陽よ落ちて

作者:幾夜緋琉

●陽よ落ちて
 新潟県柏崎市、大崎温泉。
 内風呂から眺めることが出来る日本海には、美しい夕陽が沈むのを眺めることが出来る温泉施設がある。
 ……ただ、そんなに大きな温泉施設ではなく、男風呂も女風呂も、30人程が入れば、ほぼ一杯になってしまう位。
 そこは、周りに住む人達にとっての憩いの場的な所。
 丁度夕陽が出る頃に、女湯に入浴していたのは……12人の老若の女性達。
『ふふ。あー、良い気持ちね~』
 と、一人の女性が嬉しそうに微笑むと、周りの女性達もくすりと笑いながら、肩まで浸かる。
 ……そんな内湯に入浴している女性達を、外から覗く不届き者……オーク達。
『グフフ……』
 と、笑みを浮かべた彼らは、日本海を眺める窓を、その触手で割り開く。
『キ、キャアアア!!』
 そして、悲鳴を上げる一般女性達に対し、窓から次々と多数のオーク達が濫入し、入浴していた女性達を次々と凌辱していくのであった。

「ケルベロスの皆さん、集まってくれたッスね! それじゃ、説明するッス!」
 と、黒瀬・ダンテは、集まったケルベロス達に軽く挨拶すると共に、早速。
「オーク達が、女性達を凌辱するのが予知されたんッス! 彼らは魔空回廊から多くの女性達が居る場所に現れて、女性を略奪しようとしている様なのです」
「オーク達は、夕陽の沈む新潟県の温泉施設に現れるッス。そして、入浴している一般人の方々を次々と触手で捉え、欲望のままに凌辱しようとしているッス。この事態を放置しておく訳には行かないッスよね! そこでケルベロスの皆さんに、オーク共の退治をお願いしたいッス!」
「ただ、オーク達が襲おうとしている女性達を先に避難させてしまうと、別の場所に現れてしまうッス。そうなると被害が防げなくなってしまうッス。だから、女性の避難はオークが出現してから行わなければならないッスよ」
「逆に周りの女性達が居る状況だと、オークは凌辱しやすそうな方を優先的に狙う様ッスから、現れ次第、至急オークを避難させて欲しいッス!」
 そして、更にダンテが。
「オークの数は20体。そして回りにいる一般人の女性が12名……皆さんも合せると、40名程の人が、一つの温泉に居る事になるッス。元々は30名程度を想定した温泉施設ッスから、許容人数は明らかにオーバーしているッス。つまり人口密度からすれば、明らかに許容オーバーッスから、取りあえず戦闘開始次第、一般人をその場から逃す事が重要になると思うッス」
「ちなみにオーク達には、それぞれ序列の様な物はなく、それぞれ思いのままに触手を伸ばして凌辱してくるッス。服を破いたり、揉んできたり……と。特に20才位の若い女性のケルベロスの皆さんが居ると、そっちに優先的に凌辱の手をのばしてくる可能性が高いッスから、可能性があるケルベロスの皆さんは、注意して欲しいッスよ」
 そして、最後にダンテが。
「ケルベロスの皆さん。凌辱される可能性もあるッスので申し訳無いと思うッスけど……でも、一般人達に凌辱の手を広げさせる訳には行かないッスよ。どうか宜しく頼むっす!!」
 と、拳を高く振り上げるのであった。


参加者
イヴ・ハウゼンヌ(アウトローシェリフ・e02040)
ムツ・カミオ(お年寄りを大切にしよう・e03758)
ルピナス・ミラ(黒星と闇花・e07184)
シフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)
ユグゴト・ツァン(パンの大神・e23397)
萃川・パルディナ(スイカップアーティスト・e32557)
佐藤・一美(怪盗シュガー・e44171)

