魔竜顕現~遊撃の志

作者:柊透胡

 熊本城目掛けて、次々と突撃する侵空竜エオスポロス――19度の自爆の末、銀杏城とも称された城は、見るも無残に廃墟と化した。
 もうもうと立ち込める砂煙。それも数分を経て徐々に視界が晴れれば、かつて天守閣があった辺りに、威容が浮かぶのが露となる。
 全長3m。怪しく輝くオーブの周囲は、禍々しくも空間が振動している様相。
「あのドラゴンオーブこそ、我らドラゴンの希望。絶対に守り抜かねばならぬ」
 決意を語り、翼を広げる覇空竜アストライオス。続くドラゴンは3体。喪亡竜エウロス、赫熱竜ノトス、貪食竜ボレアース――ケルベロス達の決死の防戦の結果、廻天竜ゼピュロスの撃破によりドラゴンオーブを竜十字島に転移させる儀式は阻まれた。ドラゴンの最大の目的の阻止には成功している。
 だが、ドラゴンオーブが顕現した以上、ドラゴン達はまだ諦めていない。
 ドラゴンオーブの許へ向かうべく、振動する時空の歪みに姿を消す4体。替って、強大なるドラゴンが次々と姿を現す。それは文字通り、ドラゴンオーブのガーディアンであった。

「ドラゴンオーブを巡るドラゴンとの決戦は、辛うじて勝利を収めました」
 敢え無く破壊されてしまった熊本城の、風雲急を告げる都築・創(青謐のヘリオライダー・en0054)。
「ケルベロスの皆さんの尽力で、過半数の侵空竜エオスポロスと廻天竜ゼピュロスの撃破を成し遂げました。覇空竜アストライオスは、出現した魔竜王の遺産『ドラゴンオーブ』の転移に失敗した訳です」
 だが、情勢は予断を許さない。
「ドラゴンオーブは『時空の歪み』のような空間を作り出し、その内部を禍々しい力で充たそうとしています」
 その力が充ちた時――ドラゴンオーブから魔竜王の後継者となるべき、強大なドラゴンが生み出されると、ヘリオンの演算が示している。
「阻止するには、時空の歪みの中に突入し、ドラゴンオーブを奪取、或いは、破壊しなければなりません」
 無論、そう簡単にはいかない。既に時空の歪みの中には、覇空竜アストライオス、喪亡竜エウロス、赫熱竜ノトス、貪食竜ボレアースの4竜が突入している。
「更に、時空の歪みの周囲には、ドラゴンオーブの力で出現したと思われる『19体の強大なドラゴン』が待ち構えています」
 この19体ものドラゴンを抑え、時空の歪みの内部に突入、アストライオスら強大なドラゴンと対決し、ドラゴンオーブを奪取或いは破壊する――危険かつ成功率の低い無謀な作戦なのは、言うまでもない。
「ですが、現状、これ以上の作戦はありません。皆さんの力を、どうかお貸し下さい」
 アイスブルーの視線でタブレット画面を確認しながら、創は段階を追って説明していく。
「今回の作戦は、ドラゴンオーブの奪取或いは破壊が目的ですが……まず、時空の歪みに突入する為、ドラゴンオーブを守る19体ものドラゴンと対決し、突入する隙を作る必要があります」
 突入チームが帰還する退路も守り抜かねばならず、19体のドラゴンと戦うチームとその支援は必須となろう。
「更に、先に突入した、覇空竜アストライオス、喪亡竜エウロス、赫熱竜ノトス、貪食竜ボレアースの対処も必要です」
 以上、全てに対応した上で、ドラゴンオーブの奪取、或いは破壊を目指す事になる。
「けして1チームだけでは成し得ない作戦です。何をすべきか、よく相談の上、担った役割を全うして下さい」
 魔竜王の卵とも言えるドラゴンオーブ。難攻不落の竜十字島に転移を許していれば、孵化を阻む事は不可能だっただろう。
「確かに危機的状況は続いていますが、今回の作戦は、皆さんが決死の思いで勝ち取って下さった、千載一遇のチャンスです。更なる健闘と武運を、ヘリオンより祈っています」


