暑い夏には巨大かき氷が一番!

作者:天木一

 町外れにある空き地に、扇風機や古いテレビといった壊れた粗大ゴミが捨てられ、夏の暑い日差しに当てられている。
 そんな人気の無い場所に一匹の小さな蜘蛛が現れた。それは機械で出来た蜘蛛型ダモクレス。
 蜘蛛はゴミを漁るように飛び乗ってあっちこっちと物色していく。そうして奥まで入り込み見つけたのは家庭で使う電動のかき氷機だった。その中に蜘蛛が入り込むと、かき氷機がガガガガガッと動き出し、どんどん大きくなり、7mにまで達するとようやく巨大化が止まる。
『暑いよー! 暑いよー! そんな時にはー……かき氷!』
 どこからともなく現れた氷が内蔵され、ガリガリガリガリと氷が削られてかき氷の山が出来上がる。
『つめたーいかき氷、甘くておいしーよー♪』
 氷の冷気が伝わるように、周囲の雑草や土を凍りつかせ、さらにはカラフルなシロップをかけた。
『さあ、暑い人におすすめだよー。夏にはやっぱりかき氷ー。ひんやりして気持ちいいよー』
 のんびりした音声を流しながら、かき氷機が足元にローラーを付けて動き出す。塀を破って道に出ると方向を転換する。その先は人々の集まる繁華街の方向だった。

「夏のアイスっつーとやっぱかき氷のイメージだろ? ちょうど次のダモクレスはかき氷機の形をしてる夏らしい敵だ!」
 手振り身振りを加えて分福・楽雲(笑うポンポコリン・e08036)が巨大かき氷を表現する。
「家電に同化して人々を襲うダモクレスが現れます。皆さんには敵が人々を襲う前にこれを迎え撃ち撃破してもらいたいのです」
 その隣でセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が説明を始めた。
「ダモクレスは巨大なかき氷機の姿をしていて、かき氷を作って凍結させたり、シロップの甘みで誘惑し、ずっとかき氷を食べさせようとします」
 暑さどころかかき氷に覆われれば凍って銀世界になってしまう。
「現れるのは神奈川県の町で、敵が現れてもまだ避難はまだ終わっていません。避難が終わるまでの間敵の注意を引き、一般人が巻き込まれないよう気を付けてください」
 既に避難は始まっているので、少し時間を稼げば避難は完了する。
「夏の暑さにうんざりするような日々が続きますが、だからといって氷漬けにされるような異常気象を望んでいる訳ではありません。かき氷機を倒し人々を守ってあげてください」
 よろしくお願いしますとセリカが頭を下げ、ヘリオンの出発準備を行う。
「いやーもうすっかり夏だからね、かき氷を食べたい気持ちはあるけど、埋もれたくはないなぁ。いやでもちょっとくらいなら……というのは冗談で、みんなでちょっと涼をとりに行こうぜ!」
 楽雲の言葉にケルベロス達も賛同し、汗ばむ日差しの中ヘリオンへと乗り込んだ。


参加者
クリュティア・ドロウエント(シュヴァルツヴァルト・e02036)
物部・帳(お騒がせ警官・e02957)
サイガ・クロガネ(唯我裁断・e04394)
分福・楽雲(笑うポンポコリン・e08036)
ブルローネ・ウィーゼル(モフモフマスコット・e12350)
神宮司・早苗(御業抜刀術・e19074)
山蘭・辛夷(フォックスアイ・e23513)
仁江・かりん(リトルネクロマンサー・e44079)

