ファング・オン・ビーチ

作者:雨音瑛

●夏の海
 頬を撫でる潮風と、耳に届く海猫の声。
 泳ぐ者、友人たちとビーチバレーを楽しむ者、海の家で買った焼きそばを美味しそうに食べる者。
 海辺は夏を、海を楽しむ者で溢れている。
 だというのに、デウスエクスの襲撃は後を絶たないようで。
 太陽で熱された砂浜に突き刺さった巨大な牙は、瞬く間に竜牙兵へと姿を変える。
「グラビティ・チェインをヨコセ!」
「ドラゴンサマにササゲルカテとナルノダ!」
「グァハハ、ニゲテモムダダ!」
 逃走する人々の努力も虚しく、青色のオーラを纏った竜牙兵はひとり、またひとりと人々を手に掛けてゆく。
 血に染まった砂浜で聞こえるのは、ただ、静かな波の音だけであった。

●いざ、海へ
 眩しい太陽を一瞥して、イルヴァ・セリアン(あけいろの葬雪花・e04389)は話し始める。
「ここのところ暑い日が続きますね。きっと海水浴場も大盛況……と、そこまで考えて引っかかったのです」
 人々が多く集まる場所に降り注ぐ『竜牙竜星雨』。海水浴場もその対象になるのでは、と懸念したイルヴァがヘリオライダーに予知を依頼したところ、その予感は的中。
「とある海水浴場に竜牙兵が現れて人々を殺戮する、と。これからヘリオンで向かえば、竜牙兵の凶行は阻止できるようなんです」
 現地に到着するのは、竜牙兵の出現1分前。でも、と、イルヴァが続ける。
「到着直後に避難勧告をするのはお勧めしません。竜牙兵の出現前に避難勧告をしてしまうと、竜牙兵は他の場所に出現してしまうため、被害が大きくなってしまいます」
 既に現地のスタッフには説明済み。ケルベロスたちが海水浴場に到着し、竜牙兵が現れた後は、戦闘に集中できる。
「砂浜での戦闘となりますが、それによって不利になることはないみたいですね。強いて言えば……かなり暑い、ということでしょうか?」
 言いつつ、イルヴァは困ったように笑う。
「予知によると、出現する竜牙兵の数は3体だそうです。どの個体も命中率が高く、青いバトルオーラを纏っての戦闘を仕掛けて来るとうかがいました」
 戦闘開始後、竜牙兵が撤退することはない。また、一般人を狙うこともないようだから、しっかりと連携してダメージを重ねていくと良いだろう。
 あとは、と、イルヴァは拳を握りしめる。
「そうそう、竜牙兵を倒した後は、存分に海を楽しめるみたいです。天気もいいみたいですし、しっかり撃破して、たっぷり遊びましょう! 協力のほど、よろしくお願いしますね!」
 もちろん、水分補給も忘れずに。付け足し、イルヴァはぺこりと頭を下げた。


参加者
武田・克己(雷凰・e02613)
鎧塚・纏(アンフィットエモーション・e03001)
アウィス・ノクテ(ルスキニア・e03311)
イルヴァ・セリアン(あけいろの葬雪花・e04389)
未野・メリノ(めぇめぇめぇ・e07445)
クララ・リンドヴァル(本の魔女・e18856)
呉羽・楔(黎明の薄紅葵・e34709)
志綺崎・桜(の足下には死体が埋まっている・e61579)

