可愛い子いねえか!?

作者:baron

「ふぅむ、此度のターゲットは……あの子などいかがか?」
「プライドをへし折って下僕にして良し、逆に刺激して偽者の主人にして良しですなあ」
「ぐふふふ。お主らも判ってござるなあ。いずれにせよ着飾らせれば美しく忠実な配下のできあがり。売り込むのも自在ですぞ」
 天井裏に潜んだ腐……螺旋忍軍が少年達を物色して居た。
 恰好良い服に興奮してる素直な子や、無関心を装っている子など様々な少年達が居る。
 中でも注目して居るのは生意気盛りの少年であり、非常にワクテカした目で見守って居た。
「しかし有象無象も多いでござるな」
「始末すれば良かろうでござる。友情ごっこはノーサンキュー」
 螺旋忍軍たちは天井を破って侵入すると、目的の子供をさらい周囲に居る子供たちや保護者を殺して行ったのである。


「ちょいと聞いてくださいますか?」
 ユエ・シャンティエが説明を始めた。
「服の改造をオーダーできる店に『影羽衆』ゆう螺旋忍軍が襲撃するのですわ。浚ろうて洗脳・改造するつもりらしいです」
 手にした巻き物には螺旋忍軍と書かれ、地図には埼玉の沿線沿いが示されている。
「罪のなあ少年少女が襲撃されることも、どこかのデウスエクス勢力の手駒が増えることも、見過ごすわけにはあきません。影羽衆の企みを阻んでくださいな」
 そういって地図を用意し、詳細を説明し始め居た。
「このお店は駅前のシャッター店なんやけど、盛り上げよ思うて改造した古着を商とるようやね。オーダーもできるんで、そういうのを好きなお子さんとか、他では手に入らんようなの御子さんに着せるのが好きな親御さんが注文しに来るらしいですわ」
 ユエがテーブルに取り出したのは加工前と加工後のジャンパーやら手袋、あるいはマフラーなどだった。
 加工前は原色豊かだが普通の品で、加工後はヒーロー色が強かったり、あるいは影を感じさせる物に仕上がっている。それぞれ単品はそれっぽいだけだが、合わせて見ると実に趣味的である。同じ色合いで犬に着せる服まであるのが徹底して居る。
「問題なんは事前に避難活動をしてしまうと、影羽衆は別の場所で襲撃を起こしてしまうため、事件の阻止ができなくなるゆうこと。敵は三人なんやけど、そこが問題でしょおか」
 そのため、少年少女達の避難などは、影羽衆が出現してから行う必要があるだろう。
 ただ……とユエは一つだけ付け加えた。
「ケルベロスの中にも少年や男の子ッポイ少女はおられると思います。中に混じって誘導したりできんこともないでしょう。狙われている子は気の強いお子さんみたあなんで変装するのも難しくは無さそやしね」
 そこまで語ってからユエは、思い出したように手裏剣を使う螺旋忍者の能力を想像して欲しいと告げた。
 どうやら対処が難しいだけで、強敵と言うほどの相手では無いらしい。それだけが救いであろうか。
「誘拐され、デウスエクスの手駒にされる人が出ないよう、よろしうお願いしますえ」
 ユエはそう言うと頭を下げて出発の準備を整えるのであった。


参加者
シェミア・アトック(悪夢の刈り手・e00237)
ウォリア・トゥバーン(獄界の双焔竜・e12736)
アリシア・マクリントック(奇跡の狼少女・e14688)
神居・雪(はぐれ狼・e22011)
藍凛・カノン(過ぎし日の回顧・e28635)
アルベルト・ディートリヒ(昼行灯と呼ばれて・e65950)
パシャ・ドラゴネット(ドラゴニアンの心霊治療士・e66054)