■リプレイ

●暑い日には
 日差しが地面を熱し、建物が並び逃げ場のない熱気が漂う。そんな中、繁華街からは人々が慌てて逃げ出していた。
「暑くなってきたでござるし、ソロソロかき氷の季節ではござるが、殺人かき氷機の犠牲者を出すわけには行かぬでござるな。ここでスクラップヤード送りに致してくれるでござる」
 所でシロップは持参なのだろうかと、クリュティア・ドロウエント(シュヴァルツヴァルト・e02036)は準備万端に様々なシロップを用意していた。
「かき氷器、懐かしいですねー。子供の頃はよく作ったものです。こう、氷を入れて取っ手を回してガリガリと……今回のは電動なのでしょうか?」
 かき氷機と聞いて物部・帳(お騒がせ警官・e02957)は子供の頃の夏の思い出を振り返り、懐かしさに微笑む。
「かき氷……良いですね……! 暑い時期ですし食べたくもなりますよね……! 食べられる分だけは食べることもやぶさかではないです!」
 巨大なかき氷を思い浮かべたブルローネ・ウィーゼル(モフモフマスコット・e12350)は頬を緩ませる。
「しかし! 他人に迷惑を掛けることは言語道断です! きっちり成敗! です!」
 だが人を害するものは許さないとブルローネは意気込み、尻尾の手入れを念入りにしていた。
「最近あっついからのう、涼めて丁度よいのじゃ!」
 じっとしていても汗が流れてくると、神宮司・早苗(御業抜刀術・e19074)は早くかき氷機が来ないかと待ちわびたように陽炎のように揺らめく道を見る。
「あつーい日には、つめたーいかき氷が食べたいですよね! ぼくは苺のシロップと練乳たーっぷりのが大好きです。みんなは、どんなかき氷がお好きですか?」
 冷たいかき氷を食べたいと思った仁江・かりん(リトルネクロマンサー・e44079)が仲間達に尋ねると、レモンやら宇治金時やらとそれぞれの好みの味が挙がっていく。そうして雑談していると風に冷気が混じりだした。
『つめたーいかき氷、甘くておいしーよー♪』
 呑気な音声と共に現れたのは、7mにもなる巨大な電動かき氷機だった。
「敵の注意引きつけんぞ、氷は俺らのモン、なんつってな」
 サイガ・クロガネ(唯我裁断・e04394)が軽口を叩くと、それを耳ざとく聞きつけたかき氷機が向かってくる。
「環境に優しい俺的には、もしかしたら地球温暖化の解消に繋がるんじゃないかなー、とか思ったけどそうも言ってられないな。ってかカキ氷マシンじゃなくて、もはや人工造雪機じゃね?」
 そんな想像をしていた分福・楽雲(笑うポンポコリン・e08036)は呆れたように敵を見る。
「かき氷機はかき氷機なんだが、デカイからスキー場でも作れるんじゃないか。それはそれで暑いの苦手だから嬉しいんけど、仕事は仕事だ」
 この暑さを凌げるならそれもいいかと一瞬思った山蘭・辛夷(フォックスアイ・e23513)は、仕事だと熱さに耐えて敵を迎え撃つ。

