拡散! これからケルベロス殺します!

作者:天木一

 いつもより静かな夜道。暮葉・守人(墓守の銀妖犬・e12145)の軽快な足音だけが闇夜に響く。そこへ突然、背後からぺたりぺたりと足音が聞こえる。はっと振り向くとそこに人影はない。警戒したまま前を向くと、そこには素肌にワイシャツを着ただけの裸足の女性の姿があった。だがその顔は人のものではない。頭部がまるまるテレビとなり、画面には馬鹿にするようプギャーといった顔文字が浮かんでいた。
「ダモクレス!」
 守人の警戒度が一気にレッドゾーンに達し、武装を身に纏い戦闘態勢に入る。
『これからー可愛いケルベロスめっちゃくっちゃに惨殺! 衝撃のスナッフフィルム撮影を始めまーす!』
 ダモクレスは無音のままテンションの高い文字がテレビに流れ、こんな感じと参考にうつ伏せに倒れた男のアスキーアートが映し出された。そして周囲には複数の撮影用カメラが自走して動き出す。
「やれるものならやってみなよ」
 一対一。不利な状況でありながらも諦めの色を浮べず、守人は地を蹴り駆け出す。
『(= ´ σ3`)フンフフーン♪』
 新たに顔文字を浮かべたダモクレスはご機嫌に殺人ショーを始めた。

「ダモクレスが暮葉・守人(墓守の銀妖犬・e12145)さんを襲う予知が出ました!」
 急ぎやって来たセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)がケルベロス達に事件が起きる事を告げる。
「連絡を取ろうとしても妨害されているのか繋がりません。準備万端の敵に対し孤立している状態では勝ち目はありません。なのですぐに助けに向かってほしいのです」
 仲間の危機にケルベロス達は真剣な顔で頷く。
「敵は『プラグGIRL』というダモクレスです。相手の心を抉るような情報をハッキングで調べ、それを画面に流して精神的にダメージを、そして周囲の電子機器を操り己の武器として扱うようです」
 自分が直接攻撃せず、間接的な攻撃を得意とする。敵のペースにはまると厄介な事になるだろう。
「敵の襲撃の目的は、ケルベロスを凄惨に殺害し、その動画を映してネットに流す事のようです」
 ただの悪趣味な嗜好でケルベロスが狙われる事件が起きてしまう。
「場所は東京の普段ならば人通りのある市街地ですが、敵が邪魔の入らぬように人払いをしているようで、戦いに一般人を巻き込む心配はありません」
 敵が襲撃を開始して2分ほどで現場に到着する事になる。ヘリオンから降下急襲する事になるだろう。
「皆さんなら守人さんを助ける事ができます。そしてケルベロスを襲おうとするダモクレスを返り討ちにしてください」
 説明を終えたセリカは一礼し素早くヘリオンへを向かい、ケルベロス達も今は一刻も惜しいと足早に準備に散った。


参加者
天谷・砂太郎(の主食は胃薬・e00661)
宮藤・恋華(明王論破のプロニート・e04022)
暮葉・守人(墓守の銀妖犬・e12145)
柊・弥生(癒やしを求めるモノ・e17163)
氷鏡・緋桜(プレシオスの鎖を解く者・e18103)
フェルディス・プローレット(すっとこどっこいシスター・e39720)
月宮・シオン(聖魔再誕・e56555)
カミュ・アルマデル(剪定者・e61762)

