襲撃、ライドロイド隊

作者:のずみりん

 袖ヶ浦の夕日にサイレンが響く。
「緊急事態! 緊急事態! 構内の者は直ちに……緊急事態」
 機械的な警告に応える者はいない。ダモクレス達の動きはそれ以上に素早く、正確だった。
「……カハッ」
「シモーベ4、構内ノ有機生物、略奪完了。ライ」
 一つ目の人型機が白目をむいた作業員を投げ捨てる。どこかコミカルに見える姿だが、その上半身を汚す鮮血、為した所業はダモクレスである事を告げていた。
「了。ライド2、ライド3、作業開始。ライド1、襲撃警戒。ライ」
「シモーベ4、ライ」
「シモーベ5、ライ」
 通信を受けて動き出すのは三体の巨人。乗り込み型パワーローダーに似たダモクレスのうち、戦闘用と思しき1機の指示で、非武装の2機が解体を開始する。
 作業が完了するまで、十分足らず。工員たちの遺体と破壊の後を残し、ダモクレス達は出現する魔空回廊へ、資材とともに消えていった。

「皆のおかげでダモクレスの海底基地は破壊された。まずはおつかれさまだ。これでディープディープブルーファング事件のダモクレスは製造できない、敵も作戦変更せざるを得ないだろう」
 ケルベロスたちをねぎらいつつ、リリエ・グレッツェンド(シャドウエルフのヘリオライダー・en0127)は、だが……と、新たなデウスエクスの動きを告げる。
 どうやら死神との関係は、一方的なダモクレスの供与では無く、なんらかの目的があったらしい。また海底基地では、ダモクレスの資源採掘基地が海底に存在する可能性も示唆されていたという。
「つまり、海底基地の破壊はダモクレスにとって思いのほか痛手だったようだ。それは喜ばしい事なのだが……資材の不足したダモクレスは工場建設に従事していたダモクレスたちを使い、工場を襲撃して略奪を始めようとしている」
 由々しき事態だが、ダモクレス達が着実に追い詰められているという事でもある。
 このまま資源の奪取を阻止し、また採掘基地を見つけ出し破壊できればダモクレスの大規模な作戦行動をけん制する事も出来るはずだ。
「今回、予知された襲撃は千葉。袖ケ浦の電機資材工場だ。現地に向かい、略奪を阻止して欲しい」

 ダモクレス達の戦力は人間台のロボット工兵『シモーベ』が五体、三メートルほどの強化装備兵『ライドロイド』が三体の計八体。
 ライドロイドには戦闘用の武装タイプも一機だが確認されている。
「先に言ってしまうが、かなり苦しい戦いになる。主に数と、距離と、時間の戦いだ」
 シモーベの強さはケルベロス一人で十分撃破できる程度、作業用ライドロイドも二人で相手すれば互角以上に戦える程度しかない。
 さすがに戦闘用ライドロイドは強力だが、それでも四人がかりなら後れを取ることはまずないだろう。
 だが、問題は数だ。
「敵は八体、かつライドロイド三体は複数人で当たらないと厳しい相手……単純計算でも、倒し切るには一三人分の戦力がいるという事になる」
 更に問題になるのが工場の広さ。工場を襲撃するダモクレスたちは分散し、ケルベロスを警戒する戦闘用ライドロイドと三体、作業員を襲うシモーベ二体、更に別々の離れた場所で工場を襲う作業用ライドロイド二体……計四か所でそれぞれに行動する。
「襲撃ポイントは予知されているので先回りは可能だが、それぞれの戦場間を移動するだけでも二分はかかる……完全に分かれた状態で戦うことになる」
 七分後に作業用ライドロイドが撤収を開始。それから一分ほどで、二体のライドロイドが集結した地点に魔空回廊が開き、九分で完全撤収を完了。
 資材運搬は戦闘中は行えないので撤収完了前に攻撃を行う事で阻止は出来るが、かなりタイトなスケジュールだ。

「正直、完全阻止は難しいだろう。分担、トラブルへの備え、有事の優先順位……考えることは山ほどある」
 許容範囲を定め、完全な失敗を避ける方向で動いた方が無難かもしれない。任せるといいつつも、そうリリエはつけ加えた。


