子供たちの元に、竜牙兵が現れる!

作者:baron

「きゃーたすけてー」
 アミューズメントパークの広場で、子供達の悲鳴がする。
 だがその声は楽しげで、明るく元気が良かった。
「みんなー、待たせたな~」
「きたー!」
 広場に設置された舞台の奥から、色とりどりの装束をまとった大人達が現れる。
 子供達の声はそこで一際大きくなった。この際、女性の格好をした人のサイズが大きかったり下半身に色々あるのは忘れてあげよう。
「悪の怪人め。俺達が来たからには……」
「あれ? なんだ?」
 その時、空が奇妙に歪んで白いナニカが落ちてきた。
 すると呼んでも居ないのに、鎧兜を来た骸骨たちが現われたのだ。
「で、デウスエクスだ! にげろー!」
「キャー!?」
 子供達は今度こそ本当に悲鳴を上げ始めた。
 だが舞台の上に居る大人たちともども、みんな殺されてしまったのである。
『フハハハハ!』
 アミューズメントパークは血で染まったという。


「アミューズメントパークでのヒーローショーの最中に、竜牙兵が現れることが予知されました」
 セリカ・リュミエールが地図とパンフレットを手に説明を始めた。
「竜牙兵が出現する前に、周囲に避難勧告をすると、竜牙兵は他の場所に出現してしまう為、事件を阻止する事ができず、被害が大きくなってしまいます。ですが竜牙兵はケルベロスとの戦闘を優先しますので、到着後であれば警察などに任せる事も可能です」
 そこで急ぎ、ヘリオンで現場に向かって、凶行を阻止して欲しいという。
「敵は三体ほどですが強力です。オークなどと違って戦闘力がある上に、連携したり分担する事も可能なので油断は禁物でしょう」
 セリカが言うには相手も役割を持ち、ディフェンダーが攻撃を止め、残りの者が攻撃を担当するなど頭が回る用だ。
 当たらない位置に居るものからの挑発は無視するし、撤退こそしないがかなり知能があるようだ。
 油断して居ると集中攻撃を受けてこちらが倒されてしまう可能性もあるだろう。
「武装はいずれもゾディアックソードのみですが、全ての技を使いこなすことができます」 両手用の技が使えるほか、場合によっては防壁を張ったり治癒する事もあるだろう。
 危険になっても撤退こそしないが、基本的にはケルベロスができることは一通りできると思った方が良いかもしれない。
「アミューズメントパークには子供達が沢山います。そこを放置して竜牙兵による虐殺を見過ごす訳には行きません。どうか、討伐をお願いします」
 セリカの言葉にケルベロス達は頷き、急ぎ出発の準備を始めるのであった。


参加者
カタリーナ・ラーズグリーズ(偽りの機械人形・e00366)
カトレア・ベルローズ(紅薔薇の魔術師・e00568)
ルイ・コルディエ(菫青石・e08642)
ウォリア・トゥバーン(獄界の双焔竜・e12736)
ララ・フリージア(ヴァルキュリアのゴッドペインター・e44578)
柴田・鬼太郎(オウガの猪武者・e50471)
アルベルト・ディートリヒ(昼行灯と呼ばれて・e65950)

