唸れエレキギター! 地獄から響く声が死に誘う!

作者:天木一

 すっかり日の落ちた街の片隅にある、雑草が生い茂る空き地に粗大ゴミが捨てられていた。
 そんな人気の無い場所に一匹の蜘蛛が現れる。それは機械で出来た小さなダモクレスだった。
 蜘蛛は捨てられたゴミを漁り、バッテリーやタイヤといったものを無視し、奥に進むとネックの折れたエレキギターを見つける。そこに飛びつき中に消えるとギュィィィィィンッと甲高い音を立てて膨らみ始める。折れたネックを周囲のパーツから再生し、そのサイズが6mにも達すると、タイヤを足元に付けて動き出す。
『俺はメタルだ! 正確にはデスメタルだ!!』
 激しくギターが激しく振動し、超速弾きで何本ものギターが弾いているように聴こえる。
『ゴオオオオオアアアアアッ!!』
 デスヴォイスが唸りを上げ、歌詞も分からぬ感情だけを乗せた音声が響くと、周囲の建物のガラスが割れ空き地の塀も崩れ落ちた。
『デスメタルこそ最強のメタルだ!』
 空き地を出ると、エレキギターは人の集まる繁華街に向かって発進した。

「騒々しい近所迷惑なダモクレスがまた出るかもしれないと調べてみたが、どうやら当たりを引いたようだな」
 日月・降夜(アキレス俊足・e18747)が集まったケルベロス達に事件が起きる事を告げる。
「廃棄されたエレキギターにダモクレスが同化し、繁華街に向かい多くの犠牲を出してしまうようです。そうなる前に敵を迎撃して人々を守ってほしいのです」
 その隣に立ったセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が詳細な説明を始めた。
「ダモクレスは巨大なエレキギターの姿をしていて、ギターの音は音波となって周囲を破壊し、デスメタルの歌声は心を惑わすといった効果があるようです」
 ギターらしい音を使った攻撃をしてくる。音速の攻撃は避けるのは困難だろう。
「出現場所は神奈川県です。周辺の避難は警察が行っていますが、到着時にまだ避難は完全に終わっていません。敵の注意を引き付け、無事避難できるようにしてください」
 繁華街に近い道路で人も多い、敵は音楽に何々ならぬ愛着があるようなのでそれを利用すれば簡単に誘導できるかもしれない。
「どんな楽器も迷惑になるような使い方は間違っています。夜の街を騒がしいダモクレスに荒らされないよう撃破してください」
 一礼したセリカは素早くヘリオンへ向かった。
「エレキギターだけでも騒がしいが、演奏するのがデスメタルとなれば寝る事も出来ないだろうな。場違いな演奏を止めて近所迷惑という言葉を教えてやろう」
 降夜の言葉にケルベロス達も頷き、準備に動き出す。


参加者
エイダ・トンプソン(夢見る胡蝶・e00330)
マイ・カスタム(一般的な形状のロボ・e00399)
アルメイア・ナイトウィンド(星空の奏者・e01610)
サイガ・クロガネ(唯我裁断・e04394)
狐村・楓(闊達自在な螺旋演舞・e07283)
日月・降夜(アキレス俊足・e18747)
エドワード・リュデル(黒ヒゲ・e42136)
遠野・篠葉(ヒトを呪わば穴二つ・e56796)

