黄金の体験

作者:宮内ゆう

●アウトローヘアー
 放課後、誰もいなくなった教室で、彼は手にしたボトルを眺めてため息をついた。
「はあ」
 それはヘアカラーだった。
 ちょっとアウトローな感じ、憧れるのである。
 髪色を染めて、髪型もバッチリ決めて、イキってみたいなんていう願望。
 だが土台無理な話。ヘアカラーを買ったはいいものの、クラスメイトがちょっと伸びただけの髪を教師に注意されているのを見て、怖じ気づいたのだ。
「い、いや、ビビッてるわけじゃない。僕だって本気出せばそんくらい」
「なにそれ、髪染め?」
「うわっと!?」
 いきなり声をかけられ、ヘアカラーのボトルを取り落としそうになる。振り返るとそこには見知らぬ少女が立っていた。
「ふうん、校則の厳しい学校でこんな物つかおうとしてるなんて、いけない不良ね」
「ふ、不良……?」
「そうね、髪金色に染めて、ツンツンさせて、みんなを威圧して回るような不良かしら?」
「いや、僕は……」
 いいかけて、はッと口を紡ぐ。
「そ、そうだ! 誰もがビビって手を出せなくなる不良になるんだ!」
「なら、いい方法があるわ」
 少女が言うのと同時に、彼の胸には鍵が突き立っていた。

●またかみのはなししてる
 見た目から入るというのもままある話。
「けれどまあ、髪を染めただけで不良とは、厳しい時代ですねぇ」
 なんでかしみじみ言うヘリオライダーの茶太。
 茶色い毛並みは以外とさらさら。
 さて、今回ドリームイーターに狙われたのは不良に憧れを持つ男子生徒だ。
「髪染めたり、髪型変えるだけで不良と思っているあたり、ちょっとアレですが」
 ちょっとしょんぼりな感じ。とはいえ、そこが付け狙われたのであれば対処はせねばなるまい。
「不良に憧れることで生まれたドリームイーターなので、その憧れがなくなれば弱体化します」
 つまり説得が成功すれば敵は弱くなると言うこと。
「今回で言えば、ヘアースタイルが論点なので、そこから攻めていくべきでしょうね」
 不良っぽい髪は良くない、という方向に持っていくのが吉。
 その他の不良の一般論を持ち出しても効果は薄いだろう。
 説得の成否にかかわらず戦闘は起こる。
 とはいえ、相手は単体。説得に成功すれば何ら問題はない相手だし、失敗しても気を抜かなければ負けるような相手ではないだろう。
 今回の戦場となる教室はすでに人がいない。事前に人払いも済ませて近づけなくしておくので一般人の避難などは考えなくていい。ドリームイーターとしても、ケルベロスとの戦闘が優先のようだ。
 また、夢を奪うという性質上、不良っぽいヘアスタイルをしているものが狙われやすい傾向にある。作戦や説得の参考にするといいだろう。
「さて、こんなところでしょうか。まあ、髪は自由だと思いますが……それでも程々がいいですね。彼が道を違う前に更生させてあげましょう。どうかドリームイーターの討伐をお願いします」
 そう締めくくって、茶太は頭を下げたのだった。


参加者
ラトゥーニ・ベルフロー(至福の夢・e00214)
深月・雨音(小熊猫・e00887)
クリム・スフィアード(水天の幻槍・e01189)
リリウム・オルトレイン(星見る仔犬・e01775)
ウィゼ・ヘキシリエン(髭っ娘ドワーフ・e05426)
ルイ・コルディエ(菫青石・e08642)
音々森・ナユタ(サンダーガール・e37373)