■リプレイ

●落陽
 新潟県は柏崎市にある、大崎温泉。
 その内風呂から眺める日本海は美しい夕陽が沈む光景を眺めることが出来るという、美しい風景の温泉。
 ただ余り大きくはなく、30人位の人数で一杯になってしまうというその温泉に……多くのオーク達が現れるという話し。
「……大運動会が終わった後にオーク退治か」
 とイヴ・ハウゼンヌ(アウトローシェリフ・e02040)が肩を竦めると、それに頷く萃川・パルディナ(スイカップアーティスト・e32557)と佐藤・一美(怪盗シュガー・e44171)。
「夏の終わりに温泉オークかぁ……連載漫画の為に取材はしたいけど、オークを倒さないとね」
「そうですねぇ。夏の終わりに温泉を楽しむ女性達を襲うオークには、ご退場願いますぅ。それに、パルディナ先生の原稿の為にも、頑張って貰わないといけないんですぅ。イヴちゃんも協力ありがとうですよぅ」
「ん、別に。本当は温泉に行けると聞いて楽しみにしてきたんだけどな。何はともあれ一般人の平和を守るのがケルベロスの役目。まぁその前に一仕事終わらせないとな。ちゃっちゃと終わらせて皆で温泉を楽しみたいぞ」
 ニッ、と笑みを浮かべるイヴ。
 ……そんなイヴにパルディナが。
「……正直漫画のネタ……うまいこと出ないんだよな。特にお色気とか……こうなれば、自ら経験して見るしかないのか? 善は急げだ。心配だけど、実際に経験してみないと。漫画の為に」
 覚悟を決めるパルディナ、彼女は漫画のアイディアの為に……そして、一美はパルディナの原稿の為に。
 ……まあ、それぞれの目的はあるものの、一番の目的はオークを倒す事、オークが一般女性達を凌辱しないよう、守る事、の二つ。
 ……ただ、そんなオークの動きにルピナス・ミラ(黒星と闇花・e07184)は。
「またオークが……どうして、オークはこうも女性達の集まる場所を嗅ぎ付けてくるのでしょうかね」
 と瞑目すると、リモーネ・アプリコット(銀閃・e14900)も。
「オーク独特の、女性を嗅ぎ付ける第六感の様な物でもあるのでしょうか……それならそれで最悪な事この上無いですが……」
 溜息を吐くリモーネ……とは言え、オークの欲望に一般人が遭う位なら、自分自身がかならずや守る、という強い意志を胸に抱く。
 そんな二人にシフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)とユグゴト・ツァン(パンの大神・e23397)、ムツ・カミオ(お年寄りを大切にしよう・e03758)らも。
「オークを使って私が気持ちよくなるのは兎も角、そんな気の無い人達が襲われるのは良くありませんね」
「嗚呼。豚どもの脳髄は美味だと聞いた。此度のお仕置きは殺意をこめて、己の巣でを晒して魅せよう。何、快楽接種だと。私の愛は彼と仔に捧げたのだ」
「まぁ、何でも良いわ。オークが私の身体を見るのならば、思う存分見せつけてやるとしよう」
 そんな三人の言葉に頷き、そしてルピナスが。
「どんな相手であれ、本気で挑むのみです。では……行きましょう」
 と、ケルベロス達はその温泉施設へと向かうのであった。

