●
「…………はぁ」
清水・理沙は一人、放課後、誰もいない教室の自分の席に突っ伏して、溜め息を吐いた。それから、自分の髪を一束つまみ、それから再度溜め息。今日は、隣の家のお姉ちゃんが、母校であるこの高校に遊びに来る日。さっきの連絡では、もう校門に着いているらしい。
「こんなはずじゃ、無かったのに」
毎晩欠かさずヘアケアしているのにセミロングの髪はぱさぱさしていて、とても綺麗とは言えない。身長だって、165cmくらいになるはずだったのに、155cmで止まってしまったらしい。まだ高校二年生だから、なんて言われても、もう伸びないだろうということは自分でわかってる。
「なんでこうなっちゃったんだろ」
目だって大きくなくて、睫毛だって短い。鼻だって、高くないし。勉強はしてるけど数学が苦手で、なかなか良い点数が取れない。
「あなた、理想と現実のギャップに悩んでるのね?」
「えっ?! あ、その……」
一人だと思って思いっきり不貞腐れていたのに、と慌てる理沙は、顔を上げる。そこにいたのは、生徒会長のような外見の女子――ドリームイーター、フューチャーだ。
「身近な人では、どんな人になりたいの?」
問いかけるフューチャーに、理沙は少し悩んでから、小さく答える。
「隣の家の、お姉ちゃん。5歳年上で、今、大学に通ってるの。頭もよくて、すっごい綺麗で、モデルみたいで……私も……ああなりたい」
そう言った理沙に、フューチャーは頷く。
「そう……その人のようになりたいのね。一つだけ、方法があるわ」
理沙は、ばっと立ち上がった。
「ほんと?! どうすればいいの?!」
そう問う理沙に、フューチャーは薄く笑う。
「簡単な話……理想の自分になるためには、その人から奪えばいいのよ」
そして、フューチャーは理沙の胸に、鍵を突き刺した。
「…………私の、理想」
どさりと崩れ落ちた理沙にそっくりのドリームイーターが、そこには立っていた。
「お姉ちゃんから……奪うの……。私の、理想」
呟くと、理沙から生まれたドリームイーターは、憧れのお姉ちゃんを襲うため、外に飛び出した。
●
「日本各地の高校にドリームイーターが出現し始めたようだ。ドリームイーター達は、高校生が持つ強い夢を奪って強力なドリームイーターを生み出そうとしているらしい」
集まったケルベロス達に、雪村・葵が事件の概要を説明しはじめる。
「今回狙われたのは、清水・理沙という学生で、理想の自分と現実のギャップに苦しんでいる所を狙われたらしい。被害者から産み出されたドリームイーターは、強力な力を持つが、この夢の源泉である『理想の自分への夢』が弱まるような説得ができれば、弱体化させる事が可能となる」
彼女の思い描く理想の自分は、幼い頃から憧れている隣の家のお姉さん。頭もよくて綺麗な彼女みたいになりたかったのに、と思い悩んでいたらしい。
「理想の自分になっても、良い事は無いのだと説得したり、或いは、あなたは今のままでも魅力がある! といった説得などが有効だろう。うまく、弱体化させる事ができれば、戦闘を有利に進められるはずだ」
ドリームイーターは一体のみで、可愛らしい水玉柄の傘のような心を抉る鍵を持ち、モザイクを飛ばして攻撃を仕掛けてくる。ケルベロスが現れるとドリームイーターはケルベロスを優先して狙ってくるので、襲撃されている一般人の救出は難しくは無いだろう。周りには下校途中の高校生が何人かいるが、ドリームイーターが狙っているのはお姉さんだけだ。基本的には他の高校生には見向きもせずに、お姉さんに真っ直ぐ向かっていくだろう。
「理想の自分というのは誰でも持っていると思う。だが、それを利用するドリームイーターは許せない。今の自分を認めつつ、更に努力していけるよう、上手く説得して欲しい」
葵は、そう言って、ケルベロス達を送り出した。
参加者 | |
---|---|