■リプレイ

●帳を破る騒音
 すっかりと暗闇に包まれた街。普段なら静かな時間帯の夜道を、今は慌ただしく人々が逃げていた。
「いるいる、ヒトサマが一日働いてやっと横になった頃に騒ぎまくるヤツ」
 周囲を見渡し近所迷惑な騒音をサイガ・クロガネ(唯我裁断・e04394)は思い出す。
「ラッキーじゃあねえの。存分にシバキ倒してOKなんざ」
 そして鬱憤を晴らすにはちょうどいい相手だと獰猛な笑みを浮かべた。
「メロディック・デス・メタルとかなら割と近い位置にいないこともないんだよなぁ。メロディック・スピード・メタルっぽい曲手持ちにあるぜ」
 楽しいセッションになりそうだと、アルメイア・ナイトウィンド(星空の奏者・e01610)はピックを宙に弾いてキャッチする。
「デスメタルってあれよね、なんかデスでメタルな感じのやつ。知ってる知ってるー」
 知ったかぶりで遠野・篠葉(ヒトを呪わば穴二つ・e56796)がデスメタルを語る。
「なんか名前の響きが邪悪な感じだし、呪いの一種よね、きっと。呪いを振りまく相手なら、こっちも呪い力で負けるわけにはいかないわ!」
 そして勝手にイメージした悪い敵に対して気合を入れる。
「慌てずに逃げるっすよー! ここは楓さんたちに任せるっす!」
 安心させるように声をかけ、狐村・楓(闊達自在な螺旋演舞・e07283)はこっちだと一般人を避難場所へ誘導する。
「フライングV……聞いたことがありますな、アレは何の漫画だったか……」
 エドワード・リュデル(黒ヒゲ・e42136)は昔読んで漫画を思い出そうとうーんと悩みながらも、避難誘導を手伝う。そうしていると、聴こえてくるのは、何を言っているのかも分からない低く唸るような歌声。街灯に照らされて見えるのは巨大なエレキギター。全長6mもあるギターが車のようにタイヤで運ばれてくる。
「6mってでかいな!? これだけデカけりゃ音も相当だな。早めに片付けよう」
 遠目に敵を確認した日月・降夜(アキレス俊足・e18747)は仲間に振り向き、共に迎撃に動き出す。
『ゴオオオオアアアアッ!!』
 響くデスボイスが空気を震わせる。まるで獣の唸り声だった。
「さぁここは危険なので逃げて下さいね!」
 身を挺して音波を防いだエイダ・トンプソン(夢見る胡蝶・e00330)は、振り返り人々に呼びかける。
「ロックなら好みなんだがな……」
 デスボイスには興味が無いと、マイ・カスタム(一般的な形状のロボ・e00399)は歌を気にすることもなく戦闘態勢に入る。

