海底基地攻撃作戦~量産拠点を撃破せよ!

作者:そらばる

●深海を征く魚影
 遥か海の底には、陽の光とは縁遠い闇が広がっている。
 日本で最も深い湾とされる駿河湾の最深部は、およそ2500メートル。そこは日常とはかけ離れた世界だった。
 顎や頭部が異常に発達したもの、恐ろしいほどに大きな目を持つもの、透ける体を持つもの、体を発光させるもの、ひらひらと帯のように漂うもの……多種多様な深海魚たちが行き交う、水底の宇宙。
 どこまでも続く不可思議な世界に、あるはずのない光が漏れだす海底洞窟があった。
 洞窟の内部から、機械工場の稼働音らしき音が絶え間なく響く。その騒音を背に負いながら、複数の巨大な魚影が洞窟内部から抜け出ててくる。
 魚影は全て、鮫の姿形をした量産型のダモクレス。
 その先頭で鮫たちを率いるのは、凶悪な武装を背負う女性型ダモクレスだ。
 蜘蛛の子散らして逃げ惑う深海魚たちを尻目に、ダモクレスの集団は海の闇の向こうに消えていった……。

●ディープディープブルーファング量産拠点発見!
 近頃発生し始めた『ディープディープブルーファング事件』。
 死神が鮫型のダモクレスに因子を埋め込みなんらかの研究を行っているらしき事案だが、今回、新たな事実が発見されたのだと、戸賀・鬼灯(ドラゴニアンのヘリオライダー・en0096)はケルベロス達に告げた。
「チーディ・ロックビル(天上天下唯我独走・e01385)様が多くの賛同者と共に調査を行い、海底にて、死神とダモクレスの共同運用と思しき秘密基地の存在を突き止めてくださいました」
 場所は、フェルディス・プローレット(すっとこどっこいシスター・e39720)が予測した通り、駿河湾の海底である。
 そこではディープディープブルーファングの量産が行われており、ダモクレスの作戦基地の一つであると考えられる。
「この発見を見逃す手はございませぬ。皆様は駿河湾に赴き、この海底基地の破壊をお願い致します」

 戦場となるのは、駿河湾の海底。
「海底基地直上の海上までは、わたくしがヘリオンで皆様をお連れ致します」
 深海でのミッションとなるが、物理的なダメージを受けつけないケルベロスは、多少苦しさは覚えるだろうが戦闘には支障がない。海底で不自由のないよう、アクアラングや照明などの装備は鬼灯が用意するという。
「この類の装備は、無くともケルベロスにとっては問題のないものですが、あると快適でございますので、特に理由がない限り着用をお願い致します」
 海底基地は深海の海底洞窟の内部にある。
 至近距離まで近づくと、ケルベロス1チームにつき、潜水艦型ダモクレス1体とディープディープブルーファング5体程度が迎撃に出てくる。
「死神の使者として猛威を振るった際とは異なり、迎撃に現れるディープディープブルーファングは死神の因子を植え付けられておりませぬ。一個体の戦闘能力は低く、ただし数が多いため、その点はご注意ください」
 迎撃に出てきた潜水艦型ダモクレスの過半数を撃破すれば、基地は自爆する。すなわち作戦は成功だ。
 基地自爆後は、敵は戦闘意欲を失うので、安全に撤退できる。そのまま殲滅することも可能だろう。
「潜水艦型ダモクレスは人型をしたダモクレス。複数を巻き込むミサイルと、一人を標的とする魚雷を用います」

 ディープディープブルーファングはダモクレスがこの海底工場で量産し、死神に引き渡していたものだろうと、ヘリオライダー達は推測する。
 なぜダモクレスが死神に協力するのかは未だ謎のままだが、大本である工場を叩けば作戦を阻止することができるはずだ。
「すでに死神に引き渡していた個体もあるので、すぐに事件終結とはなりますまい。しかしこの作戦が成功すれば、解決に向けての大きな前進となりましょう」