ディディエ・ジケル(緋の誓約・e00121) |
神薙・灯(正々堂々真正面からの不意打ち・e05369) |
シトラス・エイルノート(碧空の裁定者・e25869) |
ヒエル・ホノラルム(不器用な守りの拳・e27518) |
柳生・梵兵衛(スパイシーサムライ・e36123) |
初芝・涼香(迷い鬼・e61972) |
ステラ・フォーサイス(嵐を呼ぶ風雲ガール・e63834) |
肥後守・鬼灯(純情少年・e66615) |
●
ケルベロス達は通行人を装い、または、友人との待ち合わせを装い、ドリームイーターが現れる筈の校門の周辺に待機している。
「理想とのギャップで苦悩しているところを狙う……ですか」
シトラス・エイルノート(碧空の裁定者・e25869)は、ぽつりと呟く。秋の空は抜けるほど青く、雲は途切れ途切れに、ぽつん、ぽつんと浮かんでいる。下校していく高校生達が、一人二人と校門から外へと出ていく。遊びにいくのか、それとも勉強か。どちらにせよ、彼らの表情は学校が終わったという解放感を滲ませていた。
「余り他人事とは思えないですね」
そう溜め息と共に吐き出して、僅かに視線を伏せた。
「憧れって奴は厄介なモンさね……己を磨く指針になるが、後を追う事にこだわり過ぎると自分の方向性を見失う……難しいねぇ」
同じく待機している柳生・梵兵衛(スパイシーサムライ・e36123)も、壁にもたれ掛かり、そう呟いた。その時。
「あー、何回来ても懐かしいな~」
校門に歩いてきたのは、一人の女性。年は恐らく二十歳そこそこ、髪はセミロング。目はぱっちりとしていて、鼻はテレビで活躍しているハーフのモデルそっくりに高かった。
「理沙、教室に居るって言ってたっけ。でも先に職員室行かないとね。理沙には連絡入れておこっと」
彼女は呟きながら、スマホをポケットから取り出した。それからいくらか操作をして、ポケットに仕舞い直す。そして、校門に備え付けられているインターホンの方へと歩いていく。
彼女が理沙の憧れの相手、隣の家のお姉さんであり、今回現れるドリームイーターのターゲットだろう。ケルベロス達は互いに目で合図をし、いつでも動けるように準備を始める。
その時。
「お姉ちゃん。全部、頂戴!!!」
学校の中から聞こえた声に、お姉さんは目を丸くした。
「理沙?!」
彼女はその名前を叫び足を一歩、踏み出した。その反応を見越していたかのように、ドリームイーターの手が校門の内側からお姉さんに向けて、伸ばされる。
「危ない!!」
その手が届く、一瞬前に、ヒエル・ホノラルム(不器用な守りの拳・e27518)は右手でお姉さんの手首を掴み、自分の方へと引き寄せる。空を切るドリームイーターの掌を。ヒエルは青銀に光る氣を纏った左の拳を腰元に構えつつ、お姉さんを背に庇うように立たせた。そして、呼び出したライドキャリバーの魂現拳を、彼女に寄り添わせる。
「ッち!!」
舌打ちをするドリームイーターは、校門から一歩、外へと踏み出す。騒然とする校門前、青白い顔をして僅かに身を震わせるお姉さん。
「あなた……ケルベロス、ね。丁度良いわ」
にぃ、とゆっくりと口角を上げるドリームイーター。そして、ドリームイーターは地面を蹴った。向かう先は、ヒエル。その後ろには、まだ避難を終えていないお姉さん。
「理想は奪うものではなく目指すもの……そうでしょう?!」
そんなドリームイーターへ、神薙・灯(正々堂々真正面からの不意打ち・e05369)は跳躍する。
「?!」
灯の接近に気がついたドリームイーターは、防御の為にぐっと身を屈める。しかし、ドリームイーターが防御の姿勢を取り終えるよりも前に、灯の重力と星の煌めきを宿した飛び蹴りは彼女の側頭部にへクリーンヒットした。
「ぐうっ……!!」
姿勢を崩し、校門の中へと転がっていくドリームイーター。
