翡翠の瞳は何を映す

作者:荒井真


 都心部から少し離れた廃ビルの屋上。使用されなくなって久しく、手すりやエアコンの室外機などは赤茶けた錆が浮き出ている。
 この時期特有の湿り気を帯びた風が、黒江・神流(独立傭兵・e32569)の頬を凪ぐ。
 どんよりとした雲が空を覆い、今すぐにでも雨が振りそうだ。
「……さっきから私の視界の隅でうろちょろしているのは、あんたか? 用事があるようだったから来てやったぞ」
 手すりに手をかけ、後ろも振り返らずにその『誰か』に問う。
 しばしの間。やがて、神流の視界の隅に見える屋上の給水タンクの影から何者かが、音もなく現れる。
 ゆっくりとその人影に向き直り、そして、彼女の目は見開かれる。
「……あんたは」
(「いや……ケルベロスとして戦い続けていれば、こうなることは当たり前か」)
 見覚えのあるエインヘリアル。黒いフードから見える右目は固く閉ざされ、左目は鮮やかなエメラルドグリーン。その瞳が神流を捉えている。
 エインヘリアルはゆっくりと、だが必殺の一撃を放とうと手にした弓に矢をつがえ、神流もそれに呼応するように手にした斬霊刀『試製00式大型騎兵刀』の柄に手をかけた。
 そんな彼女をあざ笑うかのように、エインヘリアルの口元は邪悪に釣り上がっていく。
 ぽつ、ぽつ、と雨が振り始めてきた。むわっと、した空気があたりに立ち込める。じきに本降りとなるだろう。
「私はね。楽しみを中途半端に終わらされると、夜も眠れないほど気に病む質でさ。ここで、キッチリと君に死んでもらいたいのよ」
 そう冗談交じりでエインヘリアルは、神流へと死の宣告を行うと同時に、つがえた弓矢を殺意とともに解き放った。


 ヘリオンの機内の中で、珍しく少し焦りを感じさせる表情で更科・久遠(サキュバスのヘリオライダー・en0258)はケルベロス達に向かい合う。
「……緊急事態です。黒江・神流が宿敵であるエインヘリアルに襲撃される予知がありました。すぐに連絡を取ろうとしたのですが……」
 久遠は言葉を濁し、目を伏せる。おそらくは駄目だったのだろう。やがて指で眼鏡の位置を正すと、再びケルベロス達に状況を説明する。
「連絡は……取れませんでした。猶予はありません。神流さんが無事なうちに救援をお願いします」
 久遠は説明を続ける。これから向かう場所は都心から離れた廃ビルの屋上。立地的に、そして使われなくなったビル、という事で一般人が来ることはないようだ。
「敵はスィレージオと言う名のエインヘリアル一体です。弓矢を使った攻撃がメインで、放たれる矢からの回避は難しいでしょう。矢継ぎ早に矢を放ち、複数人を巻き込む攻撃も使って来ます。また、ナイフで切りつけ、自身の傷を癒やす能力にも注意して下さい」
 スィレージオの言動は人当たりが良さそうな雰囲気だが、人の命の事などなんとも思っていない邪悪な性格、と久遠は付け加えた。
「これからビル屋上の上空まで、皆さんをお連れします。強敵ですが、神流さんの救助とエインヘリアルの撃破、皆さん、お願いします!」
 そう久遠は締めくくると、ヘリオンを急加速させ、ケルベロス達を戦場へといざなった。


参加者
樒・レン(夜鳴鶯・e05621)
狼森・朔夜(迷い狗・e06190)
シュヴァルツ・ヴォルフガンク(星光を遮る黒狼・e29127)
黒江・神流(独立傭兵・e32569)
ミン・クーワン(化楽天・e38007)
晦冥・弌(草枕・e45400)
木嶋・徹也(あなたの街の便利屋さん・e62493)
クロエ・ルフィール(けもみみ少女・e62957)