参加者
橘・芍薬(アイアンメイデン・e01125)
ティーシャ・マグノリア(殲滅の末妹・e05827)
ミリム・ウィアテスト(リベレーショントルーパー・e07815)
アーニャ・シュネールイーツ(時の理を壊す者・e16895)
マーク・ナイン(取り残された戦闘マシン・e21176)
リティ・ニクソン(沈黙の魔女・e29710)
李・風美(胡乱でチャイナな瓶底眼鏡・e40773)
リリエッタ・スノウ(小さな復讐鬼・e63102)

■リプレイ

●二正面、作戦開始
『警告。作戦目標に反する行動を実施中。警告。推奨しかねる……』
「承知のうえだ、R/D-1」
 警告を続ける『R/D-1』戦術AIをしかりつけ、マーク・ナイン(取り残された戦闘マシン・e21176)は戦闘システムを起動する。
「御注進?」
「そんなところだ……SYSTEM COMBAT MODE」
 感情がこもった声を橘・芍薬(アイアンメイデン・e01125)は軽く混ぜ返し、自身も妖精弓を抜き放つ。彼女自身も、並び立つティーシャ・マグノリア(殲滅の末妹・e05827)も、似たような経歴。
 敵の主目的は資材の奪取、殺戮を行う戦力は最小限。こういう状況で、彼が搭載する『ダモクレスだったもの』が何を言うかはおよそ予想がつき、それはおよそ正しいのだろう。
「地獄の沙汰も金次第、命は金とは言うけどネ」
 だが人の心においては別だ。
 槍のように伸びる『商竹売』を歪んだ鉄戸に突き立て、李・風美(胡乱でチャイナな瓶底眼鏡・e40773)は世話焼きな話に肩をすくめてみせた。
『御来客!』
「ライ……」
 外れた鉄戸の向こう、芍薬のテレビウム『九十九』の応援動画が工場を物色する大型機械を照らす。
 振り向く青い巨体は見間違え用もない、最優先目標である強化工兵ライドロイド。
「人様の商売を邪魔する強盗共! 怒りと報い受けるヨロシ!」
「対価は貴様の首だ、ダモクレス!」
 袖口を突き付ける風美をコンベアラインごと跳び越え、ティーシャは軽やかに突入する。
 風美によるタケノコに似た黄金の果実の光を巻き込み、刈り取るようなファナティックレインボウが放たれた。

