ケルベロス大運動会~アマゾン遠泳、ポロりもあるよ?

作者:そうすけ


「みんなのおかげで今年もケルベロス大運動会が行われることになったよ! 三回目の開催地は『ブラジル』アマゾン流域。世界最大の流域面積を持ち、流域には熱帯樹の密林が広がるアマゾンで様々な種目に挑戦しよう!」
 ちなみにケルベロス大運動会とは。
 度重なる「全世界決戦体制、いわゆるケルベロス・ウォー」の発動により、大きく疲弊した世界経済を立て直すため、ケルベロスによるおもしろイベントで収益を挙げようという企画である。
「でね、ボクとセルベリアは川遠泳大会の運営を任されることになったんだ。アマゾン川の岸から対岸まで泳ぎきればOKってルール。シンプルでしょ? みんな、参加してくれるよね♪」
 ざわり。ケルベロスたちが騒めく。
 アマゾン川には多種多様な危険性物が住まう。例えば――。
「うん、ピラニアとか、ピラニアとか、ピラニアとかだね。ちゃんと集めといたから」
 ちゃんと集めといたから、じゃねぇ!
 何考えてんだ、という突っ込みに対し、ゼノはさわやかな笑顔を集まったケルベロスたちに返した。
「ふふ……ロマンだよ、ロマンのためさ」
 ケルベロスの肉体がピラニアごとの歯で傷つけられることはない。その点、心配無用。だが……水着はただの布である。そう、ただの布なのだよ、諸君。何か言いたいのか、わかるね?
 急に押し黙るケルベロスの男たち。
「言っておくが男もピラニアポイントで気を抜くと、ポロリの可能性大だぞ」
 至極真面目な顔でセルベリアがいうと、いや~ん、見たくない……という声がケルベロスの女たちから上がった。
「あ~、川遠泳大会を行う場所だけど……」
 岸から岸へ泳ぐ、といってもアマゾン川は河口部で幅が320kmもある。東京―名古屋間ぐらい開いている。
「うん、河口でやると丸一日かかっちゃうね」
 いや、いくらケルベロスでも、たった一日で泳ぎ切れるかどうか……。
「安心していいよ。川遠泳大会が行われる場所の川幅はたった20km。川色は青というか緑で、白い砂浜があるところなんだ」
 たった20kmと言い切ったゼノ曰く、場所はアマゾン流域でも美しいと評判のリゾート地だそうだ。
「砂浜で水着アピールをした後、一斉に川に入ってもらうよ。途中、中州があって休めるけど……ほとんど泳ぎっぱなしだね。あはは」


■リプレイ


 眼前の光景にアンジェラ・コルレアーニ(泉の奏者・e05715)は圧倒されていた。
「た、確かに一番広いところから考えると近いかもしれません、ですが……どう考えても十分に距離があります、です!?」
 とりあえず柔軟体操。爽やかなホワイトカラーに薄紫色の可愛い花柄スカートが砂の上で揺れる。
 突然、川面がギラギラ光り出し、生きのいいピラニアが一匹、二匹、跳ねた。
「ぜ、全力を尽くすだけ、です!」
 アンジェラはピラニアがいる川へ一番に駆け込んだ。