■リプレイ


 ぽつり、と雨粒が黒江・神流(独立傭兵・e32569)の頬を伝う。
 土臭い匂いと、ムワッとした風があたりを包み込む。
「正直に言うと」
「ん?」
 神流は斬霊刀『試製00式大型騎兵刀』を構えながらエインヘリアル、スィレージオに語りかける。その言葉は彼女自身と敵に向けてにだろうか。
「私はアンタを恨んだりしてない。こんな世界だ、殺し殺されるなんて何処にでもある。ありふれた悲劇だろう。いちいち気にするつもりもない。あの男も勝手に満足して死んだみたいだしな」
「へぇ? そうかい。でも、ちょっと残念かな。 恨みを抱いたまま、心を折られて死んでいく君の様子、じっくり見たかったんだけどなぁ」
 ニヤニヤとおどける調子でスィレージオ。
「でも、まぁ……君に死んでもらうことに変わりはないから、さっさと終わらせようか」
 そう言いながら、弓矢を引き絞る。スィレージオのその翡翠の瞳は、神流の姿を捉えたまま。銃器に備え付けられたスコープの様に狙いを定め、その殺意とともに弓矢を解き放つ。事はなかった。
「おいおい。二人だけでお楽しみか?」
 上空から木嶋・徹也(あなたの街の便利屋さん・e62493)の声。
 徹也は神流とスィレージオの間の地面に、膝を曲げ着地の衝撃を和らげるように降り立つ。そして、それに続くようにケルベロスの仲間たちが次々と着地し、敵の眼前に立ちふさがった。
「おやおや、これは獲物がよりどりみどりだね……いいね。楽しみが増えたよ」
「そうかい、そいつは結構なこったな。ま、若いもんに任せっきりじゃいらんねぇからな」
 スィレージオの余裕のある軽口に、徹也もお返しとばかりに軽口で返す。だが、彼の内心では寒々とした恐怖心が渦巻いていた。ケルベロスとしての実戦経験の少なさ故か。
 そんな事は表には出さず、徹也は手にしたドラゴニックハンマーを軽々と肩に担ぎ上げる。
(「……直撃させる必要はねぇんだ」)
「ぶっ放すぜ!」
 手にしたドラゴニックハンマーが砲撃形態に変形し、砲口から轟音と閃光を放ちながら竜砲弾が射出された。轟音が周囲の空気をビリビリと振動させる。
 砲弾は狙い違わず、スィレージオに命中し、辺りに砂埃と鼓膜に響く轟音を立てる。
「中々……やるじゃないか。じゃあ、今度は私の番だね!」
 まだ砂埃が舞っている中、スィレージオは邪悪な笑みを浮かべながら、弓に矢をつがえ、解き放つ。
 放たれた矢は、一度空中に一直線に飛ぶと、でたらめな軌道で徹也に追いすがり、彼の右腕を貫いた。
「……くっそ、この矢……どこまでこっちを追って……っ」
 右腕から全身に流れる痛みと心の中に渦巻いている恐怖心で、膝を地面につける。
「さぁて、次はどうしようかなぁ……フフフ」
 口の端を吊り上げながら徹也に近付こうとするスィレージオだが、突如その視界に蓮の葉や花弁の渦の渦が現れ、敵にまとわりつく。
 その旋風の中から、印を切りながら現れる影。
「夜鳴鶯、只今推参 」
 短く、そして刃物の如き鋭い言葉をスィレージオに向ける樒・レン(夜鳴鶯・e05621)。
「貴様はここで仕舞だ。涅槃へ送り届けてやる……覚悟!」
 螺旋の力が渦を巻き、スィレージオの全身を打ち付ける。花弁が体にまとわりつき、その動きを鈍らせる。
「っく……ちょっと早いけど、仕切り直させてもらうよ」
 多少よろめきながらも、余裕の表情を浮かべたまま、手にした弓を掲げる。弓から柔らかな光が溢れ、スィレージオの傷を癒やしていく。
 だが、そんな事はお構いなしとレンが、大地を蹴る。