■リプレイ

●日常を守るために
 夏の海を楽しむ人々を襲うのは、激しい太陽の光だけではない。
 空から降り注ぐ竜の牙も、然り。
 駆けつけたケルベロスは、避難を始める人々の前に出てすぐに戦闘を開始する。
 人々の日常を脅かす存在を許すわけにはいかないと、イルヴァ・セリアン(あけいろの葬雪花・e04389)は竜牙兵の一体に狙いをつけて詠唱を開始する。
「亡びも終わりの静寂も。すべてをこえて幾度でも命は巡り、花は咲く。だから――」
 惨殺ナイフ「grasta」の刃を、願いを込めて骨の兵へと突き立てる。そこに咲くは、いくつもの氷晶の花。
 効果のほどを見届けたイルヴァが、竜牙兵から離れる。
「ちゃちゃっとお片づけしましょう。まといさん、行けますか!」
「ええ、いつでも大丈夫よ」
 それにしても、と鎧塚・纏(アンフィットエモーション・e03001)が眼鏡のテンプルをそっと押し上げた。
「グラビティ・チェインをそこまで必死に求める姿はある意味、健気過ぎて涙が出ちゃう。でも、ざぁんねん。番犬のお出ましよ」
 纏の眼鏡ごしの瞳が、妖しく瞬く。
「出でませ我が朋、我等が女王。 これなる者の手を取って、遠き彼方の扉に連れていって――」
 応えて現れる、人ならぬもの。自由に舞うそれらは、イルヴァが最初にダメージを与えた個体にひときわ大きなダメージを与える。
「――“さよならだ”」
「グアッ!?」
 のけぞった後、すぐに自身を回復する竜牙兵。
「ジャマスルカ、ケルベロス!」
「ナラバ、ワレらもヨウシャはセヌ!」
 練り上げられたオーラが、続けざまに武田・克己(雷凰・e02613)へと直撃した。だが、当の克己は焦る素振りすら見せない。
「なるほど。精度は大したもんだ。が、威力が致命的に足りてねぇな」
 抜いた日本刀「直刀・覇龍」に雷の霊力を纏い、克己は竜牙兵へと刀身を突き立てる。
 次いで戦場に響き渡る透き通った声は、アウィス・ノクテ(ルスキニア・e03311)によるもの。立ち止まらず戦い続ける者達の歌は、前衛の防備を高めるものだ。
「楔、お願い」
 振り向き、声をかけるは友人であり歌劇仲間の呉羽・楔(黎明の薄紅葵・e34709)。
「うん、任せてアウィスちゃん!」
 スイッチを押し込み、中衛の背後で攻撃力を底上げする極彩色の爆発を。
「クララさん、今です!」
 こくりうなずき、クララ・リンドヴァル(本の魔女・e18856)がオウガメタルを変形させてゆく。
「“不変”のリンドヴァル、参ります……」
 やがてオウガメタルが不気味な黒い太陽の形を取り始めた。そうしてクララの瞬きひとつ、黒い光が竜牙兵たちを照射する。
「これが、レギオンレイドの黒太陽です」
「では、私も行きます、ね」
 続く未野・メリノ(めぇめぇめぇ・e07445)も、同じく黒い太陽で竜牙兵たちを照らす。
「バイくんは、みんなが集中して狙っている竜牙兵を狙うんです、よ」
 次は自分の番だと張り切るミミック「バイくん」に、メリノが声をかける。
 言われ、バイくんは力強くうなずいた。全速力で竜牙兵に向かい、思い切り噛みつく。
「最後の夏休み……とするのは忍びない」
 避難する人々を横目に、志綺崎・桜(の足下には死体が埋まっている・e61579)は如意棒に炎を灯す。
 これが人々にとって最後の夏休みとなるかどうかは、ケルベロスにかかっている。ならば、桜のやるべきことはひとつ。
「しっかり働いて被害を防ぐとしようか」

