こんな時だが、俺達はおっぱいを倒しに行く!

作者:雷紋寺音弥

●真夏の危険なお誘い
 大阪市内の繁華街。大通りから少し離れた脇道を、冴えない風体の学生が歩いていた。
「うぅ……テストが終わったからって、調子に乗って飲み過ぎたなぁ……。なんか、転んで眼鏡も割っちゃったし……」
 どうやら、大学の定期試験が終わったことで、友人と一緒に酒を飲んだ帰りらしい。その際、飲み過ぎで前後不覚になって転んだ拍子に、眼鏡も割ってしまったようだ。
「あ~、マジで周りが良く見えねぇ……って、何だ、ありゃ?」
 独り言のように呟きながら進む青年だったが、目の前に現れたものを見て思わず足を止めた。
「うふふ……。そこの素敵なお兄さん。私と一緒になりません?」
 そこにいたのは、裸に植物を巻き付けただけの、危険な姿をした少女だった。
 こんな時間、人気のない脇道で半裸の少女が誘ってくる。どう考えても普通ではないが、しかし酒の酔いが回っていたことも災いし、青年は鼻の下を伸ばしてふらふらと近づいて行き。
「お兄さんって、俺のことかい? いやあ、参ったな。でへへへ……」
「さあ、もっとこっちへ来て。早く、私と一緒になりましょう」
 言われるがままに少女の手を取り、本能の導くままに唇を重ねる。だが、次の瞬間、彼女の口から青臭い塊が口内に押し込まれたことで、青年は喉を掻きむしりながらその場に倒れ込んだ。
「んんっ! んぐぅっ……!」
 気が付いた時には、既に遅し。鼻と口から溢れ出る大量の蔦。それに全身を絡め取られ……青年の姿は、完全な攻性植物のそれに変貌していた。

●こんな時ですが、おっぱいが現れました
「お集まりいただき、感謝するっす。ドラゴン勢力の動きが活発な時っすけど……大阪城周辺の攻性植物達が、また男性を狙った色仕掛けを企んでいるっすよ」
 至急、現場に向かい、被害者となる男性を保護して欲しい。そう言って、黒瀬・ダンテ(オラトリオのヘリオライダー・en0004)は集まったケルベロス達に、自らの垣間見た予知について語り始めた。
「敵の攻性植物は、大阪市の繁華街にある人気のない脇道に潜んでいるっす。そこを通りかかる酔っ払いに声を掛けて、誘惑に成功すると種を植え付けて、攻性植物にしてしまうっす」
 先回りして被害者の身柄を確保したいところだが、それを行ってしまうと攻性植物は現れない。最悪の場合、別の場所に出現して男を誘惑し始めるので、安易に人払いをするのは厳禁である。
 ちなみに、被害に遭う男性は女性の縁のないタイプであり、今回の犠牲者は飲み会帰りの男子大学生だ。全体的に小太りで、おまけに寄った勢いで転んで眼鏡を割っており、色々な意味で究極的にダサい。女性に対する免疫なども、殆どないと言ってよいだろう。
「敵の攻性植物が使うのは、主に相手を誘惑する効果のある技っすね。他にも、身体に巻き付けた蔦とか花を使って攻撃してくることもあるから、そっちにも注意して欲しいっす」
 ダンテの話では、敵は華奢な姿をしているものの、戦いになると攻撃的な一面を見せることもあるという。全身から放つ芳香で相手を魅了する他に、蔦の先にある口で噛み付いて毒を注入したり、花から光線を発射したりもするので、油断できない。得意な間合いは防御特化であり、持久戦にも強そうだ。
 なお、青年の対処に失敗した場合、彼も攻性植物に寄生されて配下となってしまう。こうなってしまうと、もう青年を助け出すことは不可能な上、厄介な敵が増えることにも繋がるので、できれば避けたい事態である。
「被害者の学生を助けるには、誘惑に乗らないようにさせるしかないっすね。ただ……難しい場合は、攻性植物の撃破を優先して欲しいっす」
 色々と忙しなく事態が動いている時期だが、それでも放っておくわけにもいかない。そう締め括り、ダンテは改めてケルベロス達に依頼した。


