悪趣味パーティーサプライズ

作者:木乃

●「お前のせいだ」と言わないで
 被弾した火の玉が建物を大きく揺らす。
 衝撃音を伴う震動に人々はパニック状態となり……一人、会場から飛びだす姿があった。
「こ、こんな、爆発が起きるなんて…………一体なにが起きてるんだよぉ!?」
 小此木・勇作は自らが数千万円かけて建てた邸宅が崩れる中、必死で階段を駆け下りる。
 騒然とする来賓達に目もくれず、自らの安全を真っ先に確保しようと庭先に飛びだそうとする直前――その報いを受けた。
 頭上から崩落してきたコンクリート片は、勇作の体を固いフローリングと挟むように圧し潰す。
「があああああああああああ!?」
 全身の骨が軋む。そのうち数本は鈍い音をあげて、錯乱する勇作の情けない悲鳴が響いた。
 溺れかけた蟻の絶叫に、タールの翼を生やす褐色の魔人が微笑む。
「……だ、だず、げ……」
「他にも人が居るってのに、脇目もふらず我先に逃げ出そうって腐れた醜い性根……生き汚い。みっともない。目も当てられないのないない尽くしだな」
 不敵に笑う濁った瞳の優男は、手にした長槍を振り上げ――。
「気に入った。エインヘリアルに祭り上げてやるよ、勇者サマ!」
 コンクリートごと勇作を床に串刺し、ビクビクと痙攣した勇作はそのまま息の根を止めた。
「根性なしの玉無しかよ。まぁいいさ、権力者ってのは自分がいっちばん大切だ……人でなしは他にも居るんだろ?」
 勇作から興味を失したシャイターン――バイージャは次の勇者を選定しようと、黒く濡れた翼を広げる。

「新築祝いのホームパーティー、ね……確かに『土地と家を持つ』ってすごく大変なことだね」
 お金持ちのパーティーをシャイターンが狙うのでは?
 ――椚・暁人(吃驚仰天・e41542)の相談に、オリヴィア・シャゼル(貞淑なヘリオライダー・en0098)の予知した事件は意外な場所で起きていた。
「ええ、おまけに起業家ともなれば人脈は生命線ですわ。より多くの方と繋がを深める機会に利用しない手はないでしょう」
 起業家が自らの資財で一等地に建てた豪邸。
 そこで行われる新築祝いのホームパーティーに、シャイターンは襲撃をかける。
「シャイターンは多くの市民が中にいる邸宅を崩壊させ、そこで死にかけた人間を殺害し、エインヘリアルに導こうと目論んでいますわ。襲撃場所は判明しているのですが……」
 言い淀むオリヴィアに暁人も困り顔で頬を掻く。
「事前に避難させると別の場所を襲う、ってことだよね?」
「ええ。そうなれば被害を食い止めることは出来なくなりますの……ですので、皆様は建物内部に潜伏して襲撃が発生した後、シャイターンが選定しようとする被害者以外の避難誘導や、建物をヒールして崩壊を止めるなどの対処を行ってください」
 シャイターンが襲撃をかければ予知は確定した事象となる。
 建物の崩壊を防いで市民を守りつつ、被害者の救出に向かえばいいのだ。
「今回は市民の安全を確保し、被害者を襲撃するシャイターンを撃破してくださいませ」

