魔竜顕現~破却の途

作者:志羽

●魔竜王の遺産、ドラゴンオーブ
 侵空竜エオスポロスの自爆によって、瓦礫と化した熊本城。元の姿などそこには残っていなかった。
 そして『怪しく輝くドラゴンオーブ』が姿を現していた。
「ドラゴンオーブが万が一にも奪わてしまえば……。この戦いに、ドラゴン種族の存亡がかかっているのだ!」
 覇空竜アストライオスは、喪亡竜エウロス、赫熱竜ノトス、貪食竜ボレアースを連れだってドラゴンオーブの元へと向かう。
 そして時空の歪みの中に入り姿を消した。
 だが、まだ終わりではない。このドラゴンオーブを守るように次々と巨大なドラゴンが姿を現していったのだった。

●次の戦い
 熊本城で行われたドラゴンとの決戦は辛うじて勝利する事が出来た。
 過半数の侵空竜エオスポロスの撃破に成功し、廻天竜ゼピュロスの撃破にも成功した事で、覇空竜アストライオスは出現した『魔竜王の遺産、ドラゴンオーブ』を竜十字島に転移させる事に失敗したのだ。
 けれど、情勢は予断を許さないと夜浪・イチ(蘇芳のヘリオライダー・en0047)は言う。「あの熊本城のあとに現れたものがね」
 ドラゴンオーブ。それは『時空の歪み』のような空間を生み出し、その内部を禍々しい力で満たそうとしている。
 その力が充ちた時、ドラゴンオーブから魔竜王の後継者となるべき、強大なドラゴンが生み出されてしまう事が予知されたのだとイチは続けた。
「これを阻止するには、時空の歪みに突入し、ドラゴンオーブを奪取、あるいは破壊する必要があるんだ」
 しかしすでに時空の歪みの周囲には、ドラゴンオーブの力で出現したと思われる『19体の強大なドラゴン』が侵入者を阻止すべく待ち受けている。
 この19体のドラゴンを抑え、時空の歪みの内部に突入。アストライオスら強大なドラゴンと対決し、ドラゴンオーブを奪取、あるいは破壊するというのは極めて危険かつ成功率の低い無謀な作戦となるのだ。
「けど、現状これ以上の作戦はなくて……やってもらうしかないんだ」
 そう言って、イチは詳細を話し始めた。
「まず、目的はドラゴンオーブの奪取、あるいは破壊。けど、その前に取り払わなきゃいけない障害がある」
 まず突入するためには、ドラゴンオーブを守る19体のドラゴンに対して攻撃を仕掛け、突入する隙を作る必要がある。
 そしてその後、突入したチームが帰還する退路を守り抜く必要もある為、19体のドラゴンと戦うチームの支援は必ず必要となる。
 更に、先に突入した覇空竜アストライオス、喪亡竜エウロス、赫熱竜ノトス、貪食竜ボレアースへの対処も必要となる。
「このすべてに対応した上で、ドラゴンオーブの奪取、あるいは破壊を目指すんだ」
 つまりは何をすべきか――それをよく相談し、成し遂げてきてほしいとイチは続ける。
「まだ全部終わったわけじゃない。できる事はある――信じてるよ」
 これから向かう戦いは厳しい戦いだ。
 それをわかった上で、ケルベロス達は向かう。


参加者
八柳・蜂(械蜂・e00563)
疎影・ヒコ(吉兆の百花魁・e00998)
平坂・サヤ(こととい・e01301)
オルテンシア・マルブランシュ(ミストラル・e03232)
海野・元隆(一発屋・e04312)
深宮司・蒼(綿津見降ろし・e16730)
マイヤ・マルヴァレフ(オラトリオのブレイズキャリバー・e18289)