■リプレイ


「何となく立ち寄ってみたけど、変わった店もあるもんだな」
 道路にさらされたマネキンには、陽で掠れた和装が飾ってあった。
 神居・雪(はぐれ狼・e22011)は侍魂と題が書かれた羽織りや道着を眺め……。
「まさかこんな所でお目にかかるとは思わなったが、この色合いはねえよなぁ」
 雪にとって故郷の服が、奇妙な色合いに染められているのを見てクスっと笑った。
 このくらい自由だったら自分も故郷を飛び出ずにすんだかと思わなくも無かったが、ありえない組み合わせとして飾られているのだ。
 だから彼女の故郷でこんな色合いの服があることもあるまい。
「当世の小童にはこの様な装いが流行なのカ……」
「色々な趣向の衣服があるんじゃな? 見る分には楽しいかもしれんのぉ……」
 同じ様にウォリア・トゥバーン(獄界の双焔竜・e12736)や藍凛・カノン(過ぎし日の回顧・e28635)も珍しそうに服を手に取る。
 中華風の装束を洋風にアレンジしたものや、明らかに忍ばない忍者装束。あるいは騎士と侍の折衷もあったりする。
「どっちかというとコスプレなんじゃないかと思うヨ。……こういうのを狙うって、なんかビルシャナみたいな螺旋忍者だネ」
「ふむ。まあどうせ倒す相手だ。我に取ってはどっちでも構わぬがな」
 周辺を確認して居たペスカトーレ・カレッティエッラ(一竿風月・e62528)の言葉にウォリアは気の無い返事を返し、客を装う為に衣装を合わせるだけ合わせて見た。
 中華を着れば水滸伝、騎士ならば黙示録。そんな風に見えるかもしれないが、彼にとって外装などどうでも良い。
 同じ様に戦う相手が誰であれば、倒してしまえば良いと言っていた。
「でもさ、裏で手を組んでたりするのかなぁ。してたら何かイヤだなぁってサ」
「あー、確かにな。ウンウン、お前も狙われそうだから気を付けろよ」
 ペスカトーレは同じく避難路を調べて居たアルベルト・ディートリヒ(昼行灯と呼ばれて・e65950)に、露骨に嫌そうな顔を浮かべた。
 背丈が低いとか華奢だとか良く言われるが、自分にそのケはないのだ。
「最低限150もタッパがあればセーフと思いたい……!」
 そんな彼の葛藤はおいておいて、肝心の店内に舞台を移そう。

 ここから先は演技が多分に入っております。
 怯えたり気色悪がったりしていますが、多分演技です。
「おおー、似合うておるのう」
「僕の天才的な頭脳とシックスセンスをもってすればイメチェンなど容易いのです!」
 カノンはハロウィン用にか手慣れた調子で吸血鬼のコスチュームを購入し店内へ。
 白衣に眼鏡で知的さを見せようとするパシャ・ドラゴネット(ドラゴニアンの心霊治療士・e66054)の姿に、子役が演技している姿を思い浮かべた。
 もっともそう思ってしまうのも最初から演技だと知っているからで、嘘臭さを隠す為に白衣のマッドというのは良いチョイス。
 子供がこんな格好すれば、つい眼鏡をくいっとやってしまうのは当然だからだ。
「さ、下がれ下郎! 店内の人間は全て僕のモルモットだ。勝手に殺す事も死ぬ事も許さない!」
 天井を突き破るナニカに対して、パシャの凛とした声が聞こえた。
 その姿は颯爽として、演技か本心か区別付かないほどである。


