翡翠色の幸せ

作者:志羽

●翡翠色の幸せ
 それは突然、人々が行き交う往来に墜ちた。
 地に突き刺さった巨大な牙は、鎧兜を纏う竜牙兵へと姿を変える。
「グラビティ・チェインヲ得ルノダ!」
「オマエタチ、ヨコセ!!」
 竜牙兵は手にした武器をふりあげ、周囲にいた人々を無差別に殺戮し始める。
 近くで行われているスイーツフェアへ向かう人々が多くいたこの場所。
 その場に響くのは楽しげな声ではなく、泣き叫ぶ悲痛なるものばかりとなった。

●予知
「人の多い処狙い、だね……」
 竜牙兵が現れるのだと、夜浪・イチ(蘇芳のヘリオライダー・en0047)は集ったケルベロス達へと紡いだ。
「スイーツフェアに向かう楽しみを奪うなんて許せません」
 と、ルリ・エトマーシュ(フランボワーズ・e38012)は頷き、力を貸してほしいのですと集った者達を見る。そして詳しくは、とイチに視線を向けた。
 近く行われるスイーツフェア。それは人々が多く集うので、その周辺で何か起こるかもしれないとうルリの危惧が当たったのだとイチは言う。
「竜牙兵が現れるって周囲に避難勧告をすると、他の場所に出現してしまうから余計に被害が大きくなってしまうんだ」
 周囲の警察などに根回しはしておくので、避難誘導については心配の内容にしておくとの事。
 竜牙兵を撃破することに集中してほしいと、イチは続けた。
「現れる竜牙兵は三体、時間はお昼頃。場所はとある駅前交差点。近くでスイーツフェアをしていて、そちらへと多くの人が向かっているんだ」
 なので、駅前交差点付近で待機し現れたなら迎え撃って欲しいとの事。
「竜牙兵はゾディアックソードを装備してる。戦い始まれば竜牙兵が撤退する事はないし、わざわざ逃げる人たちを追う事もないと思うよ」
 イチはそう言って、他に何か気になることはあるかなと言う。
 するとしゅっとザザ・コドラ(鴇色・en0050)が手を上げて。
「竜牙兵が現れるのはわかったわ。避難も警察とかがお手伝いしてくれるっていうのも」
「うん」
「でも大事な事を言っていないと思うの。その、スイーツフェアは、どんなフェアなのか」
 至極真面目な顔で問うたザザに苦笑して、イチは俺よりもとルリに視線を。するとルリはふわりと笑み向けて。
「それは私がお答えしましょう。よく聞いてくれました――マスカット・スイーツフェア、です」
「マスカット」
「はい、マスカットですよ」
 それは、行かねばなるまいよ――その想いは同じらしく、ルリとザザは頷きあった。
「さくっと竜牙兵をやっつけたら、あとは自由時間よね!」
「ええ、そうなると思います。お手伝い願えますか?」
 ルリの言葉に頷き返すケルベロス達がいる。
 人々を守るために――マスカット・スイーツフェアのために!


参加者
レカ・ビアバルナ(ソムニウム・e00931)
スバル・ヒイラギ(忍冬・e03219)
リュセフィー・オルソン(オラトリオのウィッチドクター・e08996)
アトリ・セトリ(エアリーレイダー・e21602)
朝霞・結(紡ぎ結び続く縁・e25547)
テト・アルカマル(墓掘り・e32515)
ルリ・エトマーシュ(フランボワーズ・e38012)
常春・日和(春彩ドロップス・e46611)