■リプレイ

●学舎
 人気のない学校の廊下をケルベロスたちが進む。
 目指すは件の教室。今はドリームイーターが待ち受けていることだろう。
「……にしても、やっぱり違和感あるなぁ」
 敵の注意を引くべくちょっと不良っぽい髪型を目指してみたクリム・スフィアード(水天の幻槍・e01189)なのだが、いまいちしっくり来ない様子だ。
 普段のポニーテールを解き、ロングヘア全体に緩いウェーブをかけてみたといったところだが、いまいち不良という感じがしない。
「いいこと思いついたにゃ。ハット被ってギターを持つにゃ」
「どこかのバンドメンになっちゃうじゃないか」
 深月・雨音(小熊猫・e00887)の提案をやんわり絶対拒否。
「ところで髪さえ染めれば不良になるにゃ?」
「そんなことはないと思うけど……彼はそう思っているのかも」
 彼とはもちろん今回の被害者の少年のことだ。
「じゃあ雨音も毛皮を染めば別種のウェアライダーになるにゃ?」
「うん、それはならないね」
「んもう! あれもこれも否定ばっかりにゃ!」
「えぇ……」
 怒ってしまった。そんなこと言われてもクリムは普通に返事してただけなのに。
「いやいや、髪を染めるなぞまさに不良の所業じゃぞ」
 そう主張するのはウィゼ・ヘキシリエン(髭っ娘ドワーフ・e05426)だ。
「なにしろ、よいこの集りのケルベロスのあたし達にも髪を染めておる者はいないはずなのじゃ」
 そう言って周囲を見回す。
「いないのじゃ」
 染めてるとか染めてないとか、そういう次元の話じゃない気がするけどそこはまあ置いといて。
「ちなみに、髭は不良じゃないのじゃ」
 威厳と知性の象徴らしい。
「いろいろ意見がわかれるのですね。ではわたしも『不良』について考えて……」
 うーん、と指を口元にあてつつ音々森・ナユタ(サンダーガール・e37373)が考え始めた。そしてある程度まとまったもよう。
「わたしなりの考えとしてはー」
「外から帰ったら手洗いとうがい……しないのは不良だ!!」
「それだけで!?」
 アンゼリカ・アーベントロート(黄金騎使・e09974)がとんでもない条件を出してきたので思わず声を荒げてしまった。
「そうとも! だから不良にはドーナツをあげられないのだ!!」
「な、なんだってーです!!」
 これにはリリウム・オルトレイン(星見る仔犬・e01775)も抗議せざるを得ない。
 しかし、抗議をするにしてもなにを言えば良いのか思いつかない。
「ぬすんだミミックではしりだすですー!」
 思いつかなかった結果そんな事になった。なんでかミミックのサキノハカさんに跨がって叫ぶ。
「て、その子はリリさんじゃありません!」
「わ~、こうこうせいのつくえ、おっきぃです! あ、こくばんもたかいです、とどきません!!」
「だから降りてください~!」
 そうして走り回るおこさまふたり。
「うぅん……」
 そんな中、ルイ・コルディエ(菫青石・e08642)が考えを巡らせて首をひねった。
 随分と真剣に考えているらしい。
「……どぅかしたの……?」
「ああいや、教室って別に高いところないじゃない? どうやってかっこよく登場しようかと……」
「……んー」
 考えるラトゥーニ・ベルフロー(至福の夢・e00214)。でも考えながら、ミミックのリリさんのエクトプラズムをちょきちょきしてる。頭に見立てて髪型をセットしてるらしい。
 ぢょきん。
 エクトプラズムは太陽の塔みたいになった。
「……ぃぃたぃみんぐで、戸を開けて登場、すれば?」
「あ、なるほど。それ採用!」
 リリさんは泣いてた。

