ダストデビル

作者:犬塚ひなこ

●蘇るもの
 それは何処にでもある閑静な住宅街。
 連なる家々にブロック塀、並ぶ街灯。此処はとても平和な街だった。ただひとつ、過去にこの場所でデウスエクスの事件があった、ということ以外は――。

 真夜中、嘗て罪人エインヘリアルが撃破された場所の近く。
 何処からか現れた怪魚たちが、ゆらゆらと揺らめくように宙を泳いでいた。青白く光った魚達の軌跡が次第に魔法陣のように浮かびあがり、その中心に黒い人影のようなものが現れる。それは死神怪魚達によって召喚された罪人の魂だった。
「う、あ……ああ……」
 エインヘリアル特有の巨躯であるが、何処か少年めいた風貌の彼は呻き声をあげる。その顔や声からは知性は感じられず、ただ戦いへの強い意思めいたものが見えるだけ。
 そうして、立ち上がった彼は周囲を見渡した。
 死神怪魚を従えた彼は口許を歪めながら手にした禍々しい剣を強く握る。その刃は月明かりを反射して、鈍く光っていた。

●塵旋風
 やがて、暴れはじめた敵は暴虐の限りを尽くす。
 死神の活動によって過去に撃破された罪人エインヘリアルが復活したという予知情報を話し、雨森・リルリカ(花雫のヘリオライダー・en0030)は仲間達を見つめる。
「エインヘリアルは以前に皆さまに倒して頂いた敵ですが、今は前のような知性はないみたいでただ目の前の者を殺めることしか考えていないようです」
 敵は自らを復活させた下級死神怪魚を連れ、深夜の街を徘徊する。
 真夜中ゆえに一般人と遭遇する確率は低いのだが、それも時間の問題だ。今からすぐに向かえばエインヘリアルが復活した直後に現場に駆け付けられると告げ、リルリカはケルベロス達に再度の撃破を願った。
「一応ではございますが、周辺の被害も考えて近くの家の方々には既に避難をして頂いております。ですが、広範囲の避難を行ってしまうと敵さんがサルベージされる予知も崩れてしまうので、最低限の範囲しか避難誘導をしておりませんです」
 つまり戦闘区域内の避難は完璧だが、それ以外は普段のままということだ。
 よってケルベロス達が避難誘導などを行う必要はないが、万が一に此方が敗北した場合は、かなりの被害が予測される。そのため敗北は許されないと話し、リルリカは真剣な眼差しを向けた。

「それから、敵さんは少し特殊なのです。どうやら劣勢になると、下級死神がエインヘリアルを撤退させようとするみたいなのでございます」
 相手が撤退を行うターンは下級死神も罪人エインヘリアルも行動ができず、ケルベロスが一方的に攻撃することが出来る。そのため、もし撤退されることになっても全力で攻撃をすれば倒しきれる確率は高い。
 また、下級の死神は知能が低いので自分達が劣勢かどうかの判断がうまくできないらしい。ケルベロスが状況に応じた演技をすれば、優勢なのに劣勢だと判断したり、逆に劣勢なのに劣勢では無いと断してしまう可能性がある。
 これをうまく使えばより優位に戦闘を行なうことや、ケルベロス側が劣勢に陥った場合でも敵を撤退させて市民の被害を防ぐことが出来る。
「どんなふうに戦うかは皆さまにお任せします。演技をしてくださってもいいですし、もちろん正攻法で戦ってくださっても大丈夫です!」
 今回、大切なのは周辺の被害を防ぐことと、サルベージを行う下級死神を倒すこと。
 変異強化されているエインヘリアルは強敵だが、どうか頑張って欲しいと願ったリルリカはぐっと掌を握り締めた。
「それにしても、死神がエインヘリアルを狙ってサルベージしてるなんて不思議です……。霧島・絶奈(暗き獣・e04612)さまが危惧していたみたいに、エインヘリアルと死神との間になんらかの密約がある可能性もあるかもしれませんです」
 リルリカはほんの少しだけ不安そうな顔を見せたが、すぐに気を引き締める。そうして少女はケルベロス達を真っ直ぐに瞳に映して、信頼を込めた眼差しを向けた。