 中州に到着するケルベロスの中には、泳ぎながらピラニアを捕まえた者も……。
 パレオを食われ、白のフレアビキニが丸見えのフィルトリア・フィルトレーゼ(傷だらけの復讐者・e03002)もその一人。
「なんとか水着は死守できましたね。さあ、お昼ご飯の支度にとりかかりましょう!」
 フィルトリアは流木を拾い集めると、防水ライターで火をつけた。
 中華ロリィな水着の莓荊・バンリが、回収したピラニアを手際よく串刺しにする。
 コンスタンツァ・キルシェ(スタンピード・e07326)が炭酸水の瓶を入れたバケツを持ってきた。
「うちの女性陣はスタイルよくて羨ましいっす。プロポーションから違うってゆーか……」
「セクシー……でありますな。いや、コンスタンツァさんのビキニもなかなか」
 へそをガン見するバンリに、コンスタンツァがバケツの水をかける。
 ハートレス・ゼロ(復讐の炎・e29646)はヌクレウス・マキナクロス(マザコンダモクレス・e10957)と一緒に、フィルトリアが起こした火の回りにピラニアの串を刺した。
 ヌクレウスがハートレスに女性陣の水着をどう思うか、と水を向ける。ちなみにハートレスは迷彩柄のサーフパンツ、ヌクレウスは紺色のスクール水着だ。
「……色といいデザインといい、皆の個性が出ていて良いのではないか。各々にあっていると思うが」
「ふむ。もしかしたら僕は、生まれて初めて『かわいい』の概念を理解しつつあるのかもしれぬ」
 そこへメイド風のビキニを着たリーン・ツァンデベルン(月霧のヴァルキュリア・e24637)がやって来た。
「はい、ドリンクをどうぞ♪」
 男たちと目を合わせて微笑み、前かがみでお手製ジュースのグラスを渡す。
 カラン、と涼しい音が鳴った。
「あ、ありがとう」
「……エプロン……ヒールするか?」
 このぐらい平気、とリーンはほかの仲間に飲み物を配りに行った。
 アイリス・リーヴィゲイタ(カキツバタの花言葉・e28244)が、ピラニアに合わせる野菜料理の小鉢を運んできた。
「どう、上手く焼けてる? 聞いた話、ピラニアは美味しいらしいわよ?」
 皮が焦げる匂いに、あわてて串を回す男たち。
 アイリスは小鉢を流木のテーブルに置くと、タイサイドビキニの紐を結び直した。
「……しっかり食べて、後半戦に備えましょうね?」

 盾組の隣ではギル・ガーランド(義憤の竜人・e00606)がワニと格闘中。
 ピラニアの串焼きもいいが、ここはワニ肉のステーキだろう。
 パトリシア・シランス(紅蓮地獄・e10443)はやや呆れぎみ。ボクスドラゴンのリウと一緒にチューチュー音を立ててドリンクを飲む。
「シャー! 俺のブレスが火を吹くぜ」
 ワニにまたがる赤いブーメランパンツを、パトリシアがスマホで激写する。
「あとで送っておくわねー」
「ん……ちょ、おい! 見えてるぞパトリシア!」
 白のタンキニの後が破れて、フリルの下から桃尻が見えていた。
「ギルぅ! なんか隠すモノ!」

「なんだろう、騒がしいね」
 淡島・死狼(シニガミヘッズ・e16447)は水着の破れを点検した。やっと買えた水着だ。大切にしなきゃ。
 ドン、とカウンターに謎の液体入りジョッキが置かれた。
「ありがとう、助かる。……ところで、これって中身は何?」
「黙って飲め!」
 セルベリアの迫力に押されてジョッキを傾け、一気に飲み干す。
「アァ~~ッマァ~~ッゾォオオオンッ!」
 死狼は頭から湯気を吹きだし、川へ飛び込んだ。
「すごーい! わたしも負けないぞ」
 クロエ・ルフィール(けもみみ少女・e62957)は三編みツインテールにピラニアをくっつけたまま、セルベリアから受け取ったオレンジジュースを飲んだ。
「おねーさん、ありがとうっ! 頑張っていってくるよー!」
「気をつけてな」
 幸い、クロエのバンドゥビキニは無事だ。だが、この先も無事であるとは言い切れない……。


