鬱るんです

作者:長谷部兼光

●被写体求む
 とある遊歩道。そこより少し外れた森の中。
 がちゃりかちゃりと音を立て、宝石は新たな体を得る。
 長雨の終わり、陽は眩く射し込んで、薄く透明な水溜まりが映し出したのは、年代物の、インスタントカメラのシルエット。
 インスタントカメラ――ダモクレスが数度瞬けば、同時にフラッシュが焚かれ、口からはフィルムを吐き出した。
 光に曝された木々は爆ぜ、運悪くレンズに睨まれた小動物は絶命する。フィルムに焼き付けられたのは、トラウマ渦巻く地獄景。
 カメラは出来上がったフィルムを一瞥だけすると、興味も失せたかそれを放り投げ、山を下る。

 自然でもなく、小動物でもなく。
 やはり、とるなら人の、命が良い。

●写真を撮られると魂も取られるとか
「そういう迷信がず~っと昔にあったなんてお話はよく耳にするもんっすが……」
 カメラ型のダモクレスが実在するのなら迷信では済まないっすよね、と、黒瀬・ダンテ(オラトリオのヘリオライダー・en0004)は語る。
「今回のダモクレスがぱしゃりとシャッターを切れば、本当にそうなってしまうんす」
 ケルベロスならばある程度は耐えられようが、一般人なら一溜りも無いだろう。
 相手が市街地へ出てしまう前に撃破しなければ。
 戦場となるのはとある山中。付近は遊歩道も整備され、なだらかで、多少木々があるもののこれと言った障害物は無く、戦いやすい地形と言えるだろう。直前まで雨が降っていた影響で、周囲に人の気配も無い。
 ちなみに、このダモクレスは彼のレンズに敵う『被写体(モデル)として優れている人物』を良く攻撃する傾向があるらしい。
「そうっすねぇ……例えば人より、格好良かったり可愛いかったりクールだったりセクシーだったりマッスルだったり尊かったりキマッてたり、まぁ……色々っす」
 色々っすか。
 シリアスな方向の話かと思ったら別にそんなでもなかった。
 但し、あんまりにも度が外れてセクシーすぎるのと、何もしない自然体が一番美しい系統の理屈には反応しない。
 判断基準はあくまでダモクレスの撮影欲を満たすものであるかどうかだ。いちいちポーズとかつけるとポイント高いらしい。
 全員が目立っている、あるいは全員が地味である場合は満遍なくこちらを攻撃してくる。
 いっそ怒りを付与してダモクレスのレンズを独り占め……と言う戦法ももちろん有りだろう。
 何れにせよ、どう対処するのかは現地に赴くケルベロスに一任される。
「カメラ自身が写真家を気取るというのもよくよく考えれば可笑しな話っすが、放置はできません。よろしく頼んだっす!」


参加者
レーチカ・ヴォールコフ(リューボフジレーム・e00565)
アイラノレ・ビスッチカ(飛行船乗りの蒸気医師・e00770)
エリオット・シャルトリュー(イカロス・e01740)
巽・真紀(竜巻ダンサー・e02677)
コマキ・シュヴァルツデーン(翠嵐の旋律・e09233)
七隈・綴(断罪鉄拳・e20400)
死道・刃蓙理(野獣の凱旋・e44807)
エトワール・ネフリティス(翡翠の星・e62953)