参加者
チーディ・ロックビル(天上天下唯我独走・e01385)
エリヤ・シャルトリュー(影は微睡む・e01913)
鮫洲・蓮華(ぽかちゃん先生の助手・e09420)
ルイ・カナル(蒼黒の護り手・e14890)
レオン・ヴァーミリオン(火の無い灰・e19411)
櫟・千梨(踊る狛鼠・e23597)
ウリル・ウルヴェーラ(ドラゴニアンのブラックウィザード・e61399)

■リプレイ

●闇への誘い
 夜の狭間に魚が泳ぐ。
 死者を導くようにゆらゆらと揺らめきながら夜の道を進む怪魚、その傍には蘇ったエインヘリアルの姿があった。
「どこまで、連れていくつもりなんだろうね」
 エリヤ・シャルトリュー(影は微睡む・e01913)は死神と標的を見つめて小さく呟く。ルイ・カナル(蒼黒の護り手・e14890)は頷き、敵の動きについて考える。
「どうも、何かの意思が働いているようできな臭いですね」
 とはいえ、今は目の前の敵を倒すことが先決。
 ウリル・ウルヴェーラ(ドラゴニアンのブラックウィザード・e61399)は眉根を寄せ、生気のない少年めいた姿をした旋風のウィリーを見遣った。
「サルベージか……わりと悪趣味だな」
「夏の夜に怪談は付きもの……にしても、些か見たくはない光景だなあ」
 櫟・千梨(踊る狛鼠・e23597)は敵が此方に気付いたらしいと悟る。レオン・ヴァーミリオン(火の無い灰・e19411)は好都合だと感じ、仲間達に呼び掛けた。
「じゃあやろうか。亡霊狩りだ」
 レオンの声に、うん、と頷いた鮫洲・蓮華(ぽかちゃん先生の助手・e09420)は身構え、相手を逃がさぬよう先手を取った。
「なんだろう、前は一緒に暴れたりするだけだったのにね? でも、やる事は一緒!」
 頑張ろうね、とウイングキャットのぽかちゃん先生に呼び掛けた蓮華は地面を蹴りあげた。一瞬後、エインヘリアルに向けられた超鋼の拳が唸る。
 だが、飛び出してきた怪魚がその一撃を肩代わりした。
 やはり攻撃を通させてはくれないかと首を振り、セリア・ディヴィニティ(蒼誓・e24288)は冥府の冷気を放つ。
「元は逆賊、そして今は傀儡……無様なものね」
 旋風のウィリーを一瞥したセリアに続き、チーディ・ロックビル(天上天下唯我独走・e01385)が両脚の地獄を燃えあがらせた。
「まさかチーディ・ロックビル様の百八の特技が一つ、あの作戦を応用出来る日がこようとはな……。とりあえずはこうだ!」
 今回の作戦はただ敵を倒すだけというものではない。牙を見せながら不敵に笑ったチーディの一閃は虚焔となり、怪魚達をひといきに穿った。
 そして、死神達との戦いは巡ってゆく。