●巨大かき氷機
「やー、あっついあっつい。こんな時はかき氷が食べたいのー」
 これ見よがしに早苗は胸元を扇ぎチラリと敵を見る。すると敵も視線が合ったようにこちらに方向を変えて目の前に止まる。
『今、注文したよね!?』
「わしは! かき氷を食べに来た! レモンシロップが好きなんじゃが、出せるかの」
 聞き返すかき氷機にどどんっと胸を張って早苗が答える。
「ドーモ。初めまして。かき氷機ダモクレス=サン。クリュティア・ドロウエントにござる」
 続けて礼儀正しくクリュティアは名乗りを上げ注意を引く。
「慈悲でござるスクラップヤード送りにする前に、そのかき氷頂いてやろうでござる」
『よろこんで! かき氷2つー!』
 そう告げると、かき氷機がガガガガガッと猛回転を始めて氷を削り、かき氷の山をどっさり作り出し、黄色のレモンシロップをたっぷりかけた。
「現れましたね。取っ手がないということは電動ですねー」
 家の屋根に上った帳は高く跳躍して虹を纏いながら急降下し天辺を踏みつけた。
「ほらほら、かき氷くださいトッピングも用意してるんですよっ、アイスと白玉に餡子もー」
「わしも白玉とあんこ持参なのじゃー。ほれほれ抹茶的なシロップを出すのじゃ」
 そして着地した帳と早苗がさまざまなトッピングを見せると、かき氷機が氷を削り出す。
『そのチョイスなら宇治金時だよね!』
 緑のシロップが掛けられ2mにもなるかき氷が盛られた。
「食わせてくれんだろ? ならもっとこっちに作ってくれよ」
 踏み込んだサイガが大剣を叩きつけ、こっちだと手招きして挑発する。
『はーい大盛ひとつー』
 すると凄まじい勢いで氷が削られ、次々とさまざまな色のかき氷で道が埋め尽くされる。
「ここは俺の任せろ! おいしそうなかき氷だな! 俺に一杯ごちそうしてくれよ!」
 意気揚々と仲間を庇うように前に出た楽雲は、かき氷に包まれて涼やかな気持ちで押し潰された。
「暑い中でかき氷を食べるのは美味しいですね……! 流石……流石の美味しさです……!」
 一口食べてみせたブルローネは、半分本気で褒めて魅了されるのに必死で耐える。
「私はブルーハワイ派だ」
 オウガ粒子を展開して仲間達をフォローした辛夷が告げると、ガリガリと氷が削られ青いシロップが掛けられる。
「ぼく、お山のようなおっきなかき氷、食べてみたいのですよ!」
 腕を広げてかりんがアピールし、敵の目を避難中の人々から逸らす。
「おっきいのだねーお任せあれー!」
 調子に乗ってかき氷機が氷を削り続け、家ほどもある氷の山が出来上がった。
「うわーー! すーーーっごいかき氷です!」
 喜びはしゃいだかりんは、練乳と果物の缶詰も開きゴージャスにトッピングしていく。
「ブンシン・ジツでござる。これで2倍の速度でかき氷が食べられるでござる」
 手で印を結んだクリュティアは己が分身を生み出し、練乳たっぷりが拙者のジャスティスでござるとイチゴのかき氷に掛けて食べ始める。
「フッ、果物と練乳など邪道! やはり日本人ならば、宇治金時かと!」
 負けじと誘惑に負けた帳もたっぷりトッピングを施した宇治金時味を食べ始めた。
「おっ両方いただき! おっと、どっちも旨いじゃねえか」
 その両方を食べたサイガはうんうんと頷き、さらに追加されるかき氷に巻き込まれないよう飛び退きながら感想を述べる。
「あ、かりんかりんー。練乳ちょっとわけてなのじゃー」
「はい、たっぷりかけますね」
 マイペースに早苗が宇治金時を食べるところに、かりんが練乳をプラスしてより美味しそうに頬張る。かりんも果物を乗せ大きく掬って頬を膨らませた。その隣ではミミックのいっぽがガリガリガブガブと勢いよく氷を食べ、皆にあまり食べさせないように減らしていく。
「今は耐えて機を伺いましょう!」
 ブルローネはグラビティを含む霧を発生させて操り、仲間達を包み込んでグラビティの効果を増幅させる。
「心身共に凍えるような最高のかき氷だぜ! ってわけで守りは任せてくれ、攻撃は辛夷ちゃんにお願いするね」
 かき氷から這い出た楽雲は刀を抜き、喰らった魂のエネルギーを辛夷に分け与えその身体能力を上昇させる。
「確かに冷たくて美味しそうだが……今はやめておこう」
 ぐっと食べるのを我慢した辛夷は機械式の十手からエクトプラズムの刃を形成し、振り抜くと車輪のような光波が勢いよく飛び敵を切り刻む。
『暑い日にはかき氷―おいしーよー』
 暑くて溶けてもすぐに追加され、無くなる事のないかき氷の山が当たりを埋め尽くす。
「海だーーー!! 離してください、三途の海で花畑とサメが手招きして一緒に泳ごうと誘ってくれているのです!」
 かき氷を美味しく頂いた帳は、幻を見て山積みのかき氷に向かって仲間の制止を振り切り突っ込んでいた。
「避難が終わったようですよ! そろそろ反撃の時です!」
 ブルローネが周囲の人が居なくなったのに気づき、紙兵を撒いて壁を作ると仲間も守るように氷漬けになって粉々に砕けていく。
「よーし、みんながんばっていくです!」
 応援するようにかりんは鎖を伸ばして地面に魔法陣を描き、仲間達を守護し防御力を高め頭痛を抑える。
「その程度で拙者を満足……く、キーンときたでござる」
 頭を抱えたクリュティアは正気に戻り、このままではよろしくないと掌打を撃ち込んで螺旋の力を流し、目の前のかき氷の山を粉砕した。
「氷を食ったら少し冷えてきたな、身体を温めるのに付き合ってもらうか」
 懐に入ったサイガは拳を放ち、まるで大型の獣が噛み千切ったような痕を残して敵の装甲を削り取った。
「甘いのばっかりじゃ飽きるだろ? シビれるお味はいかがかな?」
 飛び掛かった楽雲が妖気を腕に纏わせた腕で殴りつけ、狸を模った雷獣が腕から放たれるように食らいつき穴を装甲に空けた。
「ぬぉぉ……わし、この頭きーんってなるの嫌いなのじゃ……じゃがこれで正気に戻ったのじゃ!」
 頭を振った早苗は銀色の仕込み錫杖を抜き、御業を纏わせて振り抜くと支柱を深く斬り裂いた。
「近くに氷があるだけでも涼しいな。だが仕事だ」
 駆け抜け避けながら辛夷は飛び蹴りを浴びせ、星型のオーラを叩き込み装甲を凹ませた。

