愛玩動物(トモダチ)は地球人

作者:坂本ピエロギ

 潮騒がさざめく、夜の海浜公園。
 野暮用を済ませて帰り道を急ぐ桜庭・萌花(キャンディギャル・e22767)を、ふいに背後から呼び止める声が聞こえた。
「ねえ、私とお友達になりましょう?」
「えっ?」
 萌花が振り返った先にいたのは、一人の少女だった。
 歳は萌花と同じくらいだろうか。禍々しい大鎌を手に、宙を泳ぐ魚を悠然とはべらせて、にこにこと無邪気な笑みを浮かべている。
「私、死神のアミティって言うの。よろしくね!」
「うそ、死神……?」
 息をのむ萌花をアミティはしげしげと眺め、得意そうに大きく頷いた。
「うん、合格! あなた、私のお友達にぴったりだわ!」
「……ふーん。そういうことね」
 逃げられる空気ではなかった。
 萌花は武器を取り、問う。
「どうせ力ずくでしょ? それって」
「うわあ素敵! ちょっぴり生意気な友達、ちょうど欲しかったの!」
 虹色の大鎌を掲げるアミティの周りを、魚の群れが嬌声をあげて泳ぎ回った。
「決めたわ。お友達になったら、体が冷めちゃう前に記念撮影しようっと♪」
 無垢な笑顔で牙を剥くアミティに、萌花はもう言葉を返さなかった。
 戦うしかない。
 萌花は目の前の敵に、ただゆっくりと武器を構えるのだった。

「緊急事態だ。桜庭・萌花がデウスエクスに襲撃される未来が予知された」
 ヘリポートに集合したケルベロス達に、ザイフリート王子(エインヘリアルのヘリオライダー)が緊迫した顔で告げる。
 王子の話では、既に萌花とは連絡が通じず、救援に急がねば危険な状況だという。
「敵はアミティと名乗る死神の少女だ。サルベージした地球人の死体を『友達』と呼ぶ彼女は、桜庭を殺害して『友達』に加えようとしている。主な攻撃は死体を操り繰り出す『歌』と『鎌』。ダメージの回復は死神の本体――青い魚の群れが受け持っているようだな」
 外見こそ可愛らしいが、その実力はデウスエクスに相応しい強力なものだ。萌花ひとりでは勝ち目は薄いと言わざるを得ない、そう王子は言った。
 襲撃は海に面した公園で行われる。アミティは人払いを済ませて待ち伏せていたらしく、現場にはアミティと萌花以外の人影はない。戦いが本格化する前に介入できるはずだから、まずは萌花の救援に専念した方が良いだろう。
「さあ、時間がない。桜庭を助け、アミティを倒し、全員で無事に帰ってきてくれ!」
 発進準備、完了。
 ヘリポートの照明灯が、漆黒の夜空に点された。


参加者
白羽・佐楡葉(紅棘シャーデンフロイデ・e00912)
光宗・睦(上から読んでも下から読んでも・e02124)
コンスタンツァ・キルシェ(スタンピード・e07326)
櫛乃・紅緒(雨咲フローリス・e09081)
音琴・ねごと(虹糸のアリアドネ・e12519)
桜庭・萌花(キャンディギャル・e22767)
近衛・如月(魔法使いのお姉ちゃん・e32308)