■リプレイ

●牙
 突如落ちた牙はその形を変え始める。
「あ、あそこ! いました! 敵です!!」
 常春・日和(春彩ドロップス・e46611)は声あげて、スイーツフェアを邪魔する無粋な輩は許せないです! と戦う気は十二分。
 叫び、逃げ始める人々をザザ・コドラ(鴇色・en0050)は誘導し、残りのケルベロス達は敵へと向かう。
 誘導はお任せして戦闘に集中とルリ・エトマーシュ(フランボワーズ・e38012)は敵の前へ。その傍らにはウイングキャットのみるくがいる。
「人々の楽しみを奪い、命まで奪おうとする者達……許すわけには参りませんね」
 そしてルリはこの事件を知るきっかけとなった催しについても、もちろん忘れてはいない。
「しっかりと倒して、スイーツフェアも楽しんでしまいましょう」
 そうだね、とテト・アルカマル(墓掘り・e32515)はルリの言葉に頷く。
「スイーツフェアは誰をも笑顔にする素敵な催しなのです。皆さんの笑顔も明るい笑い声も、奪わせやしませんとも……!」
 レカ・ビアバルナ(ソムニウム・e00931)もまた妖精弓を構え、竜牙兵達へと対する。
「本当に、どこにでも現れるね……」
 きっちり倒させてもらうよとアトリ・セトリ(エアリーレイダー・e21602)は人々と、竜牙兵達の間に入る。
 朝霞・結(紡ぎ結び続く縁・e25547)がさっさとやっつけちゃおうと紡ぐと、ボクスドラゴンのハコは一声鳴いて応える。
 スバル・ヒイラギ(忍冬・e03219)はその様を見送って逃げ遅れた人がいないかも周囲に気を配っていた。
 人々はどうやらちゃんと、逃げられている様子。
「楽しいマスカット・スイーツフェアをぶち壊す竜牙兵は、許せませんね!」
 リュセフィー・オルソン(オラトリオのウィッチドクター・e08996)の言葉に傍らのミミックもすでに臨戦態勢だ。
 そして牙より姿を変じ終えた竜牙兵は、人々を守るべく前に現れたケルベロス達を敵と認識してその刃を振り上げた。

