カップル割引銭湯なんて絶対許さないッ

作者:小鳥遊ちどり

●とある横丁の風呂屋にて
 気持ちのよい秋の午後。
 東京下町の昭和の風情を残す渋い銭湯前では、場主が『土曜はカップル割引day! 15~17時。100円引き』という貼り紙を出していた。
 そこへやって来たのは、
「おじさん、今週も来ちゃった! そろそろ割引の時間だよね?」
 可愛らしいカンジの20代半ばほどの女性と、白い歯の眩しい爽やかイケメンのカップルである。
「おお、ユメちゃん、アツシくん、いつもありがとね」
「すいませんね、割引の時ばっかりで」
「いやいや、若い人は大歓迎だよ。それにこの割引のおかげで、いつも別々のご夫婦が一緒に来てくれたりするのも嬉しいものさ。ささ、入んなさい」
 その時。
 バッサバッサバッサ!
 突然禍々しい羽音がして、大きな影が3人をすっぽりと覆い隠し、
「カップルで銭湯、許すまじィィィ!」
 奇声を上げながら、1体の黒いビルシャナが舞い降りてきた。
「な、なななな、何だよお前」
 思いっきり腰がひけつつも、かろうじてユメを庇うアツシが訊くと、
「公衆の浴場たる銭湯にカップルで訪れるなど、しかも毎週に渡って割引し、それを助長するとは、言語道断!」
 わけのわからないビルシャナの主張に、銭湯場主も、
「お客さんのためにちょっとばかしのサービスをして、何が悪い!」
「銭湯にカップルで訪れる、それすなわち、『自分たちは風呂無し部屋に住む、貧乏にもめげないラブラブの夫婦、もしくは同棲、もしくは週末お泊まりカップルですよ』と見せつける所業に他ならず!」
「失礼な! 俺らそれほど貧乏じゃねーよ、家に風呂あるし! 単に週末くらいデカイ風呂入りたいなって、せっかく安くしてくれるんだし……それに見せつけてなんか」
『問答無用! この銭湯ごと破壊してくれるわ!!』
 ビーーーームッ。
 ビルシャナの目から、目も眩む強烈な光が発された。

●ヘリオンにて
「全く、人の幸せを妬む輩というのは、困ったものですよねえ……」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は、今回のビルシャナを見いだしてしまった槐・朱美(焔蝶・e66291) をはじめとするケルベロスたちと、嘆かわしげに溜息を吐いた。
 今回は『カップルで銭湯許すまじ、しかも割引とは!』という主張をぶつけてくるビルシャナ退治が任務である。
「現場まで順調に皆さんをご案内できれば、ビルシャナが、銭湯のご主人とアツシさんとユメさんに絡みはじめたタイミングで介入することができます」
 現場に派手に登場し、ビルシャナをケルベロスに引き付けることができれば、場主とカップルを素早く逃がし、銭湯の破壊からも気持ちを逸らすことができるだろう。
「ビルシャナを引き付ける係と、一般人を逃がしたりする係に役割分担すれば、よりスムーズに安全確保することができるかもしれませんね」
 戦場は、銭湯前の横丁になる。あまり広くない道路であるが、戦うに不自由はない。
 銭湯内にいる人々には、浴場から裏通りに出れる裏口があるので、そこから避難してもらうよう、場主に頼めばよいだろう。
 また、ビルシャナとなってしまった人は救うことは出来ないので、これ以上被害が大きくならないよう、心置きなく撃破しちゃおう。
「銭湯前で戦闘……というのは、おいときまして」
 セリカは思わず口走ってしまったダジャレにちょっと頬を赤らめて。
「任務を果たされたら、皆さんも銭湯に入られたらいかがですか? 立派な壁絵のあるステキなお風呂らしいですよ」