■リプレイ


「根回しは終わりましたわ。後は時間を待つのみです」
「おーけー! 子ども達の前で正義は勝つって事を教えてあげなくちゃね!」
 カトレア・ベルローズ(紅薔薇の魔術師・e00568)が携帯を閉じると、ルイ・コルディエ(菫青石・e08642)は笑ってヘリオンの扉を開けた。
 ヒーローショーが行われる時間に合わせて、彼女達は次々と飛び出して行った。
「みんなー! 今日は凄いゲストがやってくるぞー」
「えー!? なになに」
「それはね~」
 マスクとタイツに包まれたバイト学生たちが膝を震わせながらマイクを握る。
 彼らは女役(パットとガード付き)も含めて志願してこの地に留まった人々だ。
 これから何が起きると判って居ても、子供たちの前から逃げ出したりはしない!
『ワーハッハッハ! グラビティを寄コセ!』
「させん! 私達ケルベロスが相手だ! お前たちはまわりの友達や親兄弟と手を繋いで逃げろ!」
 ベリザリオ・ヴァルターハイム(愛執の炎・e15705)は翼を畳みながら、掌を組み合わせて振り下ろした。
 手甲に添えつけられた大剣が唸りを上げて叩きつけられる。
 紫の炎がボっと燃えあがり周囲に熱気が灯った。
「で、でうすえくすと……」
「ケルベロスだー!」
「待たせたナ! 此処から先は___オレ/我の領分、大人も子供も逃げ去る破壊と暴力が織り成す闘争の時間ダ」
 黒竜が右から左に翔け抜ける。
 背面ターンを掛けて翼を畳み、そのまま自重で落下。
 きりもみ旋回を掛けて足から竜牙兵に突撃して行く。
『オノレ!』
「フン! 熊本の戦が終わっても竜牙兵は勤勉な事ダナ」
 ウォリア・トゥバーン(獄界の双焔竜・e12736)の蹴りを竜牙兵は受け止めた。
 刃を寝かせて直撃を避けると、そのまま空を切り裂いて氷の津波を作りあげる。
「ッチ! ……だが、やらせんと言った! これ以上、何も奪わせるものか!」
「ハッ! よお、骨ども。鬼いさん達が地獄に帰らせてやりに来たぜ」
 即座の反応にベリザリオは舌打ちを入れるが、我身を盾に氷を受け止める。
 柴田・鬼太郎(オウガの猪武者・e50471)もまた翼猫の虎と共に仁王立ちで、子供達を守り悪を遮る壁と成った。
「お呼びじゃねえ役者は舞台から降りて灰に還ってもらおうか。そこの……エンドブラスターさん達よ、ここは俺達に任せて子供たちを守ってやんな」
 鬼太郎は『終末を終焉させる者、エンドブラスター・ショー』という看板を眺めながら、豪快に笑って足を踏み鳴らした。
 すると彼の鎧に組み込まれたオウガメタルが波うって、鋼の膜と成って拡がっていく。
「すまない。俺達にも何かできれば良かったんだが」
「それが我々の望む事ですわ。誰一人として、傷つけさせはしませんわ」
 カトレアは世界を切り裂いて、恋人がここに居ないという事実を切り捨てた。
 さすれば克己の息吹、力を感じ取ることが出来る。
「その身に刻め、葬送の薔薇! バーテクルローズ!」
 グラビティにより再現された絆により、薔薇の如く無数の斬撃が刻まれる。
 それでも身を固めて受け止めようとする竜牙兵に対詩、カトレアは必殺の突きを放った。
 爆発の中から現われる竜牙兵たちをケルベロス達は迎え討った。
『我ラガ主人、ドラゴン様の為ニ……』
「そいつは聞き飽きたな。ぐらびてぃー ちぇーんを よこせーだっけか?」
 アルベルト・ディートリヒ(昼行灯と呼ばれて・e65950)は周囲にグラビティで変性させたガスをまいた。
 それは雲の様に霧の様に戦場を分断し、子供たちへの進路を塞いだのである。