●守り抜いたもの
 竜牙兵達はそれぞれ一振りずつ、ゾディアックソードを持っている。
 剣に力を宿し、斬りつける一撃をアトリが受け止める。
 守られたスバルはアトリへと視線向け。
「ありがと!」
 それにアトリは気にしないでと冷静に返す。
 そのまま簒奪者の鎌に虚の力を纏わせ斬りつける。
 ウイングキャットのキヌサヤも清浄なる風を羽ばたき送り、援護を行っていた。
「加護を砕く翼、蒼き焔を纏って、そこに」
 戦うために――結は自らのグラビティを蒼く燃える翼に変え、加護の力を後列の仲間達へ。
 ハコは竜の吐息を敵へと放っていた。
 続けて圧縮したエクトプラズムを、標的合わせてレカも放つ。
 その大きな霊弾は弾けて敵の足を止めた。
「竜牙兵を倒してスイーツフェア! じゃない、……無関係な人達を傷付けるなんて許さないぞ!」
 そう言って距離詰めたスバルはふとこりに潜り込む。
「吼えろ、天の狼!!」
 自らの闘気を狼の形にして放てば、それは敵を斬り裂いた。
 そのスバルの影からくるくると高速で回転しながらルリが突撃する。
 回転する勢いは敵の守りを貫くほどの衝撃を持っていた。
 そしてルリの動きに合わせ、みるくも攻撃を。
 一体に攻撃集中する間にこちらに向かってくる残りの竜牙兵達。その足元にふわりと溜まるものがある。
 それは石化毒のガス――テトの用いたそれは、盗掘者たちの間で囁かれる原因不明の病、死者の呪いといわれるものの本質だ。
 敵の動き鈍った所に、今は回復の必要はなさそうだと判じてリュセフィーも攻撃を。
 ミミックが武器を作り出し攻撃するのと合わせて、ライトニングロッドから雷撃がほとばしり打ち抜く。
「マスカット尽くしのスイーツフェア……どんなスイーツがあるのか、想像するだけでわくわくがとまりません!」
 それに行くためにも、今は目の前の敵に対するのがやるべきこと。
 日和は自分の元に混沌の波を生み出して、敵へと向けて放った。
 混沌の波による氷結はまとわりつき、動きを阻害する。
 敵二体を抑えつつ、一体に攻撃を集中。
 集中して確実に狙っていけば、危なげなく倒せる相手なのは間違いない。
 そしてケルベロス達の戦術は問題なく、この竜牙兵達を抑え込みその力を削っていた。
 動きを落として、そして一気に攻撃を畳みかける。
 一体目が倒れるのは思っていたよりも早く、それはレカの手によってだった。
 だが敵もやられているばかりではなく、複数をまとめてと考えたのだろう。星座のオーラを前列へと放ってくる。
 その攻撃がもたらす氷結は全員を襲ったわけではなかったがそれをすぐさま、リュセフィーが払うべく動いた。
 オーロラのような光で仲間達を包み、それを取り払う。
 が、全員そうできたわけでなく、結はそれを補うように気力を溜めてルリへと向けた。
 アトリはその間にガトリングガンを構え、牽制するように弾丸の雨を向けていた。
 その様子にテトは攻撃をかける。
 距離はあっても関係はなく。テトはガジェットの力をもって竜牙兵を燃え上がらせる。
 敵にしてみればそれは突然のことだ。それは簡単に消せるものではなくほとばしり続ける。
 黒い環を繋ぎ合わせた黒の鎖がしゃらりと音たてる。
「そこだ!」
 破壊力に変えられたグラビティ・チェインを昏星に乗せて、スバルは正面から叩きつけた。
 もう一体へと続く攻撃。それを邪魔しようとしたのか、別の一体が動く。
 しかし、それを押しとどめるように敵に爆発が起こった。
 それは日和が極限まで精神を集中させた結果だ。
 攻撃を受けよろめいた敵の気を引くには、それはどうやら十分だった様子。
「外しません。どうか、お覚悟を」
 レカは花毒を塗り付けた鏃を番え、敵へと向ける。狙うのはその、武器持つ手だ。
 狙い澄まして放たれたそれは武器握る力を弱める。
 攻撃を重ねて叩き込まれている竜牙兵。
 その攻撃を受け仲間を護りつつ、ルリは一歩踏み込んだ。
 やればできる――そう信じる心は魔法となり重い一撃が竜牙兵へと叩き込まれる。
 その衝撃に、骨の身は砕けて消え去っていく。
 リュセフィーは走り込み、その脚に流星の煌めきと重力をのせ飛び蹴った。
 続けてミミックも攻撃を仕掛けていた。
 そして薄闇色の空に浮かぶ朧月。淡く輝く光が照らす花びらは風で舞い上がり、今日和の元にある。
「花を纏ったその姿、綺麗ですよ?」
 紡いで向ける春色の旋風は、敵とみなしたものすべてを切り刻んで走る。
 残った最後の一体へ向け、レカは竜槌を向けた。
 振り下ろした一撃は進化可能性を奪い凍結させていく。
 レカの攻撃に続くようにルリは再び高速の回転をもって突撃する。
 結も敵に喰らいつくオーラの弾丸でもって援護をかけ、ハコもタックルを仕掛ける。
 北の霊獣の名前を宿したブラックスライム。スバルの元で捕食モードになったそれが敵へと食らいつく。
 そして、もう最後は見えているとテトが構えたバスターライフルからは、熱を奪う凍結光線が放たれていた。
「裂けろ幻影、塵も残さず朽ちて逝け!」
 そして最後の一体へと向けて、アトリが走りこんだ。
 すでに抑える必要も無く、あとは倒すのみ。
 脚元に忍ぶ赤黒い影。それは踊るような動きで竜牙兵を翻弄し、その間に空気る蹴りを幾度となく。そして大鎌の如き三層の刃として顕現した影があらゆる方向から引き裂いた。
 竜牙兵はアトリからの一撃にその身を崩し、消え去っていく。
 突如現れ、人々を襲うはずだったもの達はケルベロス達によってきっちりと倒されたのだった。