参加者
水無月・鬼人(重力の鬼・e00414)
アップル・ウィナー(キューティーバニー・e04569)
甲斐・ツカサ(魂に翼持つ者・e23289)
水瀬・和奏(フルアーマーキャバルリー・e34101)
アンセルム・ビドー(蔦に鎖す・e34762)
霧山・和希(碧眼の渡鴉・e34973)
エトヴァ・ヒンメルブラウエ(フェーラーノイズ・e39731)
アメリー・ノイアルベール(本家からの使い・e45765)

■リプレイ

●暗い海をかき分けて
 全身を取り巻く青が、徐々に暗く、冷たく、重くなっていく。
 見慣れた魚たちが泳ぐ景色は、やがて奇怪で不可思議な姿の生物たちの棲みつく暗闇へと変貌していく。
(「深海、それは地球が抱えるもう一つの宇宙……とはよく言ったものだけれど、それじゃあこれはある意味宇宙ステーション攻略になるのかな?」)
 日常からかけ離れた光景を目と心に焼き付けながら、甲斐・ツカサ(魂に翼持つ者・e23289)は仲間たちと共に深海へと潜行していく。
 アクアラングに照明類、水中呼吸などを助けにして、光ったり透けたりする生き物たちの棲み処に分け入り、ケルベロス達は問題の海域へと急いでいた。
(「深海は初めてですガ、為すべき事ヲ……為しまショウ」)
 エトヴァ・ヒンメルブラウエ(フェーラーノイズ・e39731)は初体験とは思えぬ達者な泳ぎで、怖じることなく深みへと潜行する。
(「やはりすごい水圧です……ケルベロスの強靭さで耐え抜かねば」)
 同じく深海での戦いは初めてのアメリー・ノイアルベール(本家からの使い・e45765)は、気を引き締めて未知の世界に対峙する。
(「大丈夫かな……帰ったらお手入れするからね」)
 自分自身の防備よりも、肌身離すことのできない人形が気がかりなアンセルム・ビドー(蔦に鎖す・e34762)。滅多なことで壊れるものではないものの、魔術を施し厳重に保護せずにはいられない。
 海底まで間近に至った、その時。
(「! いま、なにかが……」)
 深海魚とは違う影の蠢きを視界の端に捉え、水瀬・和奏(フルアーマーキャバルリー・e34101)は照明をそちらへ向けた。
 その動きを察し、霧山・和希(碧眼の渡鴉・e34973)は胴部に纏うオウガメタルと意志を通わせ形成した第三の腕に、同じ方向へライトを向けてもらった。
(「……来た」)
 照明の照らし出す先には、人型らしき何かが率いる複数の巨大な魚影。さらにその奥には、問題の基地と思しき海底洞窟も垣間見えた。
(「また深海で洒落にならない事、やってやがんな」)
 海底基地とやらの実物を前にして、水無月・鬼人(重力の鬼・e00414)は苦々しく目を細めつつ、魚影を誘うように左手から地獄の炎を放出し始めた。
(「今回は難しいことは考えず殲滅、デスネ。海中戦闘はいつもと勝手が違いマスガ、頑張っていきマショウ」)
 アップル・ウィナー(キューティーバニー・e04569)はしっかりと現在時刻を確認すると、臨戦態勢に移行した。
 一直線に泳ぎ来る敵影は、五。重装備を背に負い敵意を剥き出しにする潜水艦型ダモクレスが一体と、鮫型のディープディープブルーファングが四体。
 瞬く間に距離を詰めた潜水艦型ダモクレスの顔が、照明の向こうでニヤリと凶悪に笑み崩れる。
 次の瞬間、潜水艦型ダモクレスは制動をかけて海中の一点に留まると、だしぬけに背に負った重火器を全開放した。

