海底基地攻撃作戦~ドゥ・ザ・クラム

作者:鹿崎シーカー

 駿河湾某所・海底洞窟。
 青黒い闇の中、洞穴の中から漏れた光が周囲を照らし、重厚な駆動音が水を鈍く振動させる。
 光の射程範囲ギリギリを往く深海魚の群れ。それらが素早く転身して闇に消え、代わりにジェットエンジンめいたサウンドが響き始めた。光の漏れた洞窟から飛び出したのは蒼髪の女とサメ型ロボットが数機。女の両二の腕、肘、手首、両の太ももには魚雷じみたパーツが装着されており、ジェット噴射して推進力を生み出していた。
 女がサメ型ロボ群を振り返る。
「ほら、キリキリついてきな! チンタラしてんじゃあないよ!」
 檄を飛ばされ、ロボの泳ぐ速度が上がる。ジェットの勢いを上げた女はそのまま海中を切って浮上を続けた。


「……で、海の底なわけなんだけど」
 麦茶を飲みつつ、跳鹿・穫はそう切り出した。
 ここ最近発生し始めたディープディーブブルーファング事件において利用されているサメ型ダモクレス、ディープディープブルーファングの工場が発見された。
 工場の場所は、駿河湾海底にある海底洞窟。ダモクレスはここを作戦基地として改造して利用しているらしい。皆には駿河湾海底に突入し、この基地を破壊してほしい。
 そういうわけで、今回の戦場は海底となる。駿河湾は日本一深い海なわけだが、ケルベロスはグラビティ・チェインによる攻撃でしか死なないので、戦闘自体に支障はない。水圧による圧死や窒息死の危険も無い。が、高圧力・無酸素状態なことには変わりはなく、その上海底に光はほぼ無い。準備はしておくべきだろう。
 次に作戦の順序だが、まずはヘリオンで海底基地直上にある海面へ皆を移送する。その後、泳いで洞窟内部の工場へ接近する。工場の至近距離まで近づくと、潜水艦型ダモクレスとディープディープブルーファングが迎撃に現れるので、これを撃破する……という流れ。
 迎撃に来るディープディープブルーファングは普段の事件の個体と違い、死神の因子を植え付けられておらず、戦闘能力は低め。しかしその分数が多いので、気を付けてほしい。
 なお、今回の作戦に作戦する班のうち、過半数が潜水艦型ダモクレスを撃破できれば、基地は勝手に自爆する。基地自爆後、残った敵は戦意喪失をするので、安全に撤退できるが、そのまま殲滅しても構わない。
 ディープディープブルーファングは水中の遊泳と機械の触手、鋼の牙を用いた噛みつきで、潜水艦型ダモクレスは手足に装着した魚雷とミサイルを駆使して戦うようだ。
「ディープディープブルーファングが死神と何をしてるのかは知らないけれど……まあ、倒しちゃえば問題ないさ! 頑張って来てね!」


参加者
流星・清和(汎用箱型決戦兵器・e00984)
灰野・余白(空白・e02087)
シェリン・リトルモア(目指せ駄洒落アイドル・e02697)
呂・花琳(デウスエクス飯・e04546)
黄檗・瓔珞(斬鬼の幻影・e13568)
柊・弥生(癒やしを求めるモノ・e17163)
霧崎・天音(星の導きを・e18738)
カテリーナ・ニクソン(忍んでない暴風忍者・e37272)

■リプレイ

 駿河湾・海底。
 海底の水を太い回し蹴りがかきわける。揺らめく水と踊る無数の泡を見ながら、流星・清和(汎用箱型決戦兵器・e00984)は片手を握っては開いて難しくうなった。
「うーん……やっぱりうまく動けないわ。なんかこう、全身に重しつけられてるような感じが……」
「ん……それに、暗くて……冷たい……ちょっと、苦手かも……」
 清和の近くで霧崎・天音(星の導きを・e18738)が窮屈そうに水をかき分けて進む。天音と暗視ゴーグル越しに周囲に目を走らせていた灰野・余白(空白・e02087)は、黒スーツとグレーの髪をなびかせながら呟いた。
「うちも色んなとこ行ったけど、海底は流石に初めてじゃの。水中戦自体、中々機会無いしのう」
「それもそうだよねえ。おじさんも水ん中で戦うのはー……戦艦竜以来だったかな?」
 光るビー玉めいた球体をまきつつ、黄檗・瓔珞(斬鬼の幻影・e13568)。水に浮くそれらを辿って後ろに視線を流し、ぎこちなく泳ぎながらヒレ付きの足をばたつかせるシェリン・リトルモア(目指せ駄洒落アイドル・e02697)を捉える。
