●ファクトリア破壊作戦
「……集まってくれたようだな。では、今回の作戦について、説明を始めよう」
いつもより些か緊張した面持ちで、アーサー・カトール(ウェアライダーのヘリオライダー・en0240)は集まったケルベロス達へ、告げた。
先日のダモクレス海底基地破壊作戦の成功の結果、資材不足に陥ったダモクレス達は、各地の工場にて資材の略奪を行った。
ライドロイド事件とも呼ばれる一連の事件も、ケルベロス達よって、見事解決に導かれた。ここ最近のケルベロス達の活躍により、ダモクレス達に大きな一撃を加えることができたといえるだろう。
さて、そんな中、ウォーグ・レイヘリオス(山吹の竜騎を継ぐもの・e01045)、アビス・ゼリュティオ(輝盾の氷壁・e24467)、オリビア・ローガン(加州柳生の伝承者・e43050)ら三名のケルベロス達による調査が行われた結果、瀬戸内海の無人島に、ダモクレスの巨大基地が発見されたという。
「その基地の名は、『マキナ・ギア・ファクトリア』。本来は人間の機械化を行い、対ケルベロスを想定した試作戦闘型ダモクレスの開発を行っていたようだ」
現在は資材不足の影響もあり、試作戦闘型ダモクレスの開発は中断されているようだ。さらに、基地防衛用と作業用のライドロイドの多くが、一連のライドロイド事件の解決にあたったケルベロス達の活躍で破壊されており、基地の防衛力も大きく低下している。
「これはチャンスだ。相手の戦力が整っていない内に、最小限の戦力で『マキナ・ギア・ファクトリア』を攻略することができるだろう。この基地を攻略できれば、ダモクレス達にさらなる打撃を与えることができるはずだ」
攻略作戦は、9チームのケルベロス達による一斉突入・攻撃によって行われる。
9チームのケルベロス達は、基地上空へとヘリオンで移動し、予知情報により特定された9つの突入ポイントへと、それぞれ直接降下する。
「ミッション破壊作戦を思い浮かべてくれ。あれも敵地へと向けて直接降下する作戦だが、それに近い……ああ、今回は『魂の叫び』は必要ないよ」
冗談っぽい口調で、アーサー。
さて、降下完了後は、基地外壁を破壊し、内部へと進入。そのまま中枢へと向かい、中枢システムを破壊、脱出してもらうプランになる。
「しかし、敵もそうやすやすと作戦を遂行させてはくれない。当然ながら、中枢を守る敵が存在しているんだ。敵は、『試作戦闘型ダモクレス』。さっきも言ったが、この基地で開発された、対ケルベロス特化型だ。調査と予知によれば、この基地に現存する試作戦闘型ダモクレスは9体……そう。こいつらの対処のために、9チームのケルベロスが必要なんだ」
このチームが戦う試作戦闘型ダモクレスは、『SR08エクソシスト』と名付けられたダモクレスだ。回復支援よりの性能を持つ個体のようだが、単体での戦闘能力も充分持ち合わせている。
「対ケルベロス特化型、と銘打たれたほどだ。充分に気を付けてくれ」
SR08エクソシスト以外にも、基地内部には、まだ各種ライドロイド達や、シモーベと言った戦力は残っている。
基地の総合的な防衛能力は低下しているとはいえ、道中、これらのダモクレス達と遭遇、妨害を受ける可能性は捨てきれない。
「本命はエクソシスト、そして中枢システムの破壊だ。道中で時間をとられないよう、出来るだけ早く中枢地区へと向かった方がいいだろう。予知で割り出した突入ポイントは、中枢からはさほど離れてはいないから、地道に探索すれば、中枢を見つけることは難しくはないと思うよ。勿論、作戦をスムーズに進めるためには、何らかの工夫が必要だとは思うが……そこは、皆の腕の見せ所と言った所だな」
そう言って、アーサーはヒゲを撫でた。
「皆の活躍のおかげで、ダモクレスの基地を破壊する準備が整った。遠慮はいらない。思う存分、暴れてきてくれ。君達の無事と、作戦の成功を、祈っている」
そう言って、アーサーはケルベロス達を送り出したのだった。