●ロッキンユー
 件の教室に辿り着き、戸を開けた。飛び込んできた光景は、なんかやたら元気なドリームイーターだった。
「イェァー! ハー!!」
 天を衝くと言わんばかりの髪型は、ドリルと表現するのが非常にわかりやすい。
「わ、わたししってますです……!」
 戦慄した様子でリリウムが言う。
「これは、でんせつの……昇天ペガサスMIX盛り!」
 もうちょいデコってたらそんな感じ。そういえば、天を衝くなら昇天じゃなく衝天。角っぽいならペガサスじゃなくてユニコーンではとか言いたくなるけどそれはさておき。
「あの頭にするのに、どれだけ時間をかけたんだろーか」
 呆れ半分、驚き半分といったところだろうか。どこか遠い目をしながらクリムがいう。
「私はこのウェーブをかけるだけで30分近くかかった。手間もそうだけど、なにより時間がね」
 軽く自分の髪に触れてみる。ちょっと手を入れるだけで相当な時間を要するのだ。かなりの早起きが求められるというモノだろう。
「イエエアアア! 髪のセットで遅刻! 不良っぽいイイイ!!」
「えぇ……」
 なんか喜んでるドリームイーター。だめだこいつ。
「ふむ、何ぞおかしな話じゃのう」
 バッチリ決めた髭をさすりつつ、ウィゼが言う。
「この者の奪われた夢がイカした髪型を作り出す美容師への憧れではなく、イカした髪型の不良への憧れとはのう」
 そこが、発端になったドリームイーターの特性であり、現実とのズレ、すなわちつけ込む隙になるというわけだ。
「ヘルイェー! これで俺も不良だぜぇー!!」
「今日から俺は! という心意気や良し!」
 ドン!
 なんかそんな効果音が聞こえてきそうな仁王立ちでアンゼリカが言った。
「だが、形だけはよくないな! タクらしく特攻んできたまえ!!」
「タクって誰!」
「”待”ってたわ!! この”瞬間”をねぇ!!」
 ドリームイーターのツッコミに応えるように、突如教室の戸が開いて飛び込んできたのは、鏖の異名をもつどこぞの総長ではなくルイだった。
「話はすべて聞かせてもらったわ……髪の色とか型を変えるなんて古い! 時代は炎よ! 私なんて右腕とか血も燃えてるし、目立ちまくりだし皆ビビるわよ!」
「うわぁ」
「なんなら髪とかも燃やした方がいいかもしれないわね。目指せ、轟く万年2位ヒーロー!」
 そしてなんか勝手に燃え上がる。なお、そのヒーローは今1位である。
 ドリームイーターはどんびいてた。
 ナユタが指さして言う。
「ああなりたいですか?」
「いや、いい」
「ちょ、どーいうこと!? え、私が不良なの!?」
「僕は髪をキメるだけでいいかなぁ、なんて」
 ルイがとても不満そう。とはいえ、今の流れでドリームイーターの不良に対する執着が薄れたようだ。畳みかけるなら今、ということでナユタの目が怪しく光った、ような気がした。
「こほん、では薬師としてアドバイスしますとメラニンをスレイヤーするのにセルフだとふちゃくした場所からどん……中略……ったりしてもハイパーウルトラやばいですー」
「なにいってるかわからないにゃ! ていうか中略っていったにゃ!?」
「ふっふっふ、甘いな雨音クン、私には理解できたよ」
「にゃ!?」
「このままだと髪へのダメージが未来永劫彼を蝕むこととなり、そして……」
 ごくり、と固唾を飲む音が聞こえた。
 ラトゥーニは箱いじりに飽きて寝てる。
「頭皮光る不毛の大地たる大人が生まれてしまうんだ」
「ああ、ハゲにゃ」
 言った。雨音がめっちゃストレートに言った。
「ハゲじゃネエエエエエエエ!!!」
 怒った。ドリームイーター怒った。
「そんなことないにゃ、ハゲにゃ。不良、悪いこと、だからハゲにゃ!」
「そんな不良はいやだアアアアアア!」
 ドリームイーターから不良になりたいという意識が消えた。
 今こそが好機だ。