「やりたいこと、やるべきこと、できることを勘違いしてる。大切なお姉さんなんだろうに、奪うってことは永遠に会えなくなるってことです。一緒にいて楽しかったり嬉しかったりしただろうに……自分から好きな相手を失うようなこと考えてどうするんだ」
灯の問い掛けに答えるかのように、ドリームイーターはふらりと立ち上がる。
「今の貴女の行動は誰一人幸せにならない」
灯の言葉に、ドリームイーターは肩を竦め、はんっと鼻を鳴らす。
「私は私のために、今ここにいるの。貴方が何と言おうと、私は理想を手に入れ、幸せになるのよ」
そこで漸く異常事態に気がついた高校生達は、悲鳴をあげ、辺りが恐怖に包まれる。
「私達はケルベロスだ。落ち着いて避難してくれ」
地を這うような低い声。ディディエ・ジケル(緋の誓約・e00121)が学生達の避難を呼び掛ける声だ。
「慌てると危険だ。大丈夫、落ち着いて避難してくれ」
ヒエルもその背にお姉さんを庇ったまま、他の高校生達に落ち着くよう声をかける。
「あれは……理沙……?」
お姉さんも安全な所に逃がそうと隙を伺っているヒエルは、ドリームイーターから目を反らさないまま、首を横に振る。
「似ているが、違う。しかし……あれは理沙の欲望から生まれたものだが、理沙ではない」
「そんな……」
愕然としたようにそう呟くお姉さんに、ヒエルは僅かに顔をしかめる。しかし、今は彼女をここから逃がすのが先だ。関係の修復は、その後ゆっくりとすればいい。
「今は逃げて、その後の事はその後考えれば良い」
そう声をかけるヒエルだが、お姉さんはまだ納得がいかないらしい。今なら逃げられる筈、と判断し、避難を促すヒエルだが、お姉さんは逃げたがらない。
「そろそろ、殺界形成かな」
お姉さんを救出したと判断したステラ・フォーサイス(嵐を呼ぶ風雲ガール・e63834)が、ヒエルとお姉さんから少し離れた所から訪ねる。果たして、どうしたものか。考えるヒエルに駆け寄るのは、肥後守・鬼灯(純情少年・e66615)。
「お姉さん……、離れていないと危ないみたいです。だけど、その前に、僕に理沙さんの事をどう思っているのか……これからどういう風に付き合っていきたいか、教えてもらえますか?」
本当は、お姉さん自ら伝えてもらいたい。だけど、危険に晒すのは得策とは言えないようだ。ならば、思いだけでも。そう思った鬼灯に、お姉さんは少し考えて、口を開いた。
●
他のケルベロス達は、ドリームイーターの激しい攻撃をなんとか凌ぎつつ、説得を重ねる。
「理想の自分が遠い、というのはよくわかります。でも憧れてた大切な人を殺して奪う、なんて後悔しますよ?」
傷を負いつつも、初芝・涼香(迷い鬼・e61972)はドリームイーターに語りかける。
「あんたに……何がわかるって言うの」
ドリームイーターは僅かに視線を鋭くし、心を抉る鍵を構えた。
「あなたの気持ちは、私にはわからない……だけど、あなたは誰よりもあなたの気持ちがわかっている筈です。何で、憧れの人みたいになりたかったか、思い出してください。お姉さんが憎かったわけではないでしょう?」
涼香は、そう語りかけながら、地面を蹴った。
「確かにお姉ちゃんが憎い訳では無いけれど、でも、頑張っても、だめなの。その惨めさが、あんたにはわからないの?」
ドリームイーターは叫び、鍵を振りかぶる。その向かう先は、ケルベロスである涼香。
「バールきーっく」
しかし、その一撃が涼香に届くより先に、涼香が無表情なまま放った回し蹴りがドリームイーターへ直撃した。ちなみにその蹴りにバールは使用していない。
「ぐっ!!」
悔しげにドリームイーターが顔をしかめたその時、お姉さんが鬼灯に何か言った後、ヒエルの背後から逃げていく。そして、ステラが殺界形成を発動した。
「どれだけ努力しても届かない理想を追い求めるのは苦しいですよね。僕も、わかる気がします」