「あわわ、水着が食いちぎられそう」
 赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)は、赤いスカートに食いつくピラニアを振り切ろうと手足をばたつかせた。
「ご主人様ッ」
 クノーヴレット・メーベルナッハ(知の病・e01052)はクロールで主人に追いつくと、どさくさに乗じて抱きついた。
(「役得ってヤツです♪」)
 周りのピラニアに食われ、青白ストライプのビキニが青だけになっても気にしない。
「――マスター、危ない!」
 ピアディーナ・ポスポリア(ポスポリアキッド・e01919)は迷った。
 戦うべきはピラニアか、マスターに抱きつく不届き者か。
 決めかねていると、とんと胸にあたるものが。
「え?」
 巨乳を覆う二重ブラの……内側だけ盗られた?
「器用な……って……ぁ?」
 ふええ、と焦るに顔を向けると、主人の顔にブラが張りついているではないか!
 そこへ襲い掛かる『乳肉のポロロッカ』。否、必死の犬かきで迫る剥きだしEカップ舞鶴・雫(オニユリ・e53265)。
「ピラニアが胸に……お嬢様、たすけてっ! あ、やよいさぁんっ!」
 雫は古手川・やよい(どんがらがっしゃーん・e02482)の姿を認めると、迷わず腕を伸ばした。巨乳を包むビキニの細紐を引き寄せる。
「はわわっ!? 雫さん!? 抱きつかれてもこ、困りますぅっ!!」
 ぽろん、ぽろりん。『乳肉のポロロッカ』大増量。
 やよいたちはクノーヴレットとピアディーナをボインアタックで弾き流すと、華奢な主人に抱きついた。
「お、落ち着いてくださいっ?!」
 ブラを顔に張りつけたいちごが助けを求めて手を伸ばす。
「ふぁ、あ……お、お嬢様!? そこ、そこはーっ!?」
 翔羽・水咲(産土水に愛されしもの・e50602)が艶っぽい声を上げた。
 いちごが掴んだのはフリルがあしらわれた水咲のビキニだったのだ。
「ダ、ダメェ……」
 水咲の脚からするりとビキニが脱げ落ち、新種の海藻(?)にピラニアが群がる。
「こ、ここのピラニア達、なんだかいけないこと大好きな雰囲気がー!?」
 そんなこと言っている場合じゃないぞ。
「わうっ、ピラニア集まってきたーっ!?」
 赤い競泳水着の緋薙・敬香(ガーネットダーク・e02710)、主人たちのピンチに参上。
「わう! いま! 私の野生が目覚めるっ!」
 敬香は水中に潜った。片手に三匹ずつ、口に一匹くわえて浮上する。
「主様、みてみてー! いっぱいつかまえたっ」
 何千匹いるピラニアのうち十匹足らずを捕獲しても……。
「あー!? 水着がまだらに!?」
 ほらね。
 先行のイーニン・ヤン(蒼龍闘士・e36103)は騒ぎに気づいて立ち泳ぎになった。
「……この様子は尋常じゃあないわね」
 急いで戻る。
 実はイーニン、オフ日は高校水泳部の顧問もやるガチアスリート。高速回転する手足で、不届きなピラニアをバッタンバッタン殲滅していく。
 白地に青ラインの三角ビキニが流れていくことにも気づかずに。

 先を急ぐもの、その場にとどまり戦うもの――ダダル・ダル(死竜使いのカードファイター・e00561)は後者だ。
「ピラニアこっちくんなあああってブルローネさん泳ぐの早っていうか追い付けなうわあああピラニアやめうわあああ!」
 黒地に黄色でプリントされたシャツの文字はもう読めない。
「クソピラニアがぁ! しばいてやるでっす!」
 迷彩柄のトランクスも時間の問題か。合掌。
「お兄ちゃん! いま、助けるよ!」
 ウェルシェ・セイボリー(晴雪・e04260)は必死に水面を叩いた。音でピラニアの気を引いて兄から離す作戦だ。
 狙いどおりピラニアが自分に集まってきた。よしよし、と思ったが――。
「ひゃっ!?」
 敏感な腹の傷跡を噛まれて、ウェルシェは悲鳴をあげた。
「ウェル!!」
 ルーク・アルカード(白麗・e04248)が振り返る。
 ほぼ同時にルークの尻尾がぎぎゅっと閉めつけられた。
「き、きりききゅう!!」
 うーん、首を絞められたインコが舌を突き出しながら鳴くとこんな感じか……。
 兄妹は抱き合いながらピラニアの群の中に沈んでいった。
(「一度潜ってみたかったんだよなぁ……アマゾン川」)
 デュオゼルガ・フェーリル(旅する狼拳士・e61862)は潜水を開始した。鍛え上げられた体に張りつくスパッツタイプの水着。アクセントの白ラインが水中に消える。
 デュオゼルガは手刀をピラニアどもにお見舞いした。
 ダダルたちの水着はすでに紐になっていたが、襲われている仲間のフォローはしないとね。
「みんなの貞操はオレが守るっす。社会的死を回避っすよ!」
 セット・サンダークラップ(青天に響く霹靂の竜・e14228)は、中継ドローンの前で翼を広げた。
 白のサーフパンツで跳ねながら、自衛用のドローンとともに一回転。ほぼ全裸で波に漂う仲間のおケツを全世中の目から隠す。自分の股間は尻尾でガード(はーと)。
 飛び散る鮮血。回るカメラ。
「こら、馬鹿獅子! セットさんの裸、撮ってんじゃない!」
 夜船・梨尾(獅子と黒犬の兄弟・e06581)はビハインドのレーヴェからビデオカメラを取り上げた。レーヴェの白褌でレンズについた水滴を丁寧にふき取る。
「ったく。皆と仲良くするところを撮る、なんて書いて寄越したくせに……」
 とぼやく梨尾のサーフパンツもかじられて、まるでビキニのよう――。
「って、え?! な、な??」
「La retenue! それは食べちゃダメですの!」
 シエナ・ジャルディニエ(攻性植物を愛する人形娘・e00858)に一喝されて、筏を構成する攻性植物ヴィオロンテは梨尾のサーフパンツを口から離した。
「ごめんなさいなの。この子達がご飯と間違えたようですの」
 シエナは水着のフリルを揺らして頭を下げると、ルストール・シブル(機動防壁という名の変態・e48021)を追いかけた。
 ルストールは赤い血の筋を川に流しながら爆進していた。
「ピラニアから遠泳大会参加者を守る盾となるのじゃ!」
 熱く意気込むも、一番守りたいのはシエナだ。あまり離れては意味がないので、立ち泳ぎでピラニアをぶちのめしながら待つ。
「お待たせいたしましたの!」
「まて、近づきすぎじゃ! あーっ!」
 ヴィオロンテたちがルストールのおっぱいに食らいついた。