●デスメタル
『俺はメタルだ! 正確にはデスメタルだ!!』
 自己主張しながらギターが掻き鳴らされる。その音は周囲の自転車を薙ぎ倒し車をひしゃげた。
「おう、おいでなすったな。セッションと洒落込もうじゃねーか」
 帽子をかぶり直し、ギターを構えたアルメイアは演奏に合わせて掻き鳴らし、セッションを始めるように音を刃のように放ちギターのボディに傷を刻む。
「そんなにデスメタルの魅力を広めたいのなら、まず私達にその魅力を見せつけたらどうですか?」
 声をかけながらエイダは腰だめに構えたガトリングを発射し、無数の炎の弾丸を見舞って火を点けた。
「ちなみに私はデスメタルよりもっと落ち着いた音楽が好きですけどね!」
 挑発しながら引き金を引き続けて弾を撃ち込みまくって穴を開けていく。
『なんだと!? デスメタルこそ最強だ!』
 燃え上がるように激しいギターの音が吹き荒れ、衝撃波となってケルベロス達を薙ぎ倒す。
「デスメタルなんて騒音と一緒じゃあないのか。 違うってんなら証明してみな、魅せてみろよ」
 敵を引き付けるように挑発した降夜は、操る植物に生った黄金の果実から光を放ち己と周囲の仲間達を進化させ耐性を与える。
『この音楽を知らないカスどもが! デスメタルが最高だって教えてやる!』
 音が速度を上げ激しさを増してデスシャウトが響き周囲の窓ガラスが割れていく。
「とりあえずロックンロールの社会的メッセージとかは知らんでござるが、夜中に騒音を出すのはただの近所迷惑ですな」
 これでは寝ていられないとエドワードは音の衝撃で割れたガラスをトゲトゲのついた棍棒のようなもので吹き飛ばし、人々に降り注ぐのを防ぐ。
「うーん、楓さんはこういううるさい音はよくわからないっすねー!」
 狐をピクピクと動かし、煩い音に負けないように声を張り上げた楓は、敵との間に入って守りながら避難誘導を行う。
「うっ、これがデスなんとかっていう呪い……! なんて強力なのかしら。でも私も負けないわよ、今日はいつもの2割増しでバリバリ呪ってあげるわ!」
 デスボイスに驚き対抗心を燃やしながらも、篠葉はまずは人々の安全が優先だと足の遅い子供を抱えて避難させる。
「なあに、コレ(戦闘音)もメタルも大して変わらんだろ。ご丁寧にギターの形してるコイツで演奏してやりゃイイわけだ」
 派手に行こうとサイガは音の中に突っ込み、正面から音を突破して拳を叩き込んだ。ボディにめり込ませた拳から魂を喰らう。
「ロックだかパンクだかメタルだか知らんが、聴衆の事を考えずに垂れ流す音楽なんぞ騒音に過ぎないな」
 敵のヘイトを引き受けようと、マイは荒れ狂う雷を放ち感電させた。音がずれ攻撃が弱まる。
「五月蠅い音が好きなら、ガトリングガンの音でセッションといきましょうか」
 そこへエイダはガトリングの弾を変更し、蜂の巣にするように弾足の速い弾で集中砲火を浴びせる。
『ゴォオオダアアアアイイ!!』
 ギターを傷つけながらもデス声を響かせケルベロス達の心を揺さ振る。
「騒がしいな。悪いがデスボイスには興味がない」
 冷静なマイは爆導索を飛ばし敵に引っかけて爆発を起こす。衝撃に音が途切れ弦が何本も切れた。
「一夜限りの特別公演だ、せいぜい派手にやるぜ!」
 アルメイアはギターを強く鳴らし、音と共に伝わったグラビティが爆発を起こし敵の演奏を途切れさせる。
『ヴァアアオオオ!』
 弦が切れても声が周囲を覆い、脳を揺さ振り心を侵食していく。
「どうした? デスメタルってのはそんなものか? もっと俺の魂を振るわせてみろ」
 そこへ割り込んで降夜は体で音を防ぎながら、黄金の光を仲間達に浴びせて音の影響を遮る。
「どっから音出てんだ?」
 鎖をネックに巻き付けて跳躍したサイガは、引き寄せるように近づき残った弦を掴むと引き千切る。すると敵は激しく体を振ってサイガを壁に叩きつけようとし、サイガは鎖を手放して着地した。
「避難終わったっすよ! うー! うるさいっすー!! やめるっすよー!!」
 避難を終えたと報せた楓は近くで聴く攻撃的な音楽に顔をしかめ、苛立ちを込めるように放った雷で敵を痺れさせて音を止める。
「ご近所の人が戻れるよう、さっさと片付けるでござるよ」
 駆けて戻ったエドワードはその勢いのまま跳躍し、敵に飛び蹴りを浴びせてギターを建物に突っ込ませた。
「好き勝手に呪いを振り撒いているみたいね! こちらも呪いの力でまずは仲間を癒すわ!」
 篠葉はもやっとした怪しげな魔力を放出して仲間達を包み、その心を汚す音楽の影響を取り除いた。
『魂で聴け! メタル界最強デスメタルの音を! 震えろ世界!』
 新たな弦が張られると怒涛の速弾きが始まり、デスボイスが乗って体の芯に届くような重低音が響く。
「名前や分類にこだわる前に気にするべきことがあるんじゃないのか?」
 その身を盾にして攻撃を受け止めたマイは、吹き飛ばされぬように屈んで反撃に雷を放って敵を撃ち貫く。
「避難が終わったのならデスメタルに付き合う必要はありませんね」
 僅かに音が飛んだ隙に大きく跳躍したエイダは飛び蹴りを叩き込み、敵を傾けて音を逸らした。
「激しいのが好みなら、たっぷりくれてやる」
 サイガは無骨な黒い大鎌を振るい、ボディをガリガリと火花を散らしながら斬り裂いてエネルギーを奪い己が傷を癒す。
「当たるも八卦、当たらぬも八卦! 新鮮な呪いを存分に召し上がれ! 虚無の闇に堕としてあげるわ。此処から先は、振り向いては駄目、よ?」
 篠葉は禍々しいオーラを放つ虚無球体を放ち、敵に触れた瞬間その部位を消滅させボディを丸く抉り取った。
『ブオオオオオ! いいぜ! 逆境を乗り越えるのが音楽だ!』
 更に音が調子を上げて行くと、それに乗って右に左にと、ステージを移動するようにうろうろ動き出す。
「楽しいか? まぁ、仕方ねえな、楽しいものだからさ!」
 笑いながらアルメイアはギターを弾き、相手に合わせてメロディを奏で音をぶつけ合う。間で空気が爆発するように風が吹き抜けた。
「音の攻撃は速いっすけど、回り込めば当たらないっす!」
 素早く回り込んだ楓はパイルバンカーを撃ち出し、凍気を纏った杭がボディを穿って傷口から凍結させていく。
「聴いてやるからそこに居ろ。動き回られちゃ迷惑なんでな」
 離れた位置から降夜は拳を放ち、小さな針状のグラビティが飛んでタイヤを貫きパンクさせた。
「日月氏の言う通りですな、大人しくしているでござるよ」
 ブンッと大きく腕を振ったエドワードは棍棒を投げつけて、トゲトゲをタイヤに突き刺した。タイヤに穴が開き空気が抜けて真っ直ぐ進めなくなって塀にぶつかった。