■リプレイ

●Contact
 雨粒輝く森の中。がさりがさりと緑が擦れて鳴き出した。
 得体の知れぬ機械の蠢きに小動物は逃げ惑い、饒舌である筈の夏の虫たちはじっと息を潜める。
「よう、カメラマン。被写体探しが所望なら、ちょいと付き合うぜ?」
 一人ぼっちで街を目指すカメラを、エリオット・シャルトリュー(イカロス・e01740)が呼び止めた。
 待ちに待った被写体(ひと)の声。カメラは即座振り返り、エリオットの姿を認めると、視界(ファインダー)に捉える。
「……俺も写真家の端くれだ。ひとに惹かれて、レンズを向けたくなる気持ちも分からんでもないがね」
 やれやれ、とエリオットは首を横に振る。趣味の範囲とは言え、写真には一家言ある。
 故に、人を傷つけるためだけの写真など、到底許容出来無い。
「青炎の地獄鳥よ、我が敵をその地に縛れ」
 地獄を纏う足で地を蹴り、澄んだ青色の炎で構成された鵙をダモクレスへ解き放つ。モズは炎の痕跡を虚空に描いてカメラを穿つと同時、青炎の杭に変じた。
「せっかくお天道様が顔を出したんだ。人ばかり撮ろうとするのも、勿体無いよな?」
 杭がカメラを地に縫い付けて、エリオットは空を仰ぐ。
 つられてカメラが上向けば、二重の虹がレンズのすぐ間近まで迫っていた。
「雨上がりっつったら、やっぱこれだろ!」
「本当に魂を奪うだなんて、とんでもないカメラね!」
 巽・真紀(竜巻ダンサー・e02677)とレーチカ・ヴォールコフ(リューボフジレーム・e00565)の蹴撃が、同時にレンズを踏み抜いた。
 ぐらりと揺らぐカメラのピント。如何にか堪えたダモクレスは改めて此方を睨む。
「カメラねぇ。こちとらダンサーだぜ? どうせ撮影すんなら動画で撮ってくれよっつー話だよ」
 真紀は携えた鎌の柄をポールダンスよろしく取回し、躍動的にリズムを刻む。
 チューブトップにスパッツ。高露出だが、先に連想するのはサキュバスらしい甘やかな色気よりもスポーティな魅力。しかし、踊る彼女の、よくよく見えるボディラインや細やかな仕草、そしてカメラに送る視線はどこか蠱惑的で……これをたったの一コマしかとれないのは余りにも惜しい。
「カメラさんこっち―! こっちにカメラ映えする可憐なお嬢様がいるわよ~!」
 もう一つの虹、レーチカは人形のような愛らしいドレスを着て、真紀に負けじとうさぎの様にぴょんと跳ね、手を広げてくるくる回り、一挙手一投足全てを使って可憐を演じる。
 二人への『怒り』に燃えるカメラは甲乙つけがたしと暫し悩んだのち、真紀をとった。
「それにしても、ポラロイドカメラって最近聞かないわよねえ。子供の頃、通信教育の学習教材でポイントのシール貯めてもらってたりしたけど」
 グリーンを基調としたアイドル衣装に身を包んだコマキ・シュヴァルツデーン(翠嵐の旋律・e09233)は昔を懐かしみながら、幽か輝くネクロオーブ・Sylvan Lythaliaを手元に引き寄せ、自身を占い妨害能力を高める。
「あら……?」
 占いの結果は、『過去との邂逅多し』。思わせぶりな啓示だ。
「カメラですか。私はカメラに映るのはちょっと恥ずかしいですので……被写体は前衛の皆さんにお任せします。まぁ、撮られたからと言って、そのまま魂まで吸われるわけでも無いでしょうし」
「いや……結構心にクるものがあるぜ、これ。吸われるっていうか、吹っ飛ばされる感覚だけど」
 七隈・綴(断罪鉄拳・e20400)の言葉に、真紀は実感を返した。
 とられなかったのは幸か不幸か。レーチカは自分にはない魅力を持つ真紀とコマキを見て一瞬真顔になるも、すぐ開き直った。
「まぁ、それは大変――真に自由なるオーラと、仲間に癒しの時間を与え給え」
 レンズの写線をそっと躱した綴は、カメラにとられた真紀をジョブレスオーラで包みこむ。
『シャッターを切れば被写体はダメージを受ける』そんな原理に幾許かの興味を覚えるが、さて、このカメラは綴を楽しませてくれるだろうか。
 綴が広げる癒しのオーラのその裏で、木々の間を疾走する影一つ。その正体は獣か人か、ネコの着ぐるみを着込んだ死道・刃蓙理(野獣の凱旋・e44807)だ。
 コマキ達とはまるっきり別の方向性だが、これはこれで興味があるのか、カメラは刃蓙理を追いかけた。
 しかし刃蓙理は緑に潜んで撹乱し、位置を晒さずレンズの間近に迫る。
「……深きへ……!」
 魂を吹き飛ばす手段があるのはデウスエクスだけとは限らない。
 刃蓙理が瞳の如き赤黒のオーブを掲げると、地の底からの呼び声が戦場を埋め尽くし、カメラを圧し潰そうとする。
「………ほわ」
 仲間たちの戦いぶりに、エトワール・ネフリティス(翡翠の星・e62953)は感嘆の声を上げる。
 エトワールにとっては今回が初仕事。否が応にもドキドキと、胸の鼓動は止まらない。
「私も初めて戦った時は、本当に戦えるか不安でした。緊張するかもしれませんが、一緒に頑張りましょう」
 アイラノレ・ビスッチカ(飛行船乗りの蒸気医師・e00770)は、エトワールの心身を解すように、彼女を激励し、その背を押した。
「……大丈夫! だってボクは頼もしい人たちと一緒だから!」
 緊張はある。だがそれ以上にワクワクもしていた。
 エトワールは心の赴くままに精神を極限まで集中させ、ダモクレスを爆破する。その衝撃でカメラのボディに小さく走ったひびは、エトワールが依頼で刻んだ初めての足跡だ。
「頼もしい、ですか……」
 アイラノレの表情はわずか綻ぶ。
 自分が初めて戦ったダモクレスもカメラ型だった。それから幾度の戦いを経てアイラノレはここに居る。
 自分の成長を自身で把握するのは難しいが、エトワールがそう言ってくれるのならばきっと。
 あの時よりも……目指しているものに近づけているのだろう。
 故に。綻んだ顔とは正反対に、アイラノレが繰る幾条もの包帯は、ダモクレスを徹底的に締め付けた。

