サルベージされた『狂騒』

作者:なちゅい

●負の感情に満たされた死神
 日が暮れた住宅街。
 色黒の肌をした女性が、夜道を歩いていく。
 晒す素肌に継ぎ目のようなものが見えるその女性はレプリカント、カタリーナ・ラーズグリーズ(偽りの機械人形・e00366)だ。
「これは…………」
 住宅地の中、明らかに殺気のようなものを感じたカタリーナ。
 彼女はそれがそばの公園から漂っていることを察し、自ら飛び込む。
 ゆっくりと公園の広場へと歩いていく彼女は、漂ってくる濃い毒の霧が自身を包み込んでくるのに気付く。
 カタリーナはそれを白光の鎗で振り払いつつ、相手の姿を確認する。
 それは、一見すると、屍隷兵と思わせる姿のデウスエクス。
「あああぁぁあぁ、あああぁぁぁああぁあぁああ!!」
 全身を崩しかけたローブを羽織った死神は、狂ったように包丁を振り上げた。
「なるほど、これは野放しには出来ないね」
 どうやら、人払いをして一般人を近づけないようにしてはいるようだが、この死神はここで倒しておかなければ大きな被害を住宅街に及ぼすのは間違いない。
 カタリーナは白光の鎗を煌かせつつ、襲い来る死神に応戦していくのである……。

「カタリーナ・ラーズグリーズが襲撃される予知を視たよ」
 ヘリポートに集まるケルベロス達に、リーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)が告げる。
 なお、この場にカタリーナ本人の姿はない。この場の誰もが、現状カタリーナと連絡が取れないでいた。
 一刻の猶予も無い状況。できる限り現場へと救援に向かいたいところだ。
「襲撃して来る死神は、試作型カプリッチョαという名前のようだね」
 サルベージした人類やデウスエクスの持つ負の感情を注入し続けられ、見る影もなく変貌して身体を崩しかけている死神だ。
 襲撃は夜、人気の少ない住宅地で行われる。
 誰もいない公園にさしかかったところで何者かの気配を察したカタリーナは、自らその公園内へと飛び込んで死神の襲撃に対して応戦するようだ。
「相手も人払いして待ち受けているようだから、公園に一般人が近づくことはないようだね」
 それもあって、一般人の被害を気にする必要はない。
 戦いが本格化する前に介入できるはずなので、カタリーナの救援に集中しつつ死神の撃破に動きたい。
 説明が終わり、リーゼリットがヘリオンの離陸準備を始めると、集まるケルベロス達が顔合わせを行う。
「私も参加するわね。カタリーナさんを助け出しましょう!」
 メンバー達がそれぞれ参加表明をしていく中、ヘリオンのプロペラが回り始める。
「いつでも行けるよ。……それでは、皆、よろしく頼んだよ」
 死神の討伐、そして、カタリーナの救出。
 リーゼリットはそれらを全てケルベロス達へと託すのである。


参加者
カタリーナ・ラーズグリーズ(偽りの機械人形・e00366)
落内・眠堂(指括り・e01178)
ムスタファ・アスタル(同胞殺し・e02404)
祟・イミナ(祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟・e10083)
リエラ・ガラード(刻腕・e30925)
ダンドロ・バルバリーゴ(冷厳なる鉄鎚・e44180)
風柳・煉(風柳堂・e56725)