参加者 | |
---|---|
エニーケ・スコルーク(黒馬の騎婦人・e00486) |
ノーフィア・アステローペ(黒曜牙竜・e00720) |
ミステリス・クロッサリア(文明開華のサッキュバス・e02728) |
テレサ・コール(黒白の双輪・e04242) |
ラハブ・イルルヤンカシュ(通りすがりの問題児・e05159) |
円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214) |
プラン・クラリス(愛玩の紫水晶・e28432) |
リティ・ニクソン(沈黙の魔女・e29710) |
●機械基地に臨む
無人島の静けさを切り裂いて、『マキナ・ギア・ファクトリア』上空を、9機のヘリオンが飛行する。それらは散開すると、巨大な機械基地を臨む9つのポイントにそれぞれ進路をとった。そして、ヘリオンが予定されたポイントを通過すると同時に、ヘリオンはその腹から、それぞれ8つの影を解き放った。ケルベロス達だ。
9チーム、総勢70名を超える番犬の群れが、機械基地の喉笛に食らいつかんと、戦いの野へと駆け出したのだ。
「派手にイくのね!」
ミステリス・クロッサリア(文明開華のサッキュバス・e02728)が声をあげ、『アームドフォートType:α[アルファ]』を構えた。眼前へと迫りくる巨大基地、その外壁へと向けて、あいさつ代わりと言わんばかりの一撃を発射する。
仲間たちの放ったグラビティが後を追うように殺到した。次々と撃ち放たれるグラビティの奔流に、巨大基地の装甲は破壊され、その内部をむき出しにしていく。
「ん、突撃」
ラハブ・イルルヤンカシュ(通りすがりの問題児・e05159)が呟き、その拳を振り上げた。自由落下のまま、基地外壁に接触する瞬間に、拳を解き放つ。落下の速度を乗せたラハブの一撃は、基地天井装甲をぶち抜き大穴をあける。盛大なノックと大胆な進入――天井をぶち壊しながら基地内部へと到達したラハブは、
「よっ、と」
呟き、態勢を整えると、すたり、と着地した。
「到着」
その言葉と同時に、後続の仲間達が次々と基地内へと着地した。
「ここは……資材置き場、かしら」
リティ・ニクソン(沈黙の魔女・e29710)が言った。周囲は広い空間で、辺りには資材運搬用と思わしきトロッコや作業車などが見えた。しかし肝心の資材の方は殆ど見受けられない。
「廃棄エリアなのか、資材が空っぽなのか……どちらにせよ、突入した瞬間的に囲まれる……といった事態ではなかったのは、幸運でございますね」
テレサ・コール(黒白の双輪・e04242)の言葉通り、周囲に敵影は見受けられない。基地内の戦力も減っている、というのも、どうやら事実のようだ。
と、突如として、基地内に耳障りな警報音が鳴り響いた。続いて、
『マキナ・ギア・ファクトリア内部に侵入者確認。試作戦闘型ダモクレスは、侵入者の排除を行ってください』
機械音声があたりに響き渡る。
「向こうも気づいたみたいなのね」
ミステリスが言った。基地内は本格的な防衛態勢に入るだろう。ケルベロス達の作戦も、ここからが本番というわけだ。
「それじゃあ、行きましょう」
リティの言葉に、仲間達は頷く。
「このトロッコ、行先は中枢方面だったみたい」
プラン・クラリス(愛玩の紫水晶・e28432)が、資材運搬用と思わしきトロッコを確認しつつ、言った。
「どこまで行くかはわからないけれど……ひとまず、この線路沿いに進んでみよう」
プランの視線の先には、奥へと伸びる、トロッコ用の線路がある。目的地へと向かう、一つ目の道しるべ。ケルベロス達はそれを頼りに、第一歩を踏み出した。
●敵地
(「この姿でも役に立つ事ありますのね……競争ぐらいにしか使いませんでしたわ」)
動物変身によりその姿を変化させたエニーケ・スコルーク(黒馬の騎婦人・e00486)は、隊列後方での警戒を担当し、
(「……黒猫キアリが基地中枢へ破壊をお届けよ」)