●Model
 ダモクレスとなったポラロイドカメラに、フィルム切れの概念は無い。恐らく彼の撮影欲求が尽きることも無いだろう。
「コマキさん、大丈夫ですか?」
 フラッシュに曝された影響か、綴は気色が陰った面持ちのコマキを案じた。
「大丈夫だずら」
 おわかりいただけただろうか。
 思わず零れた信州弁。上京したてのあの頃に、故郷の訛りを大勢の前で指摘されたトラウマが、今再び彼女の精神を苛んでいるのだ。
 これは良くない。鬱ってる。そう判断した綴はコマキをオーラで癒し、彼女の負荷を取り除く。
 カメラは仲間を助ける綴の姿にレンズを差し向ける。しかしそれは許さぬと、前衛達のアピールが邪視を遮った。
「写真っつったら止め絵だけどよ。そこで躍動感魅せるのがパフォーマーなんだよ」
 真紀は慣れた調子でブレイクダンス・ヘッドスピンからの急激なフリーズをかけ、低い三点倒立から開脚へと移行する。傾ぎつつもブレない真紀の体幹に、エリオットは惜しみの無い拍手を送り、続いてレーチカがカメラへとびっきりの笑顔を向けた。
 その笑顔はどこか誤魔化しきれないサブカル、
「見て、この笑顔! どうみても純真でしょ?」
 とても子供らしさ満ち満ちた純真な笑顔で、見ているだけで世の不条理さに汚れた心が洗われる。だろう。恐らく。
 綴に癒され、調子を取り戻したコマキは瑠璃星の戦斧を存分に振り回す。ダイナミックな立ち回りと、日本人離れした顔立ちに、スカート短め・ヒール高めのルックスが芸術的にとても際どい黄金比率を生み出せば、カメラが見逃す道理は無い。
「ニャース!」
 あとネコ。
 そんな彼女達をアイラノレが薔薇やスチームで彩ると、果たして強欲なカメラマンは前衛四人の集合写真をとる。
 フラッシュが焚かれたその刹那、真紀は腕の力だけで宙に跳び、これが代価と鎌を一閃、カメラの命を簒奪した。
 真紀が付けた刃の傷を留める様に、レーチカが氷結の螺旋を創る。
 氷縛波に巻き込まれた周囲の雨粒は氷晶に変じ、雨上がりの雪華舞う戦場で、コマキは仄か煌めいた。リザードによく似た眼がフラッシュを跳ね返して爛々と、携えた銀の長柄斧は流星の如き弧を描く。
 写真を撮られるのは恥ずかしいと盾役たちの背後に隠れ、しかしひょっこりピースサインを決めていた刃蓙理は、カメラ映えとはまるきり正反対の、不可視の虚無球体を放つ。
「いい流れです……!」
 そしてアイラノレが透明な軌跡をステッキ・classyでなぞり、虚無球体が接触したと思しき箇所を間髪入れずに殴りぬく。
 アイラノレは微笑む。前衛達への装飾も、敵のファインダー誘導も、ここまでうまくいけばいっそ心地良い。
「そういえばこの形のカメラは初めて見る気がする……きっと古いものなんだね」
 恐らく昨日今日棄てられたものではないだろう。カメラ機が人知れ長い間風雨に晒されていた事を考えれば、遣る瀬無い想いが渦を巻く。
 だからこそ手は抜けない。エトワールはやればできると信じる心を拳にぎゅっと詰め込んで、ダモクレスへと叩きつけた。
「察するに、八十年代後半から九十年代初頭に作られたものだろう……や、何とまあ懐かしいカメラだね」
 この場に居る誰よりも、その躰は年上なのかもしれない。そんな事を考えながら、エリオットは脚に纏う燎原の火を以て、鋭く、速く、疾く、破鎧の蹴撃でカメラを強襲する。
 この場にカメラが捨てられていたのは人の落ち度だろう。
 だが、それをダモクレスが手前勝手に使っていい理由など何処にもありはしない。