■リプレイ


 ヘリオンを降下した猟犬達が、夜の公園を一直線に駆ける。
「もなちゃんは玩具のコレクションじゃない。そんなの友達じゃないのよぅ!」
「萌花ちゃんは渡さない! 私の友達に手を出したこと、後悔させてやるっ!」
 口々に怒りを滲ませるのは近衛・如月(魔法使いのお姉ちゃん・e32308)と光宗・睦(上から読んでも下から読んでも・e02124)。
「萌花とは一緒にネイルして盛り上がったっす! めちゃ楽しかったっす!」
 その隣を走りながら、コンスタンツァ・キルシェ(スタンピード・e07326)は死神に襲われた友達――萌花のことを思う。彼女は萌花の美しさに憧れていたし、知己が世話になった恩もある。死なせるわけにはいかない。
「ねごちは、大事な芸能仲間を見捨てたりしないにゃよ!」
 後ろを走る音琴・ねごと(虹糸のアリアドネ・e12519)にとってもそれは同じだ。大事な友達であり、仲間だった。
 虫の鳴き声が消え、色濃くなる殺気に肌がひりつくのも構わず、ケルベロス達は前だけを見て走る。ひたすらに走る。
「『友達になろう』ですか……その桜庭さんという方も災難ですね。まったく度し難い」
 白羽・佐楡葉(紅棘シャーデンフロイデ・e00912)は赤い瞳で天を仰ぎ、夜空の三日月に向かって吠える。
「よく聞けっ! この私、白羽・佐楡葉の嫌いなもの108の1つはっ!!」
 気に入った相手を殺害し『友達』にする、そんな死神への怒りを込めて。
 仲間を救出し、絶対に勝利するとの決意を漲らせて。
「自分から臆面なく『友達になろう』とか言える奴だ――っっっ!!」
 死神アミティ、お前を狩ってやる。
 そんな号砲のごとき雄叫びをあげ、佐楡葉と仲間達はいっそう早く走り出すのだった。


 一方、その頃。
「『私と友達になりましょう。だから死んで』……かぁ。それって告白?」
「もちろん! 私は本気よ?」
「あはっ、嬉しい。情熱的すぎて逝っちゃいそう」
 虹色の大鎌で今にも斬りかかって来そうな死神アミティの言葉に、桜庭・萌花(キャンディギャル・e22767)は爽やかな笑みを浮かべた。
 不思議と嫌な感じはしない。本気で求められていると知って、何なら誘いに乗るのも悪くはないかも……と萌花の心が囁く。
 純粋な感情を抱かれる事は、萌花にとって喜びだった。相手が誰であろうと隔てはない。たとえそれが、自分の首を狙うデウスエクスであってもだ。
(「でも」)
 萌花は思う。まだ首はあげられないと。
 ペアリングの『wish for M』に目を落とし、萌花はアミティに向き直る。
「あたしさ、結構恵まれてるんだよね。友達にも、親友にも」
「あら。じゃあひょっとして、貴女の後ろから走ってくる人達も?」
「まあね」
 頷く萌花。聞き慣れた足音が、耳元に迫る。
「萌花ちゃん! 助けに来たのよ!」
「おやハニー、浮気かにゃ? なーんて、ね♪」
 萌花を庇うように抱きしめるフィアールカ・ツヴェターエヴァ(赫星拳姫・e15338)に追いついたねごとが、死神の少女をちらりと見る。
「へいお嬢、うちの萌花っこが可愛いからって刃傷沙汰はいけねいなぁ」
「貴方がアミティね? 人を殺して友達にするだなんて、そんなの違うと思うな!」
 ミミックの『スームカ』と共に、アミティの前へと立ち塞がるフィアールカ。
「萌花ちゃん、お怪我はあらへん!? 待っててね、いま紅緒が治しますさかいね」
 櫛乃・紅緒(雨咲フローリス・e09081)が、萌花を癒すために蓄えた神聖力を練り上げ始めた。睦と如月は、すでに戦闘モードでアミティを睨みつけている。
「私の友達に手を出したのが運の尽きだね! 吹っ飛ばしてやる!」
「そうよ貴方! 妹に……私のもなちゃんに何をするつもりかしら?」
 応援のケルベロス達にまるで頓着せず、アミティは笑う。
「ふうん。萌花ちゃんっていうのね、貴女」
「素敵な名前でしょ? ねえアミティ、こうしようよ」
 アミティを見つめて、萌花が口を開く。
「キミとあたしの友達、どっちがよりあたしを欲しいか。神様でも運命でも世界でも何でもいいけど、それをこれから決めよう」
「ちょっ、もなちゃん!?」
 色めき立つ如月にウインクを送り、萌花は続ける。
「賭けるものはあたしの命。どう?」
「いいわよ。乗ったわ!」
 アミティはにっこりと笑う。
「私ね、萌花ちゃんには『この人の友達になれて幸せ』って思いながら死んで欲し――」
「うるさい死神! 今ここで叩きのめしてやる!」
 エアシューズを装着し、宣戦を告げる睦。
 大鎌を構えるアミティ。
 かくして戦闘は開始された。