●戦う理由
 作戦の基本方針は、各個撃破。
 その中で、楔が仲間の回復を、メリノと桜が複数の個体を攻撃して牽制を、クララが支援を、アウィスが竜牙兵を引きつける役目を担う。
 装備した防具の属性を敵の攻撃に合わせてきたアウィスではあったが、攻撃が集中すれば流石に体力の減りは大きくなる。
「アウィスさん、ヒールします、ね」
「アウィスちゃん、無理しないでね!」
「ありがとう。メリノ、楔」
 二人に癒され、アウィスは笑みを向ける。
 自分も役に立ちたい、とでも言うようにぴょこんと跳ねたバイくんは、エクトプラズムでハンマーのようなものを作りだした。
 集中して狙う一体へ、がつんと一撃。見た目こそ羊毛のようにもこもこしたハンマーであったが、確かにダメージは与えられている。
 また、バイくん自身も盾役としてケルベロスを庇っていたため、いくらかのダメージを受けている。それでも怯むことはなく、メリノに指示された通りの役割をこなすつもりでいるようだ。
 何より、ここでケルベロスが倒れるようなことがあれば、どれだけ多くの人々が犠牲となることか。
「一般の方の避難は進んでますでしょうか」
 潮風に揺れる髪を抑え、クララがあたりを見回す。
 もう、一般人たちの声は聞こえない。今や海辺にいるのは、竜牙兵と彼らに立ち向かうケルベロスだけだ。
「遠慮は必要なさそうですね」
 ダメージの蓄積に貢献せんと、クララは意識を集中し始めた。砂塵を巻き上げて起きた爆発で、集中攻撃を受けている竜牙兵が宙に浮く。
「ナニ!?」
 竜牙兵が驚くよりも早く、桜は鮮血刀「左惨禍」に赫を纏わせる。
「赫灼の刃、味わうといい。……拡がれ」
 横薙ぎ、一閃。斬撃は白い竜牙兵たちに赫の彩りと熱を与える。上々の結果に桜は刀の刃を払い、鞘に収めた。
 桜の灯した炎を標にでもするように、イルヴァが竜牙兵目がけて一直線に駆け出す。
「いきます」
 刻まれている傷。それ目がけて突き立てた刃は、竜牙兵を粉々に破壊した。
「一体目、撃破です。次にいきましょう!」
「ツギ、ダト!? ツギはオマエタチのバンダ!」
 イルヴァに向けて繰り出される、加護をも破壊する拳の一撃。
 アウィスがイルヴァと竜牙兵の間に滑らかに割り込んだ。舞い踊るような動きと青い踊り子衣装のせいか、舞の所作にすら見える。
「ありがとう、アウィスさん!」
「どういたしまして、イルヴァ」
 その様子を見て、もう一体は別のケルベロスに狙いをつけ始めた。
「ナラバコチラだ! クラエ!」
 拳を受けたのは、克己。いっそ楽しそうに笑みを深めてすらいる。
「風雅流千年。神名雷鳳。この名を継いだ者に、敗北は許されてないんだよ」
 笑みを浮かべたまま、克己は大地の気を集約する。
「木は火を産み火は土を産み土は金を産み金は水を産む! 護行活殺術! 森羅万象神威!!」
 肉薄からの連続斬撃。互いの気と大地の気を融合させた後は、竜牙兵に十字の傷を刻みつける。同時に爆発が巻き起こり、気だったものは白い霧となって浜辺に降り注いだ。
「2体目以降はそれなりに削れているから、結構早めに撃破できるかもしれないわね」
 克己が攻撃を仕掛けた個体と最後に撃破することになるであろう個体を見る纏。
「いずれにせよ……最後まで油断するつもりも、手加減するつもりもないのだけれどね?」
 呪詛を載せた得物から放つ、真一文字の斬撃。
「次は――アウィスちゃん、お願いね」
「うん、まかせて」
 アウィスはアリアデバイスを手に命中率を向上させる歌を歌い上げた。
 手厚い加護に、的確な役割分担。
 勝利は、目前だ。