そう語りかけるシトラスに、ドリームイーターは不愉快そうに口角を持ち上げ、そして涼香に向けていた鍵を、シトラスへと向ける。
「黙れ!!」
そして振り下ろした鍵の前に、ヒエルが身体を割り込ませた。
「っ!!」
鋭い斬撃を受け止め、顔をしかめるヒエル。僅かによろめくヒエルの背を、礼を述べつつ、シトラスが支えた。
「理沙さん! お姉さんは、あなたの事を可愛い妹みたいなもの、だと思っていると言っていました。大切な人だと!!」
そう叫びながら、鬼灯は薬液の雨を降らせ、ヒエルの傷を癒していく。その間に、魂現拳はドリームイーターへと攻撃を仕掛けていく。
「あたしも一つ年上の幼馴染が居てね。いつもキリッとしていて背が高くてさ、かっこいいなーあたしもああなりたかったなーって言ったら『私はステラのように小さく可愛くなりたかったよ』って逆に羨ましがられちゃってさ……、だから、きっとお姉さん、そう言いたかったんじゃないかな」
ステラがそう続けると、ドリームイーターは胸元で増殖させていたモザイクをそのままに、呟く。
「私の理想のお姉ちゃんが……私の事を?」
目を瞬くドリームイーターに、ステラは微笑みかける。
「もしかしたら理沙ちゃんも誰かの理想になってるのかも知れないよ?」
その一言に、ドリームイーターは一瞬はっとしたように顔を上げたが、しかし。
「そんなわけ、ない!!」
頭を振り、ドリームイーターはまたモザイクを増殖させていく。
「シルバーブリット!!」
主人の呼び掛けに、サーヴァントのシルバーブリットは炎を纏い突進していく。それと同時に、ステラは銃口をドリームイーターへと向け、引き金を引く。
「ほらほら、こっちだよー?」
「ぐがっ!!」
ステラの威嚇射撃に姿勢を崩すドリームイーターへ、梵兵衛が問いかける。
「憧れの女性になれないとネガティブに自分を鏡で見ちまうと気持ちが沈むばかりで短所ばかりが目に付いちまう。だがよ、違いに気が付くってことは良し悪しが分かる目になったって事だろ?」
剣とカレーの事しかわからない梵兵衛ではあるが、それでも言える事はある。
「その目で今までの努力を土台に長所を見つける勉強を進める時期になったってことじゃないかい?」
憧れというものは己を磨く指針になるが、後を追う事にこだわり過ぎると自分の方向性を見失う。しかし、憧れの彼女も理沙の事をある意味認めているらしい。だとしたら、今は彼女にとっての転換期なのではないだろうか。
「自分が欲しい結果が違っちまうってのは辛いし、嫌になっちまうモンだよな……。だがよ、思い通りにならないモヤモヤを経験することでよ……反省したり自分の良い面を見つめ直して女性として磨きがかかるってもんだぜ」
そう言って微笑む梵兵衛に、ドリームイーターは一瞬迷うように視線を泳がせ、そして。
「う、る、さいっ!!」
かっと目を見開き、叫ぶ。そんなドリームイーターに、梵兵衛は非物質化した斬霊刀を一閃。毒を帯びた斬撃は、咄嗟に身を捻ったドリームイーターの上腕を深く斬り裂いた。
「貴方が思う理想の人と言うのは、人から奪うような人を言うのですか? 貴女を愛して、認めてくれる、親しい人を犠牲にする行いは、あなたの理想なのですか?」
「そ、それは……」
迷いを見せるドリームイーターに、シトラスは見窄らしい悪魔の群れを召喚する。そして、現れた悪魔達はドリームイーターへ向け、細菌を撒き散らし始めた。
「ふふっ、この程度で動きが鈍るのですか? 貴方も大したことないですね?」
がくり、と膝を突いたドリームイーターを見詰め、ディディエは口を開く。
「友が、家族が、そして憧れの彼女が、いつくしんでくれる。お前自身という個性と存在はどこへ行くのか。……お前自身が自らをどう思っているかは分からないが、周りの人々にとっては、お前自身は無価値なものではない……そういう事では無いのか?」