参加者
日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)
パトリック・グッドフェロー(胡蝶の夢・e01239)
機理原・真理(フォートレスガール・e08508)
伊予野・仇兵衛(這い寄る契約獣・e15447)
風陽射・錆次郎(戦うロボメディックさん・e34376)
椚・暁人(吃驚仰天・e41542)
根住・透子(炎熱の禍太刀の担い手・e44088)
ルーシィド・マインドギア(眠り姫・e63107)

■リプレイ

●女は怖い?
 蒸し暑い空気の漂う夜の路地裏。繁華街から少し離れたその場所を、眼鏡の青年が歩いていた。
 酒に酔っているのか、どこか足下がおぼつかない。見れば、既に転んで割ったのか、眼鏡には亀裂が走っている始末。
「うぅ……やっぱり、ちょっと飲み過ぎたかなぁ……」
 頭痛の残る頭を押さえながら、青年は誰に言うともなく呟いた。そんな彼の姿を見つけ、そっと近寄る者が一人。
「ねえ、お兄さん。今、お暇ですか?」
「……ふぇっ!?」
 いきなり漂って来た甘い香りに、青年は思わず目を丸くして声を上げた。まあ、無理もないだろう。大胆にスリットの入った肩出しドレスを着た機理原・真理(フォートレスガール・e08508)が、唐突に青年の腕を取って身体を密着させたのだから。
「私、貴方みたいな人とお話してみたいなって思ってるのです。お店に来てくれたらサービスするですよ?」
「は、はぁ……」
 突然のことに、青年はしばし戸惑っているようだった。そうしている間にも、真理は青年に身体を密着させて誘惑しているが、その横では何やら不穏な声が。
「聞いた、あの話。この辺りでも出るんだって」
 通りすがりの者を装い、伊予野・仇兵衛(這い寄る契約獣・e15447)が、これみよがしに噂話をしていたのだ。
「そう、美人の半裸の巨乳の化け物。誘われた同僚が戻ってこなかったって、じっちゃがいってた」
 時に、女性の誘いは危険であると印象付けるように。少々の都市伝説じみた風味も加え。
「誘われてもすぐに逃げたら大丈夫らしいし、ボクらには夏休みの宿題の方が怖いよねー」
 それでいて、最後は現実に引き戻すように注意を促す。そんな中、未だボ~ッとしているだけの青年に、真理は名詞を強引に握らせた。
「……これ、名刺なのです。準備してくるですから、絶対に来て下さいです。……浮気しちゃ、ダメですからね?」
 最後に、一瞬だけ振り返って伝えるのも忘れない。もっとも、酔っ払っている上に、客引きに遭うような経験もなかった青年にとっては、正に蒼天の霹靂でしかなく。
「……なんだったんだ、今の? まあ、いいか」
 名刺をじっと見つめながら、訝しげに首を傾げた後に再び歩き出した。
 正直、これだけでは青年が、攻性植物の誘惑を跳ね除けられるか否かは未知数だった。ならば、もっと直接的な恐怖を与えれば良いと、続けて接触を試みたのはルーシィド・マインドギア(眠り姫・e63107)である。
「うふふ……。そこの素敵なお兄さん。私といっしょになりませんか?」
 先程の真理と同様に、まずは軽く誘ってみる。特攻服を着崩して、その上でサキュバス特有のフェロモンを使うのも忘れずに。
「は、はい……。お、俺なんかで、よければ……」
 案の定、青年はふらふらとルーシィドに着いて行くが、単にフェロモン効果が絶大なだけの気も。それでも、ここでトラウマを植え付けられれば恩の字とばかりに、ルーシィドは青年の手を引いて。
「さぁ、もっとこっちに……。そう、一緒に……永遠に、私のものになって……!」
 それだけ言って、急に態度を豹変させ、ナイフを片手に青年へと迫った。おまけに、フェロモン効果をカットして、代わりにパニックテレパスを発動させたから堪らない。
「ひっ……ひぃぃぃっ!!」
 一転して恐慌状態に陥った青年は、腰が抜けたままズルズルと後ろに下がるだけだった。それでも、ルーシィドが間合いを詰めて来ないことを知ると、転がるようにしてゴミバケツをひっくり返しながら、一目散に逃げ出したのだが。
(「しまった! このままじゃ……」)
 物陰から様子を窺っていたパトリック・グッドフェロー(胡蝶の夢・e01239)が、思わず額に手を当てて顔を顰めた。
