かき氷はこれでなければ!

作者:あかつき


 炎天下、人々は暑さを耐えながら足早に歩いていた。そんな道の端でかき氷を売る屋台。今時の色々乗っかってるふわふわかき氷ではなく、シンプルイズベストな外見のかき氷。しゃりしゃりと氷を削るのはハチマキを巻いたおじいちゃん。青信号を渡ってきた人々に、おじいちゃんはさほど大きくない声をかける。
「かき氷、いらんかね~」
 その時、一人の女子大生がかっと目を見開き、叫ぶ。
「小さい頃からお祭りで良く見るかき氷……これぞかき氷! そう、私が求めていたのはこういうかき氷なの!!!!」
 そうして、彼女は光を放ちながら羽毛の生えたビルシャナへと姿を変える。あまりに突然のことで困惑する通行人たちに、ビルシャナは顔を向ける。
「ねえ、あなたもそう思うでしょう?! かき氷はこれでこそかき氷よ、このかき氷こそが、大正義!!!!」


「個人的な趣味趣向による『大正義』を目の当たりにした一般人が、その場で、ビルシャナ化してしまう事件が発生する。ビルシャナ化するのは、その事柄に強いこだわりを持ち、『大正義』であると信じる、強い心の持ち主のようだ。このまま放置すると、その大正義の心でもって、一般人を信者化し、同じ大正義の心を持つビルシャナを次々生み出していく為、その前に、撃破する必要がある……それにしても」
 そこまで説明し、雪村・葵は大きな溜め息を吐いた。
「何もこんな暑い時に出ることないんだがな。ビルシャナは総じて暑苦しい」
 モンクを言っても仕方がないか、と葵は肩を落とす。
「とにかく、だ。今のところ大正義ビルシャナは、出現したばかりで配下はいないが、周囲に一般人がいる場合は、大正義に感銘を受けて信者になったり、場合によってはビルシャナ化してしまう危険性がある。大正義ビルシャナは、ケルベロスが戦闘行動を取らない限り、自分の大正義に対して賛成する意見であろうと反論する意見であろうと、意見を言われれば、それに反応してしまうらしいので、その習性を利用して、議論を挑みつつ、周囲の一般人の避難などを行うようにしてくれ」
 そこで一度話を区切り、一息つく。
「賛成意見にしろ反対意見にしろ、本気の意見を叩きつけなければ、ケルベロスでは無く他の一般人に向かって大正義を主張し信者としてしまう。議論を挑む場合は、本気の本気で挑む必要があるだろう。例えば最近のふわふわかき氷の良さを説くとか、食べてみたら美味しいとか、頭がキーンとならないとか。まぁ、その辺りはみんなに任せる」
 ビルシャナが出現するのは炎天下の路上で、左右にはコンビニや弁当屋が並ぶ通りだ。そこを抜けていけば駅に着くため、人通りはそこそこある。それに、ビルシャナの目の前にはかき氷の屋台とかき氷屋のおじさんがいるので、要注意だ。
 また、避難誘導時に『パニックテレパス』や『剣気解放』など、能力を使用した場合は、大正義ビルシャナが『戦闘行為と判断してしまう』危険性があるので、できるだけ能力を使用せずに、避難誘導した方が良いだろう。
「かき氷が云々と暑苦しいビルシャナは正直この時期にはキツイものがある……しかし、放っておけばビルシャナが増えてしまう可能性がある。なるべく早めに解決してきて欲しい」
 そう締めくくり、葵はケルベロス達を送り出した。


参加者
リシティア・ローランド(異界図書館・e00054)
クロノ・アルザスター(彩雲のサーブルダンサー・e00110)
雨月・シエラ(ファントムペイン・e00749)
神門・柧魅(孤高のかどみうむ缶・e00898)
白波瀬・雅(サンライザー・e02440)
アウィス・ノクテ(ルスキニア・e03311)
綾小路・鼓太郎(見習い神官・e03749)
ロスティ・セヴァー(身体を探して三千里・e61677)

