ウィリアムの誕生日~そんな日でも人助け

作者:雪見進


「どうして、こうなったでござる?」
 膝の上に猫さん達を乗っけて、珍しい困り顔なウィリアムさん。乗っているのはお膝の上だけではありません。背中にミケさんが。頭の上には黒猫さんが乗っています。微妙なバランスなのに、頭の黒猫さんはゆったりのんびり。なので、ウィリアムさんは動けません。
「どうして、こうなったでござる?」
 大切なことなのでしょう。おんなじ事を困り顔で呟いてしまうウィリアムさんなのでした。

 事の起こりは、昨日のお話。
「ウィリアムさんや、困った事があったのじゃ」
「どうしたでござる?」
 とある街で草むしりのお手伝いをしていたウィリアムさんに、本当に困ってしまった顔うでご相談しているのはおじいちゃん。
「実はのう……」
 それから始まるながーいおじいちゃんのお話は、ちょっと省略。おじいちゃんとおばあちゃんは、街で猫カフェを開いています。ですが、お孫さんたちが夏休みで遊びに来るとの事。なので、その間だけ猫さんの面倒を見てほしいというお話。
「いいでござるよ」
 困っている人をほっとけないウィリアムさん。二つ返事で引き受けました。ですが、それがこんな大変な事になるなんて……。

「と、ともかくそろそろご飯の時間でござるな」
 頭と背中と猫さんを驚かさないように、バランスを取りながら立とうとするウィリアムさん。さすがにお膝の猫さんは、ちょっと無理なので、ちょっと抱っこして横に、そっと置きます。
「みゃ?」
 ウィリアムさんのお膝の上がお気に入りなのか、横に置かれた白猫さん。慣れた動きでお膝の上に、ちょこんと戻ってしまいます。
「……どうして、こうなったでござる?」
 大切な事なので、三回と同じ事を呟くウィリアムさんなのでした。

「えっと、お暇な人がいましたら、お話聞いて欲しいのですが……」
 チヒロさんが、なんとも言えないような表情を浮かべながらお手隙そうなケルベロスの皆さんにウィリアムさんのお困り事の説明をしてます。
「少しの間、猫カフェの管理をお願いされたらしいのですが、一人では手が回らないとの事で、お手伝いをお願いしたいとの事です」
 お願いしたいお手伝いは、猫さんのお相手と、猫カフェのお掃除などなどです。
「細かいお話は現場でウィリアムさんからあると思いますので、お暇でしたら行ってあげて下さい」
 簡単に説明するチヒロなのでした。


■リプレイ


「……どうして、こうなったでござる」
 何度目なのでしょうか? 困った顔のウィリアム・シュバリエ(ドラゴニアンの刀剣士・en0007)さん。お膝の上には猫さんが集まって、猫鍋ならぬ猫お膝。頭には黒猫さんと白猫さんが重なってパンダさんかシマウマさん。他の場所も猫さんのベット。これじゃ、動けませんね。
「やあウィリアム、ハッピーバースデー。羨まけしからん状態ですね」
 どこもかしこももふもふで羨ましい様子のカミュ・アルマデル(だったモノ・e61762)さん。そんなカミュさんに、早速寄り添う黒猫ちゃん。
「みゃっ」
 そんなカミュさんの荷物に興味津々。中には、猫さんが大喜びしそうな何か入っているのでしょうか?
「幸せでござるが、拙者一人ではどうにもならぬでござる。助けて欲しいでござる」
 珍しいウィリアムさんの弱音です。
「ウィリアムさん、ちょーいいひとっす」
「その手伝い、手伝わせて貰うよ」
 そんなウィリアムさんにお祝いの言葉と一緒に、頭の白猫さんを抱っこするのは、コンスタンツァ・キルシェ(スタンピード・e07326)さん、そして黒猫さんを抱っこする天羽・蛍(突撃戦闘機・e39796)さん。
「おお、感謝するでござる」
 頭の子が、二人に抱っこされ、やっと首が回るようになったので、ぐるっと首を回してご挨拶。
「ウィリアムさん、お誕生日おめでとう!!」
「いつもありがとね!」
「この子たちの相手をすれば良いのか?」
「ね、猫カフェ……これが夢にまで見た猫カフェ……」
 そんなウィリアムさんにお祝いの言葉と一緒に、色々な表情を浮かべていらっしゃるのは、リーズレット・ヴィッセンシャフト(焦がれる世界・e02234)さん、癒月・和(繋いだその手を離さぬように・e05458)さん、黒澤・薊(地球人の刀剣士・e64049)薊さん、マルティナ・ブラチフォード(凛乎たる金剛石・e00462)さん。
 早速、背中の子を優しく抱っこする薊さん。
「むにゃ?」
 薊さんに抱っこされた三毛猫さん。そんなあったかい手に鼻をすりすりしてから、顔をすりすり。
「ん? 結構懐っこいな……もふもふしてとても可愛い」
 リーズレットさんの足元では、『なんだろ〜』って見上げる白猫さん。
「お! この綺麗な目の色の子、マルティナさんに似てないか?」
「わ、私に似ている猫?」
 リーズレットさんに抱かれた猫さんは、マルティナさんに、やっぱり『なんだろ〜』ってくるんくるんの瞳で見つめています。
「え? 目つき?」
 白猫さんとマルティナさん。それを並べて見比べる皆さん。
「みんなもふもふ、やね……」
 そんな様子を優しく見つめる和さんですが、その足元では、ボクスドラゴンのりかーさんが、何か言いたそうな雰囲気で、和さんの足をつんつん。
「っとこーら、りかー。嫉妬しないの」
 もふもふなりかーさんにとって、他のもふもふさんに興味津々なのは、ちょっと気になるのかな?
「りかーの方がもふもふ、でしょ?」
 そんなもふもふりかーさんを抱っこして、他の猫さんたちと一緒に、お遊びスペースへ移動するのでした。