 まず、被害者と事件現場についてオリヴィアは説明を始めた。
「シャイターンが襲撃するのは『小此木・勇作』という30代の男性ですわ。パーティの主催者ですが、襲撃時は真っ先に逃げ出したため襲われましてよ……。小此木様の邸宅は三階建て。二階の遊戯室をパーティーホール代わりにしていますわね。小此木様は階段で一階へ逃走し、リビングから庭に向かって脱出する直前に襲われますわ」
 オリヴィアは「パーティに潜入することは難しくない」と前置きし、潜入方法へと話を移す。
「パーティ用に調理スタッフや給仕、コンパニオンを依頼しているようですの。ですから、外部関係者にまぎれて潜入することは容易でしょう。仮に小中学生くらいに見える方でも、こっそり空き部屋まで誘導できれば作戦行動がとりやすいかと……スタッフに扮するケルベロスの手助けは必須でしょうが」
 貨物に入って潜入、布をかぶってその場をしのぐ。そういった方法も浪漫だろう。
 潜入方法はケルベロスに一任するとして、問題は襲撃するシャイターン。
「襲撃者の名はバイージャ、豪放磊落なシャイターンですわよ。文字通り力業で解決しようとする傾向があるため、戦闘に入れば逃走することはないでしょうね。 武器は銛に似た長槍で、自ら放つ炎だけなく、刺々しい矛先を振るって強化効果ごと薙ぎ払ったり、至近距離からの突撃で装甲ごと貫く強力な一撃を放ちますわ」
 自己治癒能力はないものの、強化効果を解除されてしまうことが難点だ。
 長引けば前線が崩される可能性もあるため、十分な注意が必要だろう。
「やや入り組んだ建物の構造は小此木様がもっとも把握しており、避難経路を事前に把握していたが故の災難ですわ。とはいえ、彼がそのような行動に出る原因はシャイターン襲撃にあります」
 責めるならば新築祝いをぶち壊すシャイターン。
 受けるべき報いをあるべき方向へ。ケルベロス達はバイージャの凶行阻止に立ち上がる。


参加者
ペトラ・クライシュテルス(血染めのバーベナ・e00334)
バーヴェン・ルース(復讐者・e00819)
シャルロット・フレミス(蒼眼の竜姫・e05104)
リュリュ・リュリュ(仮初の騎士・e24445)
リノン・パナケイア(黒き魔術の使い手・e25486)
オリヴン・ベリル(双葉のカンラン石・e27322)
椚・暁人(吃驚仰天・e41542)
那磁霧・摩琴(医女神の万能箱・e42383)

■リプレイ

●小此木邸の災難
「――ム。警備員は不在か」
「セキュリティに自信があるのだろう」
 被害者宅を遠巻きに眺めるバーヴェン・ルース(復讐者・e00819)に、リノン・パナケイア(黒き魔術の使い手・e25486)が細々と返す。
 まさか、この十数分後に『その防犯システムは何の意味もなさない』とは思うまい。
 ベストにスラックスを合わせた服装なら、どちらとも思えるため、バーヴェンの行動に支障は出ないだろう。
「はたろうはリュリュさん達と一緒に行動、よろしくね」
 台車に乗せた二つのやや大きい段ボールを前に、椚・暁人(吃驚仰天・e41542)はミミックのはたろうにしばしの単独行動を言いつける。
 先にオリヴン・ベリル(双葉のカンラン石・e27322)がテレビウムの地デジを抱え、段ボール箱にイン。
「んふふ、このまま、寝ちゃいそうだね」
(「はぁぁ、まさか我が身の小ささを呪うことになろうとは……」)
 はたろうを抱えたリュリュ・リュリュ(仮初の騎士・e24445)は自らの外見年齢を心の中で恨みつつ、何も出来ないよりはマシだと自分に言い聞かせて身を潜める。
「ん、お化粧よーし。ささっと潜入しよっかぁ」
 メイクの最終チェックを終えたペトラ・クライシュテルス(血染めのバーベナ・e00334)の一言で、早速裏口から潜入。
 シンプルなドレススーツ姿のシャルロット・フレミス(蒼眼の竜姫・e05104)と暁人が台車を押す道中、階段から降りてくるカジュアルな服装の男性と遭遇した。
「君たち、新人か? 集団で動くのは非効率的だろう、持ち場を確認しなさい。そこのコンパニオンも迷ったならついておいで」
「はーいっ」
(「もしかしなくても、この人が被害者かな」)
 外部スタッフをわざわざ窘めるのは『主催者』くらいだ――シェリフスタイル姿の那磁霧・摩琴(医女神の万能箱・e42383)は、ペトラと共に同伴し、残った4人と箱入りのオリヴン達がチラと視線を合わせる。
「小此木勇作の動向、見ておきたいのよね」
「なら、私が空き部屋への誘導を変わろう」
「俺も避難経路を確認する。プラチナチケットを使う身の方が動きやすいからな」
 シャルロットは摩琴達を追って2階の遊戯室へ、暁人とベリルは空き部屋探しに。
 バーヴェンは建物の構造を把握するべく目的の方向へ歩を進めた。