「ケルベロスがこの世に居る限り、悪の栄えた試しなし! ……なんちゃって」
 ルイはアミューズメントパークにある高台から見栄を切ると、キャットウォークを掛けながら剣を引き抜いた。
「敵の幹部とかボスがいないのはマイナスだけど、やっぱりアミューズメントパークでヒーローショーは定番よね!」
 そして星剣を掲げ、『光よ!』と言葉と共に仲間達の元へ振りかざしたのだ。
 するとルイの周囲から輝きが満ち溢れ、鬼太郎の放ったオウガメタルに反射しながら即席のプラネタリウム……いや結界が出来上がったのである。
「ヒーローショーではヒーローがやられるわけにはいかんのぅ。遊びに来てる客も被害が出ぬようにせねばいかんのじゃ」
「ワザワザ一手使ってるみたいだし、避難誘導も居るから後半は気にしなくても良いでしょ」
 大真面目なララ・フリージア(ヴァルキュリアのゴッドペインター・e44578)に対し、カタリーナ・ラーズグリーズ(偽りの機械人形・e00366)は面倒そうに切り替えした。
 かったるいかったるいと言いながら、白銀の槍を構え直す。
 その頃にはアルベルトが攻撃一回分の時間を使った甲斐もあり、ガスが完全に戦場を遮っていたのである。
「まっ。面倒なんだけどさ。早く終わらせて帰りたいから、さっさと潰すよ」
『ホザケ!』
 カタリーナは腰を中心に柄を回転させると、膝から下を強烈に跳ね上げた。
 低い軌道で放たれた筈の動きが、足に引っ掛けられて急速に上を向く。
 足元から迫る槍は、竜牙兵同士の間から同士討ちを誘う様に首元へ迫った。
「もう大丈夫かの。遊びにきている者も従業員も犠牲が出ぬというのが一番じゃからのぅ」
 ララは微笑みながら自らのガジェットを引き抜いた。
 守るべき人々が居なければ、これからは好き放題に実験が出来るということである。
 安全第一、一意専心、心機一転と繋がっていく訳だ。
「さあ、これの実験台になるといいのじゃ。ふふふ……」
 さぁ撃ちまくって成果を見るわよっ!
 ララは思わず素を出しながら、開発中の弾丸を弾倉に込めた。その弾は重力を発生させるが精度は安定していない。
 撃ち込んだ瞬間に二転三転し、膨大なグラビティを注ぎ込む事で、動きを止めると言う機能に方向付けているだけなのだ。
 繰り返して研究を重ねることで安定化する日々が待ち遠しい。
「ふむ。やはり竜牙兵と言えど限界があるのは同じかの。ならばこうしてやったら、どう動くかのう」
 攻撃に割って入ったのは僅かに一体。
 ならばガードされるのは言い回であろうと、ララは自分の攻撃を盾役に防がせた。

 これでこいつの動きが遅くなると同時に、仲間の攻撃を防御できないという算段でもある。
 それを見越して仲間達は攻勢を掛ける。
「骨は骨壺に入ってろ!」
 言って居る間に、彼女の直ぐ後ろからアルベルトが駆け抜けた。技は同じだから別々の相手に蹴りを放った様にも見える。
 そして蹴りが直撃した瞬間に、ガキンと中に仕込んだ鉄板の音がする。
 ガクンと敵が膝を落とした所へ、更なる攻勢が待ち受ける。
「ほいっと! そろそろ倒せるかな?」
「こいつら強いし、もうちょっと掛るんじゃねーかな。だから……」
 カタリーナが高速で突撃を掛ける中、鬼太郎は攻撃するでもなく笑って併走し始めた。
 そして突きを放ってカタリーナが身を翻すのに合わせて、太い腕を構え入れ違う。
「だからまだ行けるだろ? 俺はオウガ、柴田鬼太郎! もう死んでるような見た目のようだが、せっかくだ、本当の死を与えてやるよ」
 死にたい奴からかかってきやがれ!
 鬼太郎は左腕で剣を一本丸抱え、右手で大剣操ってもう一本の剣を弾き返す。
 剣気をその身に震わせて、カモンカモンとこの程度では足りないと御代りを要求した。