■リプレイ


 公園へ到着したケルベロス達。一人一つ持参しているクーラーボックスはかき氷屋の横に置き、行動を開始する。
「たっしかに、昔ながらのかき氷、美味しいよね。最後にジャクジャクとスプーンで氷を潰すのが楽しかった」
 ビルシャナとの距離を詰めつつ、クロノ・アルザスター(彩雲のサーブルダンサー・e00110)は頷いた。
「でしょ?!」
 ビルシャナは、嬉しそうに同意した。
「これだけ暑いとキンキンに冷えたかき氷は最高なのは分かる。昔ながらのかき氷のシャリシャリ感も涼を感じるし、一気に食べたら頭が痛くなるのも、夏の風物詩みたいな感じもするよね」
 雨月・シエラ(ファントムペイン・e00749)の発言に、ビルシャナは頷く。食いついた、と判断したシエラは、かき氷屋のおじさんがビルシャナから見えなくなるよう立ち位置を調整した。
「キーンっていう頭痛、あれもかき氷の醍醐味なのよ!!」
 ビルシャナは拳を握る。それをみたシエラは、額に軽く手を当てる。別にその主張は好きにすれば良いけれど、暑く妄信的に主張されると、頭が痛くなってくるというもので。
 ほんと、何にでも目覚めるんだね、ビルシャナって。
 シエラは軽く肩を竦める。
「でも、ふわふわかき氷だって負けてないと思うな」
 笑って言うと、ビルシャナは信じられない、とシエラを見つめる。
「ふわふわかき氷も負けてない?」
 呟いた後、ビルシャナはさっきとは違う感情を込めて拳を握り締める。
「ふわふわかき氷は、かき氷じゃないのよっ!!」
 天に向けて叫ぶビルシャナに向け、リシティア・ローランド(異界図書館・e00054)が溜め息を吐く。
「ところで、あんた……独り身でしょう?」
「はぁ?」
 唐突な質問にビルシャナは目を瞬く。数秒後、漸く意味を理解したビルシャナは、こめかみ付近を痙攣させる。
「それとかき氷は何も関係ないわっ!!」
 鼻息を荒くするビルシャナに、リシティアは続ける。
「やっぱりね。そんな偏った考え方をする人間には人は寄り付かないわ」
「人は寄り付かなくても昔ながらのかき氷の魅力は決して消えたりしないわ!」
 主張するビルシャナに、リシティアは説く。
「男も、女も考え方は一つだけじゃなく個々人で違うモノよ。其れはこれらかき氷も同じ。一つじゃなく複数種類があるから価値が上がるというモノ。論より証拠に、まずは口にするところから始めることをお勧めするわ」
 かき氷と人の考え方の共通点を説かれ、ビルシャナは悔しそうに歯軋りをする。
「多様性なんて、唯一無二の至高の前では無力にして無価値なのよっ!!」

 ビルシャナと囮役が熱い議論を繰り広げているその間。
「デウスエクス出たので、この辺、危ない。離れてね」
 アウィス・ノクテ(ルスキニア・e03311)はビルシャナが何やら叫んでいる方を指差しつつ、通行人の男性に避難を呼び掛ける。
「あ、あぁ……わかった」
 男性は頷いて、その場を後にする。
「ここは危ないので、あなた方も逃げてください」
 綾小路・鼓太郎(見習い神官・e03749)がデート中のカップルにそう声をかける。
「でも……なぁ……」
 戸惑う二人にカルベロスカードを見せれば、素直に頷き逃げていく。それを見守ってから、鼓太郎はかき氷屋の方へと目を向ける。今、ビルシャナの注意は完全に囮役へと向けられている。ならば、と鼓太郎が物陰に目を向けると、身を潜めていたジャージに赤マフラー姿の神門・柧魅(孤高のかどみうむ缶・e00898)が小さく頷く。そして、柧魅は横で同じように身を潜めていた白波瀬・雅(サンライザー・e02440)とかき氷屋の方へと移動を始める。
「皆さんの避難はよろしくお願いしますね!」
 言い残し、鼓太郎も柧魅の手伝いをするために駆け出す。
「わかりました。では皆さん、安全なところに避難しましょう……ハイ」
 ロスティ・セヴァー(身体を探して三千里・e61677)は頷き、通行人達に速やかに逃げていくよう促していく。