●美味しい時間
 大きな問題も無く、いつもの姿を取り戻した町並み。周囲のヒールもすぐに終わる程度のもので、損害はほとんど無いに等しかった。
 再び賑わいのある場所に戻ったそこから、人々が向かう先は色々あれども一番多く足が向く場所はひとつ。
 お待ちかねの――スイーツフェアが行われている所だ。
「パフェ系は結構好きなんです」
 リュセフィーの前にはマスカットパフェ。
 綺麗な翡翠色の大粒がのっていてとても美味しそうだ。
「マスカットパフェ、おいしいですね」
 一口食べて思わずといったように零れる感想。
 日和が最初に口にしたのはゼリー。
 涼やかでさっぱりしつつやっぱり心惹かれるのはパフェだ。
「うわぁぁ……どれも美味しそうですね。うぅ、全部食べたいけど……」
 全部食べたいけれど、お腹にも限界もある。そう思った日和は。
「あ! ザザさん!! 協力していただけませんか!? 一緒に全種制覇しませんか??」
 同じ悩みをもっているのを感じとり、ザザへ声かける。
「いいの? するする!」
 そう言って、気になるものをちょっとずつ分けっこ。
「日和さんはどれが一番好き?」
「私はやっぱり、このパフェが一番ですね~」
 じゃあそれを一口! という声に火よりはどうぞと一掬いを差し出した。
「ふふ♪ ケーキにタルト、パフェにゼリー……ジェラートなんかの冷菓もあるといいね!」
 楽しみにしながら結はベラドンナと一緒に。
「ロールケーキにタルトにゼリー。翡翠色、って言うけど本当に涼し気な緑だよねー」
 ベラドンナもどれにしようかなと迷いつつ。
 まず結が頼んだのは品種違いのパフェだ。
 そして一口ずつのお裾分け。
「ベルさん、あーん♪」
「ん、じゃあこっちもおすそ分け。あーん?」
 ベラドンナからはマスカットのショートケーキ。
 水玉模様みたいで可愛いとはしゃぎ合う。
 ハコはマスカットに夢中で次々口にしている。
 ベラドンナのボクスドラゴン、吉良ニラックスは食べた事のない翡翠色の果物におっかなびっくりで。ふすふすと匂いを嗅いでからおずおず食べる。
 そんな対照的な姿見つつ、美味しいねと笑いながら、二人はジェラートも口にする。
 冷たいもののあとはあたたかい物もちょっとほしいところ。そこで選んだのはといえば。
「アイスマスカットティーも飲みたいな! 爽やかで美味しいんだよ」
 色々楽しんで、堪能したら求肥で包んだ物やチョコ包みを結は買う。それは旅団の皆へのお土産だ。
「ふふ、夜のお供だね?」
「ふふふー。そう、背徳のスイーツ!」
「夜の甘味は背徳の味なんだよね……は、背徳のチョコ」
 そんな話をするのも、また楽しい仲良しの二人。
 アトリは同じ運び屋で働く玲衣亜と一緒に。
 アトリはマスカットのジュースとゼリーを前に。玲衣亜はSNS映えしそうなタルトを選んでいた。
 綺麗に並んだマスカットタルト。それをアイスコーヒー飲みながらぱしゃりと写真を。
「にしても良く撮るよね。そんなに流行ってるんだ?」
「まーJKならとりまSNSのっけるカンジかな?」
 こんな感じとアプリで加工した写真を玲衣亜は見せる。
「へぇ……凄いね」
 見せてもらった写真に素直に関心を示すアトリ。これが今どきの女子高生の流行りかというところでなるほど、と思うのだ。
「アトリサンってなんかマスカットってカンジするよね、クールな辺り似てね?」
 と、意味不明なことを言う玲衣亜。しかしアトリは気にした様子もなく。そんな様子のゼリー食べるアトリも玲衣亜はぱしゃりと一枚。
「あー美味しかった。今日はごちそーさま!」
 だが悲しいかな。今回はそうではないのだ。
「奢るのはまたの機会にね」
「え、奢りじゃないの?!」
 と、慌てた様子を見せつつすぐに冗談でーすと玲衣亜は笑う。
 そしてもう一枚写真を撮ろうと一緒に。
 それはちょっと仲良くなれたような一枚だった。
「うっわ、すごい! 美味しそう!」