■リプレイ

●戦いの趨勢
 時空の歪みへと突入した者達、そして19竜と戦う者達。
 19竜との戦線では、いくつか耐えられず支援班が向かった。
 そして――東西にわけ、担当である西側の他の班は全て動き、最後の支援班であるケルベロス達はただ見守るだけの時間を長く感じる。
「……もう25分」
 見詰めていたタイマーから顔を上げたマイヤ・マルヴァレフ(オラトリオのブレイズキャリバー・e18289)は傍らにいるボクスドラゴンのラーシュへと視線を向ける。するとラーシュは一声鳴いて、いつでも動けるとやる気を見せる。
 すでに限界時間の半分以上が経っており、19竜についてはこのまま抑えきれそうな雰囲気さえあった。
「あっ、突入班が脱出してきてます!」
 ボクスドラゴンのエルレにつんつんと頬つつかれ、リティア・エルフィウム(白花・e00971)は気付いた。
 時空の歪みより次々と出てくるケルベロス達の姿に。
 破壊か、奪取か。どちらかはわからないが終わったのだろう。それは幸いだが作戦を練って準備していたので少し残念なような。
 けれど――すぐに安堵するにはまだ早いと知る。
 最初は目の錯覚かとも思ったがそうではない。19竜が巨大化していたのだ。
「これは……異常事態というやつでは」
 むむと唸りながら平坂・サヤ(こととい・e01301)は禍々しい力を感じるのですよと周囲を見渡し、はっとした。
「突入班は、もしや……追われているのでは」
「なら助けに行こうぜ! 何か出てきたら、ぶっ飛ばせばいいか!」
 それならばとすぐ、時空の歪みへと走り始める。
 難しい事はわからないが、そうすれば良いはず。深宮司・蒼(綿津見降ろし・e16730)は出番だとばかりに一番に走り出した。
「燻らずに済みそうね」
 オルテンシア・マルブランシュ(ミストラル・e03232)は蒼の言葉に頷き、従者であるミミックのカトルに行くわよと声かける。
 いくつも同じ戦いを潜り抜けてきた蒼とオルテンシア。無茶するんじゃねえぞと言いながら、二人の背を疎影・ヒコ(吉兆の百花魁・e00998)も追いかけた。
 明らかに何か起こっている。
 海野・元隆(一発屋・e04312)は時空の歪みの中に注意を払っていたのだが思わず笑い零した。
「おっと、やばそうなのが出てきそうだ」
 見ろ、と元隆が示した先――時空の歪みから姿を現したのはものはひとつではなく、ふたつ。
 それは覇空竜アストライオスと喪亡竜エウロスだった。
「あの二体も巨大化してます……ね」
 その姿を見止め、八柳・蜂(械蜂・e00563)は零す。
 二体は19竜達と同じように巨大化し、体長は二倍弱となっている。
 突入班は満身創痍、このままでは逃げ切れそうにない。
 だがまだ万全の状態で戦える自分達がいるのだ。彼らを助ける事は十分に可能だった。