■リプレイ

●夜空を駆ける
 夜空を切り裂くようにヘリオンが疾走する。
「急げ! 駆けつけるまでに二分か。あいつめ、無事ならいいんだが」
 天谷・砂太郎(の主食は胃薬・e00661)は逸る心を抑え、じっと地上を見つめる。
「衝撃のスナッフフィルム撮影? 分かってないな……本当の、トラウマを教えてやろう」
 仲間を襲う敵に宮藤・恋華(明王論破のプロニート・e04022)は、悪趣味な敵に逆に思い知らせてやろうと、あれこれ妄想して戦いに備える。
「これ以上誰かを……友達を失うなんてまっぴらなんだよ」
 ぐっと拳を握った氷鏡・緋桜(プレシオスの鎖を解く者・e18103)は、急く心を抑えるようにじっと座っていた。
「初対面とか関係ありません。危機には駆けつけるのが常識でしょう」
 同じケルベロスとして窮地を放ってはおけないと、フェルディス・プローレット(すっとこどっこいシスター・e39720)は意気込む。
「困っている人がいるなら助ける。実に単純明快な理由だな」
 その意見に同意したカミュ・アルマデル(剪定者・e61762)がいつでも飛びさせるよう準備の確認をする。
「暮葉さん、如何か無事で……」
 祈るように胸に手を当てた月宮・シオン(聖魔再誕・e56555)は真剣な顔で地上の異変を探す。
「あそこ! 光が見えるよ!」
 反対側を見ていた柊・弥生(癒やしを求めるモノ・e17163)が、ヘリオンのドアを開けて上半身を乗り出し指さす。そこには眩い閃光があった。そちらに向けてヘリオンが旋回する。
 暗闇を見通すように地上に目を向けると、人通りの消えた道路で争う2人の人陰が見えた。