●無毛の地
 宿敵に呪いをかけられ余命幾ばくもない母親を救うため、仲間とともに宿敵の待つエジプトへと向かう猪頭の冒険奇譚。
「ふごふごふご」
 やれやれだぜ。
 第三部完!!
 リリウムはそっと絵本を閉じた。猪頭は消えた。
「ラッシュのはやさくらべがないですー!」
「ごへぁ!」
 絵本投げた。角がドリームイーターの鼻っ柱に激突した。
 痛そうに蹲る。
「ご、ごめんなさいです。だいじょうぶですか?」
「がー! もうゆるさねえエエ!! 不良滅ぶべし!!」
「ぴぎゃー! ふりょうにされてしまいましたです!」
「それじゃあ、おうちに帰ったらちゃんと、いい子にならないとね!」
 ドリームイーターが襲いかかろうとしたところ、かがんだあほ毛の上を跳び越えてたアンゼリカの跳び蹴りがヒット。
 よろめき2、3歩後退するドリームイーターだが、そこは未だクリムの間合い。
 電光石火の突きが追い打ちをかけるように突き刺さる。
「うん、狙い通り。随分と弱体化しているみたいだ」
 少し余裕がでてきたと思うと、ちょっと気になってきた。
「……やっぱり違和感あるなぁ」
 髪が。
 そんなあなたにオススメ、アホ毛スターターセット。
「さあ、いっきにいきますよー! リリウム守りつつ、他のサーヴァントさんとれんけいして……」
 まだ敵の目の前にいるあほ毛。
 ナユタがサキノハカさんに指示を出してる横で、リリさんがめっちゃきりもみしながらドリームイーター目掛けてすっ飛んでいった。もちろん投げたのはラトゥーニ。
「まさか、あれはジャイロ……!」
 ちょっと左に変化したリリさんはドリームイーターの髪にぶつかり、弾かれてそのまま窓の方へ。
 がしゃーん!
 そしてガラスを突き破っておちていった。合掌。
「……」
 サキノハカさんがおちてった先を指さしてこっちみてきた。
「あ、はい、れんけいは、いいです」
 たすかった。
 だが、ここでドリームイーターに異変が起こる。
「ぐ、ぐぅぅぅ、ううううう!!」
 警戒する一同。
「ぼ、ぼぼぼ、ぼくの天を衝くペガサスがあああ!」
 ドリルな髪が、ぽっかり円形に抉れてた。
「何をするだァーッ! ゆるさんッ!」
「やれやれ、短気を起こしては相手の思うつぼじゃぞ」
 行動が単調になれば、その分対処は容易になる。いかに勢いを増して攻めてきても、動きが読めるのであれば、ウィゼの攻撃が当たるのも当然のこと。
「ぐぅ!」
「ほっほっほ、どうかの。髪に深刻なダメージを与える殺神ウイルスの味は」
「ぎゃああああああ!!!」
 殺神ウイルスにそんな効果があったなんて知らなかった。
 断末魔のようなドリームイーターの叫びが痛々しい。
「うわああああああ!!」
 がむしゃらになってドリームイーターがハサミを振り回す。もう、なにも考えられる状態じゃないようだ。
 しかし、それが良くなかった。ほんとうに。
 むやむやたらに振り回したハサミが雨音のしっぽを掠めた。ほんの1,2センチほど、2,3本の毛が宙に舞う。
 ぶっちん。
 いやな音が聞こえた。
「にゃああああああ!!!」
 低い声で唸り軽い足取りで踊るように怒涛の攻撃を繰り出す……なんてことはなく、ドスの利いたやたら重い叫び声とともにドリームイーターの喉を掴んで突進。
「だぁれが! ストレスと成長ホルモン不足で円形脱毛したポメラニアンにゃあああああ!!!」
 さんざ引きずったあとどてっぱらにトドメの突き。
 そんなこと言ってないと抗議したそうなドリームイーターだけど、喉掴まれてたのでムリだった。
「はいはいそこまで」
 かかん、と軽い音がしてドリームイーターの持つハサミが割れた。いや、実際は透明になるほど高温の炎で灼き切ったのだが、端から見れば割れたように見えるだけだ。
 そうして牽制しつつ、ルイが雨音をなだめて引き剥がした。
「まぁ、ね。いきなり髪を切られたら女の子は怒るわよ」
「しっぽにゃ!」
「美容師目指すなら客の気持ちを考えて、道具も正しく扱うこと。わかったら……」
 ルイが腕を振りかぶる。透明の揺らめきの中に一瞬、青い炎が見えた。
「そろそろ、目を覚ましなさい!」
 振り下ろされた炎は、ペガサスを焼き、この戦いに終止符を打ったのだった。