「ウィリアム殿、誕生日おめでとう」
 今度は背中に乗っている猫さんを抱っこしながらアベル・ウォークライ(ブラックドラゴン・e04735)さんからお祝いの言葉。
「ありがとうでござる」
 やっと動けるようになったウィリアムさん。
「この子も任せられぬか?」
 お膝から動かない子を抱っこして、アベルさんにお任せ。
「みゃ!?」
 アベルさんの腕の中で、ちょっとだけびっくりした様子ではありましたけど、すぐに腕をぺろぺろして、身体をすりすり。
「人懐っこい様子ならば、そんな心配はいらないだろう」
 アベルさんは見た目で怖がれる事が多いと思っていた様子ですけど、ここの猫さんたちは全然気にしない様子なのでした。

「にゃんこだ〜 かわいい〜〜!」
 リィンハルト・アデナウアー(燦雨の一雫・e04723)さんは楪・熾月(想柩・e17223)さんと一緒にご来店。お出迎えした猫さんに優しく近くと、猫さんの方から興味津々な雰囲気で近寄ってきます。
「おいでおいでー」
 リィンハルトさんと熾月さんが手招きすると、嬉しそうに集まってくる猫さんたち。
「ぴよってば、行動早すぎ!」
 そんな間にも、ファミリアのぴよちゃんは別の猫さんと一緒にコロコロと遊んでいます。
 それにシャーマンズゴーストのロティも二人のマネをして、手をふりふり。そんな手の動きに集まってくる猫さんたち。あっという間にお二人の周りはとっても賑やか。
「ふふ、すごい気持ちいいからリィンも今度試してみて〜」
「最近暑いからちょうどよさそう♪」
 リィンハルトさんはねこじゃらしで遊んであげながら、ぐるぐると大運動会。
 そんな様子の真ん中で熾月さんは猫さんのお腹をなでなでしながら優しい笑顔を見せてくれるのでした。