参加者
橘・芍薬(アイアンメイデン・e01125)
浅川・恭介(ジザニオン・e01367)
アリシスフェイル・ヴェルフェイユ(彩壇メテオール・e03755)
四辻・樒(黒の背反・e03880)
月篠・灯音(緋ノ宵・e04557)
八崎・伶(放浪酒人・e06365)
四方・千里(妖刀憑きの少女・e11129)
レオン・ヴァーミリオン(火の無い灰・e19411)

■リプレイ

●遊撃の志
 熊本城を全壊せしめたドラゴンオーブの出現――覇空竜アストライオスを始めとする4竜が次元の歪みに消えるや、出現した魔竜の数は19体。
 対するケルベロスも19チーム。総勢152名の一斉攻撃が、戦いの火蓋を切って落とす。
 レオン・ヴァーミリオン(火の無い灰・e19411)はアラーム付き時計のカウントを開始した。戦況の変化に銀の双眸を光らせ、じっと戦場を見据える。妖刀”千鬼”を抱える四方・千里(妖刀憑きの少女・e11129)も無言で監視の体勢だ。
 彼らは、まだ動かない。
「私達は退路の確保と支援ね」
 橘・芍薬(アイアンメイデン・e01125)の言葉に、テレビウムの九十九もこっくり頷く。
 次元の歪みに突入したチームが帰還するまで最大30分、決して短い時間ではない。魔竜らと対峙する防壁が崩れぬ支援が、彼らの役割。
「全体の作戦成功の為にも、足元からしっかり地固めしないとな」
 四辻・樒(黒の背反・e03880)は決意の面持ちながら、最愛の相棒への眼差しは柔らかい。
「作戦、成功させよう。灯」
「ん、樒。頼りにしてる」
 月篠・灯音(緋ノ宵・e04557)も優しく微笑み、頷き返す。
「まあ、支援なんざ必要無い方がいいんだけどな」
 八崎・伶(放浪酒人・e06365)の脳裏に浮かぶのは、城ヶ島制圧戦だ――もう2年以上前の戦いで、伶は知人を1人喪っている。
「もう誰もドラゴンに殺させたりするものか。そんなの真っ平ゴメンだぜ」
 だからこそ、危うい所には必ず、必ず助けに行くと。胸の内で決意を固める相棒に、ボクスドラゴンの焔は静かに寄り添う。
(「友人も知人も、次元の突入しているもの。何としても、此処は抑えるわ」)
 それに、ドラゴンは本能的に相容れず気に障る。アリシスフェイル・ヴェルフェイユ(彩壇メテオール・e03755)は、最後まで前を向く所存だ。
「必ず成功させるわよ、皆で無事に帰りましょ!」
「あ、うん……僕も頑張るよ、勿論」
 のんびりマイペースな風情の浅川・恭介(ジザニオン・e01367)だが、テレビウムの安田さんに脇を小突かれ、うんうんと。芍薬の意気に否やはない。
「――あっ!」
 手筈通り戦場の東側を警戒すれば、果たして赤の輝きが上る。反射的に駆け出そうとした恭介を、千里が押し留める。
「私達は、2番目です」
 いよいよかと身構える端から、立続けに撃ち上がる信号弾。
「私達が向かうのは……」
「あっちなのだ!」
 首を巡らせる樒の手を引き、急かす灯音。
 ――――!!
