剣を握る翔も、アトランダムへと集中攻撃を行う。
「幻惑の白百合の手の者っすか?」
「何のことかしらね」
彼女は軽くはぐらかし、自らのステージとばかりに歌声を響かせ、ケルベロス達の戦意を削ごうとしてくる。
今回の黒幕に自らの宿敵が関わってないかと考えた翔だったが、望み薄と想定していたとおりだったようだ。
警備員がうまく会場外へと観客を誘導していたこともあり、アトランダムはやややきもきする。
そいつを抑えながらもケルベロスはグラビティを繰り出し続け、螺旋忍軍達を攻め落とす。
アトランダムの足が鈍ったのを見てミミが竜鎚から砲弾を飛ばすと、それを身代わりとなって受け止めた配下オタゲイジャー1人が卒倒していく。
もう1体の配下が氷の螺旋を放ってきたのを、翼猫クロノワが翼を羽ばたかせつつ受け止めていた。
そこに、クマぐるみマルコをリボンで腰にくくりつけたニュニルが攻め入る。
稲妻の闘気を纏わせた槍を振るった彼女はもう1体の配下を貫き、押し倒して撃破してしまう。
「残念だけど、可憐さも強さもボクには及ばないね」
ニュニルは残るアトランダムへと挑発するように言い放つ。
「これからはアイドル稼業より、地道に働く方がいいんじゃない?」
「冗談じゃないわ」
苦虫を噛み潰したような顔で、アトランダムは天使の歌声を響かせる。
自らの回復に当たる地点で、彼女が疲弊してきているのは明らか。
「未来掴む為、さぁ、闇を祓おう……♪」
シルヴィアが聖歌を響かせると宙空に描かれた魔法陣にグラビティが集束し、魔力砲撃をアトランダムへと浴びせかける。
「持ってけ、ありったけ!」
さらに、ロディが手にする銃から神業めいたファニングで数発の弾丸をほぼ同時に叩き込むと、怯む敵へと翔が迫って。
「全て吹き飛べ!」
星華のメイスに武器を持ち変えた翔は急旋回し、渾身の力でアトランダムへと叩きつけた。
「きゃあああああっ!!」
ぶっ飛ばされたアトランダムは遠方へと飛んでいき、星になっていく。あれだけの攻撃を受けたなら、再起不能は間違いないだろう。
「スターになって、良かったね」
そんな相手へ、シルヴィアは一言皮肉を込めて言い放ったのだった。
●まだステージは終わらない
手早くロディが仲間と共に会場の修復へと当たるが、ライブはまだ終わらない。
「皆、ありがとう」
目覚めたりりながケルベロスに、そして会場へと戻ってきたファンに礼を口にすると、会場のボルテージがさらに高まる。
「そのまま、アイドルライブしちゃおっか♪」
ノリノリなシルヴィアがりりなと一緒にステージに立ち、ヒールも兼ねてライブを開始する。
「「ガラクタの海にある十字架は 罪を持たず消えた命らしい……♪」」
初めてなのに、見事に息の合った2人のステージ。
そして、他のメンバー達もバックダンサーとして、そのステージに花を添える。
「「「り・り・な! K・R・B!!」」」
ケルベロスも参加したりりなのステージに、ファン達も力の限り壇上のメンバー達へと声援を送っていたのだった。
作者:なちゅい |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2018年10月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 3
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