『姉者、聞いたでござるか? なんとも健気』
『妹者、聞いたとも。なんともそそられるのう』
 あ、いかん。こいつら手遅れだ。
 一同が感じたのは、まさにそのことであった。
「デウスエクス……。すぐに店を出て、みんなも……!」
「ここは吾輩達に任せて逃げるんじゃ」
 シェミア・アトック(悪夢の刈り手・e00237)はその時、己を舐めるような気色悪い視線を感じた。
 爆発しそうになるが、まずは避難が優先。その間だけ演技と我慢する。
『ロリっ子キター!  姫カットでないのが残念にござるが。ぐふふふ』
『そういえばお主、女童もイケた口でござったか』
 三人目はバイ、そして受け攻めどっちもOKなリバである。
 その欲望はチョモランマよりも高く、マリアナよりも深い。
「うっ。気持ち悪い喋り方の奴らだね……やらかすことも気持ち悪いからさっさと消えて……!」
「俺達はケルベロスだ! 変態忍者どもを片付けるから、安心して誘導に従うように! 公序良俗のため、ペド忍者どもは一人残らず塵となってもらおうか」
 シェミアはアルベルトの言葉に一瞬『ペドじゃない』と抗議しようと思ったが、まあ良しとしておくことにした。
 どう考えても今はそんな事を言っている暇は無い。
 もし油断して浚われたらと思うと、ゾっと身の危険を感じるご覧の有様である。
『しかし、それはそれとして任務が優先にござるよ』
「き、汚い手で触るな、ドブネズミ! 迷える我らを救いたまえ」
 何故、螺旋の掌がこんなにもヨコシマに感じられるのか!?
 パシャは思わず必死になって回避してしまった。
 そんな事をしたら、むしろ嬉しそうに飛びついてくるのに!! 割って入った雪と氷の妖精たちが必死の抵抗を繰り広げている。
『ふひひ。これは教え甲斐があるでござる。朝までタップリと……』
「う~、がうっ!」
 その時!
 少年を助けようと、一塵の風が巻き起こる。

 神様? 仏様? いいや、ケルベロスだ!
「こども、だいじ! こども、まもる、おとな、やくめ。だから、アリシア、まもる!」
 アリシア・マクリントック(奇跡の狼少女・e14688)がダンボールの中から現われた!
 口元にはナイフを、狼さんの抜刀術。いや牙を見せる。
『プレイ!? プレイにござるか。忍犬ならぬ人犬とは中々のブリーディング! すちゅわーと!?』
『それは狼しょ……げふんげふん。偶にはNTRも良いでござろうか』
 ぐ、ふっふっふ!
 わ、れ、われ、わ。……と無数の影羽衆となって厚かましい魂が山盛りである。
「変質者は……散れ……!」
 シェミアの絶叫が魔力と共に分身ごと敵を切り裂いたのである。
 その時、ケルベロス達の心は、一つにまとまったという。


「色々な趣味趣向の螺旋人群が居るのじゃな……と、感心しとる場合ではないのぉ……。人攫いとはほんに無粋じゃ」
 一瞬、敵の変態さ加減にポカンと仕掛けたのだが、このままヤらせはしない。
 距離を離す為に放ったカノンの呼び寄せる蝙蝠が敵の動きを止める。それに合わせて仲間達も徐々に移動しながら応対を開始。
「まーた変態かよ、勘弁してくれ……」
 アルベルトの星剣が閃くと、水瓶座の加護が仲間達を覆って行く。
 光が敵の目を眩ませ味方を勇気付け、徐々にその輝きを強めて行った。
「言ってる事は変態だが、やる事は放っておけるようなもんでもねぇしな」
「ともあれ変態は排除排除!」
 雪が敵の進路に割って入り、肘打ちを掛けながら動きを止めて死角から膝蹴りを浴びせる。
 そしてペスカトーレの体当たりが、見事に決まった!
 敵はゴロゴロと一緒になって吹っ飛びながら……。
『うひひひ。なんという熱烈なショタの壁ドン!』
「うわっ心外! ボクはこれでも22歳なんですケド! っていうか、壁ドンじゃないシ!」
『心の眼ではそうなのでござる!』
 帰っても、良いかナ?
 相手男じゃないし、まだ良かった……。いや、それはそれで女性不審が……。
 思わずペスカトーレの心が折れ掛けた時、最後まで踏み留まらせたのはケルベロスであるという意地だ。というか演技だし!
 そして……。
「邪魔ダ」
 何もにも躊躇しないウォリアの蹴りが影羽衆の顔面に決まった。
 割れた仮面の下から貴婦人らしき顔が垣間見えるが、一切躊躇などしない。