『殺ス!』
「貴様らにやるものなどない。何一つ渡さない、奪うのは私だ。貴様らデウスエクスから全て奪ってやる」
 ベリザリオは激昂こそしているがその思考はあくまで冷徹(冷静ではない)だった。
 静かに狂うという言葉がもっとも近い表現だろうか。
「まずはチャンスを奪う。お前達から貴重な時間という果実を奪ってやろう!」
 ベリザリオの合令と共にドローンが現れる。
 盾役たちの隙間を埋めて方陣を組み隊伍を無し、竜牙兵が主人の敵を是非とも倒したいと思う心を踏みにじる。
 ただ傷付けるよりも、その方が病に陥るドラゴンの未来を奪う事を理解して居るからだ。
「まずは一体……沈メ!」
「炎よ、高く昇りなさい! 死の踊りを見せて差し上げましょう」
 荒ぶる拳劇が炎の祭りとなって世界を彩る。
 ウォリアの拳が裂帛の闘気をまとうことで、叩き付けただけで炎を呼び起こす。
 だがそれでも立ち上がろうとしたところを、カトレアの蹴りが摩擦熱を帯びるほど高速で叩き込まれた。
 ミドルキックからローへの鋭い連撃で竜牙兵を焼き尽くしたのである。
『ユ、許サンゾ!』
「じゃあどうするって言うの? 巨大化しないの? もしするなら待って居てあげるけど」
 冗談じゃないと思う者も居る中、ルイは本気であった。
 まあウォリアとか鬼太郎も同じ思いかもしれない(巨大化という悪役概念を知っているかは別にして)。
「ねえねえ。兄者とか弟よとか言って、同じボディを共有する仲間とか居ないの?」
「それはダモクレスじゃないか? どっちかというと、同じ牙を元にしたとかな。……いやどこかの螺旋者もこんな感じだったし、油断はできんか」
 ルイが手に血を使った感染呪術で治療する為、傷付いた虎をナデナデして居た。
 その様子をアルベルトは羨まけしからん……とか思いつつ、どこかのペド衆を思い出してしまう。
 ちなみにペドとアリスの差は、精神的な紳士……ピュアか同化に掛って居ると言う。
(「ペド……。おのれ……貴様らはまた私から奪うのか、たった一人残った幼子を、私の大切なものを……」)
 その時、ベリザリオの怒りは頂点に達した。
 はっきり言って濡れ衣と言ってよいが、まあ生贄もペドも無残という意味では同じだから案外間違っても居ないか。
 彼の怒りと共に、心の中を鎧やドローンが駆け抜けて行く。
 積み重なる防壁こそが、彼の怒りを如実に表して居るだろう。
「まあいい。何れにせよお前達の野望もこれまでだ」
 アルベルトはそう言って、震える拳で敵が張った結界を打ち破るのであった。