■リプレイ

●襲ってきたのは……、屍隷兵?
 夜の住宅街を行くカタリーナ・ラーズグリーズ(偽りの機械人形・e00366)。
 元ダモクレスのレプリカントである彼女だが、気ままにのんびりとした様子で歩いていた。
「これは…………」
 住宅地とは思えぬ殺気を感じたカタリーナ。
 公園内に誘い込まれるように入っていった彼女の態度は、デウスエクスの出現があったとしても何ら変わらない。
「ははぁ……、なんだこいつ……きもい……」
 明らかに不快感を示すカタリーナの目の前には、ローブを羽織った人影があった。
「あああぁぁあぁ……」
 その中は徐々に崩れており、屍隷兵を思わせるような姿をしていた。
 死神、試作型カプリッチョα。
 カタリーナはそいつについて、アイズフォンで即座に調べる。
 なんでも、デウスエクスが持つ負の感情などを注入された結果、変貌したと言われる死神、なのだとか。
「あああぁぁぁああぁあぁああ!!」
 獲物がかかったと判断したそのデウスエクスは、カタリーナへと毒の霧を発してくる。
 白光の鎗でその霧を振り払う彼女は、改めて敵を見据えて。
「ああぁもう、殺し甲斐なさそうな泥みたいな奴……」
 デウスエクスに1人で戦う状況にも、カタリーナは普段どおりにのんきさすら窺わせながらバスターライフルを取り出す。
 世闇の中飛ぶ凍結光線に、崩れかける身体を僅かに凍らせる。
 軽やかに公園の広場を軽やかに駆け出すカタリーナ。
「ああぁあ、あぁああぁあ!!」
 敵は手にする包丁を振り上げ、彼女へとめちゃくちゃに振り回してくる。
 その手前に、中東の民族衣装を纏った男性が飛び込んできた。
「実に奇怪な輩だが……」
 全身をバトルオーラで包むムスタファ・アスタル(同胞殺し・e02404)が相手の腕を掴もうとしたが、敵の刃は彼の体へと深く突き刺さっていた。
「よう、間に合ったか。手助けに来たぜ」
 耳と尻尾を出した狼のウェアライダー、グレイン・シュリーフェン(森狼・e02868)がゾディアックソードを手にした態勢で、カタリーナへと呼びかける。
 グレインと彼女は、依頼で多少面識のある程度の間柄だ。
「何が狙いで待ち伏せたか知らねえが、放っておく訳にゃいかねえからな」
 夜になって街灯で照らされた公園内だったが、グレインは一応とLEDランタンを用意しつつ暗がりにいる相手の姿を照らし出す。
「こいつがアンタや他の人を傷つける前に、駆け付けられてよかった」
 後方から、今度は着物姿の落内・眠堂(指括り・e01178)が声をかけてくる。
 ただ、敵は悠長に話もさせてはくれないようだ。
「あぁぁぁああぁあぁ!!」
 もはや、言語を喋ることもままならないのか、相手は大声で狂った叫び声を上げてくる。
「……不意打ちってのは、卑怯だな」
 眠堂は縛霊手の上から護符を手に取り、言い放つ。
「これが、屍隷兵? ……いや、死神なのか?」
 やや小柄な為に幼くも見えるが、成人女性の風柳・煉(風柳堂・e56725)はジト目で相手の姿を見つめた。
「敵は試作型の死神らしい」
 情報によれば、その叫びにグラビティが篭ることで威力を伴い、相手を内部から狂わせて死に至らしめるのだとカタリーナが告げる。
「……何とも、呪わしい姿をした死神だな」
 そんな感想を相手に抱く、祟・イミナ(祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟・e10083)。
「……屍隷兵と言っても、差し支えない外見をしているが……。種族はどうでもいいか」
 逆に、呪いそうな印象を抱かせるイミナは、「ただ祟るだけ」と相手の出方を窺う。
「試作型というからには、人工的に作られた物か」
 彼女もそれ以上の情報は持たぬようなので、壮年の騎士、ダンドロ・バルバリーゴ(冷厳なる鉄鎚・e44180)は直接相手の素性を詮索する。
「となれば、誰が何の目的で……。いや、どうせ真っ当な動機ではあるまい」
「何にせよ、早々に退場願おうか?」
 煉が漆黒の狙杖を取り出すと、ダンドロもまずは頭を働かせての思考ではなく、身体を働かせてこの試作型死神の討伐に注力をとバスタードソード『Diadochoi』を手に構えた。
 前線に出た小柄な黒衣の少女、リエラ・ガラード(刻腕・e30925)は閉じた右目を開き、地獄の瞳を燃え上がらせていく。
 リエラはまた、武器に地獄化した右腕を手にかけて相手を牽制する。
 その後方では、ユリア・フランチェスカ(慈愛の癒し手・en0009)は後方から仲間達の回復支援をと構えを取っていた。
 そんなメンバー達へと、街灯に照らされる死神はひたりひたりと音を立てて歩み寄ってくる。
「死神にしちゃ憐れな姿をしているが、何であれ、その包丁は手放してもらわねえと」
 身を崩しそうな敵が持つ凶刃を注視し、眠堂は仲間達の後方へと位置取っていく。
「ああぁ、あぁあぁぁ……!」
 死神、試作型カプリッチョαは再度、カタリーナへと叫びかけてきた。
 そんな相手に、彼女は嫌悪感を拭えずにいたが。
「でも、普段戦い飽きてたし、久し振りに珍しい戦いができそう……」
 少しだけ気乗りしたのか、カタリーナは白く光る鎗を手に前方へと跳躍していくのだった。