円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214)も同様に動物変身により姿を変化させ、前方を警戒する。
トロッコ線路の端にたどり着いたケルベロス達は、手探りの状態で通路をひた走る。線路は目的地その物へと到達するものではなかったが、それでも探索の助けにはなった。
様々な部屋と通路を経由し、ケルベロス達は中枢へと向かった。時折振動と爆発音が響き、他のチームが戦闘か、或いは陽動を行っていることが感じ取れた。
「爆発か……仕掛けが上手く機能してると良いんだけど……」
ノーフィア・アステローペ(黒曜牙竜・e00720)が呟く。持ち込んだアイテムのいくつかは、敵の陽動の為のトラップだ。
と、キアリが小さく、鳴き声をあげた。キアリと共に、隠密しつつ先行していたテレサが何かを見つけたらしい。ノーフィアが確認すると、数体のシモーベと呼ばれるダモクレスが、右往左往、辺りを走り回っている。こちらを探しているのだろう。
「……仕掛ける?」
ノーフィアが尋ねるのへ、
「んー……ちょっと様子を見たいのね。エニーケちゃん、後ろは?」
ミステリスが答えつつ、エニーケに尋ねる。エニーケは静かに頷いた。敵の気配はない、という事だ。加えて前方のシモーベ達は、こちらに気付いた様子はない。上手く行けば、やり過ごせるかもしれない。
シモーベ達は姿を消した。どうやら、別の方向へと向かったようだ。一息、ケルベロス達が胸をなでおろす。
「ふぅ……こういう感覚、久しぶり。プラブータとか、光明神域の時を思い出すよ」
苦笑を浮かべつつ、プランが言った。敵地へと潜入する緊張感は、中々味わえないだろう。
「よし、と。それじゃあ、進みましょう」
リティの言葉に、ケルベロス達は歩みを再開した。ケルベロス達の行動は、少々慎重さに振った物だったと言える。とは言え、極端な時間的なロスはなく、少しずつ目的地へと向かって行った。
やがてケルベロス達の前に、一つの扉が姿を現した。ケルベロス達は周囲を確認してから、意を決し、その扉を開く。
扉の先には、大きく開けた空間があった。内部には無数のコンピュータと思わしき、黒い長方形の箱状の物が設置されている。無数に林立するそれは、墓標か、或いは棺のようにも感じられた。そのように感じられたのは、その墓標群の前に立つ、女性の姿の影響もあったのだろう。
女性は、いわゆる修道女の様な姿をしていた。
「――来てしまいましたか」
修道女が、声をあげた。
「『SR08エクソシスト』……だね」
プランの言葉に、修道女――エクソシストが頷く。
「意外に美人さんで驚いたわ。でも、綺麗な薔薇らしく、とんでもない棘を隠し持っていそうね……!」
警戒しつつ、キアリ。エクソシストは穏やかに笑みを浮かべると、
「ありがとうございます。さて――提案があります。退いてはいただけませんか」
そう言って、目を伏せた。
「ここは我らの生誕の地。これからも我らが新たなる子らを産み続ける場所。汚されることは本意ではありません」
「お気持ちはわからないでもありません。しかし、あなた様方が生まれるという事は、人が犠牲になる、という事で御座いましょう」
テレサが言った。試作戦闘型ダモクレスとは、人間の機械化によって生まれる。無辜の人間が犠牲になるのだ。それを許すわけには、いかない。
「聖職者面して気に入りませんわ。幾らしおらしくしたとて、あなた達がやっているのは外道の極み。そちらが慈悲深さを嘯くなら、それはそれで結構」
言って、エニーケが武器を構えた。合わせるように、ケルベロス達は一斉に構える。
「――こちらは徹底して無慈悲でいかせていただきます」
「残念です」
先ほどまでとは打って変わった、冷たい声色でエクソシストが言った。或いはこれこそが、エクソシストの本質なのかもしれない。
「来なさい、ケルベロス。あなた達を倒すために生まれし、我ら試作戦闘型ダモクレス。その力、その身を以て味わいなさい」