「な……なんなんだ、これ」
 呆然としているかき氷屋のおじさんの背後に、柧魅はさっと駆け寄る。
「ちょっと失礼」
「は?」
 おじさんが怪訝な顔をして振り返ったその瞬間、柧魅の手刀が首筋に入る。意識を失ったおじさんを、駆け寄った鼓太郎が抱えた。
「おじさんは安全なところに置いておこう」
 柧魅の提案に、鼓太郎が頷く。
「俺に任せてください。柧魅さんと雅さんはこっちをお願いします」
「じゃあ、よろしくね!」
 そう言う雅に頷き、鼓太郎はおじさんを抱えて歩いていく。その間に、柧魅と雅はクーラーボックスからこだわりの氷を取り出し、持参したかき氷機にセットした。そして、柧魅は口の横に手を当てて、言う。
「おすすめはメロンのフレーバー、練乳もサービス出来るよー」
 すっかりかき氷屋になりきった柧魅と、その横でシロップと器を並べていく雅。柧魅の声を聞き、さっと左右に避けた囮役三人。それまで見えなかったかき氷屋に目を向けたビルシャナは、首を傾げた。
「あれ……おじさんは?」
 呟くビルシャナに、柧魅は腕を組んで返す。
「ん、さっきの奴は休憩に行った」
 そう言う柧魅に、ビルシャナは数秒考え、頷く。
「まぁ……おじさんにも休憩は必要よね」
 そう一人呟くビルシャナに、柧魅は続ける。
「お客さん、まずはかき氷を選んでくれ」
 そう言われ、ビルシャナはメニューへと目を向ける。
「かき氷の至高をいくら口で説いても実際に見るには及ばないものよ……実物を見れば解るわ。昔ながらのかき氷の素晴らしさを!!」
 ドヤ顔でケルベロス達に人差し指を向けるビルシャナ。しかし。
「ふわっとしたこの新作とかおすすめだよー」
「そう、ふわっ……え?」
 柧魅の発言に目を瞬くビルシャナを他所に、ケルベロス達は勢いよく手を挙げ、注文していく。
「雅、よろしく」
「任せて!」
 注文をメモにとり、隣の雅に渡す柧魅。
「は?」
 頭が追い付かないビルシャナの目の前で、雅はかき氷を作成していく。自然の冷たさでゆっくりと作った氷を薄い刃で削って作ったかき氷は、ふわっと口の中で溶ける食感が楽しめるし体温が下がり過ぎないから頭が痛くなることも無い。こだわりの天然氷をふわふわに削り、手作りシロップをかけ、イチゴを盛り付ける。
「普通のかき氷屋さんの氷は市販の氷だろうし、色付きシロップしかないだろうからね。これなら砂糖だけじゃない、自然の甘味と食感も楽しめるよ!」
 雅はシエラに出来上がったかき氷を手渡す。ふわふわなかき氷を手に、シエラはビルシャナに言う。
「見た目を盛れるのは勿論メリットだけど、何よりキンキンに冷えたフルーツも一緒に楽しめるんだから!!」