●最高の音楽
『熱さだ! 熱さが足りねえ! その冷めたソウルを俺のデスボイスで燃やし尽くしてやるぜ!』
 速弾きが音の洪水のように溢れ、怒涛のデスボイスが周囲を覆い尽くす。
「人を楽しませることが出来ない音楽に価値はないな」
 その眼前にマイは爆導索を伸ばし、宙で爆発させ衝撃で音を相殺した。
「うるさいだけっすー! そんなの騒音にしか聴こえないっすよ!」
 そこへ楓は雷を放ち、電撃による痺れで動きを鈍らせ音は外させた。
「そんなに熱くなりたいのでしたら、これでもっと燃やしてあげます!」
 エイダはばら撒くように炎の弾をガトリングから撃ち出し、敵の全身を燃やしていく。
「その暑苦しい想いを押し付けられるのは御免だ」
 続けて降夜は螺旋を描く吹雪を放ち、敵を包み込んで全身を凍らせていく。急速な温度変化にギターにひびが入っていく。
『最強にパワフルでソウルフルなメタル。それがデスメタル! 最高の音楽だ!』
 ボディを軋ませながらもギターは音を止めず、激しい歌声を吐き出し続ける。
「まだまだそんなもんじゃねえだろ? もっと激しくいくぜ!!」
 それに合わせてアルメイアは弾く速度を上げ、ギターの音は攻撃的に届き爆発を起こす。敵も負けてはいられないと、超速弾きが音の津波のように周囲を破壊していく。
「なんて呪いの強さなのかしら! ならこちらは護りの呪いで対抗するわ!」
 篠葉は鎖で魔法陣を描き、そこから漏れ出すような瘴気を放って仲間達を包み、その身を守る力を付与する。
「最高の音楽だあ? てめえのはただの雑音だっつうーの」
 ネックに巻き付いたままの鎖を掴んだサイガは思い切り引き寄せ、傾いた敵を蹴り上げる。
「迷惑極まりないでござるな。そういうのは好き者の集まりでやるでござるよ」
 続いてエドワードが炎を纏わせた脚で敵を横から蹴り、ぐらりとよろめかせてビルに突っ込ませた。
『デスメタルこそ絶対的存在だ! 誰にも邪魔させねえ!』
 ビルを破壊してギターは耳が痛くなるような音を響かせる。
「あなたがデスメタル好きの石油王なら考えましたが、違いますから容赦はしません」
 そこへエイダはガトリングの銃口を向け、ありったけの弾を撃ち込んだ。蜂の巣のようにギターに穴が空いていく。
「呪いには呪いを、なかなかの呪いだったけど、呪いではこちらの方が上手だったわね」
 篠葉はおどろおどろしい呪いを放ち、それが牙を立てるようにボディを深く切り裂いた。
「自慢かなにか知らないっすけど、もう夜っすよ! 近所迷惑を考えてほしいっす!!」
 楓の瞳が螺旋の力で輝くと、瘴気で覆われた自身の影が動き出し敵を翻弄するように動き回り困惑させ音を見当違いの方向に放たせる間に、ナイフでボディの傷口を抉りつけた。
「派手なのが好きなら、最後は派手に飾るでござるよ」
 エドワードは敵と同じ身長のパンジャンドラムを召喚し、ロケットに点火で突進すると正面からぶつかり合って爆発する。
『聴けデスメタルを! 俺の音楽が分からないクズどもは今ここで改心しやがれ!』
 名状しがたいデスボイスが周囲を破壊し心を蝕む。
「蹄の音を聞け! 蹂躙しろ、竜騎兵連隊―――ッ!!」
 対してアルメイアが高らかに響かせる音に合わせ、不可視の竜騎兵達が現れて敵に突っ込み剣でギターの全身を切り刻んでいく。
「ゴミはゴミに、戻りましょうねえ!」
 サイガは大鎌に降魔の力を伝播させてネックを斬りつけ、衝撃が内部まで透り傷口から灰へと帰して、ぐらりとネックが折れそうに曲がる。
「ライブはこれで終わりだ」
 マイはギターの割れ目に爆導索を巻き付けて爆発させネックをへし折った。
『メタルは……永遠だ!』
 ひび割れた音を発しながら、ギターは雑音を漏らす。
「メタルってのは抑圧に対する反発……みたいのがあるんじゃなかったか? それが強要する側になってどうする?」
 降夜の打ち出す拳の乗って針状のグラビティが放たれ穴から中に入ると敵の中枢を貫いた。コアを破壊され煩かったギターの音が止まった。