「大丈夫かい?」
 瓔珞に固い表情で頷くシェリンの顔からゴーグルが剥がれ、彼の目元に水が一気に流れ込んだ。驚きバタバタし始めるシェリンの真上、柊・弥生(癒やしを求めるモノ・e17163)が浮かんできたゴーグルに手を伸ばして引っ掛ける。パイレーツハットを押さえて潜り、振り回されるシェリンの手を捕まえて握らせた。
「はい。サイズはちゃんと合わせた方がいいよ?」
「あっ、ありがとうございます……! すみません!」
 慌てながらもゴーグルをつけ直すシェリン。その時、隊列前方の暗がりから響くジェットエンジンの音と共に、呂・花琳(デウスエクス飯・e04546)の顔がひょっこり現れた。
「騒がしいが、何かあったか」
「な、何もないです! 大丈夫です!」
「そうか。ならば良いのじゃが」
 シェリンの返事を聞き、エンジンを吹かしながら暗がりに消えかける花琳の背中を、清和が呼び止める。
「あ、待った。水中、どれぐらい動ける?」
「我か?」
 振り向いた花琳は明かりが届く範囲に腕を持ち上げて見せた。太極図と赤い勅令の文字、崩し字じみた紋様が刻まれた巨大なトンファーが照らされ、後部に増設された大型ブースターが鈍く輝く。
「コレがあるから、移動自体はどうと言うことは無い。ただ、殴り合いとなると話が変わるな。腕が上手く動かせん」
「なるほどねぇ。動きは鈍っちゃうか」
「うむ。地上と同じようには行かんのう」
 難しい顔で話し合う二人の後ろで、天音が花琳の得物をじっと見つめる。自分の両腕に装備した赤いパイルバンカーに視線を移し、小さく言った。
「パイルバンカーに、エンジン………………」
「ロマンでござるなぁ……」
 突如の声に、天音は真横に首を巡らせる。いつの間にか隣に来ていたカテリーナ・ニクソン(忍んでない暴風忍者・e37272)が腕を組み、繰り返し相槌を打っていた。
「わかる、わかるでござるよ。巨大武器に巨大エンジンは鉄板でござるからな。大きなオトモダチともなればそれはもう大きな胸部魚雷でイチコロでござるよ! ……拙者のは魚雷でもミサイルでもないでござるが」
 早口でまくし立てるカテリーナに、天音は無言で首を傾げる。満足げな表情でうんうんと頷くカテリーナが再度口を開きかけたその時、彼女のゴーグルがピピッ、と電子音を放った。
「およ?」
 話を止め、カテリーナはゴーグルを注視する。緑のグリッド線が描き出す、前方にそびえる水底の岩場。その少し上側に口を開いた洞窟奥から、グリッド線にかたどられた人影と複数の魚影が凄まじい速度で出口に迫る。爆音を察知した花琳は音源の方を一瞥。
「ふむ。お出ましかの」
 直後、ジェット機じみたサウンドをまき散らしながら複数の影が飛び出した。四肢に魚雷を括りつけた青髪の女、D級潜水艦型ダモクレスαは八体のサメ型ディープディープブルーファングを周囲に侍らせ、光に照らされたケルベロス達を闇から見据える。
「へえ? なーんかピカピカしたうるせーのが近づいて来てると思ったら……地上の蛆虫連中が、こんなとこで何してんだい」
「ははっ、ご挨拶だねえ」
 腰に下げた刀をつかみ、瓔珞が朗らかに笑う。口元は柔和に、その目は鋭く。
「わざわざ海底くんだりまで会いに来たんだ。ちょっとくらい歓迎してくれたっていいんじゃないかな?」
「ケッ」
 暗がりで短く吐き捨てる潜水艦型。しかし彼女は暗がりの中で口角を吊り上げ、静かに四肢の魚雷を振動させた。
「ま、それもそうだな。何をトチ狂ったか知らないけど、敵の陣地にノコノコ踏み入る度胸だけは認めてやるよ。っつーわけで」
 戦艦型がケルベロス達に両腕を向け、魚雷のエンジンを一気に起こす。ゴーグル越しにそれを見たシェリンが警鐘を鳴らした。
「来ますっ!」
「ようこそ! そして死ねッ!」
 魚雷八発が一斉に飛翔し八人を強襲! 流星めいて水を斜めに切るミサイルの前に象牙色の盾型ドローンが横一列に居並び全弾を防御。爆発と共に飛んできた鉄片に頬をかすめられつつも、清和は両のアイレンズを光らせる!