 パニック状態に陥った一般人は、簡単な命令や指示であれば、その発信者が誰であるかは関係なく、素直に従ってしまうようになる。そんな状態で攻性植物の巫女と接触したら最後、彼女の問いに無条件で頷いてしまう可能性もあり。
「……ダメですよお兄さん。最近、この辺りではお兄さんのような男性を狙った、デウスエクスが出没しているんですよ」
 見兼ねた根住・透子(炎熱の禍太刀の担い手・e44088)が声を掛けるが、パニック状態の青年は聞いちゃいない。仕方なく、なるべく親しみの持てそうな笑顔で近づいて……一気に妖気を解放させた。
「だから、駄目ですって。言うこと聞かないと、殺されちゃいますよ? ほら……こんな風にっ!」
「ひっ!? あ、あばばば……」
 済んでのところで、再び腰を抜かしてへたり込む青年。辛うじて脚は止められたが、しかし今度は完全な虚脱状態。
「酔いがひどいようだけど大丈夫? 実は、俺達はケルベロスなんだ」
 椚・暁人(吃驚仰天・e41542)が青年に水を渡したが、茫然自失な青年は、口にするだけの気力さえないようだった。仕方なく、あれやこれやと注意したり励ましたりしてみるものの、もはや完全に上の空。
 果たして、これで本当に大丈夫なんだろうか。暁人の手を取り、ふらふらと立ち上がった青年だったが、そこに現れたのは日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)。
「……っ!」
 青年にぶつかるや否や、蒼眞は大袈裟に倒れてみせた。実際、全身に痛みが残っている身体だったので、演技をする必要もなかったが。
「悪いな……。この間女に刺されて、死にかけた時の怪我が酷くてこのざまだ……。余計なお世話かもしれないけど、あんたも女には気を付けろよ……」
「ふ、ふぇっ! ふぁ、ふぁい!!」
 解っているのかいないのか、青年が上ずった声で返事をする。もっとも、本当に重傷の身であった蒼眞の姿を見れば、誰もが驚くのは間違いなかったが。
「う~ん……。一応、説得らしい説得はしたけど、これで大丈夫なのかなぁ……」
 死んだ魚のような目をして歩いて行く青年の後姿を見て、暁人が不安そうに呟いた。
 重要なのは、攻性植物の誘惑を、青年が自らの意志で断ること。そのために必要なのは、紛れもない青年の本心だったのだが……どうやら、少しばかり種族や防具の力に頼り過ぎてしまったようだ。
 恋人と錯覚させるかと思えば、強制的に錯乱させたり虚脱させたり。確かに、便利な代物ではあるのだが、それで生み出せるのは切っ掛けに過ぎない。
「まあ、一応、注意はできたですし、ね……」
「というか、あれ……殆どゾンビ状態じゃん……」
 同じく後ろから様子を窺う真理に、仇兵衛が答えた。果たして、本当に青年は大丈夫なのか。肩図を飲んでケルベロス達が見守る中、物陰から現れたのは半裸の少女。
「うふふ……。そこの素敵なお兄さん。私と一緒になりません?」
 並の男性なら、一発で落ちること間違いなしのスタイルと美貌! しかし、短期間に精神状態を強制的に二転三転させられた挙句、色々とトラウマを仕込まれた青年の目には、もはや美女の笑顔も素敵なおっぱいも映っていなかった。
「は……はは……」
 乾いた笑いを浮かべながら、青年は攻性植物の前を素通りして行く。まさかのガン無視に、攻性植物も少々強引な手段に出ようと手を伸ばすが。
「連れない人ですね。私と一緒になるの……嫌、ですか?」
 蔦の絡み付いた指先で、そっと青年の腕を取ろうとした時だった。
「ふひっ! ぶひゃぁぁぁっ! ぶっぱるぴるぴるべっぽっぱぁーっ!」
 ナイフを持ったルーシィドの姿に、妖気を放つ透子の姿、そして満身創痍な蒼眞の姿が重なったのだろう。
 奇声を発し、青年は涙と鼻水で顔面をグチャグチャにしながら、一目散に逃げ出した。さすがの巫女も、これにはしばし呆気に取られ、茫然と佇むだけだった。
「う~ん……。あの人、あれで大丈夫かなぁ? それに、なんだか僕の出番は全然なかったような気が……」
「まあ、いいんじゃない? 結果オーライってことで、さ……」
 風陽射・錆次郎(戦うロボメディックさん・e34376)を慰めるようにして、パトリックがそっと背中を叩いた。
 残るは、あの破廉恥な格好をした巫女だけだ。もう、さっさと片付けてしまおうと、ケルベロス達は問答無用で一斉に攻撃を開始した。