●殺人フィルム
「へぇ~なるほど通信妨害と人払かな? お疲れさんだね」
 敵に追われ夜道を駆けながら暮葉・守人(墓守の銀妖犬・e12145)は冷静に状況を観察する。
『ププッ逃げるのカッコ悪! ずっとこっちのターン( ゚ω^ )ゝドヤッ!』
 顔文字を浮かべてダモクレスのプラグGIRLが追いかけてくる。それに追従してカメラが何台も照明を照らしながら殺人シーンを詳細に映そうと撮影をしていた。
 守人は逃げながら小型閃光手榴弾を足元に落とし、追いついた敵の目前で爆発させ閃光と轟音が響き渡る。だがテレビの頭を持つ敵は画面に嘲笑うようなAAを浮かべていた。
「こんなもの意味ないって言いたげだね。うん、知ってる」
 想定内だと守人は次の手を用意し敵の能力確認と時間稼ぎを行っていく。すると道路の角からハッキングされた無人の車が突っ込んで来る。それを躱そうとしたところに街灯が強烈にフラッシュして視界を奪い、一瞬反応が遅れて回避しきれずに塀へと弾かれる。
「っまあ無傷で凌げるとは最初から思っていないよ」
 塀を蹴って跳躍し、更に突っ込んできた車の上に着地する。そこで空の光に気付く。それは天駆ける希望の光だった。
『はい、(*ゝ∀・*)死亡ー』
 そこへプラグGIRLが近くの家の電子レンジを暴走させて熱光線を放つと、割り込んだボクスドラゴンのりゅうがブレスを吐いて防ぐ。
「もう大丈夫! 助けに来たよ!」
 弥生はドーナツの形をした爆破スイッチを押し込み、カラフルな爆発を起こして仲間達の心を昂らせる。
「お待たせしました! ってわぁっ」
 降下しながらフェルディスは紙兵を敵との間に撒いて、動きを妨害するように展開する。そして撒くことに意識を集中しすぎて着地に失敗し尻餅をついて転がった。
「葉さん、無事か!?」
 ギターを掻き鳴らしたカミュは敵の足元に音の刃を放って牽制し、間合いを開けさせる。
「おー、まだ生きてたかぁ」
「早かったね。まだまだ余裕だったよ」
 生存を確認した砂太郎が軽口を叩くと、同じように軽口を返した守人は、周囲の状況と敵がそこらの電化製品を武器として扱う事を伝える。そして目配せで行動を察すると、ガンブレードを振るって光を放ち地に星座を描いて仲間達に加護を与える。同時に砂太郎も腕の内側に装着した小型ロッドが帯電し、掌から電を放って防壁を生み出す。
「……良かった」
 元気そうな姿に小さく安堵の息を吐いたシオンは、敵に視線を移し巨大ハンマーを砲に変えて撃ち込み、敵の足元で爆発を起こして吹き飛ばした。
『(TωT;)!!』
 プラグGIRLはすぐさま反撃にそれをボクスドラゴンのアルカナティアは敵の攻撃を防ごうと割り込んで受け止める。
『ちょっ援軍とか狡いぞ( ゚Д゚)ゴルァ!』
 怒りを表示したプラグGIRLはその顔の画面に視線を釘付けにする。
「どこを見てるやがる、こっちだ」
 軌道を修正しながら落下した緋桜は虹を纏って蹴りを放ち、敵の顔を蹴りつけて着地し守人の無事に安堵する。
『┐(´д`)┌ヤレヤレ。何なんですかー』
 文句を垂れ流しながら敵は間合いを離す。
「通りすがりの……プロフェッショナル・ニートよ!」
 名乗って敵の注意を少しでも引き受けながら、恋華は己が自由人のオーラで守人を包み込み属性無職を与える。
「あんたは殺すのが好きみたいだけど、俺は嫌いなんでな。一応聞いておくぜ。これ以上誰かを殺して廻るのはやめろ。でなければ俺たちは、殺してでもあんたを止める」
 無駄だと思いながらも緋桜が警告を発す。それに対する返礼は敵の遠慮ない動画放送だった。今まで救えなかった人々が泣き叫び恨み言を言いながら迫って来る。
「それが返答か、警告はした……」
 それに対して髪を手でかき上げた緋桜は、赤く輝くオウガメタルを纏って戦闘態勢に入り、幻を突っ切り敵の顔面を殴りつけた。
「あ、そこ危ないよ」
 敵が後ろに下がったところへ弥生は仕掛けた見えない地雷を爆発させ、ちょうど敵が踏みつけた地面が吹き飛び爆風に煽られて塀にぶつかる。
「闇討ちを仕掛けたんだ。反撃される覚悟もあるよな?」
 その隙に砂太郎は掌を敵に向けて電撃を撃ち出し、雷光が敵を貫き感電させる。
『(T□T;)ビリビリッ』
 すると画面表示がおかしくなりエラーが表示された。
「ここからは俺達のターンだ」
 周囲に殺気を放った守人はそれを固め、まるで見えない壁が出来たように敵が顔からぶつかって蹲る。
「囲んで一気に叩きましょう!」
 背後からフェルディスは銃弾を放ち頭を撃ち抜く。すると穴が空きノイズが走り画面が乱れる。
『臨時放送キタ―(゚∀゚)―!ごかいちょー』
 敵が動画を流し、カミュがそれを視界に入れてしまう。
「最近の黒歴史は痛いだけで、心を折るには至らない!」
 目を逸らし耐えながら勢いよくカミュは飛び蹴りを胸に浴びせ、敵を思い切り転倒させた。
「駆けつけ無職! 無職になぁーれ!」
 自由気ままなオーラが恋華から放たれ、カミュは無職になった気分で晴れ晴れとした気持ちにさせる。
「人の死を娯楽とするなど許せません。ここで討ち滅ぼします」
 塀を蹴り上がったシオンは頭上を取って飛び蹴りを浴びせ、敵を電柱にぶつける。
『(;ω;)イタイ』
 敵が頭を振って泣き顔を見せる。
「なんかムカつく顔だな。叩き潰しちまうか」
 接近した砂太郎は腕を巨大な刃に変え、叩き潰すつもりで振り下ろす。敵はその前に殺人動画を見せようとするが、気にせず叩き込んで画面に衝撃を与えた。
「ふーん、ああ。コレね。何回か見たけど何とも思わないなぁ」
 映像を目にして平静を装った恋華は無職でも楽しく生きていけると肯定的な歌を紡ぎ、仲間達の心を明るく癒していく。
「楽しそうだね、彼等とも一緒にに遊んであげて」
 弥生は動物達のぬいぐるみ達を操り、ネコがパンチし、ウサギが踏みつけ、クマが体当たりで敵を吹き飛ばす。
「快楽殺人者ってやつか。俺には理解できねえな」
 緋桜はダークエネルギーを拳に集め、真っ直ぐに叩き込む。妨害しようとしたカメラをぶち抜き、敵の胸を抉って内部から蝕み破壊し、凍傷のように凍りつく。
『ヽ(。>д<)pやめてってば!』
 近くの車が一斉に動き出し、突っ込んで緋桜を撥ね飛ばした。
「トリッキーな攻撃だが、威力自体はそれほどでもないね」
 的確に敵の情報を得ながら守人は己が血を飛ばし、緋桜に浴びせるとあっという間に傷が塞がってしまう。
「禁忌を犯せしこの身を赦したまえ……この一撃で拘束します」
 シオンの広げた翼に陣が浮かび、黒き光が溢れ出し敵へと伸びて楔となる。楔から鎖が伸びて縛り上げ、手元に現れた黒き形代を握り潰すと、鎖が収縮し侵食して全身を破壊していく。
「俺からプレゼントだ! 盛大に燃えてくれ!」
 ダッシュで接近したカミュは炎を纏わせた足を蹴り上げ、敵の体を燃やしながら宙に浮かせた。
「私からもプレゼントです! 愛が沢山詰まってますよ!」
 銃を構えたフェルディスが祝福のこもった弾丸を敵の胴に撃ち込む。そこで指を鳴らすと内部で炸裂し祝福で包み込む。すると悪しき心に祝福が反転し呪いとなって心を侵食する。