●最後まで
 庇い立てた痛みもそうだが、照りつける太陽も苛烈だ。陽光によってダメージを受けるわけではないが、なかなかどうして気力を奪ってゆく。
 メリノは汗を拭い、バイくんに笑顔を向ける。
「終われば、楽しいことが待っていますから、ね。バイくんも、あと一踏ん張りです、よ」
 その言い方は、弟を気遣う姉のよう。ふたをばちーんと大きく鳴らし、バイくんは元気よく偽物の黄金をばらまく。
「その調子です、よ。私も負けていられません、ね。――静かにお願いします、ね」
 グラビティ・チェインを縒り、紡げば、メリノの手元には糸状の重力の塊が出来上がる。くせっ毛が揺れらして竜牙兵たちを指先で触れると、
「ガッ!?」
「グァッ!?」
 雷撃にも似た痛みをもたらす一撃となる。
「まだ、終わりじゃ無い。――Trans carmina mei, cor mei…… Restringo.」
 這うように迫るアラベスクが、アウィスの口から紡がれる。その音は、竜牙兵たちを縛り、包み、制約する。
 続いてクララの構えるライフル、その銃口が竜牙兵を捉える。タイミングを見計らって引き金を絞り、魔法光線を。
「外しません」
 1体の竜牙兵が、光に溶けて消えてゆく。
 ライフルを降ろしたクララはそれを見届け、小さく息を吐いた。
「残るは、あちらの一体だけです」
「よし、これで最後だな」
「夏の海に竜牙兵なんて相応しくないですからね、ご退場していただくとしましょう」
「楽しく遊ぶためにも、海辺をこれ以上荒らさせません」
 桜が氷を与える一撃を、楔とイルヴァが状態異常を増やす閃きを与える。
「ああ。とっとと夏の海を楽しみたいんでな」
 砂を踏みしめ、克己が骨を打ち砕かんばかりの一撃を叩き込んだ。同時に、氷と炎を始めとした状態異常が増えてゆく。
「グ、ガ……コレデモ……クラエ!」
 最後の竜牙兵が放つ、オーラの弾丸。
 自身へ向かう軌跡だと気付いた桜が、身構える。同時に、メリノが桜の前へと飛び出した。盾役を担うメリノが受けるダメージは、桜が受けるそれよりも軽微なものだ。
 二人の横を抜け、纏が進み出る。
「ほんとう、健気ねぇ。でも――無駄よ」
 纏は簒奪者の鎌「止雨連鎌」を、竜牙兵の頭と体を繋ぐか細い場所へ容赦無く振り下ろした。
「ガハッ……!」
 竜牙兵の頭が転がり、黒い灰のようになって崩れる。白い砂浜に混じることなく、海風に流されて消えていった。
 竜牙兵3体の撃破、完了だ。
 クララは長手袋を脱ぎ、砂浜にふわりと落とす。
「無事に終えられましたね」
「ヒールはお任せください!」
 人々のために、思い切り遊ぶために。元気よく挙手して、楔はあたりを修復してゆくのだった。

