幻惑の舞いを踊りし乙女

作者:長野聖夜


 ――夕暮れ時。
「……思ったより遅くなっちまったな」
 陸堂・煉司(冥獄縛鎖・e44483)が一つ用事を終えて帰路に着いていた。
 事件が起きて壊れていたものがヒールで修復された街の中を歩いている。
 修復された都市を歩く人々を見て軽く息をつく煉司。
 ――と、不意に。
(「……嫌な感じだな」)
 デウスエクスに狙われ続けてきたが故に培われた勘が、其れを感じ取らせたのだろうか。
 帰路に着いていた筈が、何時の間にか人通りの無い、裏路地の方へと足を運んでいた。
 それとも……その様に誘導されてしまったのだろうか。
 目前に現れた、何処か妖精を思わせる容姿をしたダモクレスに。
 その容姿を見て、微かに煉司が眉を顰める。
「……まさかこいつ、噂の……?」
「陸堂・煉司。貴様の存在は我が目的の障害となる。故に、此処で排除させて貰う」
 無感動のままにそう告げながら、胸に光る金の文様から七色に輝く光線を彼女は放った。


「煉司さんが宿敵であるデウスエクス、リジェネレーターの襲撃を受けることが予知されました」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002) がやや焦った口調でそう告げる。
 煉司と言うのは、陸堂・煉司(冥獄縛鎖・e44483)と言うケルベロスの事だ。
「予知に気が付き、急いで連絡を取ろうとしたのですが連絡を付けることが出来ませんでした。恐らく、煉司さんは既に襲撃を受けているものだと予測できます」
 このままいけば、煉司は確実に殺されてしまう。
 一刻の猶予も、現状ではない。
「皆さん。煉司さんが無事な内に、救援に向かって頂き、どうか彼を救い、リジェネレーターを撃退してください」
 セリカの言葉にケルベロス達が其々の表情で返事を返した。


「まず、煉司さんが襲撃を受けているのはとある町の一角にある人通りの無い裏路地です。恐らく、リジェネレーターが何らかの能力を使って人気のないその場所へと煉司さんを誘導したのでしょう」
 リジェネレーターは胸にある金の文様から強力な光線を放つ。
 また、その何処か妖精を思わせる愛くるしい姿で舞を舞う。
 その舞は、ケルベロス達を誘惑し、同士討ちの世界へと誘おうとする。
「その誘惑に負けない為の対策は必要となるでしょう。また、自身の傷を修復する能力も持っています」
 尚、リジェネレーターには配下はいない。
 あくまでも単独で攻撃を仕掛けてきている。
 が、その分を補う為にケルベロス達を誘惑する舞を舞うのだろう。
「尚、リジェネレーターのポジションはジャマ―となります。どうか皆さんお気を付けください」
 セリカの言葉にケルベロス達が其々に返事を返した。
「どうか煉司さんを救い、宿敵であるリジェネレーターを撃破してください。どうかよろしくお願いいたします」
 セリカの言葉に背を押され、ケルベロス達は静かにその場を後にした。


参加者
源・那岐(疾風の舞姫・e01215)
槙島・紫織(紫電の魔装機人・e02436)
暮葉・守人(墓守の銀妖犬・e12145)
陸堂・煉司(冥獄縛鎖・e44483)
ソシア・ルーンフォリエ(戦舞奏唱・e44565)
レナ・ネイリヴォーム(イニチウムフェザー・e44567)
長田・鏡花(アームドメイデン・e56547)
村崎・優(未熟な妖刀使い・e61387)