(「――ム。エレベーターが設置されているとは、珍しいな」)
 避難経路を見積もるバーヴェンは個人宅では珍しい、昇降機の存在に気づいた。
 大人数で移動するなら適しているだろうが、
「防災機能で動かなくなる可能性がある……ム、頼りにはならんな」
 トントンとこめかみを指で小突きながら次の曲がり角を進んでいく。
 一階を回っていたリノン達も気配のない部屋を見つけ、こっそり覗いてみる。
「応接室、だな。ここなら誰も来ないだろう」
 部屋に忍び込むと、箱に隠れたリュリュ達に呼びかけた。
「……ふぅ、さすがに窮屈だったわ」
「もう少し、入ってたかった、かも……でも、いつ来るか、解らないよね」
 ここで襲撃音を警戒すると、寝ぼけ眼をこするオリヴン達は待機モード。
 退室してからふと暁人は廊下を見渡す。
「そういえば『調理スタッフがいる』って言ってたよね? 厨房があるなら1階だと思うんだけど……」
 もてなしの基本は美味しい食事。立食用の食事を用意する専門スタッフは必須だが、遊戯室に調理設備は持ち込めないだろう。
「……万が一に備えるか。誰かいるなら私が待機する」
「じゃあ、一緒に確認しておこう」
 二人は厨房の位置を確認しようと足早に廊下を進む。

 ――パーティ会場となっている遊戯室は、勇作の集めた業界人が料理に舌鼓を打ち、ビリヤードやダーツなどの娯楽を興じている。
 ゲームに飽きた者達は近況報告に花を咲かせ、次なるチャンスを虎視眈々と狙っていた――ここはパーティという名目で『ビジネスの駆け引き』も行われているのだ。
「ソーシャルサービスの経営をなさってるのぉ?」
「はは、色々困った人もいるけど、楽しんでくれる人の方が圧倒的に多いから良い仕事だよ」
 ペトラはホステス役として、話を持ち上げる仲介を担っていた。やはり男だらけの場に華が添えられたためか、鼻の下を伸ばした男達は饒舌に自らの仕事ぶりを話す。
 無論、集まったのは男性だけでなく女性も僅かにいる。
 摩琴のお色気たっぷりなガンマン衣装に、勇作と女性陣の間にヒヤリとした空気が流れた――が。
「あぁ~! いい線いってたのに!?」
「惜しかったわね、悪いけど勝たせてもらうわよ」
 敢えて女性グループとゲームに興じ、いわゆる『接待プレイ』で乗り切っている。
 ケルベロスならハットトリックも容易いが、ここで相手の機嫌を損ねる必要はない。
(「二人は上手く馴染んでいるわね……さて、問題は」)
 グラスを運ぶシャルロットは勇作に横目を向ける。
 風聞が良いものではなかっただけに、人物像も懐疑的だった。
 当の勇作はペトラとは別の集団と、今後の展望を語り合っている最中――話の内容も、野心は感じられたが強欲的ではない。
(「……あこぎなビジネスマンではないのね。むしろ、着実にコネを作ろうとしているような」)
 一見してみれば、シャルロットの抱いた第一印象とは違った。
 おそらく弁舌に自信がない故に、豪勢なもてなしと接客で人脈を堅実なものにしようとしている――これもビジネスの常套手段だ。
「自分の命を大切にする。何もおかしな事でもなかろうに、な」
 気づくと、小此木邸内を見回っていたバーヴェンがいた。
 失った生命は還ってこない。独りごちた囁き声はすぐに緊張感を含む。
「階段は三カ所、小此木氏は一番近い方に向かう。避難させるなら迂回して他の階段から降りた先で壁を突き破った方が早いだろう」
「そう、ね……どのみち修復するから大目に見てもらうしかないわ。ペトラと摩琴には私から――」
 続く言葉を遮るように、天井から痛烈な爆発音が響いた。