●冷たく美味しい
『氷はまだまだあるよーたくさんお食べ―』
 上部の蓋が開くと、小さくなった屑氷が放り出され、空から新たな四角い巨大氷塊が降って来る。
「それ以上補充はさせん、砕け散れ」
 車を踏み台に家の屋根を更に蹴って辛夷は高く跳躍し、篭手の爪から真空波を幾重にも飛ばして巨大氷塊を切り裂き粉々に砕いた。
『もったいなーい』
 それを右に左にとふらふらしながらかき氷機は少量を回収して蓋を閉じる。
「ならばこの氷でオカワリを要求致すでござる!」
 クリュティアが吹雪の渦を巻き起こして敵を凍らせていく。
『お代わりどうぞーー!』
 すると凍りながらも機械を動かしてかき氷を作り、その下で埋もれている帳の上に氷の山が出来る。
「とばちゃんが氷像になる前に救出するぞ!」
 巨大ハンマーから噴射するドラゴニック・パワーで加速した楽雲は、全力で振り抜きかき氷の山を吹き飛ばし、そのままの勢いでかき氷機に叩き込み仰向けに倒す。
「なんですコレ冷たっ! えっ、なんで氷の山の中に居るんですか私?」
 かき氷の山に突っ込んでいた帳は正気に戻り、その冷たさに体を振るわせて飛び退いた。そしてリボルバーを抜き水銀弾を撃ち込んでまだ残る辺りの氷を吹き飛ばした。
「やっぱ食うより殴る方が愉しいな、食ったのに付き合った分こっちにも付き合ってもらうぜ」
 サイガが跳躍して飛び乗ると拳を叩き込み、突っ込んだ腕を引き抜きながら装甲を引き剥がす。
「美味しいかき氷も過ぎれば体を冷やして毒となります。だから溶かしてしまいましょう!」
 ブルローネは御業を呼び出して炎を放ち、氷を溶かし蒸発させていく。
『暑くなってしまうよー暑いのを冷やす。それがかき氷!』
 負けじと起き上がってかき氷を作り出し周囲に氷雪が舞飛び、幾つものカラフルなかき氷の山が出来ていく。
「涼しくなったのう……というよりも寒くなったのじゃ! もうかき氷は不要じゃ!」
 寒気を感じた早苗は駆け出し、大きく跳躍すると敵に飛び蹴りを浴びせて傾かせ電柱にぶつけた。
「さむーいです! かき氷みたいにこおっちゃわないように気をつけるのですよ!」
 かりんは無数の紙兵を展開し、冷気を抑え込み仲間達への影響を衰えさせる。出来上がるかき氷の山はすぐにいっぽがガリガリと氷をかじって削った。
「暑い日にはかき氷でござるな……ってのんびり食べてる場合ではないでござる!」
 ふらふらと思わず果物を乗せて食べてしまっていたクリュティアは慌てて飛び退き、クナイ・ダートをマシンガンのように投げつけて敵の全身に突き刺す。
「人々を凍らせるかき氷機はこれで成敗! です!」
 ブルローネはロッドを黒いカラスに変化させて放ち、飛翔したカラスは装甲の穴に突っ込んで内部を突き破って背後に飛び出した。
『あーみぞれ一つですね!』
 バチバチと火花を散らすかき氷機はブルローネの白い姿に連想したのかみぞれかき氷を作り始める。
「個人的にゃそんままでも構わねえが、どうせ溶けちまうっつうなら……派手にいきてえよなあ?」
 右に左にとサイガは拳を打ち込んで装甲を抉り支柱を折った、支えを失った巨体が横倒しに倒れ燃え上がる。
『氷が足りなくなってきたねーみんなー追加いくよ!』
 新たな巨大氷塊が生み出される。
「かき氷機がおっきいと使う氷もおっきいです!!」
 そのサイズに驚きながらも、大地に塗り込められた『惨劇の記憶』から魔力を抽出したかりんは、宵闇の天鵞絨で敵を包み死の恐怖を和らげる呪いを与え氷交換を邪魔する。
「みんな! 今こそあの特訓した連携を見せる時だぜ!」
「おお、あれじゃな!」
 楽雲があたかも特訓したように思い出を捏造し特科局員に呼びかけると、適当に話しを合わせた早苗が敵を駆け上がりながら刀を振るって大きく斬り上げ、そのまま天辺を蹴って上から斬り下す。
「え? えーっとそんなの練習しましたっけ?!」
 慌てて続ける帳は水銀を依代とし雷神の一種である蛇神を召喚すると、呪を込めた水銀の銃弾をリボルバーに込めて撃ち、敵に当たる前に炸裂して現れた黒蛇の御業が雷嵐を巻き起こした。
「安心しろ、練習なんて一度もしていない」
 動きが鈍った敵に辛夷は光波を放ち回転する車輪が削り取るように装甲を切断した。
「こいつでフィニッシュだ!」
 楽雲は妖気の宿る拳を打ち込み雷獣が喰い散らかすように破壊し、かき氷機は動きを止め爆発と共に崩れ落ちた。