●ケルベロスに殺されます!
『ゴ―(# ゚Д゚)―ルァ!!』
 怒り心頭と敵はケルベロス達の動きを止め、周囲の家の家電を動かし扇風機や換気扇を改造しまるでミキサーのように拘束回転させて鋭利な刃として飛ばす。ブーメランのように弧を描きケルベロス達を襲う。
「あんたにこれ以上誰も傷つけさせねえよ」
 割り込み腕で防ぎ、払い退けながら緋桜は仲間を攻撃させないように位置を変えていく。
「その顔文字、もしかして面白いと思ってる?」
 辛辣な言葉を投げかけた恋華は、2台のスマホを巧みに操り敵の管理しているサイトを炎上させ、ついでに実際にも燃やしてしまう。
『(≧Д≦)熱暴走はヤバイ』
 精密機械に熱は厳禁と慌てて火を消そうと駆け跳躍する。
「おいおい、逃がす訳ないだろ」
 すぐに追いかけた砂太郎は掌で敵の腕を掴み、電撃を流し込んでビリビリと震える程痺れさせる。敵はバランスを崩しふらふらと地面に落下する。
「確か、逃げるのはカッコ悪い、だったね。その言葉お返しするよ」
 守人が周囲に満たした殺気を固め、見えない箱に詰めたように体を拘束した。
「君となら負けない!」
「負けないじゃありません。勝ちにいきますよ」
 カミュはフェルディスと背中合わせになってガジェットを拳銃形態にし、魔導石化弾を発射し敵の頭を石へと変えていく。そこへフェルディスは銃弾を顔にぶち込み、画面にひびを入れた。
『必見! 。゚+(´∀`○)゚+。お宝映像!』
 プラグGIRLが映像を映すと弥生が見てしまう。それは元カレが手紙1つで消息を断つという内容だった。
「いや、いやだ……置いてかないで…×………×っっ!」
 錯乱した弥生はぬいぐるみを投げつけ、グラビティの籠ったイヌが敵を薙ぎ倒し、守ろうとするカメラをりゅうが飛び掛かり踏み潰す。
「悪戯に人の心を覗き傷つける。そのような行為は許されません」
 飛び込んだシオンは雷を纏う槍を突き入れ、胸を貫き電流を流して体内機能を狂わせる。その間にアルカナティアが弥生に属性を与えて映像への耐性を高めた。
「よそ見してる場合か? 隙だらけだぜ」
 跳躍した緋桜はテレビを蹴りつけ、画面に足跡を付けてよろめかせる。
『(゜〇゜;)ちょっ! モニター傷ついたんですけどー!』
「もう映像は流させません」
 反撃にプラグGIRLが映像を流そうとすると、そうはさせじとシオンは黒光を放ち、敵を鎖で縛り上げて顔をグルグル巻きにする。
「トラウマ映像を見せるなんて、そんな外道は許さないよ!」
 正気に戻り恨めしい視線を向けた弥生がドーナツ型スイッチを押し、地雷が爆発して敵の片足が吹き飛んだ。
「お前はまだ、本当のトラウマを知らない……教えてやろう、これが本当だ」
 恋華は立体映像投影装置で描写するのも憚られる冒涜的トラウマ動画を流す。
『◝(๑⁺д⁺๑)◞՞ピヨピヨ』
 それは敵の心を抉り画面をシャットダウンさせた。
「地獄は始まったばかりだ!」
 カミュはギターを鳴らし電気信号を音楽で表現する。ダモクレスがあらゆる手段で生きたまま解体されていく感覚を与えるウィルスソフトが音と共に送信され、敵のコアを蝕んでいく。
『(>ω<)ら、らめー! ハードディスクには触らないで! 外付けもダメ!』
 再起動したプラグGIRLはブルー画面になりながらも懸命にデフラグして機能を取り戻そうとする。
「愛の重さをたっぷり味わってくださいね!」
 フェルディスは祝福の弾丸を放ち体に穴を空け、指パッチンで爆発し敵を呪縛し動きを鈍らせた。
「新技のお披露目だ……素は混沌なる水、素は医術なる雷、素は熱波の炎。これが、元素の崩壊現象だ。喰らってみろぉぉ!」
 砂太郎はワイルドブリンガーの混沌の水、ライニングロッドの雷、そして大気中の可燃性元素にグラビティチェインを加えて発火させ、全てを敵の元に集めて反応させ対消滅の如き元素崩壊を引き起こした。逃げよとした敵の体の右胸から先が周囲の建造物と共に消滅する。
「……ぶっつけ本番の割になんとか様になるモンになったか」
 上手く行ったと安堵の溜息を吐く。
「(」゚ロ゚)」ケルベロスTUEEE!!」
 体の切断面から機械部品を覗かせ、まるで他人事のようにプラグGIRLは驚き顔を浮かべ、動画を垂れ流しにする。
「ちょっと俺たちを舐めすぎなんだよ」
 一瞬嫌そうに顔を顰めた守人は、体当たりするような勢いで突っ込んでガンブレードを顔面に突き立て、引き金を引くとテレビが爆発し、バラバラに砕け散った。