●死神、試作型カプリッチョα
 怨嗟の声を上げてくる死神、試作型カプリッチョα。
「ああぁぁぁああぁああぁぁあああ!!」
 そいつは、自らが負の感情を植えつけられたことも気付かず、ただただ周囲へと狂ったように悪意を振り撒く。
 後方にいたイミナは回復役を考えているが、余裕があると判断した彼女は相手を見つめて。
「……崩壊していようが、ワタシから目を背けることは呪いを以て許さない」
 イミナの容貌は強い呪いによって、相手を釘付けにするほどの力を持つ。
 続くビハインド蝕影鬼はケルベロス達の盾となりながらも、戦いによって捲れ上がった地面の一部を投げ飛ばし、カプリッチョの足を止めようとする。
「ああぁぁああぁ、あああぁぁあああぁああ!!」
 それでもなおカプリッチョはグラビティを込め、ケルベロス達へと狂った叫びを上げてきた。
 前線のメンバー達がそれを浴びる中、ダンドロも左腕の銀の腕……『アーケツラーヴ』を前に出して堪えた後、右手の剣『Diadochoi』を振り上げて相手の包丁を砕こうと振り下ろす。
 公園内に響く高い金属音。
 敵がそちらに気を払ううちに、カタリーナが飛び込んでいく。
「――あぁ、お前は、そういうやつか」
 悪意を自身へと向けてくるカプリッチョの目的を、彼女は武器を交えながら察していた。
「わたしは、お前にとっては殺したいほど憎いのだろうね」
 手に視線を落とせば、大切な人と交わした指輪がある。
 ――その人を守りたい。
 守れる力を持ち続ける為に。絶対に帰る為に。
「でも、殺されるわけにはいかないんだ」
 カタリーナは素早く白光の鎗を一閃させ、まるで猫を思わせる動きでその場から飛び退いていく。
 そばにいたムスタファは構えを解き、間髪入れずに燃え上がるエアシューズでカプリッチョを蹴り付けていった。
 そのムスタファのボクスドラゴン、カマルは後から、ややツンツンとした態度で自らの属性注入をと動いてくれていたようである。
 相手は異常攻撃が豊富な敵だと踏んでいたグレインはまず、前に立つ仲間達の為にと地面に星座を描き、その光で包みこんでいく。
「よし、準備は良いかい?」
 煉は手元の『黒麒麟』へと話しかけ、返事をするように紫電を纏ってから前線メンバーの手前に雷の壁を築いて支援を重ねる。
「しっかり、頑張ってね!」
 ユリアもグレインの願いもあって、天使の翼を広げて敵の狂騒の叫びを受けた仲間達の癒しにと極光を発していた。
 援護を受けたリエラは精神を集中させ、敵の右手を爆発させる。
 その爆風に煽られたカプリッチョを見据え、眠堂が淡々とした態度で手にする真白い札に紋章を浮かび上がらせて。
「髄を射よ、三連矢」
 眠堂の放つ札より飛ぶ、まがいの鴉。
 それらが見定めた敵へと一陣の風のように飛び、敵へと接触すると同時に天より裁きが落ちる。
 全身に痺れを駆け巡らせたカプリッチョ。
 それでも、さほど気にもかけぬようにそいつはゆらりと動き、前方へと毒の霧を放出してきたのだった。