●そこにおっぱいがある限り!
 夜の路地裏に現れた、半裸の少女の姿をした攻性植物。なんとも扇情的かつ危険な相手だったが、それでもケルベロス達に容赦はなかった。
「な、なんなんですか、あなた達! さては……あの人を誑かしたのも、あなた達ですね!!」
 状況が飲み込めていない攻性植物の巫女に、数の利を生かしたフルボッコ! なまじ、相手の耐久力が高いことも災いし、ともすればこちらが悪者にも見えてしまい兼ねないわけで。
「なんてカッコしてるんだ……。直視し辛いなぁ」
 殆ど裸同然の格好をした相手を前に、暁人は思わず目を逸らした。
 だが、それでも相手は危険なデウスエクス。そして、姿形こそ人間に似てはいるが、動物でさえなく植物なのだ。
「喩え見た目が凄くても、やっぱり植物だ。だから大丈夫!」
 半ば強引に割り切って、紅蓮の蹴りをお見舞いする。それを食らって巫女が慌てふためく様を見て、暁人は改めて敵が植物の擬態でしかないことを確信した。
「……しかし、なんだってこう、殆ど素っ裸って奴ばっかりなんだ?」
「確かに。擬態にしては、少々露骨過ぎますよね」
 互いに言葉を交わしながら、パトリックと透子が稲妻を纏った刃で敵を突く。青白い電撃が迸り、鋭い刃に斬り裂かれる度に、敵の身体に絡み付いた蔦や花が飛び散って行き。
「さすがに、これ以上は見せられない、ですね」
「う~ん、確かに。惜しむ人はいるかもしれないけど、ボク、ちっさいほうが好きだしね……」
 いかに擬態とはいえ、ポロリは駄目だ。爆風で視界を覆うべく、真理と仇兵衛がアームドフォートやミサイルポッドによる一斉射撃! それだけでなく、サーヴァント達もタイミングを合わせ、一斉に攻撃を開始した。
 ライドキャリバーのプライドワンのガトリング砲が火を噴き、ミミックのはたろうが、敵の脚に齧り付く。ボクスドラゴンのティターニアが敵の顔面にブレスを直撃させたところで、ルーシィドもまた巨大なエクトプラズムの霊弾を叩き込み。
「まだです。これも、持って行くといいですよ」
 瞬間、路地裏に巻き起る大爆発! 爆風が晴れ、中から姿を現した攻性植物の巫女は、見る影もない程にボロボロだった。
「くっ……た、種の1つも残せないまま、こんなところで……」
 全身を覆う蔦の大半は焼け焦げ、もはや身体を覆う物は殆どない。片腕で胸元を押さえて隠しつつ、ふらふらと立ち上がる攻性植物の巫女。この頑丈さは、さすがのデウスエクスといったところだが……この好機を逃してはならないとばかりに、蒼眞が巫女の胸元へ狙いを定めて駆け出した。
「よし、止めは俺に任せろ! 秘儀、おっぱいダイ……ぶごっ!?」
 だが、彼が跳び出そうとした瞬間、錆次郎の太い腕が蒼眞の後頭部に直撃し、彼を路地裏の道端に沈めてしまった。
「ちょっと、何やってるですか! メディック同士で、ド突き合って仲間割れしてる場合じゃないです!」
「えっ! い、いや、でも……このまま飛び込んだら、彼、死んじゃうかもしれないよ?」
 真理に突っ込まれ、思わずたじろぐ錆次郎。彼にしてみれば、これは慈悲。重傷にも関わらず戦いに馳せ参じた、蒼眞の身を案じての行動だったのだが。
「なんとなくだけど……彼なら、大丈夫な気がするんだよね」
 そう、仇兵衛が呟いたところで、果たして期待を裏切らず、蒼眞が気合で立ち上がった。
「俺の道はおっぱいダイブ、そして落下と共にある!」
 ワイルドスペースより召喚したヘリオンの中に身を移し、そこにいたヘリオライダーの少女の残霊目掛け、蒼眞は躊躇うことなくおっぱいダイブ! 当然、少女に蹴り落とされてしまうのだが、それこそがこの技の真髄だ。
「えぇっ! な、なんで、こっちに来るんですか!?」
 完全に蚊帳の外にされていた巫女が慌てて顔を上げれば、そこには全力で両手を突き出す蒼眞の姿が。慌てて、胸元に残された花にエネルギーを集中させて迎え撃つ巫女だったが、もう遅い!
「これで終わりにしてあげます! セクシー光線……って、えぇぇぇっ!?」
 重傷の身で真正面からのビームを食らったはずなのに、蒼眞は死んでなどいなかった。その身に宿した煩悩。おっぱいを求めて止まない根源的な欲望が、彼の魂を繋ぎ止め、肉体を凌駕させたのだ。
「うぉぉぉっ! もらったぁぁぁっ!!」
「きゃっ! い、いやぁぁぁっ!!」
 蒼眞の指先が巫女の胸元に触れた瞬間、最後の花が華麗に舞い散る。両手が胸を掴み、その谷間に蒼眞の顔が埋まったところで……盛大に何かが潰れる音がして、爆発と共に青臭い塊が飛び散った。