●深海の戦い
 白い軌跡を描きながら高速でケルベロスへと迫る、大量のミサイル。ケルベロスたちはとっさに散開するも、前衛が極寒の爆発に巻き込まれてしまう。
 爆発で泡立つ視界を食い破って、青鮫たちがすかさず追い打ちをかけてきた。牙を剥き、魚雷を撃ち込み、触手で絡めとる。グラビティと氷結に押し込まれる陣営。
(「これが深海の戦いか……」)
 敵の猛攻をいなしつつ、和希は意識を切り替えた。冷静に、冷徹に、視界に蠢く青鮫たちを無視して、アナイアレイターの照準を潜水艦型ダモクレスに絞った。一直線に照射された凍結光線がお返しとばかりに敵の熱を奪う。
 次の瞬間には、鬼火の如き炎が潜水艦型ダモクレスの背後に浮かび上がった。
(「面倒だが……やるべき事って奴はちゃんとやってやるぜ」)
 炎を纏った越後守国儔を叩きつける鬼人。水の中でも火勢を失わぬ地獄が潜水艦型ダモクレスに燃え移る。
(「skytte――!」)
 アンセルムの放つ魔法の矢は、まっすぐに突き進む流星。潜水艦型ダモクレスに着弾すると同時に砕け散り、無数の星屑となって動きを妨げるように敵の周囲を取り巻いた。
 動くに動けぬ敵を、エネルギー光線が、無数の砲撃が、次々と打ち据える。その隙に広がっていく治癒と強化。失われた愛しい想いを籠めた歌が、陣形から見出される破魔の力が、陣営を固めていく。
 暗い海中にぶつかり合うグラビティの輝き。水中を我が物顔で動き回る巨大魚たち。瞬く間に水に馴染み無駄なく的確な立ち回りを展開するケルベロス達。
 目前に展開する光景に、ツカサの冒険心は燃え上がる。
(「この体験を書き記す為にも無事に地上に帰らないとね!」)
 悠久に燃えし冒険心。それは仲間を奮い立たせ、困難を打ち砕く力を与える。
 敵の連携は緊密といえるほどのものではなかったが、潜水艦型ダモクレスの前に出て泳ぎ回るディープディープブルーファングは十分に目障りだった。個々の強さはさしたるものではないとはいえ、数の多さは確かに厄介だ。
 しかしケルベロスは、青鮫には目もくれず、ひたすら潜水艦型ダモクレス一体に狙いを絞った。
 集中攻撃を受けた潜水艦型ダモクレスは気の強そうな眉を怒らせケルベロス達を睨み据えた。
 と、その背に負う装備の一部が切り離され、ダモクレスの足元に軽く沈んだ。かと思えば、高速スクリューで水をかき分けケルベロス達へと突っ込んでくる。――巨大な弾頭を持つ魚雷だ。
 仲間の状態に気を配っていたエトヴァはとっさにその軌道に割り込んだ。着弾と同時、大爆発。
 激しい爆発の内側から、治癒のグラビティを乗せた歌が水を伝って届く。爆撃の余韻が退いたそこには、すぐれた防備で衝撃を耐え抜き、優しい表情で異国の旋律を歌い上げるエトヴァの姿があった。
 歌声の治癒を受けながら、アップルは突っ込んできた青鮫の牙を巧みに避けると、鮫の頭部を足場に大きく跳躍した。
(「深海でもよく見えるように塗りつぶしてあげマス」)
 頭上から激しく飛ばされる塗料。潜水艦型ダモクレスの全身が鮮やかな色に塗りつぶされていく。
(「負けません……!」)
 青鮫の触手に腕を捕らえられた和奏は、絡みつかれたまま青鮫を引っ張り回すと、アームドフォートの主砲を振って重心を操り急旋回した。つんのめる青鮫を放置して、潜水艦型ダモクレスを捉えた銃口が竜砲弾を撃ち込む。
(「頼るつもりでいたけれど……いつも通りで事足りてしまうかな」)
 アンセルムの蹴撃は海中でも冴えわたる。オーラを蹴り込んだ感触が伝えてくるのは、思いのほか早い敵の消耗。このぶんだと、攻性植物の出番はないかもしれない。
 ケルベロス達は強化を重ね、正確かつ強力な攻撃を浴びせ続ける。その手応えは瞬く間に敵の命を削いでいった。
 早くも疲弊と焦燥をあらわにしながら、潜水艦型ダモクレスはミサイルを乱打する。その正確さと威力にはまだまだ曇りはない。
 氷結に蹂躙される前衛に、エクトプラズムで作られた疑似肉体が付与されていく。
(「鬼人さんは、無事に彼女の元に帰します。必ず……!」)
 それが使命と肝に銘じて、親類思いのアメリーは献身的に治癒と強化を重ねた。