●やっぱりかき氷
「あらもう氷切れ? ごっそーさんでした、っと」
 暑かったのが随分涼しくなったとサイガは感謝の気持ちを込めて合掌した。
「綺麗な氷が残っているでござる。手元には持ち込んだシロップやトッピングも余っているでござるな……」
 ならばまだかき氷が作れると、手回しのかき氷機を持ち込んでいたクリュティアは氷をカットして放り込む。
「あーっ、いいですね。私が回したいです!」
 申し出た帳が手でかき氷機を回し始めた。
「みんな準備良すぎじゃね?」
 受け取ったかき氷を早速口にした楽雲は冷たさにキーンと頭を痛くする。
「いや誰がみぞれかき氷なんですかまったく! すいませんみぞれひとつお願いします!」
 失礼なと憤りながらブルローネがみぞれ味を注文する。
「また暑くなってきたのじゃ。次は何味を食べようかのう」
 並ぶシロップを早苗が悩ましそうに選ぶ。
「暑いな、夏はまだまだ続くなぁ……」
 ブルーハワイにウィスキーを垂らした大人のかき氷を食べながら辛夷は空を仰いだ。
「なんだかあったかいものが食べたくなってきました……へくちゅん!」
 新たなかき氷を食べていたかりんがくしゃみをして、暑いのも冷たいのも程々がいいなと身にしみていた。

作者:天木一 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月12日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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