参加者
四辻・樒(黒の背反・e03880)
月篠・灯音(緋ノ宵・e04557)
彩葉・戀(蒼き彗星・e41638)
中村・憐(生きてるだけで丸儲け・e42329)
横星・亮登(百万回失恋した煩悩・e44125)
エルバート・アーヴィング(二親喰らい・e46758)
小野・雪乃(光と共に歩む者・e61713)
槐・朱美(焔蝶・e66291)

■リプレイ

●銭湯前で
「公衆の浴場たる銭湯にカップルで訪れるなど、しかも毎週に渡って割引し、それを助長するとは、言語道断!」
 銭湯前で大きな嘴を振り立てケッタイな主義を主張している……もしくはコンプレックスを曝しまくっている怪鳥……ビルシャナを、銭湯一つ手前の横丁から盗み見ながら、
「いやはや、本当に銭湯で暴れるビルシャナを発見することになろうとは」
 事件発見者の槐・朱美(焔蝶・e66291)は、嘆かわしげに首を振った。
「師匠曰く『下町の銭湯ほど風情溢れるところも早々ない』とのこと。そんな貴重な場所をわけわからん理屈で壊されるわけにはいきませんね」
 四辻・樒(黒の背反・e03880)は、クールに肩をすくめ、
「色々言ってるが結局はカップルが妬ましいだけみたいだな。ただでさえ、全国的に銭湯が減ってきているのだ。これ以上ビルシャナに暴れさせる訳にはいかない」
 彩葉・戀(蒼き彗星・e41638)も呆れた様子で。
「やはり、鳥どもは手に負えぬ輩じゃのぅ……毎回毎回、似たような教示を並べてのこのこ現れるその執念深さは、呆れを通り越して尊敬の念まで持ってしまうわい。尤も、同じ奴ではないのじゃろうがのぅ。油断すれば何されるかわからぬのは変わらぬし、抜かりなくササッと片付けてしまおうかの」
 そうですとも! と張り切って応じたのは、中村・憐(生きてるだけで丸儲け・e42329)。
「銭湯は経営が苦しいところが多いと聞きます。その中で頑張ってお客様を呼び込もうという努力を踏みにじるビルシャナは、許せないっすよね。ビルシャナハンターの、この中村憐がスパッと狩り獲ってやるっすよ♪」
 一方、エルバート・アーヴィング(二親喰らい・e46758)と小野・雪乃(光と共に歩む者・e61713)のカップルは、仲間たちの心強いバックアップを背中に感じながら、囮役として現場に接近している最中だ。
 ビルシャナを引きつけ、一般人を避難させるための時間を稼ぐ為、思い切りくっついたりボディタッチしたりと、普段なら絶対やらない勢いで全力でイチャつきながら、である。
「今日はカップル割引dayなのだそうですよ、銭湯、楽しみですね♪」
「銭湯の入浴料で更に100円引って、剛毅だよねー。太っ腹!」
 ちなみに、いつもは女子っぽいキレイ目ファッションでいることの多いエルバートだが、今日は最低限『一見して男子に見える』服装や髪型にしてある。
「あん、タオルが落ちてしまいました♪」
 ふぁさっ、とわざとらしく雪乃の洗面器からタオルが足下に落ちた。
「ふふっ♪ 気をつけてー。雪乃さんの綺麗な髪に、埃が付いたら大変!」
 すかさずかがみ込んで拾ってやろうとするエルバートだが、雪乃はそれを色っぽいしぐさで押しやって。
「もう、エルバートさんったらぁ♪」
 見るからに、ふたりde銭湯にはしゃぐラブラブカップルである……ので、当然。
「お、お前らもカップルで銭湯かーーー! これみよがしにイチャイチャしおってーーー!」
 ビルシャナは彼らを目に止めると、理不尽な怒りを更に沸騰させて――。