●救援
「最後の最後、大物相手なのですよ」
 でも、サヤ達がやる事は目に見えて明らかなのですとサヤは紡ぐ。
「そうですね。精一杯援護しましょう」
 リティアは出来る事は沢山ありますよねと頷いた。
 今すべきは脱出してきた仲間達を助ける事。
「しかし真正面からやりあうのはちときつそうだ」
 このまま勝てるとは思えないと元隆は向かいながら言う。
 巨大になったアストライオスはどうやらその力も増しているようなのだ。
「さて、我慢比べだ、こっちはお替り自由とはいかないからな」
 万全の状態で動けるもう一班も突入班を助けるべく動いている。
 最低限必要なのは、負傷した者達を抱えた仲間達が脱出できるほどの時間。
 それを保てば勝ちだろう。
「あら、私は細疵曝せばそこから討つ気――だったのだけれど。確かに無理そうね」
 冷静にこの状況を見て、そして本能が言っている。この場が全てを決する場ではないのだと。
 19竜も巨大化し残っている。そしてアストライオスとエウロスもだ。残存二班の力だけではどうにもならない戦力差があることを、オルテンシアは知っている。
 前哨戦程度で抑えてあげるわと零すオルテンシアの、ドラゴン勢へ向ける想いが深い事を知っている蜂とヒコは大丈夫だろうかと少しばかり心配に思うのだ。
「残ろうとしても引きずって連れ帰りますよ、オルタさん」
「蜂、手伝うぜ」
「引き際くらいは見極められるわよ」
 そう言いつつも、前のめりで。傍でカトルも何か言いたそうだ。
 仲間に手を貸しながら、そして庇いあいながら。
 殿だろう、仲間達をどうにか逃がそうとしてアストライオスをギリギリの所で止めていた者達との距離が近くなる。
「ならば、死の罰を受けよ!」
 もうすぐ助けに入れる――そんな状況でアストライオスの声響き、腕が動く。
 それは時間にしてわずかの事だが、状況の把握と判断は一瞬だ。
 ドラゴニアンの少女への攻撃はあちらの盾役が防ぎに動いている。
 しかしもう一人、ドワーフの少女が腕を上げ自身を守ろうと動いている。あちらの盾役も彼女の前に出ようとするがそれよりもアストライオスの爪の方が速いだろう。
 それを喰らえばどうなるかは目に見えて明らかで距離詰める速度は上がった。
 爪が落とされる寸前、少女が息を飲む。その呼吸音を耳に捕らえながら蜂は地獄化した左腕をあげ、その間に割って入った。
 走り込む勢いを以て攻撃の勢いに相対し受け流す。ダメージ無くともその衝撃は重く、声が零れかけた。
「……間に合いましたね」
 けれどその声を圧し、蜂は庇った少女の無事に安堵する。
 そして蒼がさらに蜂の前に立って、次の攻撃を受けられるように構え声を上げた。
「後は任せろ! 早く行け!」
「……ありがとう、気をつけて」
 その蒼の声へとドラゴニアンの少女は礼を紡ぎ、急ぎ離れて行く。
 今まで時空の歪みで戦っていた者達は勿論、共に戦う皆を倒れさせない為に。
 そして自分も倒れず、いつもどおりの事を、ただ全力でやるだけと蒼は強大な敵を前に思う。
 撤退していく彼女達の姿を肩越しに気にしつつリティアは銀翠の力借り、オウガ粒子を中衛の二人へ。
「あの方達が安全な所に付くまでは、ここは崩せませんね」
 その力受けながら、ヒコとマイヤも頷いて動く。
 ヒコは後衛に狙い高める力を、マイヤは前列へと耐性を。
「絶対に突破はさせないよ。ラーシュ、頼んだからね」