●残響
「初めて見たギターは真っ赤なフライングVでその日の内にたたき壊しました! ケルベロスなんてそれで良いんだよ」
 ケルベロスほどロックな生き方はないと、エドワードはギターの残骸に向けて語る。
「しかし……やはりメタル系は私には合いませんねぇ」
 耳に音が残っているようだとエイダは顔をしかめた。
「うー、なんだかまだ耳がキンキンするわ……」
 もう音は止んだはずなのに日常音が遠く感じると篠葉は耳を塞いだ。
「デスメタルか、やはり理解出来ないジャンルだったな」
 騒音にしか聴こえなかったとマイは素直な感想を述べる。
「ああいうのが好きな人もいるっすねー。音楽はよくわからないっすー」
 深い世界すぎて理解できないと楓は首を傾げた。
「デスメタルも聴き慣れれば魅力的に……いや、やっぱ無理だな」
 降夜は耳が痛くなるばかりだったと、デスメタルの魅力は全く伝わっていなかった。
「なかなかスカッとしたな。こういうガチンコの音楽なら大歓迎ってもんだ」
 暴れられて鬱憤が晴れたとサイガは清々しい笑顔を浮かべた。
「楽しかったぜ。あとは地獄で、好きに続けな。あばよ」
 笑みを残したアルメイアは振り向いて背中越しにピックを弾き残骸の上に落とした。
 周囲にヒールを掛け街を修復すると、ケルベロス達は静けさの戻った夜の街を歩き出した。その足音は先ほどの戦いの名残のように、リズムを刻んでいるようだった。

作者:天木一 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年9月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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