 空気が震える。少し離れたその先に、聳えるのは鬣燃え立つ黒竜だった。巨体ながら、体格は寧ろ細身。赤い皮膜翼を広げ、赤光放つ双眸が周囲を睥睨する。その身の傷が、見る見る癒えていくのが遠目にも知れた。
「文字通りの上から目線、何だか嫌だなぁ」
「残るのは3人……急ぐわよ!」
 惚けるレオンを追い越し、芍薬と九十九はドラゴンの眼前で癒し合う3名へ駆け寄る。
「お帰りなさいませご主人様、なんてね♪」
 敢えて軽口を叩き、マインドシールドを作る芍薬。九十九も応援動画を流す。
「安田さん無理は……いえ、為すべきを為してください」
 安田さんが応援動画を流す間に、素早く轟竜砲を射出する恭介。先程のドラゴンのヒールは、これまでの厄も掃ってしまったようだ。
「魔竜フォーマルハウト・グラビティ、か……」
 焔にはボクスタックルを促し、伶自身はヒールドローンを展開。敵の情報を確認すれば、銀髪の刀剣士が早口で告げた――ドラゴニアンのそれを強烈に強化したような攻撃と、『崩落師門』なる引力を自在とする技。今しがた、自己回復を使われたばかりだ。
「ポジションは、ディフェンダーだって?」
「道理で硬い訳です」
 こちらに注意を引くように『千鬼流 壱ノ型』を放った千里は、その手応えに溜息1つ。
「だったら、存分に足を引っ張ってやろう」
 レオンはいっそ不敵な表情だ。その足元の影より、地を這いずるような鎖影が飛び出す。
「デウスエクス最強種だか何だか知らないけど、弱者の悪意ってのはかなりしつこいんだよ……え? 大丈夫?」
 幾許か癒されて尚傷深い彼らだが、その闘志はまだ潰えていない。「残りメンバーとの共闘」は、確かに先に定めた指針の1つだが。
「突入班が撤退するまで、私達はここを死守しなければいけないわ。そして、私達も時が来れば、素早く退かなければならない」
 餞刃-origo-を構え、アリシスフェイルは頭を振る。彼らは残り3名で5名の仲間を連れて撤退しなければならないのだ。
「……私達だってきっと、このまま全員無事では済まないと思う」
 その言葉は小さくて、或いは誰の耳にも届かなかったかもしれない。
「まだ私達が壁になれる今の内に。退いてちょうだい。その為に私達は『支援』に徹したのだから」
 空の霊力帯びた刃が、奔る。支援チームの覚悟に漸く安心したか。銀髪の刀剣士は、やはり銀髪のウィッチドクターと頷き合う。
「死ぬには良い日じゃと思ったが、どうやら違っておったようじゃ。おぬしたちの覚悟、みせてもろうた。もはや憂うことなし」
「後は任せた」
 短い言葉に熱を秘め、漆黒の髪のミュージックファイターは飛び退る。各々仲間を担ぎ、彼らは戦線を離脱していく。合流早々に重ねられたヒールは、速やかな撤退の援けとなるだろう。
「これで治療の効果もあがるだろう。後ろは任せた」
 何より戦線を保たせる事を重視し、メディックの灯音に回復効果を上げる符や薬を使う樒。
「背中は任されたのだ」
 よりどころたる彼女に頼られるのは、殊更嬉しい。今の内にと、灯音は笑顔で雷壁を巡らせる。
「20分」
 ――いよいよ、ケルベロス達は魔竜と対峙する。