「オン・マリシエイ・ソワカ」
 摩利支天の真言をつぶやき、更に加速。漆黒の影が残像を残しつつ、スィレージオに肉薄する。
 レンが狙うは敵の死角。固く閉じられた左目、左半身から坂袈裟懸け斬りに斬撃を浴びせ、敵の腕から血の飛沫が飛び散った。
「やってくれるね……!」
 僅かだが、顔を歪める。だが、口の端はいやらしげに釣り上がったまま、この状況を楽しんでいるのだろうか。
 手にした弓から矢を放つ。複雑な軌跡を描きながらレンへと飛翔するが、その矢は届くことはなかった。
 狼森・朔夜(迷い狗・e06190)が、その攻撃を受け止めたのだ。
 レンにコクり、と頷くとスィレージオに向き直る。
 朔夜の表情は眉をひそめ、殺しを楽しむ、と言う敵に対する嫌悪感にあふれている。
 その表情のまま、ぐっと姿勢を低くし、右の手のひらを地面に当てた。その姿勢は銃から弾丸が飛び出す寸前のようだ。
「……フッ」
 小さく息を吐きだし、手から、そして両足から全身の筋肉を力が駆け巡り、朔夜が弾丸のごとく飛び出す。右から左へ、無秩序に動きながら、それこそ野生の肉食動物のような俊敏で荒々しい動き。
 そのまま一気にスィレージオの懐に飛び込むと、思い切り振りかぶる。技工やスピードなど関係ないと言わんばかりの力任せの一撃。
 音速を超えた拳がスィレージオの腹を打ち据えた。風圧が吹き荒れ、敵を後退させる。
「む、無茶苦茶動きだなぁ……」
 意表を突く動きにおどけた調子で答えるスィレージオ。更に朔夜は攻撃を繰り出そうとするが、それよりも早く敵が動き、腰に差しているナイフを一閃する。
「チッ……!」
 舌打ちをしながら後ろへ飛び退くが、朔夜の左腕はナイフで切られ、血が滴っている。その様子をニタニタと恍惚の笑みを浮かべているスィレージオ。
「んはぁ、弓矢遣いかぁ。いいねぇそういうのぉ。俺も撃つのは好きなんだぁ。あははぁ! どっちが多く当てられるかなぁ?! 俺のタマ、受け取ってよぉ?」
 どこか気だるげで、そして楽しそうにミン・クーワン(化楽天・e38007)がゆっくりと歩み出る。
「へぇ、面白いこと言うね……」
 それに答えるかのようにスィレージオが弓に矢をつがえる。
「これは七色の虹彩の魔弾だよぉ。撃てば極楽、当たれば浄土、避ける姿は踊念仏。幻の中に閉じ込められるのは好きぃ? ……さぁて、君はこたえられるかなぁ」
 楽しげに言い放つと、その言葉の通り虹の七色の魔弾がミンから射出される。
 放たれた魔弾を余裕の表情で見つめていたスィレージオだが、妙に自分の体の動きが鈍くなっていることに気がつく。ケルベロス達の攻撃で、少しづつ動きを鈍らされているのだ。
 魔弾から逃れるすべはない。彩色をまとった一撃がスィレージオの左胸に直撃する。
「チッ……おっと、危ない危ない。私としたことが」
 思わず激情に駆られそうになるエインヘリアルだが、すぐさま先程までと同じ様に、余裕を持った表情を見せる。しかし、その表情はわずかではあったが、焦りと怒りがごちゃまぜになったものだった。
「さぁ、まだまだ君たちのあがきを見せてくれ!」
 スィレージオはそう叫ぶと矢継ぎ早に矢を解き放つ。膨大な矢の雨がケルベロス達に降り注ぐ。
「うおっ!」
「クッ……!」
 ケルベロス達からダメージよるくぐもった声が上がる。
 浅くはない傷ではあったが、晦冥・弌(草枕・e45400)は手を伸ばし、空を仰ぎ見る。空には曇天。だが彼は構わず告げる。
「陽光はいつでもぼくの手に。さぁさ、ひぃふぅ、とぉ数えて!」