「全機発光! フルブライトォッ!」
 彼の全身に取りつけられた大量のライトが強烈な輝きを繰り出した。次いでさらに出現した盾型ドローンが縦横に飛び交い四方八方に飛んだ閃光弾が爆ぜる。腕で目を庇った潜水艦型は舌打ち混じりに指令を下す。
「殺しな!」
「させない……」
 潜水艦型の頭上、天音がサーフボードめいて乗っていたドローンを蹴ってダモクレスへ跳躍し、炎の足を蹴り下ろす! が、潜水艦は魚雷を再生させた腕でキックをガード。反対の手で拳を握った。
「遅い!」
 魚雷エンジン緊急駆動! ジェットパンチが天音の腹を抉り込み、真上に向かって吹き飛ばす。打ち上げられた天音にダモクレスは魚雷を向けるも、弾頭がまとめて斬られ分割された。瓔珞が刀を納めると同時に弾頭が暴発! 爆炎をもろに食らうダモクレスへドローンに乗った余白が拳法めいた構えを取って素早く迫る。
「さあ、いっちょやったろかい!」
 彼女の後ろに現れた黒鉄の巨腕が拳を固め、余白に合わせてフックを放つ! 巨腕のパンチに爆炎ごと殴られ、海底の砂地に叩きつけられた潜水艦は腕に再度魚雷を装填。その鳩尾に子竜が頭突きを打ち込み顔面にランプを投げつける!
「ぐぇッ……!」
 えずくダモクレスの周囲にケーキのロウソクじみて突き立つ複数のダイナマイト。ドーナツ型のスイッチを片手に弥生が従者の子竜を呼んだ。
「爆発するよ! 下がってりゅう!」
 一声鳴いたりゅうが飛び立ち、ダイナマイトが全て爆発! 噴き上げた砂を視界の端に捉えた花琳は炎と相方の錫杖から流れ出た光をトンファーにまとわせる。狙いは突っ込んで来るサメ型の群れ!
「行くぞ! 手当たり次第じゃ!」
 重火器の如く構えたトンファーが金色炎のパイルをマシンガンめいて撃ち出した。サメ達は複雑軌道を描いて弾幕を避け、花琳を真っ直ぐに襲撃! 大口を開いた瞬間、彼らに苦無型ミサイルが降り注ぐ。連鎖する小爆発に突っ込む手裏剣を投げ込みつつ、カテリーナは緩慢に水をかく両手を歯痒そうに見下ろす。
「むぅー! うまく投げられんでござる! 今後は海底で戦う訓練もせねば……!」
「カテリーナさん、カテリーナさん! 来ますよ!」
 シェリンの警告と共に黒煙を貫いた二匹のサメが急浮上! 伸長した触手は割り込んで来たドローンに跳ね返された。清和は鏡付きのドローンを操り反射させた光を二匹のサメの目に当てる。さらに両肩のフィンを駆使して方向転換し、二匹の顔面に閃光弾をぶつけた彼の腹に横合いから伸びた触手が巻きつき強く引っ張る!