 マイヤは傍らのラーシュへと声かける。想いが繋がってるから、彼らの頑張りをここで不意にはできないのだと。
 この間にもアストライオスの攻撃は前列に迫る。
 蜂と蒼、サヤ。そしてカトルとエルレもその爪の威力を正面から受ける。
「ちょっと痛いですが……サヤはこれくらいでは倒れません!」
「悪い! 次は守って見せる!」
 すべての攻撃から守れるとは思っていない。それでもすぐさま入れなことは悔しく、蒼は次は守ると声にする。その声にサヤは頼りにしてますと一言。
「まとめて、八つ裂いてくれる!」
「虫けらを潰すようなもの……でしょうが。虫けらにも毒くらいはありますので……おいたは、いけませんね」
 先程受けた攻撃分も微かな恨みとして絡め籠め、その指先に自らの血液と地獄を以て生み出した毒針で蜂は敵に冷たく熱い痛み与え奥底深く蝕む。
「いけるか……!」
 射手たる元隆はその狙いが外れぬ事を知る。皆の攻撃もあたるようにと走り込む脚には流星の煌めきと重力を乗せて。
 横面から飛び蹴ればアストライオスは呻いた。
 攻撃を掛けたいと思う気持ちを抑えつつ、蒼は自身の回復を。
 自身に纏う分身の幻影が傷を分かち癒すのだ。
「光雷竜は元気?」
 翼広げとんと距離詰めるのはオルテンシア。
「私ね、竜十字島を歩いた事があるの。あの日あなたたちを重力鎖で縛った、元凶よ」
 彼等の分まで、立っていなくては――けれど今は、ただぶつけるのみ。
 流星の煌めきと重力の力をその脚に乗せ、オルテンシアはその顔面へ蹴り放つ。
「進化を求めるはずの竜が遺産なんかに頼るのね。遡及の徒となり果てたのなら弱化も道理、私の翼と交換してみる?」
 煽るように紡ぐ言葉。
 アストライオスは咆哮する。死の罰を与えるのだと。
 今この時敵の力は強大。守りを固め、狙いの精度を上げ、膂力を高め攻勢に。
「わずかの時間が長いですね!」
 言好に稲妻を。サヤの超高速の突きが麻痺を齎す。
 くるりと言好回し、身を翻しサヤは一歩、距離を取る。
「わたし達だって仲間のために命賭けてるの!」
 これは意地のぶつかり合い。どっちが上か勝負とマイヤは声上げ、アストライオスに掛る阻害を増やすべく動いた。
「上を向いて、きっと願いは叶うから」
 その声と共にキラキラ輝く流星が、星の群れが、時間重ねてその溢れる光で敵を浸食する。
 続けて隙を与えず、ヒコは桶踏に理力籠めたオーラを乗せて飛び蹴った。その衝撃で傾いだ鼻先を、蜂が縛霊手で殴りつけ敵の身を縛り付ける。
 仲間が攻撃仕掛ける間にリティアは前列へ癒しを。盾となる力をケルベロスチェインを振るって皆へ。
 そして足りない部分補うように、ラーシュも癒しを手伝う。
 後衛を狙った竜の吐息。それを蒼と蜂、そしてサーヴァント達が受け止め保たせる。
「ありがとな」
 仲間が守ったからこそ、動きに無駄は無く、そして精神の集中は乱される事なく。
 元隆が研ぎ澄ませた集中でもって、アストライオスの身の上で爆破が起こる。
 その爆破の圧に身をくねらせた所に踏み込むのは。
「――全部、上乗せして答え合わせよ」
 攻撃を請け負った皆の分までとオルテンシアは白のカード掲げ、勝負かける。
 続けて蒼はその手に螺旋手裏剣を。
「まだ俺1人倒せないなんて大した事ねーな」
 その視線引きつけるように蒼は言って、大きく振りかぶり手裏剣を放った。
 螺旋の軌跡を描きその力帯びるままに、その守りを崩すように突き刺さる。
 そしてこの時、突入班は無事この場を離れ終わっていた。