●反省会
 攻性植物の脅威は去り、狙われていた青年の命も救われた。だが、そのあまりに斜め上な結末に、ケルベロス達は微妙な気持ちでいっぱいだった。
「演技とはいえ、あんな恥ずかしい事をした上に、恐怖心まで与えてしまって……」
「申し訳ないやら恥ずかしいやらですね。次に会ったら、合わせる顔がありません……」
 錯乱したまま逃げ出した青年の姿を思い出し、透子とルーシィドがバツの悪そうに溜息を吐いた。彼の命を守るためとはいえ、今回は少しばかりやり過ぎたかもしれない。
「彼の場合……健康状態よりも、精神状態を調べてあげた方がいいのかもね」
 このまま奇声を発することしかできなくなったら大変だと、錆次郎は改めて青年の身を案じていた。まあ、それでも彼は、本来であれば死すべき運命だった人間である。その命が救われたのだから、とりあえずは結果オーライだろう。
「さて、早いとこ元凶をぶっ潰せないモンか……」
「うーん、改心さえしてくれれば、魔法少女に誘いたかったんだけどなあ。攻性植物、いい素質があると思うんだけど……」
 徹底抗戦を唱えるパトリックに対し、仇兵衛はどこか煮え切らない様子。そんな中、気が付けば全身がズタボロになった蒼眞が、何かをやり遂げた表情をしているのが目に留まった。
「無事でしたか……。よかったです」
「まったく……本当に無茶するよなぁ」
 安堵する真理と、半ば呆れた様子で空を仰ぐ暁人。
 いったい、何が蒼眞をそこまで突き動かすのか。そう、尋ねられれば、蒼眞は間違いなく答えただろう。
 そこに、おっぱいがあるからだ! これ以上の理由は無い! 喩え、重傷による出撃でその身が砕け散ろうとも、おっぱいダイブこそが自分の信じる道なのだと。

作者:雷紋寺音弥 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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