「おっ!? のおおおおおおっ!」
 清和を引き寄せたサメが頭から丸かじりにせんとする! 清和はサメの口を両手で閉ざさぜんとするが、牙は彼の手を貫通し、胴は触手の隙間から火花を散らす。サメの口が閉じかけた瞬間、水を切って飛ぶ苦無が触手を千切り、瓔珞の刺突がサメの側面を穿った。
「加勢すしよ」
 刺突に力が込められ、サメを吹っ飛ぶ。続いて殺到した二匹がガトリングの弾幕にさらされ、火花を散らしながら散開! 水圧に苦心しながらリロードした余白は、花琳の周囲を遠巻きに泳ぐサメ達に鉛弾をぶちまけた!
 弾丸の雨に驚き、散らばろうとするサメの群れ。そのうち一匹に目を止めた花琳は両のトンファーを腰だめに構える!
「そこじゃ!」
 トンファーのエンジンをうならせ花琳が高速で突撃をかける! 標的の横っ腹に打ち込まれたインパクトを利用し起動したパイルがサメの体を貫いた。花琳はさらに声を張る。
「撃てい!」
「合点承知!」
 カテリーナが両手を振り下ろすと同時に苦無型マイクロミサイル群が射出され、串刺しにされたサメの体に命中し爆発! 残った頭と尻尾が力なく沈没するのを遠くに見た潜水艦型は舌打ちをする。
「あのポンコツ共……何やってんだい! ッ!」
 振り向いた先、ドリルめいて回転しながら天音が突っ込んで来る! 炎のパイルを紙一重で避けたダモクレスは天音の腹に膝を入れ、回し蹴りで吹き飛ばす。敵のキックを辛うじて防いでいた天音は左足に炎を灯して推進力に変え再度特攻! 撃ち出された魚雷をギリギリでかわし、爪先を繰り出した。重ねた両手で爪先を止めんとするダモクレスの耳に激しいノイズ!
「グガッ……!?」
 硬直したダモクレスの鳩尾を天音の爪先が抉る。のけ反った潜水艦型に弥生は片手でスマホを操作しながら逆の手でドーナツのボタンを押した。爆発し巻き上がった砂呑まれたダモクレスは髪をかきむしる。身を焼く炎を振り払い、血走った目で絶叫した。
「グァァァァァァァァァッ!」
 砂煙が爆ぜ、尾部を向けた魚雷が弥生と天音に火炎放射! 火の奔流に押し流されていく二人に、二条の電撃が飛翔。天音と弥生にダイブした稲妻は炎を霧散させ、二人の火傷をすぐにふさいだ。ダモクレスが見上げた方に、魔法陣を浮かべたシェリン!
「海の中でもいつものように……回復しますよ! 空間魔法陣『帝胴』、展開!」
 新たに二つ出現した青白い魔法陣に、シェリンは手にしたロッドをリズミカルに打ちつけた。陣の中央が白く輝く!
「みなさんに力を! テン! テケ・テェン!」
 最後のワンビートに応じて魔法陣が雷を四方八方に放出! 海を裂く電撃はどうにかサメをいなす仲間達の体を包み、噛み傷や触手に潰された部位をたちまち治す。腕の切り傷をスーツ諸共修復された余白は対峙したサメにガトリングガン浴びせかけ、そこに飛び込んだ花琳が両のトンファーでサメの胴体を挟み潰す!