「のぅわっ!?」
「驚かせてすいません! ここは危険ですので、避難を!」
 彼女の瞬間移動か何かのように見えたのだろう。
 アーニャ・シュネールイーツ(時の理を壊す者・e16895)は、襲い掛かる工兵型ダモクレスと割って入ったケルベロス双方に驚く工員をなだめ、弾幕を張りつつ庇い立った。
「第二班、ダモクレス機種『シモーベ』と交戦開始。経過時刻誤差ゼロゼロナナ……了解」
 リティ・ニクソン(沈黙の魔女・e29710)はツルハシを抜くシモーベを観察し、言葉を選んでアイズフォンに報告。
 明滅する特徴的な単眼は狼狽えているようで、自分と同じ通信中にも見える。余計な情報を与えるのは避けるべきだろう。
「第一班もライドロイドと会敵したそうよ」
「予定通りですね! 増援がくるかもしれませんのでっ、工場から退避するように……と!」
 ミリム・ウィアテスト(リベレーショントルーパー・e07815)は工員へと呼びかけ、不意打ち気味にダモクレスへと組み付くや『ブルーフレイムソード』を脳天めがけ叩き込んだ。
「ラッライッ!?」
 戦場は既に彼女が噴出させたバイオガスで覆われている。注意が彼女らに向いた今、逃げ出す工員にシモーベたちが追いすがる事はないだろ、う……?
「あれ? 思ってたより脆い……?」
 振り上げ直したバスタードソードの感触へ、ミリムは思わず二度見する。
 刀身にめり込んだ頭部装甲が蒼々と燃えている。
「あぁ、そこ外れるんだ」
 コミカルにのたうち回るシモーベの丸い頭部に頷くリティ。なるほど、よく見ると耳紐を通す穴……ハードポイントというべきか? も、ついている。
 一種の増加装甲だろうか……と、考える間もなく立ち上がるダモクレスの単眼が破裂した。
「目を狙えば大丈夫かな。ミリム、残りも足止めお願いだよ」
 ふとなごみかけた空気を戻すリリエッタ・スノウ(小さな復讐鬼・e63102)の無慈悲な『死炎ヲ込メテ終ヲ告ゲル弾丸』。
 運動エネルギーと弾丸に込められた幼き殺意がダモクレス中枢を破壊し、一瞬にして鉄くずへと変える。
「……っと、そうですね! さっさと蹴散らして次です!」
 工員たちの救援は略奪阻止からはそれた脇道、人道では最優先だが多くの時間はかけられない。
 面倒なことになったブルーフレイムソードをひとまず置き、ミリムは予備の剣に緋色の闘気をまとわせた。
「構造解析を完了しました。データリンク……敵装甲、抜きますっ!」
 ツルハシを受け止め、そのままアーニャは『破鎧衝』を放つ。吹き飛ぶシモーベの線上に回り込み、剣光一閃。
「裂き咲き散れ!」
 先は一撃、後は乱舞。一瞬にして撃ち込まれた『緋牡丹斬り』の軌跡が、複雑に美しく牡丹を描く。
 四肢を失ったシモーベが地につくより早く、駄目押しの武神の矢が胴を貫き完全に機能を停止させる。
「殲滅完了……もう何も奪わせたりしないよ」
 機能の停止を確認し、リリエッタは『Chromete』腕時計を確認。経過時間は三分弱……携帯の呼び出しが響いたのは、ちょうど同刻。
「あれ、えっと……」
 思わぬタイミングにもたつく手元。戸惑う少女に大丈夫ですよと、アーニャはアイズフォンを開いて回線をうけ……その顔が固まった。
「どうしました?!」
「囮……第一班、戦闘用ライドロイドとシモーベが合流したと……!」
 思わずミリムが呼びかける。ひっ迫する戦況を伝えるように、ブツリと通信が途切れた。
「赤いのは……三倍?」
「急ぎましょう! リティさんたちは救援を、私たちも作業用ロイドを倒し次第、すぐ向かいます」
 ぽつりとつぶやくリリエッタの手を握り、彼女は次なる戦場へと駆けだす。急ぐ心に、心臓が波打つ音が聞こえた気がした。