●撤退
 列攻撃も威力がある。盾役達はダメージを抑えられるとはいえ油断ならない。
 リティアは癒しの力を宿した光を集わせてゆく。
「白く染まる世界で、輝ける加護を」
 数多空から降り注ぐその光は蜂へ向けて。
 そしてリティアは周囲に自分達以外の気配がない事を感じ、ほっとするもすぐさま気を引き締める。
 けれどまず皆に伝える事が第一と声を響かせた。
「撤退、完了です!」
「なら、次は俺達だ」
 その声に元隆は頷き、次の一手への一呼吸。だが簡単に逃がしてはくれなさそうだと紡ぎながら。
 元隆は周囲の様子を確認する。最短、最速での撤退の為に一番進みやすそうな方向を元隆は見定めていたのだ。
 追ってくる可能性はもちろんある。だがこの熊本より大きく離れて追いかけてくれば、先に撤退していた班が再編され迎撃の態勢を作るだろう。追ってこなければ、逃げてまた次に備えるだけだ。
 アストライオスがどうするのかは撤退してみなければわからないが対処はできる状況だ。
「オルタさん、逃げますよ」
「ええ、でもその前にもう一度くらいは――構わないわよね」
 オルテンシアが伸ばした腕。それに這う星鎖、紅玉の楔。
 腕ふるえばそれは踊り出し、地を這いアストライオスを締め上げる。
 その鎖を振り払い、アストライオスからの三度目の攻撃。上方よりその爪が中衛へと向く。
 しかしマイヤに届く前に蒼がそれを受けて守り、ヒコは後方に下がってかわしていた。
「逃げきってみせるさ」
 ヒコはその動きを一瞬でも止められればと思う。狙い定めれば、援護もあり命中は問題ない。防がれなければ必ず当たる。
「――……さぁ、可愛がってくれるかい?」
 模した折紙に鈴音ひとつ、ふたつ。祝詞に呪式、祷を籠めれば本物相違無い蝶達がヒコの手元からひらりと飛び立つ。
 怪異か、吉凶の兆しか。蝶達に抱かれアストライオスが振り払おうと身悶える。
「見えたか? お前の還るべきところが」
 元隆は言い放ちながら攻撃をかける。海に連なるものに伝わる秘儀の一つ。帰る事できなかった船員達の夢がひとつとなり、現世に存在するものを拒み弾く。
 その衝撃がアストライオスを撃つ。
「サヤが知っていることは、ありえることで、おこること」
 今日、この時ではないけれど近々必ず、倒してみせると想いを籠めて。
 最後にとサヤは夜坂に炎纏わせた一撃を見舞う。
 その攻撃を最後にケルベロス達は身を翻した。このまま戦い続ける事は悪手なのだから。
 攻撃受けたアストライオスに一瞬の間ができる。
 その間にケルベロス達は踵を返した。
「残念だったな、ここで店仕舞いだ」
 逃げさせてもらうぜと元隆は紡ぐ。
 撤退――だが、怒れるアストライオスは逃がす気はない。
「ここで朽ち果てるが良い!」
 しかし、撤退の道は作られる。
 カトルとエルレがまず動いた。
 主達を無事に帰す為に――傷は負っているが、あと一撃、運が良ければ二撃、守りきれるだろう。
 だがそれで十分。その間に撤退してくれるだろうと信じ、盾役のカトルとエルレは残った。
 ラーシュもマイヤの背中を尾で叩く。それは行けと言う様だった。
 カトルとエルレが倒れたならその後にもう少し、時間を作るために。
「あとで礼はするからな!」
 サーヴァント達が居なければ、蒼は自分が残る気だった。しかしこの心意気を無駄にはしない。
 アストライオスが招来する稲妻が撤退するケルベロス達を追いかける。
 だが、それはケルベロス達へと届かなかった。
 何が起こっているかなど、振り向かずともわかる。振り向いてはいけなかった。
 すさまじい稲妻の音が数度、響く。
「エルレ……ありがとう」
 一瞬だけ瞳閉じるが、リティアはエルレの為にもと真っ直ぐ走る。
 守る為の最後は目にしなくともわかる。オルテンシアはさすが私の従者と、その想いを零した。
 そして、また同じ音が墜とされる。
 相棒であるラーシュが作った時間。それをマイヤも無駄にはしない。
 またすぐ会えるが、それでも心は痛む。
 何が起こるかはわからぬ戦場。
 19竜を相手として立てられた作戦は相手が変わろうとも簡単に挫かれるようなものではなかったのだ。
 時間を稼ぐために組み上げたものは、強化されたアストライオスをしばらく止めるには十分だった。
 そしてサーヴァント達が三体、撤退時に残っていたのは万全の態勢で戦いとなった事もあるが、アストライオスとの戦いが短時間であったのも理由の一つ。
 苛烈なる攻撃をサーヴァント達は受け止め、撤退するだけの時間を作ったのだ。
 だがまだ全ての戦いは終わってはいない。熊本にドラゴン勢が居残っているのだから。
 アストライオスは己の前から姿を消したケルベロス達へと怨嗟の声を放つ。
「おのれケルベロス! 次に我が前に現れたならば息の根止めてくれる!」
 地に響くような叫び――それがその、証左だった。

作者:志羽 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月20日
難度:難しい
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 7/感動した 1/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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