 死神、試作型カプリッチョαは毒霧を発し、手にする包丁でめった斬りしてくることでケルベロス達を傷つけてくる。
 さらに、敵はそれらのグラビティが及ぼす毒や麻痺を、叫び声を浴びせることでより強めようとしていた。
 相手の布陣が分からぬケルベロス達は前後衛に散らばりつつ、それらの攻撃に備える。
「あぁああぁあああぁああ……!」
 ガプリッチョが滅茶苦茶に振り回す包丁は、力任せに振るわれてくる。
 メンバー達は敵がクラッシャーだと判断し、なおも連携して立ち回っていく。
 防御態勢をとるムスタファは、相手の脚の動きに注目していた。
 ムスタファはこれまでに敵対したデウスエクスとの交戦経験を活かし、ひたひたと足音を立てて近づく敵を見て、その手前に出て刃を受け止める。
 火力となるだけあって、死神の一撃は侮れない。
 回復にはイミナが動いていると判断したムスタファはフェイントを織り交ぜつつ、回転させた腕で苛烈にカプリッチョへと襲い掛かる。
 続くイミナが腕に巻きつかせた攻性植物より収穫した黄金の果実を煌かせ、仲間達の傷を癒しつつ不浄を晴らす。
 それによって、幾分か傷を癒したメンバーが攻勢を強めて。
 片手半剣『Diadochoi』にグラビティ・チェインを込めたダンドロが、相手の動きを止めるべく刃を突きつけていく。
「撃!」
 相手の自由を阻害するべく、彼はさながら陰を翳し、光や風を遮る覆いのように襲い掛かる。
 それによって、カプリッチョが若干怯んだところへ、跳び上がったカタリーナが伸びやかに舞いながら着地し、稲妻を纏わせた鎗で素早く突き貫く。
「あぁああぁあぁああ……」
 徐々に身体を縛りつけられる感覚に、カプリッチョが身を竦ませる。
 それでも、完全に敵が止まるまで攻撃を続け、グレインが相手の体に手を当てて。
「ひょっとして、苦しいんじゃねえのか?」
 負の感情に満たされたカプリッチョ。
 本当は歪つに変えられてしまった体に、苦しみを感じているのではないかとグレインは推測する。
 だが、相手はただただ怨嗟、憤怒といった負の感情ばかりを表してくるだけで、その胸の内を語ることはない。
「逃しはしない」
 追撃をと眠堂が使う札に絵柄を浮かび上がらせ、彩りと共に御業を呼び出す。
 御業は相手の体を掴みかかり、強く束縛していく。
 続き、炎を纏わせた真っ赤な靴『緋走り』で飛び込む煉が、相手に流星の蹴りを食らわせて足止めを行っていた。
 身体の自由を多少奪われども、カプリッチョは憎憎しげにこちらを見つけ、大きく息を吸い込む。
「あぁああぁぁあああぁぁあぁあ!!」
 カプリッチョは叫んだものの、どうやらそれはフェイク。
 噴き出す毒霧にムスタファは止む無く跳びすさるが、追いかけてくる霧を振り払うことが出来ない。
 ただ、そっけない態度をとる雌の箱竜カマルが主へと自身の属性を振り撒き、ムスタファの毒を浄化していたようだ。
 一方で、ケルベロスの攻撃を受け続ける死神。
 そいつの刃が引き起こす麻痺は面倒だが、予め防具で対策していたグレインは敢えて飛び込む。
 相手の抱える負の感情がいかほどのものか、知りえようもない。
 グレインが今できることは、その生を終わらせるのみ。
「そんなナリじゃ辛えだろ、もう終わりにしようぜ」
 惨殺ナイフを振りかざしたグレインは、仲間がつけた傷口を斬り広げていく。
 その直後、光剣【Agateram】に黒い地獄の炎を纏わせたリエラが相手の体を斬りつけると、徐々にカプリッチョの体に異変が起こり始める。