「萌花ちゃん、貴女は私の気持ちが嬉しいのね?」
 戦闘開始と同時、大鎌を前衛に叩き込みながらアミティは言った。
「だったら戦ってる間、私は貴女が好きな理由を話し続けるわ。喜びの中で命を散らして、それで友達になるの!」
「駄目! 萌花ちゃんは連れていかせないよ!」
 萌花を庇ったフィアールカが苦痛に顔を歪める。
 思うように体が動かない。捕縛を付与されたようだ。
「封じ込めて差し上げます」
「死神さん! アタシとも友達になってくださいっす!」
 エアシューズで加速する佐楡葉に合わせ、コンスタンツァが『世界と踊れ』を熱唱する。
「スーパーガンスリンガーガール、コンスタンツァ・キルシェとはアタシのことっす! 歌って踊って早撃ち曲撃ちもできる、カワイさなら萌花に負けねっすよ!」
「スームカ! めっちゃガブリングして!」
 煌く佐楡葉の流星蹴り。コンスタンツァの歌声が呼び出す彩色の流れ星。足止めを付与する連撃を掻い潜り、フィアールカがスームカと一緒に飛びかかる。
「くらえっ!」
「サポートは任せて、萌花ちゃん!」
 降魔真拳がうなり、死神の腹にめり込んだ。吸収したグラビティで傷を癒すフィアールカを、睦のマインドシールドが盾となって包みこんでゆく。
「嬉しいよアミティ。あたしほど美しい器が欲しいなんて、キミもお目が高い」
 萌花の掌が龍の幻影を生成し、アミティへと襲い掛かる。
「さあ。あたしがキミの友達になるか、キミがあたしに堕ちるか、結論出るまであそぼ?」
「きゃ! 凄いパワーね、ますます友達になりたくなったわ!」
「あなたにもなちゃんは渡さない! これでも食らうのよう!」
 紅蓮の龍に身を焼かれながら嬌声をあげるアミティ。そこへ如月が、具現化した光の剣で虹色の鎌と切り結ぶ。
「気持ちはともかく……貴方の云うお友達には『つながり』がありません」
 火花を散らす前衛をオラトリオヴェールで包みながら、紅緒がアミティに語りかける。
「楽しいを分かち合える存在が友達やと紅緒は思うよ。押し付けは、あきませんえ」
「つながる? 分かち合う? そんなことしなくても、萌花ちゃんは喜んでるわよ?」
 まるで理解できないという表情で首を傾げ、アミティは呪いの旋律を口ずさみ始めた。
「私の友達になった方が萌花ちゃんは幸せよ! あなた達は大嫌い、ここで朽ちなさい!」
「だーめ! 萌花っこは、そうやすやすとはくれてやらねいよ?」
 大きく胸をはったねごとが『ねごとライト』のイントロを流し始めた。
「奪い合いだってんなら、獲りに行ってやるまでさ! ふんふん♪」
 キャスターポジションで前衛の後ろ盾を務め、敵の攻撃を避けつつ攻める臨機応変な立ち回り。そんなねごとの作戦は、しかし失敗に終わった。
 理由は簡単で、命中と回避を確保できるレベルに達していなかったからだ。
 キャスターの恩恵を活かす事は、ベテランですら困難を極める。失敗の代償は、容赦なくねごとを襲った。
「ねごとライトがふんふふ、ふふふんふーん。さあ、いたたまれなくなって死ね!」
「ざーんねん♪ ふふっ♪」
 ねごとの熱唱は当然のようにアミティに避けられた。
 足止めで鈍った状態でも、その動きには余裕があった。
「お返しよ! ランララン♪」
「ぐやあああああああああ!?」
「萌花ちゃん、あなたの声は素敵よ。あなたの声で、この歌を歌いたいわ!」
 聞いた者の心を惑わすアミティの歌声が容赦なく体力を削り取る。直撃を受けて悶絶するねごとを庇うように、佐楡葉の魔力弾がアミティの足元へ撃ち込まれた。
「たかが広範囲攻撃程度で――仕留められると思わないで欲しいものです」
「ねごとちゃん、お気張りやす!」
 『Under the Rose』。地を割って現れた薔薇の茨でアミティを拘束する佐楡葉の真横で、紅緒が『御神楽・鳳凰』を発動してねごとを癒す。ねごとが活性化しているのは攻撃用グラビティだけだ。催眠状態のまま戦えば隊列が崩壊しかねない。
「宝石の子達、清めの輝きを……コード・アクアマリンっ!」
「パワフルに心躍らせ! パッションで弾けて! 歌って踊って教えてあげるっす!」
 如月が天にかざす水の宝玉が清めの光を放ってねごとを癒した。回復の時間を稼ぐため、コンスタンツァがサブマシンガン型の銃『ロリポップキラー』でアミティを牽制する。
 アミティは回復を挟まずに前中衛を攻撃できる。盾を務める仲間とて、そう幾度も味方を庇う事は難しい。下手をすればあと2、3発でねごとは落ちてしまう。せめて敵の攻撃への耐性をひとつでも付けていれば――。
「守ったら負ける! 攻めるよ、それしかない!」
「こんなところで下がれない! みんな、勝つよ!」
 踏み込んだエアシューズで地面を蹴って、スターゲイザーでアミティの足を蹴り砕く睦。続いて肉薄したフィアールカの旋刃脚が煌き、麻痺の力で絡め取る。
「ねごち、一緒に攻撃するよ!」
「了解だよう萌花っこ。これでもくらえ!」
 萌花の降魔真拳がアミティの体を突き上げ、辛うじて命中したねごとのスターゲイザーが浮き上がった体を吹き飛ばす。窮地へと追い詰められたケルベロスは、死に物狂いの反撃へと打って出ようとしていた。