 危うく演技が演技でなくなる処だった。この時から意識は逆転して行く。
 敵は敵、気色悪かろうが不気味だろうが倒すのみだ。
「演技は終わりダ。ここで死ネ」
「……そうだな。変態と言い合う口は持ってねぇんだ。さっさとぶっ倒れてくれ」
 ウォリアの剛剣は逆巻くような炎に彩られ、雪は蹴りを素早く延髄に叩き込む。
 位置取りを部屋の遮断から変更し、徐々に包囲する構えだ。
「まさかのもっかーい!」
『バッチコーイ!』
 ペスカトーレは一瞬だけ嫌そうな顔を浮かべたものの、気合いを入れて突撃を敢行した。
 命中半減してしまったので三人の内一人には避けられたが、上手く残り二人を跳ね飛ばす。
「このような無粋な真似をする奴らは早々に退場願おうかの? 勿論逃しはせぬよ……? ソレ!」
 カノンは矢を番えて牽制を開始し、逃走経路に当たる位置を抑えながら射撃する。
 外への扉近くから矢が撃ち込まれ、天井の穴を経由して誰かが放った蒼い光が飛来する。
「喧しい喉ごと切り刻まれろ……!」
「わるいやつ、にがさない」
 それはシェミアの投げた青い炎をまとう鎌だった。
 自身は右側に移動しつつ放り投げたのだ。そして左側にはアリシアが居る。
「がるるる!」
「イペタム、アンタも牽制しな!」
 アリシアがしもとから突っ込むのに合わせて、雪が素早く距離を詰める。
 同時に反対側へキャリバーのイペタムを突っ込ませ、シェミアとの距離を保った。
 こうしてケルベロス達はV字の陣形を築き、影羽衆を包囲したのである。


『大丈夫か? とクールに彼は言ったでござる』
『と、当然なのだ! と少年は顔を赤らめ……』
「そんなことは言って無いですし……。さっきのは演技に決まって居るじゃないですか」
 妄想の中にツッコミを入れながらパシャはナイフを引き抜いた。
 ザクリと刃を突き立て、生命を抉り取るべく動かして行く。
『これまでか。しかし、少年に殺されるならば本望!』
「一番首はオレ/我が貰っていくゾ」
 格好良くフィナーレしようとした所で、無情にも人の形をした死(頭は竜)が訪れる。
 ウォリアの振り下ろした炎の鉄槌が頭へ。
 崩れ落ちた所へ次のウォリアが炎槍を突き刺し、三体目のウォリアが鉈で首を跳ね飛ばす(これは本体)。
『や、やり直しをようきゅ……』
『あ、あねじゃ~!?』
「まったく。ブレないな」
 首だけに成っても欲望まみれ。
 途中まで口にして完全に死んだ影羽衆に、同類とアルベルトの声が重なった。
 もっともアルベルトの方は溜息に近く、星剣の輝きで仲間を守る結界を造り終えたと言うのに、妙に疲れて居た。
「とりあえず、こいつら死んでも駄目だってハッキリと判ったヨ。暴風警報! 嵐が来るぞー!」
「すごい、すごい! アリシア、まけないっ」
 ペスカトーレの釣り竿が唸り、カモメ型のルアーが通り過ぎる。
 するとルアーの動きに追随してアリシアと嵐が一緒について行った。
「アリシアも、ぶき、つかう、できる! これで、しちへんげ!」
 頭の上にカモメ型のルアーを載せたアリシアは、カラス型やトカゲ型の小型メカを呼び出した。
 アリシアの魂に宿る狼、そして全身を包むジャケットと合体・変形。
 忍者参謀とか忍者騎士を思わせる怒濤の攻撃を見せたのである。
「今度こそ全員の動きを止めるとしましょう」
「どうせなら息を止めようぜ。長びかせてもつまらねえ」
 パシャは先ほど怯える演技と共に、部屋の奥に引きつけながら妖精を召喚した。
 だが今度は足を止めて気を追い詰める為に、そして雪は足止めの為であったが今度は確実に倒す為に技を放つ。
 敵の弱点はパワーだろうか、いいやそんな細かいことは無視して思いっきり拳を腹に叩き付けた。
「心を空に、鋭き刃に……ただ一振りの刃となれ……」
 シェミアは唄う様に魔力を込めると、気合いを引き締めて刃を振るう。
 もしここで逃がしたら、色んな意味で大惨事になるだろう。やつらはここで始末せねば成るまい。
「さて……お主らの動き、少しばかり止めさせて貰うとしようかのぉ? 吾輩と……この蝙蝠達の歌でのぉ」
 カノンは今度こそ遠慮なく声を張り上げ、電車に負けない歌声を奏でた。
 そしてケルベロス達は包囲網を絞り猛攻を掛けて行く。
「アタシの祈りが、誰かのためになるなら」
 仲間達が攻撃を掛けて行く中、雪は祈りを捧げ清浄なる風を吹かせて、仲間達に安息と癒しをもたらした。
 動きを止めようとする手裏剣の嵐を押し返して行く。
「わうー!」
『ありがとうございました!』
 刺さった手裏剣を口で引き抜きながら、アリシアはビンタを繰り出した。
 グラビティを吸収していると、敵はなんだか嬉しそうだ。
「ふふ、ここで僕も治療しておきましょうかね」
「なら俺の方が攻撃しておくか」
 残った傷を見てパシャが風を吹かせ治療に入ったので、アルベルトは様子を見て抜刀する。
 そしえ甘き香りに載せて花弁が舞い、散りゆく中で分身と共に忍びが崩れ落ちた。
「やっぱり範囲攻撃が決まると早いネ」
「盾役も居なかったしナ。所詮は奇襲が全ての輩ヨ」
 もう一周した所でペスカトーレがドリルを食らわせ、ウォリアが異界の烈風と共に炎を叩きつけて敵を沈ませた。
 あっけないその姿に肩をすくめてトドメを刺したのである。