 スバルはヒナキと一緒にスイーツフェアへ。
「緑がキレイ! ゼリーとか!」
 どれから食べるか迷うねーと、とりあえず端からスバルは選んでいく。
「こんなにスイーツが食べれるなんて幸せです」
 そう言ってヒナキも並ぶスイーツに視線を。
「マスカットを使ったスイーツと聞いていますが、多種に渡るスイーツ達に目を奪われますね」
 さながら宝石みたいです、と零しながらスバルの様子に相変わらずだと微笑みを。
「お皿にいっぱい、乗せてしまいましょう」
 二人で色々選んで、そして一緒に。
「いただきます!」
 まず最初の一口。
「うっまっ、そのままでもすんげー甘いっ」
 来てよかったー! とスバルはマスカットを口へ。
 そして改めて、周囲を見れば楽しそうにしている人々の姿。
「……これを楽しみにしてた人達、守れて良かった」
 そしてヒナキを見れば、幸せそうな表情。
 お腹いっぱいに幸せをつめこんで、この時間をめいっぱい楽しみましょうとヒナキは笑む。
 浮かべた笑顔にスバルも一層、幸せ感じていた。
 先ずはショートケーキから、とレカは一口。
「中にも惜しみなく入っているではありませんか……!」
 ショートケーキの上だけでなく中にもたっぷり。口いっぱいにじゅわりと広がる味は幸せにしてくれる。
 テトも色々あって悩みつつ最初に手を伸ばしたのは同じショートケーキ。
「ふわっとしたスポンジとクリーム、シンプルにして王道って感じで良いですね」
 ええ、とルリは微笑み、もう一つ気になっていたタルトを一口。
 カスタードとマスカットの丁度良い塩梅にルリは幸せの笑み零す。
「ご覧くださいっ」
 こちらのパフェには……! とレカは示す。
 そこには種無しの、レカが好きな品種のマスカットが。
「私、この品種に目がないものでして……お二人も如何でしょうか?」
 その言葉にルリは他にも色々ありますからとちょっとずつお皿に乗せていく。
「よければ交換こいたしましょう♪」
「交換こ、素敵な案ですね!」
 もちろん大賛成とレカは笑み、これもお裾分けとルリとテトへ。
「マスカット大福とゼリーです」
 どれも美味しそうで目移りしちゃうなとテトは笑いつつその視線が向かうのは。
「実は俺、サイドメニューもちょっと気になってて……」
 と、漂う香りに気付いてテトはそちらに視線を。
 それに気づいたルリはあたたかいマスカットティーですよと告げる。
 そのフルーティーな香りにルリは瞳細め、一口。
「ふふふ。とっても美味しいですよ」
「マスカットティーもいい香りがする……俺も後で飲んでみようかな」
「美味しそうな紅茶だわ……私も戴こうかしら」
 そんな香りに誘惑に、二人の次の飲み物はどうやら決まった様子。
 翡翠色の粒はどれも大きく。ふと、テーブルの上のスイーツからルリは視線を上げる。
 それに気づいたテトとレカと視線が合うと。
「今度マスカットタルトを作ってみますから、その時には是非おふたりに食べていただきたいです」
 その言葉にテトはうんと頷いた。
「俺はまだルリちゃんのタルトって食べたことがないんですよね」
「ルリさんの作られたタルトも是非戴きたいです!」
 その際は、とレカはテトへ視線向ける。
「一緒にお店に伺いましょうね」
「一緒にお邪魔しましょう」
 そう、テトとレカの声は重なって、楽しみにしていてくださいねとルリはその日を思い描く。
 こうしてスイーツフェアを楽しむのも良いけれど、それとはまた違う楽しみが出来た事を嬉しく思いながら。

作者:志羽 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年9月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 1
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