 綾崎・渉(ガジェッティアはじめました・e04140)をピラニアたちに捧げ、志穂崎・藍(蒼穹の巫女・e11953)は細く笑みながら泳いでいた。
「ピラニアが水着を襲うというなら対策すればいいにゃ。あったまイイにゃ♪」
 自分の水着にはピラニアが嫌う匂いを、幼馴染のハーフパンツにはピラニアが好む匂いをつけておいたのだ。
「うぉあぁぁ水着がブーメランパンツになりゅううう!?」
「この尊い犠牲は、1分くらい忘れないニャ!」
「あ、こら藍!! なにをしてやったりな顔で先行しちゃってくれてるのかなァ」
 幼馴染から真相を聞き出す前に、ポロリしちゃう運命の渉であった。
(「すまぬ。助けてやりたいが……勝負の世界は非情なのだ」)
 必死にクロールするもピラニアの重みでスピードが出ない渉の横を、粋な陣羽織姿の神崎・晟(熱烈峻厳・e02896)が豪快かつ美しいクロールで追い越した。
 護衛艦よろしく友だちになったピラニアに取り囲まれて、晟は悠遊アマゾン川を渡る。
 一方、神宮・翼(聖翼光震・e15906)は迫力のバタフライで群がるピラニアたちをぶっ叩きながら岸を目指していた。
 翼にたかるピラニアは多くない。
 なぜなら、ロディ・マーシャル(ホットロッド・e09476)が身を挺してピラニアたちを引きつけているからだ。
「翼のせいでオレの水着はボロボロだ!」
 赤いトランクスは、ボロ布きれに。自分がこんな状態なのだ。紐水着の翼は……。
「だから! 何で! すぐ脱げる様な水着きて来たんだよ!?」
「こうなったらロディくん、最後の手段!」
 え、と思った瞬間、まっ裸の翼が抱きついてきた。
 残り少ない布より赤くなったロディが鼻血を吹きだして、さらにピラニアましまし……。