「おしゃべりして笑いあって……ネイルも見せっこする、それが友達っす! ペットや玩具とは違うっすよ!」
 コンスタンツァのグラビティ掃射が、アミティを捉えた。冥界の祝福で付与された守護は取り去れたが、付与してきたバッドステータスは全て除去されてしまった。
 ねごとの回復によって乱れたメディックの足並みが戻るまで回復は自前で行うしかない。佐楡葉がスターゲイザーで足止めを付与したところへ、すかさずフィアールカが降魔真拳を叩き込む。
「そんなに寂しけりゃ地獄でデウスエクス仲間と遊んでな!」
「いくぞう! ツケはこっから挽回してやるさ!」
 睦が『虹架拳』を握り固め、全力で敵へと叩き込んだ。
 拳を通じて伝わる感情を全て無視し、思い切り拳を振りぬく。きりもみ回転して吹き飛ぶアミティを、ねごとの竜爪撃が捉える。
 次第にダメージが蓄積され始めたアミティにドラゴニックミラージュを叩き込みながら、萌花が艶然と笑いかけた。
「アミティ、あたしと遊ぼうよ。すっごくいい思い、させてあげる」
「萌花ちゃんは狡いわね。分かってても乗せられちゃうわ!」
「ふふふ。あたし、誘惑するのは嫌いじゃないし?」
「貴女は最高だわ、萌花ちゃん。友達になれたらどんなに素敵かしら!」
 虹色の斬撃が萌花のいる前列を襲う。態勢を立て直した如月と紅緒が、すぐさまヒールを飛ばし、負傷と捕縛を取り去った。
「わたし、まだ、もなちゃんにあげたいものが沢山ある……だから……」
 如月の息は既に上がっていた。このままでは危険と考えた佐楡葉は『Under the Rose』を再度発動し、アミティを絡め取りにかかる。
「泣いても喚いても――その首と心臓を無惨に潰して差し上げます」
「泣かないわ。喚かないわ。私は今、すごく幸せだもの!」
 アミティが冥界の歌を口ずさみ始めた。中衛も後衛もみな満身創痍だったが、死神の少女は萌花以外に興味はないとばかり、まっすぐに見つめて冷たい旋律を奏でる。
「アミティ。そろそろ決着、つけよっか」
 心を惑わす歌をシャウトで吹き飛ばす萌花。最後の一撃を任せようと、如月が、紅緒が、睦が、萌花の傷を回復グラビティで塞いでゆく。
「あげる前に行かせは……しないのよぅ!」
「ヴォルガの激流の藻屑になっちゃえなの! サラスヴァティー・サーンクツィイ!」
 フィアールカの白い脚が公園の夜闇を泳ぎ、肉食魚と化してアミティの体を食いちぎる。グラインドファイアを叩き込むねごと。クイックドロウを発射するコンスタンツァ。
「萌花ちゃん、とどめは任せるよ!」
「あの勘違い死神に女の心意気魅せてやれっす!」
 睦とコンスタンツァに小さく頷き、萌花はアミティに駆け寄った。
 振り下ろされる鎌を防御もせず、死神の少女を頬をそっと手で包み込む。
「アミティ。あたし、キミと会えて嬉しかった。とっておきのプレゼント、あげる」
 発動するのは『Sugar Sweet Syndrome』。
 口づけた相手の全てを奪う、萌花の切札だ。
「な、なな……もなちゃ、そんな奴にキスはめー!?」
 如月のあげる抗議の悲鳴を背に、萌花はアミティと口づけを交わす。
 直撃だった。
 コギトエルゴスムが崩れゆくなか、アミティは弱弱しく声を漏らす。
「何故かしら萌花ちゃん。私いま、すごく悲しいわ」
 恐怖も苦痛もなく、アミティは淡々と自らの死を受け入れた。
 萌花と友達になれない事に比べれば、そんな事は些事に過ぎなかったのかもしれない。
「だいじょーぶ。結末は一緒。あたしとキミは永遠に友達」
「先に行って待ってるわ。萌花ちゃんが来るその日まで、ずっとずっと……」
 その言葉を最後にアミティは崩れ落ち、二度と起き上がることはなかった。