●Cheese
 焚かれ続けるフラッシュは、このまま勢いを増し続け、終焉まで止まぬものと思われた。
 が、
「ああ、もう!しつこいくらいにパシャパシャと! いい? 覚えておきなさい! 撮っていいのは撮られる覚悟のあるヤツだけだと!」
 レーチカの一言で、カメラのシャッターはぴたりと止まる。
 成程言われてみればそうである。
 ノリが良いのか無垢なのか、ダモクレスはだったら撮って見せろとがっつりポーズを決めてきた。
 ギリシア彫刻にも通じる完璧なポージング。こんなものを魅せられたら、誰とて撮影せずにはいられない。
「Скажите Сыр!(はい、チーズ!)」
 なのでレーチカは有難く写身殺影することにした。
 螺旋の力を込めた改造スマホでダモクレスを撮れば、なんやかんやの力が働いて、ダモクレスの自由を奪う。
 撮られる覚悟はあったのだろう。ならば卑怯と弱音は吐くまい。そもそも会話する機能は無さそうだ。
 身動きの利かぬカメラを見据え、コマキは瑠璃星に魔力を込める。
「乙女心を刃にのせて、舞ってみましょうこの一戦」
 込めた魔力は星のように煌めいて、菫のように匂やかに。乙女の一撃がカメラのファインダーを捉えて断ち切った。
 星菫の残滓が儚く散って、戦場に薄紫の銀河が瞬くと、真紀は小宇宙のステージで鮮やかに、ナイフによる舞闘を披露する。
「甘いな。この程度でよろけるようじゃあ、立派なポージングだって張りぼてだぜ?」
 ダモクレスから噴き出た血。豪雨の如く飛沫いたそれを蒐集するように、刃蓙理が持つ二つの宝玉は怪しく輝く。
「……動物達の恨み……!」
 オーブが召喚するのは、刃蓙理が今まで殺してきた敵たちの、継ぎ接ぎ。
 誰とも似つかぬ異形のキメラは大口を開けてダモクレスに牙を立て、砕く。
「……ほえ?」
 鈍い音が戦場に響いて、エトワールははっと我を取り戻す。
 どうやら知らずの内に、トラウマを受けて思考停止してたらしい。
 頬をパチンと叩いて仕切り直す。余計な思考は端に寄せる。考えるより感覚、頭より手先。
「……未熟は承知の上だよ。でもボクは一人じゃないから……みんなの足りない何かを一つでも埋めたいって思う。みんながそうしてくれるように!」
 翡翠の杖を組み替えて、銃器を成し、狙い、撃つ。
 魔導石化弾がカメラを射抜いたその隙に、綴は後衛の態勢を整える。
「身体を巡る気よ、空高く立ち昇り癒しの力を降らして下さい!」
 自身の気功を集中させ、天高く気を飛ばす。錬気は驟雨となって降り注ぎ、アイラノレのダメージとトラウマを洗い流した。
「アイ……あなたも今回が初陣でしたね」
 彼女が語り掛けるのは、『アイ』と名付けた茨。金属のような質感を持つ、小さく赤い歯車薔薇(ギアローズ)。
「きっとこれから長い付き合いなります。共に……進んでいきましょう」
 アイはその言葉に頷くように捕食形態へ変じると、カメラを食み、ひび割れた装甲から植物毒を流し込む。
「ダモクレスには判らない理屈かもしれないが。それで撮るのはひとの楽しさや笑顔だ。そのレンズは、ひとのいのちを『獲る』もんじゃねえ」
 驟雨の終わり。エリオットは青空へ高々と跳び上がると、静かな怒りを込めて思い切り、ルーンアックスを振り下ろす。
「……それもあるが、気に入らねえからってフィルムを捨てるんじゃあない」
 ダモクレスのレンズが砕け、にひびが全身に巡り、そして斧の負荷に耐え切れず……インスタントカメラは再び、壊れた。