ディディエの問いに、ドリームイーターは、暫し地面を見詰め、そして漸く口を開く。
「私は……私の憧れは……っ!!!!」
泣くように吐き出すドリームイーターに、ディディエは僅かに目を細め、そして。
「……出でよ、畏れられし黒の獣よ。あれぞ、我らの敵だ」
その存在を終わらせる為に、ディディエは赤い魔法紋章を描き出す。召喚されたのは、『ジェヴォーダンの獣』の幻想。ディディエに喚び出された魔法生物の幻想は、ドリームイーターを食いちぎらんとでもするように、襲いかかる。
「あ……ぐっ……お姉、ちゃん……」
幻想に埋もれ、助けを求めるように手を伸ばすドリームイーターだが、やがてその掌さえも見えなくなったのだった。
●
灯、ヒエル、ステラ、鬼灯の現場のヒール作業班と、ディディエ、シトラス、梵兵衛、涼香の被害者の様子を見にいく班に別れ、行動すること十数分。
「こんなものだろうか」
粗方直った建築物を眺め、ヒエルが小さく呟いた。そこへ、戻ってきたお姉さんが駆け寄ってきた。
「あの、大丈夫ですか?」
さっき話したから、という理由で話しかけられたのは鬼灯。しかし、話しかけられた彼は顔を真っ赤にして、視線を泳がせる。明らかに様子がおかしい。
「あのっ、さっきは助けたい一心で、その……ごめんなさいよろしくお願いします!!!」
わたわたした挙げ句、鬼灯は近くにいた灯の後ろに隠れる。
「えー……、はい。大丈夫です」
突然話すことになった灯だが、なんとか平静を保って穏やかに頷いた。
「それで、あの……理沙は?」
そう妹分の心配をするお姉さんに、灯は本当にお姉さんなんだな、と実感する。そして、そう思うと同時に脳裏を過るのは、彼のお姉さん……みたいな人。記憶には無いけれど、あんなお姉さんがいたのかな……と、思う人。
「憧れのお姉さんか……」
灯の呟きは、お姉さんの耳には届かなかったようで、お姉さんはこてんと首を傾げる。
「あ、来たみたいですよ」
そして、灯が指し示す先に見えたのは、理沙と彼が思い浮かべた張本人、涼香。シトラスと梵兵衛も一緒だ。
「お姉ちゃんっ!」
そして、呼びながら走ってきた理沙。その表情は晴れやかで、きっと色々と良い方向にふっきれたのだろう事が伺える。
「理沙っ!!」
理沙の名を呼んで、涙目で手を振るお姉さんも、きっと、理沙の事は大好きなままの筈。
「あ、灯っ! さっきは慌ただしくて聞けませんでしたが……怪我、しませんでしたか? 大丈夫ですか?」
駆け寄るその姿は、まるで本当のお姉さんだ。
「大丈夫ですよ」
そう答える灯に、涼香は小さく息を吐いた。
「ねぇねぇ、みんな! ここって有名なお店じゃないかな? 行ってみようよ!!」
ステラは通りの向こう側を指差して、合流したケルベロス達に、そう言った。
「折角ですし、ご一緒しませんか?」
そう誘ったのは涼香。ふわりと笑う涼香に、二人は驚いたように目を丸くする。
「でも……」
返事を渋る二人を見て、灯はにっこりと笑う。
「行くなら、大人数の方が楽しいですよ」
近くにいたお姉さんに灯がそう言えば、お姉さんは少し悩むような顔をした。
「私にも一つ上のお姉さんみたいな人が居るんだ。ジークって言うんだけどね……だから私、二人と色々話、したいし、聞きたい!!」
そう言うステラに、二人は互いに顔を見合わせ、そして。
「じゃあ、よろしく……!」
そして、ケルベロス達と理沙とお姉さんは、ステラが見つけた甘味処へ、歩いていくのだった。
作者:あかつき |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2018年9月23日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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