●哀れな傀儡
 蘇ったエインヘリアル。そして、それを連れ行こうとしている死神。
 エリヤは此方を迎撃する構えを取った敵から目を離さず、防護の盾を展開する。
「分からない事ばっかりだけれど……わるい考えは防がなくてはね」
 狙いは不明だと言っても、この敵を野放しするとよくないことが起こるという事実だけは理解できた。作戦通り、敵を撤退はさせないと決めたエリヤに続き、ルイが爆破スイッチのボタンを押す。
「劣勢かどうかの判断も出来ぬ輩が撤退支援とは……」
 誰も聞こえぬ声で呟いたルイは妖しく揺らめく怪魚に意識を向けた。鮮やかな爆発を巻き起こし、仲間達を鼓舞する中でルイは軽く肩を竦める。
 蓮華はぽかちゃん先生に皆を守るよう願い、ウリルとセリアも攻勢に入った。
 死神。それは死の眠りを妨げるもの。
「何度見てもいい気分はしないよ、あの有様はね」
 レオンは死者であるエインヘリアルを眺め、ふと思う。自分の遺言書には、遺体は蘇れないくらい粉々にしてくれとでも書いておこうかと考えたが、死神はどんな場所からでも死者を再生させる。それも無意味か、と思い直したレオンは絶望の黒光を解放する。
 怪魚達が貫かれていく最中、千梨はウィリーへと霊弾を放った。
 しかし、死神の一体がそれを庇う。
「……思うように攻撃が通らない」
 眉を顰め、肩を跳ね上げて語る千梨の動きは無論演技だ。エインヘリアルを狙っても怪魚が守りに来るのは想定済み。されど、敵を欺くには不利なふりも必要だ。
 そのとき、エインヘリアルが暴風を巻き起こした。
 まともに一撃を喰らったチーディが大袈裟に吹っ飛ぶ。もとい本当に吹き飛ばされた。
「滅茶苦茶痛ぇ! ンダテメェ、コラアァン!?」
 あまりの衝撃に本音を零しつつも起き上がったチーディは地面を殴りつけ、裂帛の気合を重力震動波へと変える。
 すかさずエリヤが癒しの力を紡ぎ、仲間を援護していく。
 蓮華は自らも仲間を守護する覚悟を抱き、襲い掛かって来る怪魚からの噛み付きを果敢に受け止めた。
「痛い……けど、まだまだ……!」
 大いに苦戦しているふりをしながら痛みに耐え、蓮華は黒太陽の力を放ち返す。セリアは怪魚達の力が削れていると察し、更なる連撃を与えに駆けた。
「黄泉返ってまで得た生がまた捨て駒だなんて」
 引導を渡すのがせめてもの情けだろうかと考え、セリアは戦槍を一気に振るう。
 穿たれた死神達はエインヘリアルを庇っていることもあって下手をすれば早々に撤退を決め込みそうだった。ウリルは首を横に振り、縛霊手を掲げる。掌から放った光弾は怪魚ではなくエインヘリアルに向けられている。
「ここで逃す訳にはいかないのでね」
 ――絶対に、護る。
 心の中で呟いたウリルの一撃は見事に旋風のウィリーを貫いた。
 ルイとレオンも狙いをウィリーに変え、死神ごと彼を穿ち続けている。その状況がまだ有利だと感じているのか、怪魚達はチーディを狙って噛み付いてくる。毛並みに噛み痕が残ってしまったことに憤慨した彼は焦った様子で叫ぶ。
「チクショウ、つえーじゃねえか! なんでこんな厄介なんだよ!!」
 その演技はとても素晴らしい。寧ろ演技ではない部分があるからこそ敵を油断させていると言っても良い。
 千梨は敵を流星めいた蹴りで貫きつつ、不意に思う。
(「あそこまで出来るのはすごいな。迫真の演技か……」)
 もっと自分も表情が変われば良かった、と考えた千梨だったが、チーディに任せておけば大丈夫だろうとも感じられた。
 それに加え、エリヤと蓮華が更なる劣勢演技を付け加えていく。
「こんなに強いなんて……うう、治すのが追いつかないよ」
「急いで回復して! このままじゃ危ないかも!」
 オウガメタルを解き放つエリヤの回復は仲間への支援、切羽詰まった様子でぽかちゃん先生に呼び掛ける蓮華が起こした爆発は皆に送る鼓舞だ。
 拳を振るったレオンはエインヘリアル庇う死神を殴りつけ、一緒に削れて丁度良いとばかりに小さく笑む。
「それにしても旋風のウィリーか。いやぁ、紙の上と実戦じゃやっぱり印象が違うね。ちょっと気をつけないとホームランされそうだ」
 相手を強敵として認めていると暗に告げたレオンは身構え直した。
 ルイも翼を広げて、其処から聖なる光を放つ。ルイ自身も敵を欺くために考えていたことはあったが、作戦の成功に繋がる演技は仲間達が行ってくれていた。
「後は逃がさぬよう……力を振るうだけです」
 決して敵に聞こえないようにそっと思いを紡ぎ、ルイは怪魚を光の一閃で貫く。それによって一体の怪魚が戦う力を失った。
 その間もエインヘリアルはただ我武者羅に武器を振るい、激しい風を起こす。
「うあ……あ……」
(「確かに強いが、操り人形と同じだな……」)
 その姿が哀れに思えたがウリルは容赦などしない。攻撃の手を緩めぬまま、そろそろだろうか、と死神の様子を見遣ったウリルは仲間達に目配せを送った。
 セリアは瞬きを返事として、自ら死神怪魚の攻撃を受ける。痛い、と大袈裟な声をあげたセリアはそのまま吹き飛ばされる振りをして後ろに下がった。
 その動作が功を成したらしく、死神はまだ攻撃を行う素振りを見せている。セリアは光の翅を広げて戦場を駆け、反撃に移った。まるでその姿は一本の矢のよう。
「今度は何を目論んでいるのかは知らないけれど、魂を弄び、踏み躙る者を放っておく訳にはいかないの」
 それが選定者の務めだと己を律し、セリアは嘗ての勇者に憐憫の眼差しを向けた。