●みんなで
「作戦完了! これより帰還する! ……なんつって」
 銃をクルクル回してホルスターに収め、ポーズを決めてフェルディスは恰好をつける。
「撮影していたデータ吸い上げ出来ないかな?」
 守人が今の戦闘映像をケルベロスの宣伝PVに出来ないかと言うと、その手の専門家である恋華はプロニートらしく面倒臭いとばかりに座り込んでいた。
「無事で良かった」
「みんな来てくれてありがとね」
 緋桜が声をかけると、守人が軽い口調ながらも気持ちの籠った言葉を返した。
「どうだい、これで少しは溜飲が下がった?」
「一つ肩の荷が下りた感じかな」
 尋ねる緋桜に守人は肩を竦めて苦笑する。
「この後どうする~?」
 周囲をヒールしていた砂太郎が振り返って仲間に尋ねる。
「寿司でも喰いに行く?」
 それならと守人が仲間達を食事に誘う。
「もち、俺の奢り」
 そして任せてと清々しい笑顔を仲間達に見せた。
「寿司! 回らない? ニートには敷居が高い……」
 ピクリと反応した恋華は勝手に超高級寿司をイメージして怖気づいていた。
「いいね。嫌な出来事も食べたら忘れられるよ!」
「では私もごちそうになります」
 うんうんと弥生が賛成し、シオンも楽しみだと微笑む。
「暮葉さん、美味い酒と肴を頂きます」
 では早速向かおうとカミュが歩き出し、ケルベロス達はご機嫌に夜道に消えていった。

作者:天木一 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月14日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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