「ふんッ!」
 ひしゃげ圧壊した装甲から火花が噴き出し、爆発四散! 一方清和は指揮者じみて腕を動かしドローンを操作、瓔珞とカテリーナを襲うサメ二匹をそれぞれドローンで挟み捕まえる。ガチンと閉じた歯にかすめられた二人は手にした刀と大型苦無を縦一閃! サメの頭を斬って拓いた。直後、海底が激しく震える! すさまじい鳴轟にその場の全員が止まり、周囲を伺う。
「何事! 地震でござるか!?」
「待ってください! これはもしかして……!」
 シェリンが水中ゴーグル越しに敵が出てきた洞窟を見る。緑のグリッドで作られた穴は火竜じみて爆炎を吐き岸壁に亀裂を走らせた。目を見開き絶句する潜水艦型を挟み、天音がぽつりと呟く。
「基地が……爆発した……」
「他班がやってくれたみたいですね。ということは……」
 弥生に視線を向けられ我に返るダモクレス。憎々しげに顔を歪めた彼女はノーモーションで天音と弥生に魚雷を発射し二人を爆破! そして激震の轟音に負けじとサメ型に怒鳴った。
「クソッ! ええいお前達! 撤退するよッ!」
 言うが早いか四肢の魚雷を再生させて急浮上。彼女に続かんとする四体のサメ型達に、
 抜き放たれた刀が真空の刃を飛ばすも、サメ型達は複雑軌道を描いて回避する。その一匹の尾びれにしがみついたカテリーナが肩部装甲のライトで光源の射程を脱しようとするダモクレスを照らし出し、懐から薄目の雑誌を引っ張り出す。
「そこの胸部魚雷、動くなでござる! 動けばこれを……」
「明かりを潰しな!」
 潜水艦型の命に従い尾ヒレをつかまれたサメ型が機械触手をカテリーナの肩に巻きつけ一気に圧縮! 響く骨の軋む音。
「ちょ、何をするでござるかッあだっだっだだだだだだだだっ!」
 嫌な音を立て、カテリーナの肩が装甲ごと握り潰した。思わず尾ヒレを手放し落下する彼女をドローンに乗った瓔珞と余白が追い越し、居合いと拳法の構えで追随。
「割と元気なのが幸いしたかな? まあ程々に追撃しようか」
「なーに、逃がしゃーせん。そおら、ぶっつぶれいよ!」
 引き抜かれた刀が真空の刃を飛ばし、黒鉄の巨腕が強襲をかける。肩越しに振り返ったダモクレスの目につかみかかる機械腕と迫る斬撃、その下で広がる桃色の霧、追いすがる盾型のドローンが映る。サメ型達を一瞥した彼女は歯噛みし、八つ当たり気味に言い放つ。
「行きなお前達!」
 サメ型達が即座に反転して潜航! 飛ぶ斬撃を二体がかりで噛み砕き、黒鉄の腕をかわして二人を体当たりで突き落とす。追い打ちをかけるサメの間を、すり抜けて上昇した子竜は袋を破き、サメ達の間に爆弾を散らす。ゴーグル越しに爆弾を確認した弥生はスイッチを押し起爆! まとめて爆破されたサメ型の残骸を突っ切り、天音を背負った花琳はエンジンをフル稼働させる!
「しっかりつかまっておるのじゃぞ!」
「……わかった」
 ジェット噴射が加速し、光源の範囲を抜けかける潜水艦を猛追していく。
「逃がさない……これ以上好きにはさせない……」
「ったく、しつこいねえ!」
 振り向きざまにパージされた魚雷が降り注ぐ! 錫杖を手にしたゴーストと花琳は素早くそれらを打ち払い、トンファーで天音の足裏を支えて真上に打ち上げる。勢いづいた天音は右足から炎の剣を大量に射出! 潜水艦は防御態勢を取るも剣は肌を裂き、腕を射抜く。青目をギラつかせた潜水艦は四肢の魚雷を蘇らせ天音に突進!
「うがああああああああ!」
「っ……」
 反射的に突き出された天音のパイルが潜水艦の頬を浅く抉り取る。魚雷のジェットを利用して繰り出された拳が天音の腹にめり込んだ。潜水艦は凶悪に歪んだ顔で、噛みつくように言った。
「下の愚図共にも伝えておきな! こいつは今は負けってことにしてやる、そのうち殺してやるってね!」
「そんなことは、させないっ……」
「御託は今度、アンタ達が生きてた時に聞いてやるよ! 死ねッ!」
 拳が振り抜かれると同時に魚雷が全て放たれる。すぐに魚雷を二門だけ再生させた潜水艦は魚雷の行方を見ぬまま浮上を再開。光が届かない距離、海の闇の彼方に消え去った。

作者:鹿崎シーカー 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年9月11日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。