「みんな心配かけて、なんか、ごめん? でもありがとね」
「心配したんだから。萌花ちゃんが連れていかれなくてよかったぁ……」
 戦いを終えて、命に別状がないことが分かると、睦は萌花に安堵の表情を送った。佐楡葉やフィアールカは、公園をスミレの花で包むようにして修復作業を行っている。
「もなちゃん……ホントにホントに、無事でよかったぁ……」
「ん。おいで如月ちゃん……大丈夫、一緒にいるから」
 負傷の残る体でそっと如月を抱きしめる萌花を、コンスタンツァはサムズアップで労う。
「さすが萌花! よかったらまた今度、オシャレなネイルやコーデ教えてくださいっす」
「さて。そろそろ片付けも終わりかな」
 仲間と一緒に修復を終えたフィアールカは、黙って夜空を仰ぐ。
(「きちんとお互いを認めあえば、お友達になれたかもしれないのに……」)
 他者の命を奪うことでしか友達になれないと考えていた死神アミティ。
 本当に彼女は、ああする事でしか友達を作れなかったのだろうか――。
「皆さん、お疲れ様ですえ。そろそろお暇しましょうか」
「そうだね。帰ろうか」
 紅緒の言葉に頷いて、公園を後にするフィアールカと仲間達。
 暗い海をはねる魚のように、朧な三日月がぽつんと浮かんでいた。

作者:坂本ピエロギ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年8月19日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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