●未来に光あれ
 ドリームイーターが消えると同時にアンゼリカが背中をものすごく反って立ち、他愛なし、とかいってたのはお約束。
 それはさておきすっかり割れてしまった窓ガラスをクリムがヒールしていたところ。
 がん、ががん!
「うわ!?」
 なんか箱が外から窓に激突してきた。
「あ、そうか……さっき外に。気付かなくてごめん」
 そう言って窓を開けてやったら、リリさんは無反応で教室に飛び込んでいった。
 なんかすごく不自然な軌道を描いていると思ったらそれもそのはず。ラトゥーニが釣り竿でリリさんを釣りあげていたらしい。
「りりーす、あんどきゃっち」
「逆、逆」
 リリさんはぐったりしてた。
「は、とんでもないことに気付いてしまいました……」
「む、真面目な話か? シリアスシリアスシリアス……よし」
 リリウムが真面目な顔をしているので、アンゼリカはシリアスという単語を繰り返すことで精神を落ち着けた。
「で、どうしたんだい?」
「ミミックさんがたくさんいます! わたしはどうすれば!!」
 2体しかいないからたくさんじゃない。そしてミミックでなにをする気なのか。
「ドーナツを食べれば良いんじゃないかな」
「なるほど!!」
 解決した。サキノハカさんは安心してドーナツとジュースを提供することにした。
 なんだかもう、すっかり和んだ空気だが、忘れてはいけないことがある。
 無事目を覚ましたモノの、なんか隅っこでやたらガタガタ震えている少年のことである。
「おーい?」
「ヒィッ!」
 雨音が声をかけようとするも怖がられてしまっている。
「ハゲ怖いハゲ怖いハゲ怖い……!」
「あ、これ雨音のせいにゃ」
 みとめた。
「だ、だいじょうぶにゃ! あまり不良に憧れて無茶な髪型しなければへいきにゃ!」
「そうじゃのう。そういう髪や頭皮のケアも美容師としての立派な仕事だしのう」
 ウィゼがフォロー。とてもありがたい。
「いろんな髪型をつくるのは楽しいとおもうにゃ! そのためにも髪は大事にしてほしいにゃ!」
「髪質を活かしてこそ、といえるしのう。そうすればいずれ、イカした髪型として注目をあびることじゃろうて」
「そ、そうか……そうだったのか……!」
 話を受けて、少年の中で何かが腑におちたようだ。
「僕はやっぱり美容師を目指します! この世からすべての不幸(ハゲ)をなくすために」
「なんか壮大な話になったにゃ……って不穏なルビが見えた気がするにゃ」
 まぁ、ともあれ今後は不良など目指さず、清く逞しく夢を追ってくれることだろう。
 ドリームイーターは倒し、後のケアも良し。
 これにて一件落着、といったところなのに、ルイは首をかしげていた。
「そもそも不良ってどんなの? 正直私自身は不良ではないと思うんだけど」
「そうですねぇ……」
 これに応えるのはデキるおこさまナユタ。
「アフタヌーンティーを午前にのむとか……」
「なんて悪行なのかしら!」
 こんなひとたちばかりなら不良になることもないだろう。
 一通り落ち着いたところで、ケルベロスたちが帰路につこうとしたとき、なんでか席についてお弁当を食べ始めてるラトゥーニの姿があった。
「はゃべん……ゎたし、不良……?」
 もう放課後とは誰も言わなかった。

作者:宮内ゆう 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月21日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 3/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 0
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