●魔竜フォーマルハウト・グラビティ
 ドラゴンの自己回復の間隙を突き、首尾よく交替を果たしたケルベロス達。一方、ドラゴンもある程度の回復を果たし、厄も掃っている。
「仕切り直し、か」
 伶が呟く暇こそあれ、ドラゴンの咆哮が引力を操る。
 ――――!!
 途端、息も詰まるようなプレッシャーが、頭上から前衛をねじ伏せんと。崩落師門――「師門」即ち「軍門」を崩落させ集う兵士(=ケルベロス)を圧し潰す、というニュアンスか。瞬間、飛び出した焔が相棒を押し退けるように庇う。
「プログラムインストール開始! ムゲンドライブシステム起動よ!」
 早速、赫奕不滅修復システムを起動させ、肩を並べる仲間の修復を開始する芍薬。
「汝、我が盟約に応えよ」
 灯音が桜吹雪を顕現させ仲間を癒せば、やはりメディックの立ち位置で、千里のステップが癒しの花弁を撒く。敵味方問わず、被ダメージの程は眼力で測れない。それを為さんとするのは、癒し手の観察眼だ。
 基本は回復優先の布陣。伶も再びヒールドローンを展開し、九十九と安田さんは応援動画を流す。
 だが、ヒール量にも限度がある。回復一辺倒では、じり貧は必至。
「ここからは私達がお相手するわ」
 言い放つや、地面を蹴るアリシスフェイル。流星の煌めきと重力を宿した飛び蹴りが奔る。
(「この力は竜を押し止めるもの。守る為の戦いだもの」)
 ある程度のダメージを与えれば、ドラゴンは回復を図る。攻撃を被らずに済む一手を勝ち取る意義は大きい。
「当ったらゆっくりになれ~」
 髪の花を毟って集める恭介。オラトリオの力が込められた花弁を放ち、ドラゴンの時間の流れを緩やかにせんと。
「ほえ面かきなマヌケ野郎、ってやつさ」
 列攻撃とて侮れぬ威力ならば、武器封じも戦線を保たせるのに不可欠だろう。レオンの毒舌も冴えるというもの。少しでも厄を深めんと、伶のボクスドラゴンはブレスを吐く。
「……ふむ」
 スナイパーからして凡そ命中の気配ながら、崩落師門の圧は容赦ない。ヒールが厚かろうと、キュアが己の攻撃に間に合うとは限らない。
 故に、樒はメタリックバーストを放つ。強化が叶いさえすれば、ジャマーのエンチャントは心強い。
 ――――!!
 続く、魔竜の攻撃は尾の薙ぎ払い。再び前衛が狙われ、今度は伶が動く。ちなみに、ディフェンダーは刹那の間隙に滑り込んで仲間を庇う。その挙動は反射的で、特定の攻撃を見越したり、誰かを目して庇う余裕はない。だからこそ、回復は大事。戦線を一手でも保たせるべく、全力のヒールが重ねられる。
(「まだまだ竜とサシで殴り合うには力が全く足りませんね。残念」)
 恭介の轟竜砲は辛うじて竜躯を捉えるも、足止めには至らなかった模様。テレビ有無と魂分け合う身では、厄付けにも些かの遅れを取る。それは、芍薬も伶も同様だが、サーヴァントの強みは何より手数の多さだ。ケルベロスが健在の限りサーヴァントも意を汲み、攻防絶妙な動きで戦闘に貢献しようとするだろう。
(「負けない為に、殺す気概で」)
 その意気や良し。金の眼差しも鋭く、アリシスフェイルは穹砲-aurora-を構えるやゼログラビトンを射出。レオンもよくよく狙いを付けて、バスターライフルから魔法光線を発射する。
 ゴアァァァァッ!
 時に引力を操り、竜尾で薙ぎ倒し、炎のブレスを吐き散らす魔竜。そこに、ケルベロスへ投げ掛ける言葉はない。
(「三下のトカゲの癖に偉そうね」)
 ただ、殲滅の意志だけ圧力のように感じ、芍薬は内心で吐き捨てる。
 茶の眼差しを緋色に染めて、千里は淡々と守護魔方陣を描く。
「天石から金に至り、潔癖たる境界は堅固であれ。海原沈み深き底、天空昇り遥か果、累ねた涯の青を鏤める――」
 或いはアリシスフェイルの蒼界の玻片が。伶のヒールドローンも併せて、ケルベロス達をよく守った。まだ大丈夫――故に芍薬も、挑発という隠し球はまだ胸に秘める。
「25分」
「っ!!」
 時を告げると同時にふわりと浮かんだ次の瞬間。一斉に地面に叩き付けられる後衛の4名。全身砕けそうな衝撃に、レオンはガハッと息を吐く。
「安田さん、大丈夫?」
 下敷きになって庇ってくれたテレビウムを気遣いながら、恭介はフロストレーザーをぶっ放す。
「満ちろ、秋月」
 伶が喚ぶ月影は、天に流れる叢雲のたなびく隙間より漏れ出ずる。癒しの光が安田さんに降り注ぐ。
「灯!」
「大丈夫なのだ!」
 狼狽する樒に元気よく返事する灯音。千里も顔色1つ変えず立ち上がる。すぐさま、後衛にも厚いヒールが注がれた。