 シエラにビルシャナは言葉を詰まらせる。続けてビルシャナにかき氷を見せるのはアウィス。
「私の一押しは台湾風かき氷」
 若者の間で流行っているかき氷。都会には専門店まであるらしい。
「そんなイマドキのものっ!!」
 首を横に振るビルシャナに、アウィスは続ける。
「ふかふかに煮られた様々なお豆、滋養に満ちたおいしい味もっちり弾力のある白玉やお餅はひんやり冷えてるのにおいしく歯を包み込む」
 氷も普通の物の他にミルクやマンゴー、いちごやコーヒー風味とバリエーション豊富。シロップもアーモンドや練乳、豆乳のもある、と味の豊富さを説き、それから。
「栄養もあって美容にもいい。ね、ぜひ食べてみて」
 軽く首を傾げるアウィスに、ビルシャナは一歩後退りする。
「こんなかき氷もありますよ」
 ロスティはビルシャナに淡い緑色のかき氷を見せる。
「なにその緑」
 眉間に皺を寄せるビルシャナに、ロスティは頷いた。
「怪しいものではありません。宮城県の名物、ずんだを利用したかき氷です。こんな風に地域によってはその個性が観光に役立っていたりもします、ハイ」
 左側をかき氷に近付けないようにするロスティに、ビルシャナは頭を振る。
「邪道だわ!!」
「そんなこと言ってないで食べてみてよ」
 かき氷を手にしたクロノは、にっこりと笑う。
「きめ細かくて食感が全然違うの。ふわっふわで美味しいのよ。結局、かき氷は古いのも新しいのも両方美味しいからさ、単純に気分によって食べたい物が決まるって感じ? どっちが正義だ悪だじゃなくて、そんな向き合い方でいいんじゃないかなぁ」
 穏やかに語りかけるクロノに、ビルシャナはカッと目を見開く。
「そんなのっ」
 ビルシャナを宥めるように、鼓太郎が口を開いた。
「涼を求めるかき氷を前にして、そんなに熱くなってどうするのです。見た目まで羽毛で暑苦しくなってしまって」
 ビルシャナは顔をしかめる。
「御覧なさいこの果物! 氷とシロップだけでは汗と共に失われる栄養素をも補うことが出来る完璧な布陣! 特に最近は猛暑続きですからね!」
 鼓太郎が掲げるのは、武蔵野スイーツクラブの面々で仕上げた力作のふわふわのかき氷。見た目も素晴らしく、味も勿論果実感たっぷりで、口どけ柔らか。
「何なのよあんた達、昔ながらのかき氷以外、私はいらないのよっ!!」
 ビルシャナの怒りが爆発した。空気が震える程の叫びにケルベロス達はそれぞれのかき氷をクーラーボックスに避難させつつ、左右に目を向ける。通行人達の避難も完了しており、周囲には誰もいない。
「力尽くでも解らせてやるわ。私の大正義をっ!!」
 右手を振り上げたビルシャナに、ケルベロス達は武器を構えた。