●交差する光と闇
 火力と戦術をもって無駄なく攻め立てるケルベロス達の牙は、確実に敵の命に食い込んでいく。
 泳ぎ回る青鮫の猛攻を黙々と耐え凌ぎ、執拗に銃口で潜水艦型ダモクレスに狙いをつけていた和希の瞳に、不意に感情の揺らぎが滲んだ。
 それは、デウスエクスに対する『狂気』。
(「……っ」)
 暴走しそうになる感情を御し、和希は引き金を引いた。
 主砲による姿勢制御をものにしながら、和奏はアームドフォートから浮遊砲台を周囲に展開した。
(「絶対に逃がしません。……行けっ!」)
 流星の嵐。複数方向からの無数の砲撃が、泳ぎ回る青鮫たちの間隙を掻い潜り、潜水艦型ダモクレスへと降り注ぐ。
 機動力を削がれ、打ち付けるグラビティになすすべなくなぶられていく潜水艦型ダモクレスに、もはやあの凶悪な笑みはない。体のかしこに刻まれた傷口からは内部の回路が覗け、電流をショートさせている。震える腕の関節を外してロボットアームを露出させ、傷口を補修しようとたどたどしく伸ばし……、
(「させまセン!」)
 素早い動きで青鮫を攪乱し、足場として跳び回っていたアップルが大きく躍り出た。その瞬間、潜水艦型ダモクレスは闇の髑髏の檻に囚われる。
(「檻の中で、燃え尽きなサイ」)
 生火死華。炎の花弁が竜巻となって、髑髏の檻ごと敵を焼き尽くす。
 ――アアアアアァァァ……。
 潜水艦型ダモクレスの絶叫は、海水越しにも遠く響いてくるようだった。
 炎が去り、現れた黒焦げの躯体は、スクラップの如くボロボロに崩れながら深海の底へと沈んでいった。
 残るは、死神の因子を持たぬディープディープブルーファング四体。
 鬼人は再度、見せびらかすように炎を左手から放出してみせた。
(「漁火ってな。……つっても、この段階で増援はないか」)
 ディープディープブルーファングの総力はすでに他のケルベロスのチームへ分散しているはずだ。深海のあちこちでグラビティの輝きが点滅している情勢で、多少の目立つ動きがあったからといって、現在対峙している戦場を放り出してまで別のチームに駆け付けられるほど、敵の戦力に余裕があるとも思えない。
 逆を言えば、これで増援が来ないということは、他のチームも順調に敵を引き付けていられているということになる。
 確信を得たケルベロス達は、勢いづいて青鮫の掃討に取り掛かる。
(「こっちです!」)
 和奏は前衛を陣取る青鮫を同時にロックオンすると、無数のレーザーを解き放った。誘い込むように瞬く派手な光と音が、次々に巨大な魚影を貫いていく。
 エトヴァは体内の共鳴機構を起動する。
(「Hoeren Sie ruhig zu.」)
 Jamming-MIX。それはあたかも魚たちを誘引する声無き高周波。音波に乗って拡散されたエネルギーは、青鮫たちを放心状態へと導いていく。
 やや上方に陣取り、戦場を俯瞰していたツカサは、音波を逃れ、深海の闇に紛れて動く個体を目ざとく見出した。
(「右から迂回、来るよ!」)
 カラフルな爆発が仲間たちの士気を煽ると共に危機を報せる。暗闇の中、ツカサの強烈なライトに照らし出された青鮫は、いちかばちかとばかりに魚雷を発射してきた。
 魚雷が直撃する寸前、狙われたアンセルムの眼前に、親友の背中が滑り込んだ。
(「和希!」)
 直後、爆発。
 衝撃と爆発の余波が去ったそこには、すでに異形の術式を構築し終えた和希の姿があった。
(「――動くなと言っている」)
 蒼き刃の嵐。無数の魔法の刃は狂気を囁きながら弾雨の如く青鮫たちへと殺到し、呪詛で苛んでいく。
(「さすがだね」)
 ほっと胸を撫でおろし、アンセルムもまた見えない地雷で青鮫どもをまとめて爆破した。