「私は掃除にでもまわるとしよう」
 神崎・晟(熱烈峻厳・e02896)さんはウィリアムさんの様子を見て、お掃除をする様子。ですが、そんなウィリアムさんの姿にちょっと思うところがありそう。
「お客さんが気持ち良く過ごせるように、今日は張り切って掃除よ。頑張ろうね、バロン」
 やる気元気な五嶋・奈津美(地球人の鹵獲術士・e14707)さん。ウイングキャットのバロンさんと一緒にお掃除開始です。そんな奈津美さんにしっぽをぱたぱたさせて張り切っているバロンさん。その手にはハンディモップ。
 そんなモップに、おめめがキラキラな猫さん。
 そんな猫さんの目の前に、パタパタと黄色いもふもふすると、猫さんの興味はそちらへ。
「まずはねこじゃらし〜 定番だよね〜」
 猫さんと遊んでくれるのは森平・亮佑(アダ名はもりへー・e37243)さん。
「みゃん!」
 もふもふパタパタなねこじゃらしに、おおきくジャンプする猫さん。
「あれ〜? あれれ〜? すぐに捕まっちゃうな〜?」
 猫さんにキャッチされたねこじゃらしを、ウイングキャットのショウさんに渡して、一緒にお遊びスペースへ移動します。
「とっても居心地よさそうだ」
 そんな猫さんの様子にほのぼのしちゃうのは砂星・イノリ(ヤマイヌ・e16912)さん。本当はお掃除お手伝いに来たけど、ちょっとだけ猫さんをもふもふ。
「ふふ、かわいいな、かわいいな。ボクの尻尾にじゃれてみるかい?」
 イノリさんが優しくもふもふするのは、チンチラシルバーの子。
「むみゃぁぁ〜」
 ちょっと変だけど可愛い声。ふもふもされながら、イノリさんのしっぽにもじゃれて、とっても気持ち良さそう。

 猫さんの『遊んで〜』というお誘いをよけながら、奈津美さんとバロンさんはお掃除再開です。
「この辺は普段なかなか手が回らないのよね」
 とっても丁寧な奈津美さんの掃除です。
「掃除が終わったらケーキ、一緒に食べようね」
 ケーキという魅惑の言葉に尻尾を『ピンッ』と伸ばして喜ぶバロンさんなのでした。
 皆さん、手分けして色々な場所の掃除をしてくれています。そんな中でイノリさんは掃除機を手にキョロキョロ。
「さて、猫さんが良く居る場所はどこだろう?」
「やっぱり、ここでござるな」
 イノリさんの言葉に応えたのは、やっと猫さんから解放されたウィリアムさん。指差す先は、中央におっきく立っている大きなキャットタワー。それも、途中に箱があったり、鍋が置いてあったりと、なかなか楽しそうに作られています。

「噂には聞いていましたが、お優しい方なのですね」
 猫さんが大好きなキャットタワーのお掃除をしながらのシフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)さん。お祝いと一緒にお手伝いをして下さるシフカさんもお優しい方と思います。
「どんな噂か知らぬでござるが、困っている者をほっとけぬだけでござる」
 『ほっとけない』と『お節介』は紙一重?
「シフカ殿も、デウスエクスに困っている人々を放っておけぬのでござらぬか?」
「そうかもしれません。正直、部屋の掃除よりデウスエクスを掃除する方が……いえ、なんでもありません」
「御社の新聞社も厳しいとの事。それなにの、他者を手伝うなど、なかなか出来ぬ事でござるよ」
 軽くお話するシフカさんとウィリアムさん。そんなお二人の足元を猫さんたちが『何してるの〜』って雰囲気でウロウロしているのでした。

 棚の上など、手が届かない場所を雑巾掛けしてくれる一式・要(狂咬突破・e01362)さん。ですが、そんな高い所でもぞもぞしていると、どうしても猫さんたちが気になっちゃいます。
「みゃっ!」
 要さんの腰をジャンプ台にして、背中から登ってしまいました。
「あ、こら、降りてきなさい! そこ危ないから」
 慌てて手を伸ばしますけど、以外に高い天井は要さんの手でも届きません。
「みゃぁぁ〜」
 降りれなくなっちゃって少し寂しそうな猫さんの声。ですが、心配いりません。
「あーもう、そこ動くんじゃないわよ」
 猫さんに優しい声をかけてから、要さんは軽く膝を曲げてからのジャンプ。そのまま、優しく猫さんを両手で包み込んで、ふんわりと着地。
 その姿はまさしくヒーローなのでした。


 お掃除以外にもお手伝いしてくれる皆さん。
「きれいにしてあげるっす」
「綺麗にしてあげるからね」
 コンスタンツァさんと蛍さんは、最初に抱っこした黒猫さんと白猫さんをシャンプーしてあげます。
「こーやって、両手でわしゃわしゃ泡立てて……っと」
「逃げちゃだめだよー? 」
 猫さんによっては水が嫌いだったりシャンプーが嫌いだったりしますけど、お二人のシャンプーが優しくて丁寧だからでしょうか? とっても楽しそう。
「スタンさん、そっちの調子はどう?」
「あはは、アタシまで泡だらけになっちゃったっす!」
 楽しくシャンプーしてたら、コンスタンツァさんの足や袖、それから顔まで泡が飛んで、泡だらけ。でも、とても楽しそうなお二人なのでした。