「店の前で暴れるのはやめてもらえるか?」
 勢いよくジャージを脱ぎ捨て忍装束になった柧魅は、無味のかき氷を手に屋台を横に退かした。
「ケルベロスだったの?!」
 咄嗟に飛び退くビルシャナに肩を竦め。
「かき氷を食わしてやろうと思ったのにな」
 呟き、柧魅はその手をビルシャナへと向け、そして。
「この銀雨が最後に見る景色……かもなっ!!」
 かき氷の代わりに、自身の体内の水分を使って作り上げた銀の雨が、ビルシャナへと降り注ぐ。慌てて回避行動を取るビルシャナだが、銀の雨は避けられず。
「ぐうっ」
 呻くビルシャナを横目で捉えつつ、ロスティはゾディアックソードを構える。
「行きますよ」
 そして、地面に描いた守護星座が仲間達に守護を与えていく。
 その間に体勢を立て直したビルシャナへ、アウィスが舞うように軽やかに距離を詰める。そして、手に携えた海皇銛を構え、薄い青の瞳をすぅっと細めた。
「残念、だけど」
 元に戻してあげたい、とちょっと思っていたけれど。アウィスはビルシャナの身体に稲妻を帯びた超高速の突きを叩き込む。
「がっ!!」
 がくり、と膝をつくビルシャナ。しかし、次の瞬間。
「私の大正義を、食らえっ!!」
 立ち上がったビルシャナは、氷の輪を生み出し、辺りに撒き散らす。削る前のかき氷のような氷はケルベロス達や公園の地面、木々へと襲い掛かる。
 それを察したエアは、主人であるクロノや仲間達を守るために、攻撃の射線上へとボディを滑り込ませる。しかし、エアが庇える範囲にも限りがあり。
「っ!!」
 エアの身体から外れた氷輪はアウィスの上腕を裂く。
「できれば助けてあげたかったですが……しかし叶わぬなら是非もなし、ですね」
 鼓太郎は溢し、一つ息を吐く。
「遍く日影降り注ぎ、かくも美し御国を護らんが為、吾等が命を守り給え、吾等が力を寿ぎ給え」
 祝詞をあげれば、鼓太郎の胸元から顕れた光がアウィスを包む。
「ありがと」
 傷の癒えたアウィスは、再度構えを取り、ビルシャナへと向き直る。
「昔ながらのかき氷も確かに美味しい。でも美味しさの追求と進化は、今も続いてるんだよ!」
 氷輪の間隙を縫い、かき氷を手に雅はビルシャナへと距離を詰める。
「くそっ」
 接近に気付いたビルシャナが雅へ向け、氷輪を放つ。
「来たれ光槍、ブリュンヒルデ!」
 氷輪を受け止めた雅は、氷輪を光へ分解し、光の槍を生成する。そして手にしたかき氷と共にビルシャナの口へと叩き込む。
「もがっ!!」
「渾身のかき氷だよっ!!」
 かき氷を口に突っ込まれたビルシャナは、一撃の勢いで吹き飛んだ。仰向けに倒れたビルシャナは、かき氷をしゃりしゃりと咀嚼した後、飲み込む。
「……美味しい」
 その一言にハッとしたケルベロス達。しかし、ビルシャナは思いきりよく地面を叩き付け、立ち上がる。
「だけど、これは私の大正義ではないわ!!」
 その身から僅かに光を放ち始めるビルシャナ。
「大正義だかなんだか知らないけど、こんな暑い日に、炎天下に引きずり出される身にもなれってね」
 やっぱりダメか。もしかしたら、とも思ったけれど。元々ビルシャナに呆れ気味だったシエラは、地面を蹴る。
「そんな訳だから……とりあえず一発思いっ切り行かせて貰うよ?」
 オウガメタルを纏った拳がビルシャナの身体へと叩き込まれる。
「ぐっ!!」
 体勢を崩したビルシャナへ、クロノが悲しげな視線を向けた。
「本当なら助けたかった。でも……ごめんね」
 そしてクロノは自らが展開した気圧のレールに乗り、超高速でビルシャナへと突撃していく。
「がっ!!」
 がくりと膝をついたビルシャナへ、リシティアが静かに視線を伏せる。
「まぁ、ダメで元々。戻せないのなら、手早く細切れにしてあげるのが元の子のためよ」
 そして、リシティアはビルシャナの足元に手を伸ばす。すると、深淵から這い出た幾多の手がビルシャナを掴み、深淵へと引きずり込んでいく。
「あ、あ……嫌……まだ、私の、大正義はっ!!」
「さようなら。その妄念もろとも飲み込まれて消えなさい」
 断末魔の悲鳴と共に深淵へと消えていくビルシャナに、リシティアは別れを告げた。


「こんなもんかな」
 穴の埋まった地面を確認しつつ、シエラは呟く。
「こっちも終わったわ」
 殆ど移動していないが、しっかりとヒール作業は行ったリシティアが頷いた。
「お疲れさま」
 クロノは埃をはたき、きれいになった公園を確認する。それから、ケルベロス達はかき氷の屋台の方へ集まっていく。
「せっかくですし、僕たちもかき氷を食べに行きましょうか」
 提案するロスティに、アウィスもこくりと頷く。
「私も、みんなでかき氷食べたいな。普通のも好きだから」
 武蔵野スイーツクラブの三人は、互いに目を見合わせた。
「食いにいくなら、美味い所が良いな」
「この辺りにいいお店、ありましたかね?」
 そう言う柧魅と鼓太郎に、残ったかき氷を団員用にクーラーボックスに詰めていた雅は首を傾げ、それから。
「美味しいところ探してみてよっか!」
 もし無ければ、材料はあるから作ることもできる。ケルベロス達は笑顔で大きく頷き、公園の外へと足を向けるのだった。

作者:あかつき 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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