●増援一、二
 屋根を突き破る光の雨に、ケルベロスたちは間一髪で身を避けた。
「ENEMY INCOMING! WARNING! WARNING!」
 廃墟と化した工場にマークの警報が叫ぶ。
 迫る新たな巨影に芍薬は妖精弓に次弾をつがえ、繋ぎ直したアイズフォンに呼びかける。
「こちら第一班、戦闘用ロイドとシモーベ三体が合流した! 生きちゃいるけど作業用ロイドもだ、ちょっとヤバい!」
『第二班了解、リティさんと向かいます。あと二分お願いします!』
 通話を遮る激しい衝突音。
 合流しようとする作業用ライドロイドを打ち据えたティーシャの『ゲヘノム・アックス』のものだが、そのまとう地獄の炎は装甲を浸徹しきれていない。
 ヒールはないというが、予想以上の頑丈さだ。防御重視のポジションで突破は難しいか。
「保たせるだけなら無問題、だけど……少々厳しいアルネ」
 読めない顔だが、風美の声は厳しい。『武装隠蔽装置「ソデノシタ」』から取り出した銅鑼型爆破スイッチ『銅鑼轟音咆哮(ドラゴンサウンド)』が起こした爆発がティーシャを後押しし、胴体に何とか傷を穿つ。
 だがブレイブマインの爆発を突き破り飛び出すシモーベたちが、更なる追撃を許してくれない。
「シモーベ隊、ライド2に合流。誘導開始、ライ」
「ライド1、戦域突入。支援戦闘開始」
 明滅する信号と通信の分析を『エクスガンナーシステムVer.β』に任せ、流れを断ち切るようにマークは突っ込んだ。
 機動を交錯させて撃ち合うレプリカントと二機の大型ダモクレス。『XMAF-17A/9』と敵機の砲撃がクロスカウンターのように掠め合い、工場機械の残骸をばらまいて炸裂しあう。
 作業用ライドロイドへの着弾は数撃。届いているが押しきれず、戦闘用ライドロイドからの反撃はサイズ相応、数倍に強烈。
『危険! 危険!』
 更に突進を遮られたマークに飛びつくシモーベ。庇い立った九十九が凶器をぶつけ合うが、数が多すぎる。次々叩きつけられる工具に『3型追加装甲』が火花を散らし、テレビウムの身体が吹っ飛ばされる。
「あんたらのお相手はこちらでございますよ!」
「今のうちに立て直せ、マーク!」
 素早く計算し、芍薬は愛銃を抜き撃つ。
 ダモクレス達の火力と手数は想定以上だが、ティーシャと庇いあうマークは暫く耐えられるだろう。だが今のうちに手数を削らなければ、防戦一方で押し切られる。
「逃げ場はないわよ。黄金の弾丸!」
 装弾数の限りの猛連射。天空から降り注ぐ『降り注ぐ流星の弾丸』がシモーベたちを打ち据え、浮足立たせる。
 一撃では倒し切れる火力はないが、攻勢を麻痺できれば十分だ。
「あと一分! 待つ時間は長いアルネ! ハイヤーッ!」
「CONDITION RECOVERY.THANKS」
 風美の打ち込んだ『練気功・経絡活激』が、傷ついたレプリカントたちの回路を活性化させる。
 振り下ろされる作業用ライドロイドの拳を『HW-13S』防盾で受け止めるや、マークは『DMR-164C』バスターライフルを突きだす。
「MODE ASSULT」
 負荷に脱落する防盾に目もくれず、打突、発砲。
「マークさん、危ない!」
 来てくれたか。
 視界に入ったアーニャが警告と共に砲撃するのと、作業用ライドロイドの反撃はほぼ同時。
 作業用ライドロイドのミサイルベイから放たれたマイクロミサイルが、パイルバンカーを突き立てたマークへと集中した。

●阻止戦闘
 作業用ライドロイドへと武神の矢を叩き込みつつ、リリエッタは『音声認識機能付インカム式小型携帯電話』から仲間たちの声を聞いた。
「六分半……殲滅班、予定通り交戦中」
『了解、囮班への救援も間に合ったわ。ただ……』
 リティの声が不自然に途切れ、火器の炸裂音が重なって響く。アーニャが時間停止からの多重砲撃『テロス・クロノス・デュアルバースト』を使用した際の独特の音だ。
「ライド3、突破困難。交戦継続」
『ライ。ライド2……』
 続いて聞こえる駆動音と声、電子音は敵味方あわせて十人は下らない……経過時間を考えると、状況はかなり悪そうだ。
「だいたいわかったよ。できるだけ急ぐ」
「海底工場の件から必死でしょうけれども……逃しませんっ!」
 気合一声。アームを振りかぶるライドロイドめがけ、ミリムは『ディスインテグレート』の虚無球体をサイドスローでほおりこむ。
「そいつをよこせオラー!」
「ラ、ライ!?」
 分解消去の閃光をスパイラルアームが突き破り、少女の身体が跳ね飛ばされる。装甲は分解消去されても本体フレームは健在。予想以上の頑丈さだ。
「回復はリリがやる、ミリムは攻めて!」
「頼まれましたっ!」
 リリエッタから託された気合にミリムは態勢を直し、アームを蹴って跳躍。何度目かの溜め斬りを上段から打ち込む。
 身をひねるライドロイド。硬い手ごたえが伝わってくる『ラグナロクブレイド』を、彼女は力の限り振り抜いた。