●二度目の死
 戦いは続き、じわじわと敵の体力が削られていく。
 番犬達は懸命に戦い、不利であると示すようにオーバーリアクションで挑んでいた。されど状況は明らかな優勢。
「これ以上はさすがに……!」
 時間はかけたくないね、という本音を押し隠した蓮華は皆を見遣る。その声に反応した千梨が理解しているという風に首を縦に振り、ルイは静かな頷きを返した。そして、ルイは指先を旋風のウィリーに向ける。
「――結びし誓約の元、我が呼びかけに応えよ」
 流れるような詠唱の後、呼び声に応えたのは四神が一。雷光を宿したルイがひといきにエインヘリアルを穿つと、閃きは動きを縛る楔となる。
 其処へ如意棒を構えたチーディが飛び出し、紅蓮の炎で以て怪魚を薙ぎ払った。やったぜ、とチーディが密かに口にした直後、二体目の怪魚が地に落ちる。
 レオンは彼が先程噛み付かれた仕返しを遂げたのだと感じて、可笑しそうに目を細めた。だが次の瞬間、その瞳に真剣さが宿る。
「気を付けて、撤退しそうだよ」
「わかっている。相手もこの不利が解らないほどではないか」
 レオンの呼び掛けを聞いたウリルも注意を払い、仲間達に緊張が走る。
 エリヤは逃走される前に、と今まで行っていた癒しを止め、魔術回路を発動させた。眼に浮かぶ蝶の姿をした魔術式が光り、邪眼となって敵の姿を映す。
「其等の棘で影を穿て――」
 エリヤが紡いだ聲と共に、影の一部が蜂のような鋭い針を携えた異形蝶の群体に変わった。針雨のように射出されたそれらは旋風のウィリーを次々と貫いた。
 セリアもエリヤに合わせ、光の翼から槍を形成する。
「あ……あ……」
「躯と戦うのは、特に、虚しいな」
 千梨は呻くエインヘリアルを一瞥し、セリアも哀れみの言葉を口にした。
「身も心もまるで空虚。貴方の真実は何処へ行ったのか。……まぁ、それは元より褒められたものではなかったようだけど」
 其処からセリアは光の槍を解き放った。
 眩い光を以って放たれる一撃は常世の空にすら夜明けを齎す、希望の一矢。激しい衝撃が敵を弱らせる中、チーディが素早く飛び出した。
「こっちもやられてばっかりじゃねーからな。逃げられるんならやってみろ!」
 力強い宣言と共に放たれたのは狩猟豹の虚焔。
 眼にも止まらぬ動きで敵を翻弄するように駆け、地獄の炎を巻き起こしたチーディは高らかに笑った。
 その一撃の強大さに慄いたのか、怪魚はエインヘリアルを逃がそうとする。
 だが、蓮華は今が最大の好機だと察した。
「逃がさないよ。ぽかちゃん先生! キャットリングだ!」
 蓮華が敵を示すと、呼ばれた翼猫が気魄のこもった一投を放つ。鮮やかな軌道を描いて戦場を舞うそれは蓮華との練習の賜物。
 一寸の狂いもなく怪魚を貫いた一閃は死神に終わりを齎した。
 これで残るはエインヘリアルのみ。撤退先を示されていた敵をこのまま逃してしまう可能性もあったが、ウリルは少しも焦りを見せなかった。
「もう遠慮はいらないな」
 不敵に笑ったウリルは喰霊の斬撃で敵を斬り裂く。
 レオンは蒼い炎を掌の上で転がし、もう終わりにしてみせると敵を見つめた。
 解放されたのは英雄をあの世に送り返す鬼火。もう迷い出るな、と告げた言葉共に全力の炎が迸っていく。
「じゃあね。地獄で会おう」
 レオンの言葉の後、エインヘリアルは炎に包まれた。次が最期だと察したルイとセリアは千梨に最後を託す。やっちまえ、とチーディが呼びかけた声には動作で以て応え、千梨は旋風のウィリーを見据えた。
「生きているのは風だけか。ならばその風を、仕留めよう」
 そして――冴え冴えとした月が見え、敵は瞬く間に結界の内に囚われる。
 閉じた世界は、白く、白く。氷雪のような月光は捕らえた者を凍て付かせ、本当の終わりを与えた。