●心待ちし
 そして、ケルベロス達は温泉施設に、潜入。
 幸か不幸か……今回の以来参加者は、皆女性。
 幸い女風呂に全員が待機出来る状態……その為ケルベロス達は全員、オークが現れるまで、温泉に入浴。
 ……ただ、今回の女性達は、多くが豊満な胸の女性達が多く……同時に入浴している一般人達からは、チラチラと視線が落ちる。
 その視線を感じつつも、ムツ やシフカは思う存分その身を投げ出し入浴。
 そろそろ時間は夕陽の沈む頃で、窓から見える風景は、夕焼けに染まる日本海。
「……綺麗。日本海に沈む夕陽を眺めながら、温泉に浸かるのは至福ですね……」
 とリモーネが目を細めながら呟くと、それに頷くルピナス。
「ええ……温泉も、そんなに暑くなくちょうど良い温度ですし……これなら長時間でも入っていられそうですね……」
 と、微笑み合う二人の一方、警戒を忘れずに回りを見渡しつつ、時を待つ他のケルベロス達。
 ……至福の一時、温泉の暖かさに心をほっこりさせながら、数十分。
『……グフ』
 短く聞こえた、オークの呻き声。
 その呻き声はほんの僅かで聞こえない……回りの一般市民の方達の話し声などに、掻き消されてしまう。
 ……そして、暫しオークは周囲の状況を伺いつつ……その裸体を眺め、品定め。
 ただ、オークは一匹だけでなく、20匹という大量な数。
 多数が狭い場所にずっと居られる訳で無く……後ろから現れるオークに押し出される形で、一匹、また一匹……と、女湯に転がっていくオーク達。
 そんなオーク達の出現に、気付いた女性が。
『キャアアアア!!』
 甲高い悲鳴を上げて、オークの近くから逃げようとする。
 ただ、オークも狙っていた女性凌辱を諦めるはずもなく……触手を伸ばして、手足に巻き付け拘束しようとしてくる。
 ……そんなオークに襲われた女性の悲鳴に、次々と湯の中から身をあげるケルベロス。
 そしてオークが次々と伸ばす触手を、我が身を呈してディフェンスしていく。
 勿論、その触手は胸や腕、そして太股などに巻き付いていく……。
「っ……殺せ!」
 と、叫ぶムツに対し、シフカは涼しい顔で。
「凌辱? 大した問題ではありませんね。誰に抱かれようが、どう侵されようが、快楽は快楽でしょう?」
 と、進んで我が身を差し出していく。
 ……と、豊満な女性達が身を刺しだして、オークの注意を惹きつける中、ルピナスや一美は、回りで立ち尽くしている一般人達に。
「皆さん、こちらです。急いで脱衣所の方へ逃げて下さい!」
「あのオーク達は、私達が倒しますぅ。だから、安心して逃げて下さいねぇ」
 と安心させる様に声を掛けて、その場から避難させる。
 ……ただ、オークも諦めきれずに、間を割り込み触手を飛ばしてくるのだが……飛んできた触手を。
「我等は番犬。貴様等豚どもを止めに現れた。さあ、皆、此方に逃げるが良い。エイクリィの指示に従うのだ」
 とミミックに指示を与え、其の場から避難誘導する。
 最初はパニックに囚われていた一般人だが、手分けして誘導する事……そして、オークのターゲットにほぼぴったりの女性達がケルベロスに居た事もあり、オークの注意はかなりそちらへと向かう。
 ……そして、一般人がほぼ全員避難したところで、仲間達が合流すると。
「……さて、要らなくなったモノはとっとと捨てませんとね」
 と言い放ちながら、オークの触手を一刀両断。
 不意の反撃に悲鳴を上げるオーク一匹……そして回りのオーク達が、驚いた様な悲鳴を上げる。
 ……そんなオークに、怒り半分、蔑み半分の視線を向けるリモーネが。
「散々弄んでくれた御礼、たっぷりとくれてやります!」
 と、『雷鳴三段突き』の一撃を、身体の真ん中に叩き込むリモーネ。
 胸を押さえ、苦悶するオークだが、更にルピナスも。
「闇の精霊よ、鋭き剣となりて、敵の全てを封じよ」
 と『裁きの闇剣』で、頭から一刀両断に叩き斬り……一匹、崩れ墜ちる。
 とは言え、まだまだ19体ものオークが居る訳で……結構その場が一杯一杯。
「全く……本当数が多いね」
 と、一美が溜息をつきつつ、パルディナ、そしてイヴに合図。
 その合図と共に三人はオークへ接近し、連携。
「ペンは何よりも固し!締め切り間近の編集者の気持ちを受けてみなさい!」
 と、一美が『猛虎イヅナ落とし』に、パルディナのばらまきスプラッシュ、イヴの轟竜砲。
 そしてイヴのボクスドラゴンのびぃくん、パルディナのテレビウム、一美のライドキャリバーらも立て続けに攻撃し……オークの凌辱の前に仕留める。
 ……そして、ユグゴトが。
「摘出だ。解体だ。殺戮だ。餓えた豚どもに餌など無い。ああ、私が欲しいのか。三十代手前の私が。兎に角、生肉でも構わない。貴様の血を寄越せ」
 と言いながらの『Eraboonehotep』。
 ……そして、一方のオークの攻撃。
『ん……ふ……』
 敢えてその豊満な身体、覆い隠す事なくムツとシフカがオークの前で跳ね回る。
 震える胸を触手で絞り上げ、裸身に沿わす……言いようのないゾクゾク感に吐息が思わず漏れてしまう。
 で、その吐息はオークたちを更に増長。
 とオークが惹きつけられている間にも、残るケルベロス達で以て一匹、また一匹……仕留め続ける。
 十数分が経過……凌辱を余裕で楽しみながらも、惨殺し続けるケルベロス。
 残る一匹となったオークを、全員で包囲。
『……グゥォ……!?』
 流石にその状況に驚愕した様で……でも、そんなオークに対し。
「脳摘出の時間だ」
 とユグゴトの言葉、そして……ユグゴトの血襖斬りに続く、リモーネの雷刃突、そして。
「内部から破壊してあげますよ」
 と、ルピナスの螺旋掌がオークの身に叩きつけられ……最後のオークも、その触手を地面に叩きつけながら、崩れ墜ちるのであった。

●不遜な影に欲望滴る
 そして……どうにか無事にオークを倒したケルベロス達。
 ……オークの触手から出て来た気持ち悪い粘液を身に浴びたシフカにムツ。
「これだから……社撰な野郎は気遣いがなっていないな!」
 と言うシフカに対し、ムツは。
「そうね……ふふ。まぁ、ある程度は楽しめたけれどね」
 と、妖艶な笑みを浮かべる。
 ……ともあれ、そんなオークの凌辱を受けた身には、どことなく昂ぶりが……。
「……さて、それではこの高ぶりを沈めましょうかね……」
 妖艶な声音を口にし続けるシフカ……視線はパルディナに向かう。
 が、パルディナの前にイヅナが立ち塞がり。
「さぁ、パルディナさん、十分ネタは拾えたでしょうから、これから缶詰ですよぉ! 逃がしませんからねぇ!」
 と左手をガシッ、と掴む。そしてもう片方をイヴが以て。
「そうだな。さぁ、行こうぜ!」
 と、缶詰部屋へと連行されていくパルディナ。
 ……そんな三人を見送りつつ、ルピナスが。
「さて、と……では、ヒールグラビティで壊れた箇所を修復しつつ、オ温泉に浸かるとしましょうか」
 と提案すると、リモーネも。
「そうですね……折角の温泉ですし、もう暫く楽しんで行きましょう」
 と頷き、残るケルベロス達は、温泉修復の後、日本海を眺めながらのもう一風呂を楽しむのであった。

作者:幾夜緋琉 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年9月2日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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