 除・神月(猛拳・e16846)はピラニアを振り切ると、友だちになったアマゾンカワイルカのオスの背にまたがった。
「邪魔する奴は容赦しねーゼ!」
 赤のパレオビキニを風になびかせ追うはピラニア艦隊。金の龍が獲物を狙い、牙をむく。目指せ一位。
 不知火・梓(酔虎・e00528)は辺りを見回した。
「……ん、然して離れてねぇとこにいんな」
 宵鳴・散華(宵闇に散る刃鳴・e05628)を見つけ、甚平がこれ以上破れて危険なことにならないよう、そろりと古式泳法で近づく。
「無事か……ふふ、肉体美が見れなくて残念だ、とでも言っておこうか」
 そういう散華は元々が布の少ない紐ビキニだったためか、ピラニアの被害ゼロ。だが――。
「何だ、大きい影が……!」
 梓が警告する前に、アマゾンカワイルカが散華のビキニの紐をくわえた。するっと解けた紐。流されていくビキニ。
 すかさず梓が抱いて裸を隠す。
「……こんなタイミングで言う事じゃぁねぇが、先日は誕生日だったなぁ。おめっとさん」
 アリス・ティアラハート(ケルベロスの国のアリス・e00426)は抱き合うふたりからそっと目を外した。
 空色の可愛いフリルの破れをさりげなくヒールで修復しつつ、ミルフィ・ホワイトラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・e01584)に声をかける。
「見て下さい。ミルフィ……とっても綺麗な自然ですね……♪」
「雄大なアマゾンの自然を見つつ泳ぐのも……乙なものですわね♪ アリス姫様……♪」
 ミルフィは姫の護衛としてピラニアを退けた代償に淡いピンクのセクシーなビキニトップを失っていたが、ピンク色の長い髪を上手く使って胸を隠していた。
「あ♪ カワイルカさんこんにちは♪ 一緒に泳ぎましょう……♪」
「わ♪ 背に乗せて下さるんですか……有難うございます♪」
 周りの喧騒をよそに、のんびりカワイルカたちとランデブー。


 一位でたどり着いた晟は、ポロリどころ完全無事の男はいらね、とひどいコメントを吐くゼノからタオルを奪い取った。
 ゼノはめげずにきわどいビキニ姿の神月にバスタオルを巻きに行くが、一位を逃して機嫌の悪い神月に蹴り倒されてしまう。馬鹿だね、ほんと。
 ケルベロスたちが続々と川から上がってきた。
「お気に入りの水着が~」
 クゥ・チコット(シリウスの輝き・e02402)は尻尾でポロリを隠しながら上陸。ヒールで水着の修復を試みるも、ハイビスカス柄が食虫植物柄になってシクシクと泣く。
「あれ? クゥさんももしかして水着やられちゃったんですか?」
 『も』と強調したが、ブルローネ・ウィーゼル(モフモフマスコット・e12350)はフルチンではない。水着は食われて無くなっていたが、下に六尺褌をつけていたのだ。
「仕方ないですね……!」
 ブルローネは腰の結びを解くと、フルチンで褌を差し出した。
「僕は恥ずかしくないので大丈夫です! さあ! 遠慮せずに!」
「ぼ、僕が恥ずかしいです。前を隠し……あー!」
 結局、グイグイ押しつけられて着るはめに。
 二人を見てガハハと豪快に笑う銀山・大輔(青牛おじさん・e14342)だが、こちらもひどい……。
「おいらの水着、ボロボロになっちゃったけど怪我が無くてよかっただぁよ」
 越中褌はもはや褌にあらず。風で赤い前だれがはためくと、股間がモロだしだ。
「こらー! 全世界が見ている前で何をブラブラさせておる!!」
 セルベリアに怒鳴られて震えあがった大輔は、クゥたちを連れ、慌てて葉っぱを取りにジャングルへ入った。
 恥ずかしがらない、といえばシフカ・ヴェルランド(血濡れの白鳥・e11532)も堂々と巨乳を晒している。
 シフカにとっては何も見につけていない方が自然なのだ。
 ゼノがタオルを手に、「これで隠して」と走り寄ってきた。
 シフカは「ああ、すみませんね」と言って、手で胸を隠すフリをしつつ、全力でゼノを張り倒した。
「んっ、ゴール。ちょっと疲れちゃってるかも。でもお客さんたちにも手を振ったりしてサービスしてあげなきゃね」
 ティア・エルナローグ(サキュバスの螺旋忍者・e62481)は白のマイクロビキニで泳ぎ始めたのだが……。
 中継ドローンに向けて手を振るティアの姿は『浜辺のビーナス』。恥ずかしがるどころか、お色気アピールしだす始末。
 対照的なのは水瀬・和奏(フルアーマーキャバルリー・e34101)だ。
「ゼ、ゼノさん。早くバスタオルを」
 シンプルで清楚……と思わせて胸に目が行く意外と大胆なデザインの水着がさらに大胆に。いつ破れてもおかしくないというか、もう破れるところがない状態。
「撮らないでくださ~い!」
 中継ドローンから逃げだした和奏の背を、アマゾン川に沈む夕日が照らしていた。

作者:そうすけ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年8月11日
難度:易しい
参加:44人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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