●夏の海
 青い海に、白い雲。
 纏にとって「海で皆とはしゃぐ」なんて遅れてきた青春のようなもの。余すところなく楽しむ前に、海遊びは初めてだというイルヴァを捕獲し、苦笑いしながら日焼け止めを差し出した。
「折角白くて綺麗なのだから。焼けて後でヒリヒリ痛いの嫌でしょう?」
「わ、わたしよりまといさんのほうが! ……そ、それじゃあ半分こでつけましょう」
 特別な友人にそんな風に言われたイルヴァはドギマギしつつ、提案をする。いい香りがするのは、お高いものだからだろうか。
 彼女たちの横で、楔もしっかりと日焼け止めを塗る。何せ、楔は舞台女優。日焼けはNGなのだ。
 準備ができたら、まずは潮干狩り。
 赤い水着に白いパーカー、ピンク色のサンバイザーと、夏を楽しむ格好をしたイルヴァはは、楔と共に砂を掘る。
「砂が盛り上がっている部分が狙い目なんだよ……ところで、イルヴァちゃんの傍にいると涼しい気がする……もう少し居ていい?」
「はい、どうぞ! ……あっ、いましたよ、アサリ!」
 それにしても、とメリノはバイくんと協力して砂を掘り進める。
(「……しおひ、ってなんなのでしょう、か」)
 考えても答えは出ない。しかし気付けば、両手一杯のアサリ。謎こそ解けなかったが、よいお土産が出来たようだ。
 一方、纏は一段上のテクニックで潮干狩りに当たる。
「柔らかい所はもう誰かが掘った後。つまり狙うは固い所や遠浅の場所!」
 と、大人げないやり方で大量にゲットしてゆくのだった。
 次は砂のお城づくり。なるべく大きな城を作ろうと奮戦するイルヴァとアウィスのところへ、メリノは大きめのパラソルをいくつか借りて日陰を作った。
「無理はダメです、よ。これだけ暑いと、すぐ疲れてしまいますから、ね」
「ありがとう、助かる」
 礼を述べつつ、せっせと砂を運ぶアウィス。
 できたのは、身長を超えるほどの大きさとなった砂の城。アウィスは翼を羽ばたかせ、高いところに拾った貝殻を飾り付ける。
「これで歓声!」
「おっきなのができましたねー!」
 顔を見合わせ、二人は双子のように笑みを向け合った。
 そんな仲間の声を聞きながら、クララはビーチチェアでお気に入りの本を読んでいた。共に遊ぶより、こちらの方が合っているようだ。
「いい風、です……ね」
 ふわり流れる風が、束の間の涼を運んでくれる。今年の夏はかなりの暑さだ。クララが視線を上げると、
「どっこいしょっと」
 バーベキュー用のコンロコンロを設置して炭で火を熾す克己と、肉の下処理を手際よく進めてゆく楔、遊ぶ仲間達を微笑ましく眺めながら食材の下準備をする桜が見えた。
(「小さな頃は、家族で行くとどうしても物々しくなってしまったな」)
 思い出すのは、海に入ろうとする桜を心配した父が数メートル離れた四方に警備よろしく若い衆を配置したこと。懐かしい記憶に、桜は笑みを零すのだった。
 遊んでいた面々が集まり始めたところで、克己は串に刺された肉や野菜を並べて焼き始める。一方、焼けるまでの間冷やしておいた飲み物を配るイルヴァ。
 待ち時間も、なかなか楽しいもので。
「おにくーおにくー、バーベキュー♪」
「美味しい美味しい、お肉と野菜♪」
 アウィスの即興の歌に、纏も乗ってみたり。
「何か希望はあるかな? たくさん動いてたくさん遊んだんだ。食材には余裕があることだし、たくさん食べるといい」
「とうもろこしとピーマンを食べたい」
 桜の問いに、アウィスが素早く応えたり。
「お肉だけじゃなくて野菜も食べるのはいいことです! はい、こちらはメリノさんの分ですよ」
「ありがとうございます、楔さん。……バイくん、私の分を分けてあげます、ね。頑張ったご褒美です、よ」
 摘み食いをしないようにとバイくんを抱っこしていたメリノが、自分の分を多めに取り分けてあげる。
 克己も自分の分を頬張りながら、鉄板の方をちらりと見た。
「焼きそばは締めにするか?」
「あ、わたし、焼きそばは大盛りがいいです!」
「焼くときはお手伝いします、ね。食べてばかりもいけません、から」
 自分の分を食べ終えたイルヴァとメリノが、鉄板を準備し始める。
 焼きそばのいい匂いが漂い始めた頃、 仲間の声をBGMに読書をしていたクララは、何時しか眠りに落ちていた。
 不意に、纏が仲間たちを見渡す。
「――ねぇ、海の家でかき氷をデザートにとか、如何?」
 デザート。そう聞いて、お腹いっぱいで眠くなっていたアウィスがスイカを取り出した。
「……実は、スイカ持ってきた! 割ってかき氷に添えよう!」
 海辺で過ごす夏は、どこまでも盛り上がる。
「夏は苦手でしたが、こんな風に過ごせて……少し、好きになれそうです」
「はい! わたしも、皆さんと食べるごはん、皆さんと遊んだ思い出……とっても大切な記憶になりそうです」
 えへへ、と笑うメリノに、イルヴァが笑顔で大きくうなずく。
 夏の終わりまであと少しだからこそ、いまこの場で過ごす時間が楽しく、愛おしい。

作者:雨音瑛 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年8月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 3
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