「あぁあ……、あああぁあ……」
 叫びが弱々しくなってきた敵は、身体のあちらこちらを崩しかけてきていたのだ。
「もう一息ね、一気に行きましょう!」
 回復を続けるユリアが呼びかけると眠堂は威力を重視した一撃を仕掛け、相手の体内へと直接螺旋の力を叩き込む。
 それによって身体を硬直させた死神へ、煉は『黒麒麟』に膨大な魔力を込めて。
「これは痛いぞ、覚悟しろ……」
 その身に彼女が纏う紫電は漆黒の雷へと変わり、相手目掛けて一直線に放たれた。
 強烈な雷に焼かれるカプリッチョへ、イミナが回復の手を止め迫る。
「……そろそろ朽ち果てる時だ。……矢張り、直に呪いを打ち込んでこそ」
 ビハインドが金縛りを引き起こしたことでさらに動きを止めた相手へ、イミナは呪いの杭を打ち込んでいく。
「……此方の負の感情もくれてやろう。……祟る祟る祟る祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟祟……」
 カプリッチョの四肢、腹部目掛け、彼女は何度も何度も何度も何度も、杭を打ち込み続ける。
「あぁあ……」
 叫びはもはや呻きに変わっていたが、それでも植えつけられた悪意は失われておらず、狂ったように身悶えていた。
「狂騒の徒は好かぬのでな……、悪いが静かになってもらおう。永遠にな」
 全身に力を込めたダンドロは、相手の崩れかけた体目掛けて『Diadochoi』の刃を振り下ろす。
 同時に、カタリーナもまた側面から飛び出し、白光の鎗で死神の体を薙ぎ払う。
「さようなら、哀れな死神さん。デスバレスの水底にもう一度落ちるといい」
 身体を切り裂いた相手へとカタリーナが言い放つと、カプリッチョはもはや声を上げることなく全身を崩して消えていく。
 その跡を見下ろすダンドロは、1つだけ祈りを捧げる。
 死後、これ以上誰かに利用されることがないように、と。

●『悪意』はまた襲い来る……?
 闇夜の公園にて――。
 眠堂は広場の地面や金網へと花びらをオーラを舞わせ、可能な限り修復へと当たる。
「では、一人で思索の再開だ」
 無事に死神、試作型カプリッチョαを退けることができたこともあり、ダンドロは仲間達の作業を眺めながら考える。
 山、海などの風景、そして人の手の加わらぬありのままの『自然』。
 それらを好むからこそ、ダンドロは人為的に作り出された『悪意』へと過敏に反応していた。
「その悪意を使って、何をするのか」
 ダンドロの視線の先では黒麒麟を振るった煉が雷の壁を構築して地面を幻想交じりに均し、ユリアも翼を広げて修復の後詰めを行う。
「助かったよ。救援に感謝だ」
 駆けつけた仲間に礼を告げるカタリーナは、敵にさほど特別な感情を抱くことなくこの場を後にしていく。
 ただ、ダンドロには今夜限りの邂逅で終わるとは思えず、また同様の事件が起きそうな予感がして。
「ならば、それに備え……身を鍛え、得物を研ぐのみ」
 それが我の役目だと認識しながらも、彼もまた現場となる公園を立ち去るのだった。

作者:なちゅい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月9日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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