「ちょーっと慎重にすぎたアルカナー……」
 仲間たちに何度目かの『黄金の果実』を輝かせながらも、風美は眼鏡を曇らせた。
「マーク、まだ動ける?」
「NO PROBREM,BUT……」
 マークの20mmガトリング砲の連射によろめきながらも、作業用ライドロイドが後退していく。あともう数撃あればだが、リティの前には立ちふさがる戦闘用ライドロイド。
「ドローン各機、座標指定。グラビティフィールド展開。射撃支援……!」
 薙ぎ払われるチェーンソーと対デウスエクス高周波ブレードで鍔迫り合いつつ、『リフレクタードローン』を展開。執拗な反射レーザーの網が操縦席のライドロイドを切り刻むが、まだ動く。
「唯の操縦型じゃない……!?」
「それでもって本命以外、撤退命令はなしってようね……!」
 頭部も外れた半壊状態でもなお止まらない。どうやらライドロイドは、見た目以上に操縦者と一体で、恐れ知らずのようだ。
 乾坤一擲の『ハートクエイクアロー』に耐える様子に芍薬が舌打ちする。作業機に追いすがりたいが、今度はシモーベがピッケルを振り回して割り込んでくる。
「ホント、冷たいご主人に忠義な事でッ!」
 撃破しきれてない様子に芍薬は舌打ちする。攻撃はできても阻止、突破には戦力で上回る必要がある。
 一対一ではケルベロスに劣るシモーベだが、三機となれば作業用ライドロイドに勝る随伴戦力となる。
 あと数撃、あるいは一体でも倒されていればあるいは……だが、今は次善でも現状の最善を尽くすしかない。
「……いいだろう。こちらも行きがけの駄賃だ」
 満身創痍でよろめきながらも、作業用ライドロイドの姿が工場の死角に消えていく。ティーシャは声に出して気を切り替えた。

●撃破、終了
「貴様らだけでも潰す。カリュプスレベリオン!」
 目前のシモーベにゲヘノム・アックスを投げ捨て、ティーシャは殲滅の呼び声を上げる。
 展開される『全て破砕する剛腕』がオウガメタルの盟友をまとい、しぶとく耐える戦闘用ライドロイドの制御ユニットへと叩きつけられた。
「芍薬、風美!」
 ダモクレスのやり方は腹立たしいが、全戦力がこちらに集中しているならミリムたちが一機は阻止してくれているはず。
 信じ、二人のレプリカントが大きく飛んだ。
「こうなれば閉店大セールネ!」
「あいにく御代は命だけど」
 流星と虹、二人のレプリカントによる二重の飛翔蹴りが散開しかけたシモーベを蹴り飛ばす。
「まとめて叩くわ」
「合わせます、リティさん!」
 アイコンタクト一つ、アーニャのフォートレスキャノンを上乗せし、リティのリフレクタードローンが集められたシモーベたちを薙ぎ払った。

 ミリムたちが合流したのは、それから少し後だった。
「一体、逃げられちゃったね」
 言いながらも、リリエッタは作業用ライドロイドの残骸を示す。頑丈さに少々手を焼かされたが、単機なら二人でも何とか食い止め切れた。
 二人ながらクラッシャーとスナイパーのポジションで、果敢に攻めた事も大きかっただろう。
「戦闘部隊が合流されたのがきつかったな……すまん」
「まぁおかげでこちらは倒し切れましたし! ……奪えなかったのは、ちょっとまぁ残念ですけど」
 マークに礼を言いながら、ミリムは唐竹割にしたライドロイドを名残惜しく見る。そう機械に詳しいわけではないが見た目に反して機械的な接続を伴う、文字通りの強化武装らしい事はわかる。
 これを搭乗型の乗物に改造するのは、結構な手間が伴うだろう。
「ライドロイド二体、シモーベ五体。奪われたぶんは、殺せたかな」
 リリエッタは残骸を見やり、その量を考える。生産の手間を考えればプラス、と前向きに考えてもいいものだろうか。
「色々と興味深い相手だったわ。情報は今後に生かさせてもらう」
「情報も資産アルナ。落し物は精々高く売りつけてやらないとネ」
 分析するリティに、風美も不敵な商人の顔で笑った。

作者:のずみりん 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年9月26日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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