「巧いぞ!」
 囮の作ってくれた隙を逃さず、避難誘導組は不運な銭湯主と、ユメとアツシの銭湯カップルに駆け寄っていた。
「む、大丈夫かっ!」
 素早くカップルをビルシャナから遠ざけたのは戀。
「ひがみっぽい輩ではあるが、あれでもデウスエクス、落ち着いてゆっくり、避難してくれよの」
 月篠・灯音(緋ノ宵・e04557)と樒は二人寄り添いながら、場主に状況を手早く説明し、協力を求めた。
「お、おう、そりゃ大変だ。急いでお客さん避難させなきゃな!」
「ああ。だが、慌てず騒がず、鳥を刺激しないようにゆっくりな」
 ケルベロスの信用度も作用したのか、すぐに危険を理解してくれた場主に続き、
「手伝おう」
 樒と灯音、横星・亮登(百万回失恋した煩悩・e44125)も銭湯へと駆け込んでいく。
「場主さん」
 靴を脱ぎながら灯音が、場主に。
「月ちゃん頑張って銭湯を守るのだ。だから樒とカップル割引してほしいのだ!」
「もちろんいいよ! お客さんを無事に避難させて、あの変な鳥を追っ払ってくれたら、あんたら全員無料で入ってってくれて構わないよ……じゃあお嬢さん方には、女湯の誘導を頼もうか」
「わかった」
「わかった、では俺も」
 と、調子よく女子2人についていこうとした亮登だったが、
「おっとっと、あんたはコッチ」
 場主に襟首をつかまれて男湯へと引っ立てられていった。

 一方、銭湯前では。
「どうしてカップルで銭湯がダメなのでしょう? お風呂に入っている間は別々なのに」
「風呂では別々でも、上がった後に、銭湯前でこれみよがしに待ち合わせしたり、牛乳飲んだり、アイス食べたりとか、湯上がりの火照った幸せ顔でイチャつくんだろうが!」
「それはもちろん」
「そういうのも銭湯の楽しみのひとつですから」
 囮カップルとビルシャナの不毛な議論の傍らでは、憐がビルシャナが暴れ出したらすぐに抑えられるように、武器を構えて控えており、朱美は新たな客が来ないよう、横丁を見張っている。
 そこへ。
「人々の避難は完了だ。あとは建物も守れるように、ビルシャナをひきつけねば」
 殺界形成をかける樒を先頭に、銭湯から3人のケルベロスが走り出てきた。
 銭湯のお客さんというのは基本ハダカだし、着替えさせたりなんだりでちょっとあたふたはしたけれど、場主共々無事に裏口から避難してもらうことができた。
 また道の向こうからも、
「アツシとユメは出直してもらうことにしたぞ」
 戀も駆け戻ってきた。銭湯カップルも戦場から遠ざけることができたようだ。
 全員揃ったケルベロスたちは素早くビルシャナを包囲し、灯音はすらりとライトニングロッド・銀槍を構え。
「全く迷惑なビルシャナなのだ。さっさと倒して樒と銭湯するのだ! 赤い手ぬぐいをマフラーにしてタライを持ってルンルンと、樒と仲良く銭湯にGOするのだ!」