●悪意ある者
 衝撃は1階にまで響いていた。
「のこのこやってきたようね」
「行こう、地デジ。はたろうさんも」
 待機していたリュリュとオリヴンは応接室から即座に飛び出し、ルーヴェンから聞いたルートを走りだす。
 2階では想定外の『訪問者』に、来客達の騒然とした悲鳴が邸宅中に響いていた――。

 突然の襲撃に来客達はパニック状態。
 怒号で部屋中が満ちる中、一人飛び出す勇作の姿をペトラは見逃さなかった。
「勇作くんを追いかけるわぁ、避難誘導よろしくねぇ!」
 ペトラとバーヴェンが勇作を追い、遊戯室に残る暁人が悲鳴と混乱の中で声を張り上げる。
「安心して、俺たちはケルベロスだよ!」
「ボク達が守るから、慌てず誘導に従ってね!」
 摩琴が腰を抜かす女性の手を引き立たせようとする。だが頭上は大きくひび割れ、今にも崩落しかけていた。
「紙兵よ、飛べ」
 シャルロットの竜爪武から紙兵が舞い散る。
 天井に張りつく紙兵は何重にも重なり、崩れかけた建材を受け止める。
 暁人も濃縮フェロモンで亀裂を塞ぎながら、避難経路を確保しつつ先導する。
 シャルロットはひたすら建材の修復に走り、摩琴と暁人は二手に分かれて邸宅の外へ誘導していく。

(「厨房も危ないところだった……一カ所に集まっていたら遅れていた」)
 警戒したとおり、厨房もコンロから延焼してパニック寸前だったが、リノンが消火して事なきを得た。
 すぐに外へ出るよう呼びかけてリノンは廊下を駆け抜けていく。
 曲がり角を抜けた直後、数メートル先から悲鳴が聞こえてきた。
 リノンと同時に、バーヴェン、オリヴン組もほぼ同時にリビングに駆けつける。
「な、なんだよ、お前ぇ!?」
「お前とか言う前に、その面構えどうにかしろや」
 鮫歯のように無数の棘を突き出した長槍を背負う、褐色の優男――バイージャは腰を抜かす勇作を鬱陶しそうに見下ろしていた。
「おイタはそこまでよぉ?」
「いざ、推して参る――!!」
 ペトラの放つ無色の魔弾が空を歪ませ、バイージャの肩口を抉る。
 続くバーヴェンの一太刀を受け止めると、押し返す勢いで間合いを開く。
「ぼくたちはケルベロス、です。もう大丈夫だから此処は任せて、逃げてください…!」
 その隙にはたろうと地デジの3人で壁を作ったオリヴン、勇作にこの場を離れるよう促す。
 転びそうになりながら走りだした勇作への接近を阻止しようと、リノンが光の奔流をまとって突撃し、次いで大鎌を振るって痩せぎすな胸板に傷を残していく。
「あー犬畜生が混じってやがったか……ドちくしょうがよォ!?」
 真新しい家財が巻き込まれようと関係なし。バイージャは愛槍で豪快に薙ぎ払う。
 一瞬にして粗大ゴミだらけとなった室内にリュリュは顔を顰めた。
「余興の踊りにしては激し過ぎて品性に欠けるわね――失われし面影よ、力を貸して」
 妖刀・小太刀に蓄えた魂魄を双眼に宿し、リュリュは穂先の軌道ギリギリへ直進する。
 頬を引っ掻く痛みがリュリュの勢いを僅かにひるませたが、右手はバイージャの右まぶたに爪痕をつけた。
 至近距離からの刺突でリュリュの脇腹を穿ち、生じた死角からはたろうが飛びかかる。
「邪魔、すんなってのっ!」
「地デジ。リュリュさんの回復、お願い……!」
 液晶フェイスを点滅させ、地デジは電子音声の応援ソングをお届け。
 オリヴンもふわふわとした動作に反し、鋭敏な挙動の鎖が大魔方陣を描いて達を庇護する。
 はたろうを叩き落としたバイージャは態勢の立て直しを図ろうとするが、
「遅くなった、これより戦列に加わる」
「おっまたせー! ズダダーンっと行くよ!」
 市民を避難させたシャルロット達も戦闘音を頼りに、遅れて参戦。
 数多の刀剣を宙より放つシャルロットの背後から、三色のアンスリウムの幻影がふわりと広がっていく。
「みんなの情熱に一陣の風を! ――アンスリウムの団扇風!」
 摩琴のタクトに合わせ、エクトプラズム達は弾むように踊り行進する。
「はたろう、よく頑張った。一緒にいくよ!」
 具現武装をばらまくはたろうに合わせ、暁人は飛びだす勢いを乗せた回し蹴りをバイージャの側頭に打ち込む。
 転倒しかけたバイージャは舌打ちして爆炎を放つが、射線上に割り込んだオリヴンが流体金属のドームで受け止める。
 後顧の憂いは最早なし。残るは招かれざる客人の退場のみ――!!