「黒曜牙竜のノーフィアより試作戦闘型のSR08エクソシストへ。剣と月の祝福を」
ノーフィアが声をあげ、
「いずれ死しても恨みなく。正々堂々、潰し合おう」
その言葉を口火に、戦端は切り開かれた。
●SR08エクソシスト
エクソストの十字架から光が放たれ、中枢ルームを薙いだ。周囲が激しく融解するのを見て、
「回復支援型と聞いていたけれど、確かに攻撃性能も充分のようね……!」
リティが言うのへ、
「伊達に中枢の警護を任されたわけではないですよ」
エクソシストが答える。
「それは同様……私達も、伊達や酔狂で基地攻撃に参加したわけではありません!」
『地裂竜鱗砲槌【メーレスザイレ】』を携えたエニーケが肉薄する。振り下ろされるハンマーの一撃を、エクソシストは十字架でもって受け止める。
「……そのようで!」
痺れに顔をしかめたエクソシストがエニーケから逃れた。追うようにプランは飛び、
「ふふ、可愛いね。刻んで脱がせてあげようか?」
妖艶な笑みを浮かべつつ、『振動刀『永夜』』を大上段から振り下ろす。エクソシストはたまらず左腕でそれを受け止めた。振動する刃がエクソシストの肌=装甲を切り裂く。
「プランちゃん、ジャンプなのね!」
ミステリスの言葉に応じるように、プランは再度、その身を宙に躍らせた。途端、エクソシストを襲うのは、ミステリスの放った『回転式機関砲(ガトリングミサイル)』――文字通りの暴力的なまでのミサイルの群れだ。おまけとばかりに、ミステリスのライドキャリバー『乗馬マスィーン一九』も、自身の機銃を雨あられと掃射。
両者によって放たれる弾雨の中を、テレサによって召喚された友の残霊とライドキャリバー『テレーゼ』が駆ける。弾雨のやんだ煙を切り裂き、二つの輪がエクソシストへと迫った。
「切り裂け!! デウスエクリプス!!」
テレサの言葉と共に、残霊がリングを高く掲げた。テレサの操作による激しく回転するそれが、エクソシストへと迫る。白い十字架がそれを受け止めるや、追撃のテレーゼのホイールも激しく回転し、黒い十字架へ、抉る様な回転の攻撃を加えた。激しい火花が、その回転力を物語る。
エクソシストは回転をそらすことによって離脱した。うめき声をあげる。
「――ふっ」
敵に休む暇など与えない。軽く息を吐きつつ、ルーンアックスを手に飛び掛かったのはノーフィアである。ボクスドラゴン『ペレ』とのコンビネーション・アタック。ルーンアックスによる一撃がエクソシストの十字架を深く切裂き、続いてペレのタックルがさく裂する。エクソシストは衝撃を殺すように、大きく後退した。
「リフレクタードローン、展開完了」
リティが呟き、『重力鎖集束火線砲』を構えた。その目は虚空を見つめている。
「各機、座標指定完了……レーザー発射と同時にグラビティフィールド展開」
呟きと同時に、リティはあらぬ方向へとレーザーを放った。空間を焼くだけだったハズのレーザーは、しかしある一点に到達すると、突如としてその方向を変えた。また別の一点で方向を転換し、さらに方向を変える。その間にもリティはレーザーを次々と発射し、それもまた次々と反射していく。
無数のリフレクタードローンによる、不規則にして高密度のレーザーの雨。エクソシストへと迫りくるそれは、攻撃と共にエクソシストの足を止める。
「こんなもので……!」
呻くエクソシストへ、
「まだまだ、終わらないわよ!」
キアリの放つ螺旋の氷の一撃と、オルトロス『アロン』の刃による追撃が突き刺さった。
「……『見た目聖職者』に、『一応聖職者』が負けるわけにはいかないから」
呟きながら『右側の首【もぐもぐ】』を振るい、ラハブがエクソシストへ斬りつける。切り裂かれた傷口から、エクソシストの生命力を簒奪するや、
「いただきます」
ラハブが言った。
「くっ……私は此処で、終わるわけには……ッ!」