●カップルで銭湯絶対許さないビルシャナ
「灯と銭湯を堪能するためにもさっさと退場願おうか」
 樒も同時にゾディアックソードで守護星座を地面に描き、
「転ばぬ先の杖だ。後ろは頼むぞ、灯」
 それぞれ前衛と後衛の防御を高めるグラビティを発動する。
 その光を受けながら、
「銭湯には色んな楽しみが有って当たり前っす! お前のように人の喜びをぶち壊す奴は三蔵法師に変わってお仕置きしてやるっすよ!」
 憐が銭湯の庇を利用して、高い位置からの跳び蹴りを鳥脚の付け根に決めた。
 しかし一方、足をやられてよろめくビルシャナの姿に涙を堪えきれない者もいる。
「お前の主張を聞いて……俺は思わず泣いてしまった」
 悲痛な声を上げたのは亮登。
「カップルで銭湯! 許されるわきゃあねえぜ! 気持ちはよくわかる! 大体カップルってだけでむちゃくちゃうらやましくて許しがたいってのによお! ちくしょー俺も彼女欲しいぜ!」
「そ、そうか……お前もか……っ!」
 同士を見つけたとばかりにビルシャナも食いつく。
 だがしかし。
「だから、スマン、せめてお前の苦しみは俺が止めてやるッッッ」
 ドゥン!
 轟竜砲が容赦なく撃ち込まれた。
「撃つんかーい!」
 ボケツッコミの最中に、前衛は着々と強化を高めつつあった。戀は召還したエネルギー体にオウガ体を放出させて仲間の正確度を上げ、
「――――♪」
 雪乃の清浄な歌声が防御を更に高めている。
 それを受けてエルバートは、
「付け込まれる様な身勝手な欲を抱くのが悪いのです。他人の恋路を邪魔する鳥は、其っ首カッ飛ばして地獄送りだよ……! ビルシャナにかける慈悲はーーない!」
 バスターライフルからグラビティを中和するエネルギー光線を発射した。
「グエッ」
 連続で撃たれのけぞるビルシャナに、
「さぁさ、我が人機一体の妙技、ご覧あれ!!」
 朱美は果敢に接近し、回し蹴りを見舞おうとしたが、
「キエェェェー!」
 ここまでケルベロスのペースに巻き込まれてやられる一方だったビルシャナが、嘴を開けて、奇声を伴い火を噴いた。
「きゃっ」
 孔雀型の炎が接近していた朱美を包み込んだ。単独で行動しているだけあってそれなりに攻撃力はあるようで、炎の勢いはかなりのもの。
「今癒させるぞよ!」
 だがその炎は、戀がすぐさまギターの音圧で消し止め、
「厄介な回復を封じ込めれば楽になるだろう」
「そうだね」
 樒と灯音が素早く打ち合わせると、殺神ウイルスと雷刃突のコンビネーションを狙って突っ込んでいく。
 憐は、
「頑張って営業努力している銭湯の親父さんお袋さんに謝れ!」」
 説教をかましながらゲンコツを喰らわし、亮登はうさんくさい涙目で、足止めを狙って跳び蹴りをかます。
 ビルシャナの攻撃力はあなどれないが、手数とチームワークに勝るケルベロスにとっては、さほど手強い相手ではないようだ。
 さっさと片づけて、銭湯を楽しむんだから!
 そんな気合いをひしひしと漲らせて、ケルベロスの熱い攻撃が続く。

●愛が勝つ?
 銭湯の戦闘が始まって数分の後には、ビルシャナは相当にダメージを蓄積させていた。しかし、嫉妬エネルギーは、弱りきったデウスエクスを突き動かし続ける。
「ま……負けるかぁぁぁ!」
 ビカアアアァァァ!
 ビルシャナの瞳が強烈に光った。その光は前衛全体を貫こうとする。
「そう、簡単には……通さない! 雪乃さん、護るよ!」
「はい!」
 エルバート&雪乃のカップルが最前列へと飛び出し、クラッシャーの盾となりながら、それぞれライフルから魔法光線を発射し、禁歌を奏でる。
 もちろん戀がぬかりなく、
「ここで一つ、お聞きあれ。幻想曲」
 星々の優しい光のような旋律で、ロマンチックにカップルをフォローする。
「ありがとう!」
 護られた朱美は拳を握り、
「アチョーーー!」
 気合い一発、魂を喰らう一撃を、鳥の胴体にぶち込んだ。
「クエッ」
 変な声と同時に光線は止み、そこにいつになく煩悩の気配の見えない、茫漠たる眼差しの亮登が踏み込んで。
「無式寂寞拳!」
『無の境地』を乗せた拳を、同じ箇所へとめり込ませた。
「うぐうぅぅ……」
 腹を連続で殴られたからなのか、はたまたバッドステータスの効き目か、ビルシャナは苦しげに固まってしまう。
 大ダメージのチャンスだ――この隙を逃すケルベロスではない。
「まーーったく、ひと騒がせなビルシャナさんなのだ。焼き鳥にしてやるからそこでおとなしくしているのがいいのだ――さて、縫い留めようか」
 灯音が巫術で作られた黒い針でビルシャナを縫い止めて更に動きを阻害し、そこへ樒が重なるように斬りこんで、
「ただ、全てを切り裂くのみ」
 究極の刃で胸肉を捌いた。
 そして憐が。
「因果応報の理に基づき、お前に処断を下すっす! お前の不純なビームとは異なる真のビームで滅びよ! くらえ、ケルベロスビィィーーーム!」
 周辺の風景までをもホワイトアウトさせてしまうような、白く目映い光を両のマナコから発射して。
「グワァァァッ……!」
 解体されかけの鳥はこんがりと焼きあがった。
 しかしそれでも嫉妬にまみれた鳥はしぶとく、
「い……いっそ銭湯なぞ滅んでしまえ……」
 嫌がらせとしか思えない呪いの言葉を残して逝ったのであった。