「えへへ、今日は猫のおもちゃ作るお手伝いです!」
「まずは爪とぎを作るぞ」
 ロゼ・アウランジェ(アンジェローゼの時謳い・e00275)さんと宵華・季由(華猫協奏曲・e20803)さんは、段ボールを手に、手作り開始です。最初に作るのは猫さんの大切な道具、爪とぎのようですね。
「爪が長くなると困るから、こうやってダンボールを重ねて、っと」
「……なるほど、その様に作るのですねっ」
 季由さんの丁寧な説明に、明るい笑顔で応えているロゼさん。ぺたぺたと段ボールを重ねて貼り付けてと、作っていくのですが、出来上がるのは、ちょっと不思議な雰囲気の……ナニカ。
「ロゼ、異界の神的なそれは、猫が怖がるから、もうちょいマイルドにしよ!」
「う、うう? 変かな?」
 そんなロゼさんの独創的爪とぎを季由さんがちょっと手直し。すると、可愛らしい立体の爪ときになりました。
「きゆのおかげで、だいぶ可愛くなりました!」
「うん、これなら猫も喜ぶはずだ!」
 ロゼさんと季由さんの合作完成です。
「じゃあ、次はねこちぐらです!」
 ご機嫌なロゼさん。次なねこちぐらに挑戦です。ねこちぐらは、藁などで作る猫さんのお家。
「ファンシーなお家にしたくて、絵を描いたのですが……廃墟見たくなっちゃって……」
 ロゼさんは事前に絵を描いて来たようですね。それを見た季由さんの表情は……とっても複雑。
「ロゼ、うん! 花のスタンプをおして、花畑なちぐらにしよう。絶対可愛いぞ」
 とっても一生懸命頑張って、季由さんはロゼさんのアイディアを可愛らしい形へと変えていきます。
「猫ちゃん、喜んでもらえますように!」
 早速、猫さんたちがまったりしている場所に作品を置いて見ると、早速『なんだこれ?』って雰囲気で猫さんたちが集まってきます。
「喜んで貰えてますね!」
「そうだな!」
 二人の作った作品は、すぐに猫さんたちの遊び場に。とっても、喜ばれている様子なのでした。


 こちらにケーキが用意してあります。
「何故、自身でケーキを用意しているのか。そのぐらいは、こちらに任せて貰えればいいのだがな」
 和風ケーキをお皿に盛り付けながら晟さん。そんな晟さんの表情は、ちょっと……複雑そうな雰囲気。
「祝われている自覚が薄いな?」
「誕生日は祝われるだけ、ではないでござるよ」
 そんな晟さんに笑顔で近づくのはウィリアムさん。
「誕生日の『祝い』とは何を以って『祝う』か、それは様々でござる」
 ちょっと難しいお話をしているウィリアムさん。
「この席は、拙者が今まで『生きた』事への皆への感謝の場でござる」
 なるほど、ウィリアムさんにとって、お誕生日のお祝いは、皆さんへの感謝という事なのですね。
「それに、やはりな……」
 そう言って、嬉しそうな笑顔のウィリアムさんの視線の先では、リィンハルトさんと熾月さんが、とても美味しそうな笑顔で抹茶シフォンケーキを食べています。
「美味しいね、バロン」
 三種類のケーキを少しづつ取り合って仲良く食べている奈津美さんとバロンさん。バロンさんも美味しかったようで、尻尾をぱたぱたと嬉しそうです。
「一仕事終えた後のケーキは美味しいっす!」
「こっちも美味しいよ。交換する?」
 コンスタンツァさんは和風ケーキ、蛍さんは抹茶シフォンケーキ。二人は一口サイズに切り分けて、仲良く交換しています。
「今日はめちゃくちゃ楽しかった!」
「そうだね」
 ケーキをたべながら笑顔になる皆さん。そんな笑顔を見ながら答えるウィリアムさん。
「あの笑顔が何より嬉しでござるよ」
「なるほどな」
 言葉通り、とっても優しい笑顔を見せてくれるウィリアムさんに、晟さんも自然と笑顔になります。そんな晟さんのお膝の上にも猫さんがこっそりちょこんとお座り。
(「ドラゴニアンって、猫に人気あるのかな?」)
 ウィリアムさんと晟さん、そしてアベルさんのお膝の上で幸せそうにしている猫さんたちを見て、そんな事を考えている要さん。
「ご相伴に預かるね」
 そんな要さんも背中に猫さんをおんぶしながらケーキを美味しそうな笑顔で食べています。
「どんどん食べて欲しいでござる」
 用意したケーキが減っていく様子が嬉しそうなウィリアムさんなのでした。