エクソシストが叫び、二つの十字架をクロスさせる。途端、十字架より激しい光が放たれ、ケルベロス達を飲み込んだ。しかし、光に焼かれながらも、ケルベロス達は駆けた。
「ご存知かもしれませんが……馬に蹴られたら、痛いじゃすみませんわよ?」
エニーケが放つ、渾身の蹴りの一撃。直撃を受けた、クロスされていた二つの十字架が半ばからへし折れ、放たれた足は、十字架を貫くように、エクソシストの腹部へと突き刺さる。
「――っ!」
声にならない悲鳴をあげるエクソシスト。その耳を、
「此処はもう夢の中、全部私の思い通り」
囁くような、プランの声が侵食する。途端、世界が形を失った。自分が形を失った。
世界が蕩ける。自分が蕩ける。
蕩ける。
夢の内へと消えて行く。
「これは夢現。連なるは悪夢の枷。これは夢。これは現実。あなたの悪夢は――」
終わらない。
その言葉が、エクソシストが最後に認識した言葉である。
プランの攻撃により、エクソシストはその機能を完全に停止。
がしゃり、という音を立てて、エクソシストはその身を地に横たえた。
●最後の一撃
「よーし、これでぜんぶぶっ壊したのね!」
ミステリスが声をあげる。エクソシストを撃退したケルベロス達は、そのまま中枢施設の破壊を決行。
あらん限りのグラビティを撃ち込み、その墓標群を完全に粉砕した。
「後は撤退するだけでございますが……」
テレサが声をあげた瞬間、辺りに振動が走った。同時に、絶え間なく爆発音が響きだす。
どうやら、他のチームも中枢の破壊に成功したようだ。そのダメージが今、基地内部に発生しているのだろう。
「! 糸が……!」
リティが声をあげた。接続していたアリアドネの糸が、切断されたらしい。隔壁でも降りたのか、この衝撃で瓦礫でも降ってきたのか。
いずれにせよ、元のルートでの脱出は不可能だ。
「問題ない」
ラハブが言うと、
「出口はあっち」
と、壁の一部を指さし、躊躇なく、その壁を破壊して見せた。
「まっすぐ行けば、出られる」
「なるほど、確かに」
ノーフィアが頷く。長居は無用である。ケルベロス達はまっすぐ撤退を開始した。
出口へ向けて、ケルベロス達の進軍が進む。廊下を駆け抜け、階段を飛び降り、時には壁を破壊し、突き進む。行きとは違って、帰りは実に素早く、手っ取り早く、進んで行った。
「見つけた、出口……!」
プランが声をあげる。視線の先には、光と共に外の景色が見える。どうやら、ここが本来の基地の入り口のようだ。
一気に入り口を駆け抜けて外に出ると、外には同様に脱出してきたのだろう、別チームのケルベロス達の姿があった。皆、仲間達全員の脱出と、そして、ダモクレスの基地へとトドメをさす最後の時を、今か今かと待ちわびていたのだ。
やがて、全てのケルベロス達が脱出に成功した。
「では、最後の仕上げと行きましょうか」
エニーケが言った。この基地へと引導を渡す時が来た。すでに内部でもいくつもの爆発が起こり、外壁も崩壊し、パイプなどの内部構造もあらわになっている。
「行くわよ、皆! これで……トドメよ!」
キアリが叫び、渾身のグラビティを放つ。同チームの仲間達も、そして他チームの仲間達も、一斉に最後の一撃を放った。
70名近いケルベロス達の一斉攻撃を受けては、如何にダモクレスの移動基地とはいえひとたまりもあるまい。
ダモクレスの移動基地――マキナ・ギア・ファクトリアはこの日、地球上から完全に消滅したのであった。
作者:洗井落雲 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2018年10月18日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 7/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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