●憤激の咆哮
 極力挑発せず攻撃より回復主体の作戦は、或いは、敵のポジションに援けられた所も大きい。
 ドラゴンは列攻撃とて苛烈。クラッシャーやスナイパーの攻撃であったならば、回復が追い付かなかったかもしれない。
 ディフェンダーの硬さは撃破を目指すなら脅威であったろうが、戦線維持に於いては影響の薄い位置取りと言えよう。
「……っ!?」
 レオンの時間経過の報告から程なく。大鋏にも似た愛刀を振るったアリシスフェイルは、魔竜越しに次元の歪みを見る。
「やったの!?」
 次元の歪みから飛び出してくる数多の人影。だが、喜色を露にする暇があればこそ、同時に膨大な力が放出される。
 ウオォォォォォンッ!
 これまでにない咆哮が鋭く轟く。思わず息を呑むケルベロス達の眼前で、まさか、魔竜フォーマルハウト・グラビティが、見る見る巨大化しようとは。
「何で……!?」
「樒、あそこ!」
 絶句する樒。灯音が指さす先――次元の歪みより脱出した突入班の後から、同じく巨大化したアストライオスとエウロスが追撃してくるのが見えた。
 ――おのれ、ケルベロスめ! 斯くなるは、貴様らの軍門尽く我が引力で崩落させん!
 己が変容で戦況を解したか。魔竜は憤激の雄叫びと共に、引力を操りケルベロス達を地に臥せる。
「……ぐっ!?」
「今は、こっちに集中を!」
 千里の視界の端に、巨大化したアストライオスとエウロスへ無傷の支援班の2チームが向かったのを確認する。だが、ヒールの前に、安田さんの姿が唐突に掻き消えた。やはり崩落師門を被った伶は実感する。威力は、これまでの比ではない。
「……なっ!?」
 バスターライフルの銃口を魔竜に向けた恭介は、ギョッと目を見開く。スナイパーが誇る高い命中率だからこそ、巨大化の前後の落差に驚いた。それでも、まだやれるとばかりに、魔竜へ攻撃が殺到する――だが、その硬さも又、手応えからして全然違う。
「突入班は帰還したわ。私達も」
 ――逃がすと思うてか!!
 アリシスフェイルの提言に被る魔竜の怨嗟に……芍薬は覚悟を決める。
「巨大化しても大した事ないわね。私達程度振り切れなくて何が魔竜よ」
 ――オノレェッ!!
 支援チームに初めて振るわれた竜爪は、次の瞬間、芍薬を貫く――前衛に立ち続けたサーヴァント伴う身で、巨大化した竜爪に抉られれば一溜りもない。幾重にも重ねられた筈の呪的防御をも尽く砕かれ、口から赤いものを溢れさせ、崩れ落ちる。
「今だ!」
 灯音のウィッチオペレーションの時間も惜しみ、伶とレオンが両脇から芍薬を抱える。同時に、樒がメタリックバーストを放つ中、ありったけの遠距離攻撃で弾幕を張るケルベロス達。伶のハートクエイクアロー、レオンのサイコフォースに続き、千里は愛刀から刃状の重力エネルギー塊を放つ。
 ――――!!
 アリシスフェイルのゼログラビトンで敵が怯んだ一瞬を突き、一気に戦線離脱。更に芍薬を狙わんとした竜爪を阻み、九十九が掻き消えたが、ケルベロス達は全員帰還する。
「次に会う時は叩き潰してあげますね」
 最後にバスタービームを置き土産に、恭介は身を翻した。

 ――次元の歪みに突入した突入班は、4竜を抑えて見事ドラゴンオーブを破壊。だが、『希望』を奪われたアストライオスの怒りはすさまじく、次は巨大化したドラゴンとの血戦となるだろう。アストライオスを始め、魔竜が全て生存の為、激戦は想像に難くない。
 だが、41チームで連携を遂げたのは、とても大きな努力の結果だ。全員が己のすべきを確実に遂行した事で、ドラゴンオーブ破壊という成果に結び付いたのだ。
 紛う事なき、ケルベロス全員の勝利であった。

作者:柊透胡 重傷:橘・芍薬(アイアンメイデン・e01125) 
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月20日
難度:難しい
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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