 適切な人数配分が避難誘導やバイージャとの接触、合流までのタイムラグが少なくさせていた。
 その影響は大きく、ケルベロス優勢で戦局は保たれた。
 摩琴の治療が追いつかない場面では、地デジと援護役のオリヴンが二人がかりでカバーし、バイージャの猛攻を食い止めるシャルロットの衰弱を抑える。
「ゆら、ゆら。揺らいで」
 翡翠色の柔和な光がオリヴンの手を離れ、熱傷の増えるリュリュを癒やしていく。
「もう、室内で炎を使うだなんて正気なの!?」
 名もなき礼装を焦がした火の粉を払い、焼け焦げた床板を滑走してバイージャの足下を蹴り抜く。
 暁人が戦斧で刃を交える間に、ペトラも指先に魔力をこめると妖艶な仕草で宙を撫で、
「地球での決まりを知らないようねぇ、放火の罪は重いわよぉ――総てを識る聖譚の守り手よ、古の契約に依り其の力を示せ!」
 固定させた空間に無数の楔を打ち込む。
 全身を掠め、斬りつける魔法を受けてバイージャから焦りが滲む。
「……畳みかける」
 リノンの翼が何度目かの光輝を炸裂させ、振り向きざまに御伽噺の怪物じみた影に変容する。
 ―――陰よ、行け。
 立ち上る瘴気の獣をリノンは放った。
「クッ、ソ、調子に乗りやがってぇ……!!」
 悪態を吐き、得物で突き返そうとするが左腕ごと食いちぎられる羽目に。
 そして、雷雲をまとうシャルロット、自らの獄炎を揺らめかせるバーヴェンが必殺の構えで待ち受けていた。
「猛る雷雲、戦場の硝煙、駆ける煌き……出でよ竜の雷!」
 放たれたシャルロットの稲妻がもげた左脚を貫き、眼光鋭き武人は最上段に刃を振り上げる。
「邪悪なる来訪者、せめて祈ろう。汝の魂に……救いアレ!!」
 現世で救いようのない愚か者だとしても、来世は今生の罪を贖い救われ給え。
 日輪の輝きを放つ地獄の炎は、邪なる選定者を煉獄へ叩き落とし、地上から消滅させた。

●新築を修復してみた
「修復、できたけど、幻想化が…………美味しそうだね、地デジ」
 小此木邸を修復したオリヴン達だが、近代的な邸宅は花とお菓子のメルヘンチックな建物に。
「かわいいー!! すっごい女の子受けしそう!」
「な、那磁霧さん、残念だけど……」
「家主は30代男性だ」
 摩琴は斜め上のリフォームに目を輝かせるが、暁人とリノンは同情を禁じ得ない模様。
「――ム、まぁ、なんだ。小此木氏……SNS映えする良い家だと思うぞ、うむ」
「ひ、一人で逃げたら人脈作りも台無しだからね? しっかりするように」
 なんとかコメントしようと苦心するバーヴェン、忠告するシャルロットだが放心状態だった勇作の耳には入っていないようだ。
『これはこれで話題性がある』……と思えば、新たなコネクション作りに役立つかもしれない。
 大丈夫、なんでも物は使いようさ!

作者:木乃 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年9月23日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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