■リプレイ


 ――某都市、夕暮れ時。
「まさかこいつ……噂の……」
 人気のない裏路地で、ふわりと舞う様に宙に現れたダモクレスを見て、陸堂・煉司(冥獄縛鎖・e44483)がドラゴニックハンマーを構える。
「陸堂・煉司。貴様の存在は我が目的の障害となる。故に此処で排除させて貰う」
 無感動に告げながら、胸に光る金の文様から七色に輝く光線を放つ、リジェネレーター。
(「ある連中の噂……調査しても悉く空振りだったが……心当たりがあるとすりゃ、それしかねぇ。当たらずも遠からず、ってトコか?」)
 思いながらも躱しきれない、そう思った矢先。
「やらせませんよ」
 煉司の目前に呟きと共に現れ白き翼を展開し光線を受け止めるレナ・ネイリヴォーム(イニチウムフェザー・e44567)。
「誰が為に振るう剣なのか」
 誰にともなくレナが歌う様に囁くと同時にレナは自らの下腹部を中心とした紅い荊の呪紋様を身体に浮かべ、地面に深紅の守護星座を描き結界を構築。
 ほぼ同時に現場に辿り着いた暮葉・守人(墓守の銀妖犬・e12145)が槙島・紫織(紫電の魔装機人・e02436)へと目配せ。
「ちょっと行ってくるわ。援護、よろしく」
 縮地で一息に間合いを詰め、月華−雷− の纏う雷を解き放ちながら、雷の如く鋭い刺突を放ち、リジェネレーターの身を貫く守人。
「お任せください、煉司さん、此方へ合流願います」
「助かったぜ、紫織」
 紫織がBaculum fulgurに自らの魔力を籠め、紫電の結界を自分達の前に展開。
「これも作戦です。気にしないで下さい」
「鏡花ちゃん、優くん!」
 守人が上空へと指示を飛ばしたその時。
「――助太刀します」
 上空から一条の流星となった長田・鏡花(アームドメイデン・e56547)がリジェネレーターの頭部を蹴りつけ。
「後悔するがいい、デウスエクスであることを!」
 村崎・優(未熟な妖刀使い・e61387)が叫びながら、双刀の刃を擦り合わせた。
「っ゛ら゛ぁん゛うぅけ゛えええええええっ!!!」
 絶叫とも取れる叫びと共に、その右目から紫炎にも見える波動を噴出させながら凄まじい程の呪詛の込められた喰霊刀『暗牙』を解き放つ優。
 神速で放たれた突きによる一撃がリジェネレーターの胸を貫き、その内側から『暗牙』に籠められし呪詛を解放し、リジェネレーターを内側から全身を蒼く閃く雷で侵食していく。
「煉司さんは、私達が守ります」
 全身を痺れさせるリジェネレーターの前に現れた源・那岐(疾風の舞姫・e01215)がクリーヴブレイカーを砲撃形態へと変形、動力を全開にして発射。
 轟、と言うすさまじい音と共に撃ち出された竜砲弾がリジェネレーターの足を撃ち抜き足を止めている。
「美しき舞に散る命はありませんよ。止めて見せます。行きましょう、レナさん」
 バサリ、と四枚羽を羽搏かせて地面に降り立ったソシア・ルーンフォリエ(戦舞奏唱・e44565)がオウガ粒子を解放しレナ達を守る結界を張り。
(「外見だけでしたら機甲の妖精として美しいとは思いますが……」)
 ミラが背中の天使翼を羽搏かせ生まれた清浄な風が結界となって那岐達を守るのを見ながらソシアは思う。
(「それでも、ケルベロスを襲っているならば、止めなければ」)
 紫織達の姿を認めた煉司が、微かな間、瞑目し。
(「昔とは、違う。俺自身戦えるだけじゃねぇ」)
 自分の為に駆け付けてくれた優達を見て、改めて頷きを一つ。
(「今の俺には、共に戦ってくれる仲間がいるじゃねぇか」)
 ――だから。
「散々追い回してくれたが……今度はそうは行かねぇぜ、デウスエクス」
「対象の援軍を確認。舞手モードに移行。……貴様達自身の力で永遠の眠りにつくが良い」
 リジェネレーターの呟きと共に、彼女の機械的な体に纏われた衣装が、ふわり、と風に靡いた。


 ――ユラリ、ユラリ。
 裾を靡かせ、軽くステップを刻みながら見たことの無い美しくも妖艶さを感じさせる舞を舞うリジェネレーター。
 何かを幻惑する様なその舞を見せぬよう、ソシアが紫織を、レナが煉司を、鏡花をミラが庇っている。
 レナ達の全身を脱力感と激しい眠気が襲う。
 無感情に舞っているにも関わらず、蠱惑的な魅力を感じさせられ、其の誘惑に思わず屈してしまいそうになるが、ソシアやミラの生み出した結界がその誘惑を退ける。
「さながら、『舞闘士』と言った所でしょうか」
 レナが呟きながら地面に守護星座を描き上げソシア達を守る結界を生み出した。
「私だって護られてばかりいるのは嫌ですから」
 舞に酔いながら、右下腹部を中心とした白い聖文様を身体に浮かべて集中したソシアが浮遊する光の盾を展開、初撃から煉司を守ったレナを回復。
(「感情の籠らぬ、其れでも柔らかな舞……」)
 その無感動さに鏡花は自分との相似を認めながら、軽く首を横に振る。
 ――それは、虚無。
 自らがその裡に秘めている激情とは以て異なるもの。
 思いながら鏡花が煉司の反対側に回り込んで轟竜砲。
 撃ち出された弾丸がリジェネレーターを射抜き、煉司が卓越した技量で放った【縛霊手】を嵌めた手による手刀でリジェネレーターを貫いた。
(「今回はタイムラグ無しかぁ……。俺の時より優しいなぁ……」)
 自らの宿敵、プラグGIRLとの戦いの時を思い出し何処か遠い眼差しになりながら守人が一気に肉薄、リジェネレーターを掴み込んで地面へと叩きつける。
 背中から地面に叩きつけられたリジェネレーターの懐に那岐が飛び込み白鷲の銃口からエネルギー光線を放射するが、ほんの少しだけ切なく悲しい思いが、那岐の胸を過った。
(「私も、神に奉じる舞を捧げる舞い手ですけれど。でも……あなたの舞は、ただ人を害するものでしかないのですね」)
 舞は神に奉じられると共に、其れを見る人々の心に何某かの思いを抱かせるもの。
「人を魅了する舞は私も目指す所ですが……死に繋がる戦舞なら、同じ舞い手として止めさせて頂きます」
「舞とか知らないが、とりあえず貴様が気持ち悪い!」
 那岐の呟きに合わせる様に優が飛び出し、理力を纏った回し蹴りでその胸を強打。
 優の一撃にぐらりと傾ぐリジェネレーターに紫織がメディックとしての役割をより効率的に果たす為、小型化、軽量化したM・ディフェンサーの主砲を一斉発射。
 リジェネレーターがその攻撃に撃ち抜かれる間に、ミラがレナ達を守るべく清浄なる風を再び生み出しその傷を癒す。
「貴様達如きに早々倒される我ではない。我が目的のために、貴様達を排除させて貰う」
 呟きながら、再び胸の金の文様から七色に輝く光線を放つ。
 舞を阻害するべく踊る様にリジェネレーターの周りに張り付いていた那岐を狙ったその攻撃は、ソシアが庇ってその攻撃を防ぎ、紫織が手から淡く紫に輝く光を彼女へと放つ。
「悪性以上除去波動構築……完了。『手当て』を開始します」
 紫織による癒しを受けたソシアの傷が一気に塞がり、リジェネレーターが何かを訴えかけるかの様にひらりと衣服の裾を翻した。