「私だって攻撃したいのに、まったくうっとしいったら。せっかくチャンスなのにね」
 それから時間が幾らか経ち、竜牙兵を次第に追い詰めて行く。
 今なら倒せるかとルイが剣を構えた時、再び氷の津波が前衛陣を呑み込んだ。
「まあこれも役目の差じゃと思うのじゃ。なので、わらわの力見せてくれようぞ……それは、わらわ自身が筆と成り槍と成る事じゃ」
 ララは相手の体力を見て取ると、火力重視で離れず接近戦を継続する事を決めた。
 輝く翼を広げ、一直線に竜牙兵に突撃していく。
 虹色の煌めきを絵具の様に空に残し、槍を突き立てたのである。
 二体目が倒れるまで思ったより時間が掛ったものの、残るは傷付いた盾役のみだ。
「来いよみんな、俺ごとやれ!」
「フハハハ。良い覚悟ダ!」
 鬼太郎がオウガメタルで自分に突き刺さった刃ごと治療を掛ける。
 一瞬動きが止まった所へ、ウォリアは躊躇なくデウスエクスへの反逆の牙を撃ち込んだ。
 重ねられる攻撃に、撃ち込まれた凍気が次第に紫色に染まっていくではないか。
「その意気やよし。私の炎に浸り侵され悶えるがいい」
 それはベリザリオの放った息吹であり、炎は愛と恨みと憎しみによって滴る毒と化して居た。
 吹きつけられた毒霧の炎は、逆巻き風に煽られ燃え盛って行く。
「もう少し我慢して下さいましね。その傷口を、更に広げてあげますわよ!」
「あー。それだけ頑張ってるなら、私ももうちょっとだけなんとかするかな」
 カトレアは空間ごと鎧を引き裂き、鎧の亀裂に一撃叩き込む。
 そこから毒や凍気が浸透し始め、カタリーナは槍を眼前に掲げて祈りを捧げた。
「流星きたり、我らは闇夜に願いを謳う。誓り結びて黒穹を裂け」
 カタリーナの槍は白銀色から真白に染まり、空を引き裂く流星と化した。
 輝く翼を広げるまでも無く、ただ走り、ただ突きを浴びせるだけで目もくらむ閃光が駆け抜ける。
「もしお前に何かあったらこの子は俺が……じゃなくて、そこを動くなよ」
「その前に俺に当てんなよ」
 アルベルトのシンプルな突きが、流体金属やドローンに包まれた鬼太郎と竜牙兵の中間に打ち込まれる。
 刃を引き抜くと、密かに爪と化して居たオウガメタル性の爪が割れていく。
『セメテ道ズレニ!』
「何度も言わせるな。貴様に殺させる者は何も無い」
 今度はベリザリオが割って入り黄金色に輝く指先で刃を握り込んだ。
「……さぁ、オレ/我がオマエを此処で殺す…終焉の時は、来たれり」
 右から迫るウォリア本体の腕と、左から繰り出す分身体であるウォリアの足が竜牙兵の頭を挟み込んだ。
 跳ね跳ぶ首が転がると、待機していたモノも含めて分身体は炎に戻って行った。

「けるべろすだー」
「ねこーだー」
 ヒールが終え避難勧告解除を行うと、子供達と活気が帰って来る。
「楽しいアミューズメントパークになる様、念入りにヒールした甲斐がありましたね」
「ヒーローショーは当然やるとして……。握手会とサイン会、どっちやる?」
 カトレアはもみくちゃにされるルイや虎ちゃん達に笑いかけた。
「しかしヒーローというのは高い所に居るべきなのカ? イヤ、ナンデモナイ」
「当然高い所が必須に決まってるでしょ!」
「きまってるれしょ!」
 ウォリアが何やらうむむと唸っているが、トドメを奪われたルイはここぞとばかりに反撃に出た。
 子供達がそれを真似して引っ込みが付かない感じである。
「しかしよ、それをあの連中にやらせるのは酷ってもんじゃねえか?」
「だーかーらー、私達がそれをやって、ヒーローショーは二回やればいいのよ!」
 鬼太郎がエンドブレイザー(ブラスターだっけ?)の為に忠告してやると、思わぬ答が帰って来る。
「そうじゃのう。わらわは頼まれモノがあるので遠慮しておくが、好きな者がやれば良いと思うのじゃ」
「ララせんせー、これかいてー」
「わたし、まほーしょーじょがいいー」
 ララが虎の絵を描いていると、猫やらワンコやらいろいろ注文されてしまった。
 仕方無いので描いてやると、ヒーローやケルベロス達の絵も描く目に。
「わたしはこういうの、良く分かんないけどこういうのってみんな好きなのかな?」
「俺は見たこと無いんで、こういうものなのか、と感心する感じだけどな」
 その様子を見ながらカタリーナが声を掛けると、アルベルトはショーを脇目に気の無い返事。
 気分は猫の絵やら、虎ちゃんに向いているのかもしれない。
「あー。身内にこういうの好きな人がいるとしたら、誘った方が良かったと思う?」
(「かもな」)
 こりゃ駄目だとカタリーナが別口に直球で確認すると、ようやく冷静になったベリザリオは無言で頷いた。
「偶にはそうかもしれませんわね」
 その様子を見ていたカトレアは、くすりと笑ってフォローを兼ねて一同の列に加わることにした。
 その日は一日中、笑顔の花が咲いていたという。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年10月12日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 0
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