 その声に呼応するかのように、曇天が波引くかのように消えていく。曇天の空にポッカリと穴が空き、そこには優しげな明かりを放つ太陽。その柔らかな陽光が仲間たちの傷を癒やしていく。
「皆さん、ご無事ですか?」
「すまない、助かったぜ」
 シュヴァルツ・ヴォルフガンク(星光を遮る黒狼・e29127)が 弌に答える。
「お前と神流にどんな因縁があるかとか知らねえけどさ、こちとらこいつの仲間なんで。勝手にやらせるわけにゃいかねーのよ」
  傷ついた体を奮い起こし鉄塊剣を構える。
「ええ……そう簡単に殺されるのは困ります。番犬の命は、あなたに捧ぐものじゃないんだ」
 弌も同意のようだ。青い瞳に確固たる意志の光を灯している。
 シュヴァルツが跳躍する。愛用の鉄塊剣に炎が宿り、そのまま勢いに任せてスィレージオに叩きつけた。
「ぐっ……?!」
 明らかな焦りの声。徐々にケルベロスたちが押し始めたのだろう。
 スィレージオはもはや最初の時のような余裕のある表情をしていない。その翡翠色をした瞳で、ケルベロス達を見回し、弌に狙いを定めたようだ。すばやく矢をつがえ、解き放つ。
 凶悪なきらめきを放ちながら矢が飛来するが、彼に命中するより早くクロエ・ルフィール(けもみみ少女・e62957)が弌の前に立ちふさがる。
「あたしが前線を維持するんだぁぁぁ……っ!」
 力の限り叫ぶと、手にしたルーンアックスで飛来する弓矢の一撃を受け止めた。その一撃は意外に重く、当たった衝撃が武器から腕、そして体中を痛みが駆け巡る。
(「痛い……苦しい……! スィレージオさんの一撃が重い……それでも……、頑張らなくちゃっ!」)
 地に膝をつけそうになるがそれを気合で持ちこたえる。
「晦冥くん大丈夫!?」
「はい、平気です」
 弌の無事を確認すると、クロエはほっと、胸をなでおろす。そして、敵へと向き直る。
 スィレージオは弓に矢をつがえようとしているが、彼女はその隙を見逃さない。
「せーのっ!」
 ルーンアックスを大上段に構え、その小柄な体に力を溜め込み宙に舞う。そして、くるりと空中で斧の重量を利用し、一回転する。
「ブリッツベイル!! 」
 その力ある言葉とともに、ルーンアックスに雷光が宿る。そのまま、一回転した勢いと体に溜め込んだ力を腕から武器へ。力任せの全力の一撃をスィレージオを叩きつけた。
 ルーンアックスが地面にめり込み、土埃が舞う。その土埃の中から、転がりながら飛び出してくるスィレージオだが、左肩から右脇腹にはけっして浅からぬ傷がついていた。
「ク、クソっ……何故……何故、私が追い詰められて……ぐっ!」
 口汚く罵りながら、吐血するスィレージオ。
 自分が楽しむ為の獲物だと思っていたケルベロス達に追い詰められ、理解が追いついていないのか。その翡翠の瞳は驚愕に満ちている。
 そのケルベロス達から一人の人影。
  神流は手にした斬霊刀『試製00式大型騎兵刀』を水平に寝かし、ガトリングガン『GUX-80』をスィレージオを突きつける。そして、姿勢は低く、右足はいつでも駆け出せるように、つま先に力を込める。
「最後は、お前が決めろ、神流」
「あははぁ、大変だねぇ。でもぉ、それも今日で終わりでしょぉ?」
「悪いえにしを断ち切るなら、自分の手が一番ですよね」
「きっちりカタつけてきな」
 シュヴァルツ、ミン、弌 、徹也が神流の背中を押す。朔夜も言葉を発する事はしなかったが、真剣な眼差しで頷く。
 神流も頷き返す。
「これで終わりだ。スィレージオ。私は復讐者ではなく、1人のケルベロスとして絶対にアンタを倒す。悲劇を少しでも減らすために」