「さて、妙な誤解をされない内に、とっととヒールして帰るか」
「あっれー。それはつれないんじゃないかナ。こういうのもあることだしサ」
 アルベルトがヒールを始めると、ペスカトーレは来た時からかわれた逆襲に近くのマネキンを指差した。
 そこには着流しの上にコートを羽織り、ブーツを履いた騎士装束がある。
「でもコレ破れてますね。直らないかお店の人に聞いてみましょうか」
「そうじゃのう。ヒールは変異してしまうし、できるだけ手作業で直した方が良いかもしれん」
 パシャの言葉にカノンが頷き、ヒールを掛ける場所と不用な部分を分けて修復を始める。
 服もであるが、景観などは変異してしまうと取り返しが付かない事もあるからだ。
「手作業つーか、手縫いだなコリャ。でも洋服はともかく、和服は難しいんじゃねーか。まあこの辺の改造和服にするなら別として」
「うーん、そうだね。……一枚ずつ見て、着て、直すしか」
 雪が和服を加工したミニスカを見ながら、なんだこりゃと口ごもる。
 もしかしたら自分が履いた姿でも想像したのかな、とシェミアは合わせて見れば良いのにと人ごとのように呟く。
 何と言うか少女は残酷である。もし雪が着たら赤面では済まないだろう(似合うとも、似合わないと入って居ない)。
「でも和服……和服かぁ……オラトリオでも着れる和服ってあるかな……?」
「おおかみ、みたいなふく、ない? なかったら、つくる?」
「案外、着ぐるみならあるんじゃないか」
「そこを和服ベースでチャレンジするのが良いんじゃないですか?」
 シェミアやアリシアの注文に対応する辺り、もしかしたらこう言う服が好きなのは子供だけではないのかもしれない。
「無かったら、造ればイイ。オーダーメイドというソウダゾ」
 ウォリアがもっともらしく頷くと、思わぬ武人の言葉に一同は戸惑った後に笑顔になる。
 その日は笑い声に包まれて、シャッター街の一日が過ぎたという。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年10月9日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 4
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