「お、重いよ〜?」
 猫さんたちと遊んでいた亮佑 さん。今は猫さんたちがお腹に集合しちゃって、大変な事に。
「わ〜ショウちゃんまで乗ってきた〜」
 ショウちゃんまで乗って大変そうな亮佑 さんですけど……。
「やっぱり〜こうして寝っころがるのが一番だよ〜」
 とっても幸せそうな亮佑 さんなのでした。

「マルティナさんや薊さんも楽しんでる?」
 軽くお掃除のお手伝いをしてくれた和さん。皆さんの元に戻ってくると、とても幸せそうに猫さんと遊んでくれている様子に和さんも笑顔になっていますね。
「ブラッシングとかOKだろうか……あっ!?」
 そっと、ブラシに手を伸ばした時に、するっと膝から逃げてしまったのは、最初にリーズレットさんがマルティナさんに似ていると言った白猫さん。
 ただ、すみっこから気になる様子で、ちょっと覗いています。
「にゃんこと仲良くなるためには……猫の気持ちになる事とおが大切なんだよ!」
 そんなマルティナさんに和さんからのアドバイス。
「ほら、にゃんにゃん♪」
 和さんは、可愛らしい仕草で白猫さんの興味を引く作戦です。一緒にリーズレットさんを誘って一緒に猫マネ。
「そうそう! にゃんこと仲良くなる秘訣は猫のきもちになるんだにゃん♪」
 とっても可愛らしい和さんとリーズレットさんの猫仕草に、戸惑いながらもマルティナさんも。
「にゃ、にゃんにゃん……? わ、私は柄じゃないと思うんだが!!」
 ですけど、一緒に猫仕草をしてしまうマルティナさんが可愛らしすぎます。
 そんな三人の視線が、同時に薊さんに集中します。
「こうすれば良いのかな?」
 そんな視線に応えて、薊さんも一緒に猫仕草。そんな皆の楽しそうな姿を写真にパシャり。とってもいい記念になりますね。
「むやぁ?」
 そんな楽しそうな皆さんの様子に、すみっこから出て来た白猫さん。マルティナさんの足に背中をスリスリ、とっても仲良しなのでした。


「逆にご馳走になってしまい恐縮だな」
 アベルさんは和風ケーキを食べながウィリアムさんと歓談。
「なんの、馳走するのも喜びでござるよ」
 祝い、祝われる。それがウィリアムさんにとっての誕生日なのでしょう。
「我々ばかり食べていても申し訳ないな」
 そう言いながら、アベルさんは猫さん用のケーキを用意してくれていました。
「みゃん!」
 ご馳走の匂いに気づいたのでしょうか、食欲旺盛な猫さんたちが集まってきます。
「こちらにもあります」
 アベルさんと同じ様に猫さん用ケーキを用意してきてくれたカミュさん。
「折角、皆が掃除した床をケーキで汚してはいけない」
 他の皆さんにも手伝って貰って、アベルさんとカミュさんの猫さん用ケーキを一口サイズに切り分けて、猫さんたちに配ります。
「こっちにもあるっす」
「バロンも一緒に配ってね」
 他のお手伝いの皆さんにも手伝って貰って、猫さんたちにケーキを配り終えます。
「さ、どうぞでござる」
 一斉に猫さんケーキを美味しそうに食べる様子に、誰もが笑顔になっていました。
「うむうむ、でござる」
 そんな皆さんの笑顔を見て、本当に嬉しそうな笑顔を見せるウィリアムさんなのでした。

作者:雪見進 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年8月19日
難度:易しい
参加:18人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 4
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