 ブースターに大量のグラビティが流れ込み、唸りを上げる。そして、力をためていた右足が大地を蹴り、敵へと疾走する。莫大な推進力が神流の背中を押し、更に加速する。その姿はまるで一つの砲弾のごとく。
「チッ……!!」
 舌打ちをしながら、スィレージオが矢を放つ。
 でたらめな軌道で飛翔する矢が、神流の動きを捉え、右脇腹に突き刺さる。
 焼けるような鋭い痛みに彼女は顔をしかめるが、止まらない。
「な……?!」
 凄まじい勢いで懐に飛び込む。スィレージオの驚愕に満ちた顔が神流にははっきりと視認できた。
 すれ違いざまにガトリングガンが轟音を立て、弾丸を撃ち出す。放たれた弾丸は敵の全身を打ち据え、更に斬霊刀が袈裟懸け切り、そして返す刀で横一文字に斬りつける。
「神流ちゃん……! 今だよ……!! がんばれ……っ!! がんばって……っ!!」
 クロエがありったけの力の限り、声を上げる。
「ハァァァ……!」
 神流は振り返ること無く、すれ違いざまに『試製00式大型騎兵刀』をスィレージオの背中に突き立てた。
「そ、そんな……わ、私が……死ぬ……?」
「私は1人じゃない、いつまでも1人きりのアンタとは違う」
 ポツリ、ポツリと雨足が強くなってくる。
 神流は振り返ること無く、荒くなった息を吐きながら、片膝を付き仲間たちを見回す。仲間たちがいたからこそ、ここまでこれたのだ。
「私の……楽しみが……このまま……終わ……」
 よろめきながら、途切れ途切れでスィレージオがボソボソとつぶやく。徐々にその言葉はか細くなり、最後の方はよく聞き取れなかった。
 そして屋上の手すりにぶつかり、仰向けにその体は宙を舞う。
 ミンが手すりに駆け寄り、下を覗き込むと、スィレージオの体は大地に叩きつけられるより早く霧散し、無と帰した。
「やっと眠れたみたいだねぇ。不眠症なんだっけぇ? あれ、違う? まぁ、どっちでもいいやぁ。今回の戦い、なかなか楽しかったよぉ。それじゃぁ、お疲れ様ぁ」
 ミンは無に帰した敵に、彼らしく少しおどけながら別れの言葉をビルの下へと投げかけ、この戦いは幕を閉じた。

● 
 雨は徐々に大粒となり、みるみるうちにビルの屋上とケルベロス達をずぶ濡れにしていった。
 レンはスィレージオの最後に立っていた手すりにの向こう側に向け、瞑目して片合掌をしている。
「魂の安らぎと重力の祝福を願う。安らかにな」
 先程の一撃の影響か、ふらつく神流だが、そこへ朔夜が肩を貸す。
「大丈夫か」
 短く無愛想な言葉だったが、彼女なりに心配していたのだ。
「黒江さん……お疲れ様だよ。わたしたちは黒江さんの力になれたかな……? 」
 クロエが心配そうに、神流の顔を覗き込む。
「ああ、みんなありがとう」
「お疲れ。良かったな、倒せて」
 シュヴァルツもねぎらいの言葉をかけた。そして、先程まで瞑目していたレンは、『強くありたい』という求道者らしく強固な意思を見せながら、神流へ語りかける。
「区切りはついたか? 俺達はもっと強くなろう。民草を護り抜く為に、な」
「ああ、そうだな」
 神流は力強く頷き返す。それは彼女だけではない、この場にいる仲間たちも同意のようだ。それぞれがレンの言葉にうなずき、それぞれが決意を、それぞれの想いを胸に秘め、廃ビルの屋上を後にした。

作者:荒井真 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 2
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