●さあ、銭湯タイム!
 カポーン。
 洗面器の音が浴場に響く。
 首尾良く鳥退治を終えたケルベロスたちは、幾らか傷んでしまった銭湯の建物のヒールも行い、いよいよお楽しみの入浴タイムを迎えていた。
 というわけで、まずは女湯。
「一仕事後の風呂も良いものだな。見事な壁絵が守れてよかった」
 樒は目を細めて、並んで薬湯に入る灯音に微笑みかけている。
「皆の者、お疲れ様じゃの」
 先に体を丁寧に清めていた戀は、しとやかに体を隠していたタオルを取り、ジャグジーに静かに身を沈めるなり、
「カーッ! いい湯じゃのぅ……!」
 満足げな呻きをもらす。
「これが天橋立なのですか……」
 雪乃は感心して、日本三景の一を描いた壁絵を眺め、
「師匠が、壁絵も今は貴重なものなのだから、よく見てくるように言っていました」
 と、朱美も物珍しげに初めての銭湯を見回している。

 一方男湯。
「んー♪ やっぱり、広いお風呂は良いねー!」
 脱衣所までは、バスタオルを巻いたりして、男女どっちともつかない振る舞いで場主を面食らわせていたエルバートであるが、浴槽に浸かればすっかりくつろぎモード。
「あー、彼女ができたら一緒に来てみたいっすね~、いいなー、エルバートさんは」
 憐も最後に酷使した目をいたわりながら、彼女同行の仲間をうらやましがる……が、こういう話題には真っ先に食いついてきそうな亮登が妙に大人しいんだけど……?

 幾ばくかの時が過ぎ、女子たちは一足早く、程良く温まった体を脱衣所で冷ましていた。
「イチゴ牛乳が飲みたいのだっ」
 灯音のおねだりに、
「イチゴ牛乳か、では私も一緒に」
 樒は嬉しそうに応じ、仲良くほんのり甘い牛乳で体の火照りを冷ます。
 朱美は、
「んぅ、ん~~~♪」
 やや艶っぽい声を上げて、古風なマッサージチェアを堪能中。
 と。
「む? 男湯が騒がしいのう」
「ですねえ?」
 オカマ型のドライヤーをしげしげと観察していた戀と雪乃が耳をそばだてた。
 確かに男湯の方から、何やら言い争う声が聞こえてくる。
「だ、ダメですよ、なんてことするんですか!」
「止めんじゃねえ、これぞ男のロマン!」
「雪乃さんを覗こうだなんて、絶対許さないよ!」
 バシャーン、ガッシャーン!
 大きな音がして、番台から場主さんが慌ててすっとんでいった。
 騒がしいのはタイルの壁の向こうだが、大体なにがあったかは大体予想がつく……。
「もう上がってるのにねえ」
 女子たちは顔を見合わせて、肩をすくめた。

作者:小鳥遊ちどり 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年10月3日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 3
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