●魂の終幕
 夜の空気に解けていくかのように旋風のウィリーは掻き消える。
 それそのものが最初から幻だったと思えるほどに最期は呆気ないものだった。
「やったね!」
 蓮華はぽかちゃん先生を抱き締め、皆で掴んだ勝利を喜ぶ。セリアは武器を収め、チーディは大きく伸びをして身体を解しつつ軽快に笑った。
「はー、ようやく演技せずにすむぜ!」
「少々危うかった所もありましたが……」
「そうだね、流石に強かった」
 ルイとレオンが敵を思い返しながら視線を交わし、千梨も傷だらけのチーディに目を向ける。千梨はただ単に共に戦った仲間達の負傷具合を気にしていただけなのだが、彼は慌てて自分は平気だと主張した。
「あ? いや演技だってあれホント……演技だっつってんだろ!!」
「つまり演技じゃないところも……ううん、なんでもない」
 エリヤはチーディの必死さに不思議な微笑ましさを覚えながら首を横に振る。ウリルはそんな仲間達に笑みを向け、お疲れ様、と告げた。
「死神達は、あのエインヘリアルをどこへ連れて行こうとしていたのか……」
 静かになった空を見上げ、ウリルは独り言ちる。
 その声を聞いた蓮華も倣って夜空を瞳に映し、これからを思った。
「死神も最近までは他の種族の影に隠れたけど……。何か目論見があるならこれからもどんどん潰していかなきゃね!」
「風は止んだ。然し未だ不穏は隠れている、というところか」
 千梨は明るく決意する蓮華を双眸を細めて見つめた後、僅かに瞼を閉じる。セリアは幾度目かの死を迎えたエインヘリアルを思い、静謐な空気を胸に満たした。
「今度こそ……デスバレスの水底で永遠の眠りに就くといい」
 そして、セリアは夜闇の中でそっと祈る。
 ――願わくば、その魂に安寧が与えられんことを。

作者:犬塚ひなこ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年8月22日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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