●震撼する海底
 主力である潜水艦型ダモクレスを失っても、ディープディープブルーファングたちに混乱はなく、戦意も衰えない。ケルベロス達は戦力の低下した敵にも決して油断せず、複数色のライトを巧みに使い分けて意思疎通を図りながら、的確に連携して立ち回った。
 アメリーが魔力で生み出すのは、巨大な蟹の幻影。
(「目には目を、水棲生物には水棲生物を、です!」)
 le Cancer。幻影は青鮫どもを巨大な鋏で挟み込む。全身を束縛する感覚が、青鮫どもの動きをさらに鈍らせていく。
(「照らし出せ!」)
 鈍っていく一方の敵の攻勢の隙を縫って、ツカサは深海に黒太陽を具現化した。絶望の黒光に照射された青鮫は、よろよろとままならぬ軌道を泳いだ。
 動きを崩し群れからはみでた一体を、エトヴァの妖精弓が捉える。
(「まずは……一体」)
 妖精の加護を宿した矢は、逃げ惑う青鮫を正確に追尾し、深々と腹部を射抜いた。
 青鮫の巨体は激しくのたうったのち、唐突に力を失い無数の泡となって消えた。
 一体討ち取ってしまえば、あとはもうなし崩しだった。手数、連携、攻撃の質。全てに勝るケルベロスが青鮫どもを圧倒していく。
(「天に昇る青い月、華の赤と交わり、その破邪の光、刀に宿して敵を討つ。――共に舞うぞ、愛しき人よ!」)
 鬼人は舞う、蒼月刀舞。三日月思わす白刃が、華の紅纏い静かに斬り結ぶ。あたかも、闇夜を揺蕩う青い月の如く。
 正確な剣閃が二体目の青鮫を真っ二つに斬り捨て、苦しむ間も与えず海のもくずとなさしめた。
 続けざま、敵前へと躍動したアップルの胸部に露出した発射口が火を噴いた。エネルギー光線は三体目を瞬く間に呑み込み、塵も残さず焼き尽くす。
(「あと一体デス!」)
 即座にアップルがライトを差し向けた先に、最後の青鮫が浮かび上がった。
 青鮫は次々襲い来るグラビティの雨を浴びながら、特攻を仕掛けるかのように真っすぐ突っ込んできた。ズラリと凶悪な牙を並べて開口する鮫のあぎとを、最後に捉えたのはアメリーのアニミズムアンク。
(「これで……最後です!」)
 エクトプラズムを凝縮した巨大霊弾が、青鮫の大口に着弾した。
 爆発が周囲を揺るがし、最後の一体もまた暗い海底に塵と消えた。

 早々に敵部隊を撃退した一行は、他チームの様子を見つつ海底基地に近づいていった。
 ケルベロスの戦況は全体的に優勢。近場に見える戦場は救援を必要とせず、次々に敵を下していく。
 救援要請のないまま海底基地の手前に差し掛かったその時、グラビティのそれとは比べ物にならない重々しい振動が海底を揺るがした。
 海底基地の自爆だ。
 崩壊する基地から濁流と共に二班のケルベロス達が吐き出される姿に、皆胸を撫でおろす。どうやら潜入した全員、無事のようだ。遠目にもわかるその喜びようから、十分な成果を得たのだろうとわかった。
 かくてケルベロスは一人の犠牲もなく潜水艦型ダモクレスとディープディープブルーファングを退け、海底基地の爆破を果たし、重要な情報をも持ち帰ることとなった。
 最大の釣果を手に、全員は次なる戦いの待ち受ける日常へと帰途につくのだった。

作者:そらばる 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年9月11日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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