●Goodbye
 戦闘中ずっと踊り続けていたせいだろう。真紀の体はカロリーを欲していたが、手持ちに何かあるわけでもなく。
「よかったら……食べますか……?」
 もっしゃもっしゃと何かを頬張る刃蓙理が真紀に差し出したのは、得体の知れない茸だった。
「これ、食べていいやつか?」
「キノコグルメがあれば……食べていいやつですよ」
 前半の方妙に小声だった気がする。
 では此方はどうでしょう、と刃蓙理は同じく小腹をすかせていたレーチカに、名状し難い何かをダシで煮込んだものを勧めた。
「これ、食べていいやつ?」
「愛と勇気があれば……食べていいやつですよ」
 やはり前半小声だった気がしないでもない。
 ヒールを終え、周囲に散らばっていた写真を回収したアイラノレとエリオットは息を呑む。
「これはちょっと……見せられませんね」
「全く。酷い出来だ」
 とられれば発狂する撮影。文字通り足が重くなる集合写真。
 興味本位だったが……写真には、御払いが必要そうな感じの、写ってはいけないものが鬱っていた。
「心霊写真ねえ、子供の頃はすごいワクワクしたんだけど……魔女修行始めてからはあんまり好奇心も湧かなくなったわねえ……」
 そんな写真を覗き込んでもコマキはけろりとしたもので、どうやら、写真の取り扱いは彼女に任せた方が良いだろう。

 薄れ消えゆくカメラのパーツを、綴はじっと観察する。
「大半のデウスエクスは、その屍体も残さない。不思議なものですね」
 機械であれ、生身であれ、その結末は概ね同じ。
 エトワールはガジェッディアとして、機械の最期を看取ろうとする。
 ダモクレスは砕けた。今消えるのは犠牲となった素体の残渣。
 だから。
 きっと沢山の光景を写してきた古い旧いカメラに。

「おやすみなさい」

作者:長谷部兼光 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月16日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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