 ――暫くの時間が経って。
 リジェネレーターとの戦いは、那岐達ケルベロス有利に進んでいた。
 鏡花達の連携を軸とした攻防一体の陣形、足止めを始めとした各種バッドステータス、 其れを拡大する為の守人と優のシャドウリッパ―及び鏡花のアイスエイジインパクトを軸とした高速の連撃、そしてリジェネレーターの舞に対する対策……それらの作戦が功を奏し、リジェネレーターを確実に追いつめていたからだ。
「それにしても、その舞で、人を惑わす、ダモクレス……? 煉司さん、貴方は、彼女について、何か知っているのですか?」
 雷光の如き速さで肉薄した鏡花がドラゴニックハンマーでリジェネレーターの進化の可能性そのものを凍結させる。
 体の一部が凍てつき、それが氷柱となってリジェネレーターを貫く様を見つめながら、煉司が卓越した技量で放った手刀でリジェネレーターの身を更に抉り、氷傷をさらに拡大させながら答える。
「噂なんだけれどな。失伝者の失踪事件を真似事をする連中の話を聞いていてな。そいつについて調査をしていたんだが……その調査をしていた俺が邪魔になって襲って来たんじゃないかってな。しかも、そいつらは失われたデウスエクス種族の復活を目論んでいるだの、尾ひれまでついてやがったが」
「その噂を追っていたあなたが邪魔になって殺しに来たということですか。あり得ない話ではありませんね」
 紫織が同感とばかりに頷きを返しながら、Baculum fulgurに還元した魔力を紫電の結界へと変じさせて守人達を守る結界を構築する。
 ヒラリ、ヒラリと全てを誘惑し同士討ちの世界へと誘う舞を舞おうとするリジェネレーターだったが、零距離でぴったりと張り付いていた那岐がフロストレーザーでその身を射抜いてリジェネレーターの全身を凍てつかせ、リジェネレーターのステップを阻害。
「貴女の舞は美しいです。ですが……これだけ攻撃を受ければ、流石に乱れが生じ始めるようですね」
 それでもひらりと滑らかに全身を動かし舞い切ったリジェネレーターからの誘惑から、那岐をレナが、守人をソシアが庇い、更に幾重にもかけられた紫と銀の結界達が其の誘惑に抗う力を与えてくれる。
「絶対に逃がさない、どう動こうと斬り刻む」
 紫織に回復を任せたレナが告げながら黒き魔翼の意匠が彫られた黒鋼の細剣の刀身に真紅のオーラを這わせた愛剣に朱色の呪詛を纏わせ唐竹割に放つ。
 その動作と共に大気が振動し、大地が割れ、真紅の衝撃波が放たれ、リジェネレーターを斬り刻むと同時に。
「損傷度拡大。これより回復行動に移る」
 無機質にそう告げながら、パサリ、と衣服を翻すリジェネレーター。
 同時にその全身に淡い緑色のオーラを纏い、その傷を見る見るうちに癒していく。
 ――刹那。
「はぁ……」
 守人が小さく溜息を一つ。
 その溜息と同時に守人の周囲に纏われていた空気ががらりと変わる。
(「……嵐の前の静けさ、と言う感じですね」)
 ミラの風による治療を受けながら、ソシアは微かに息を呑む。
 それまでは何処か飄々としていて気さくな調子で特に年下の鏡花や優に声を掛けつつ戦友の紫織に回復を託し、殺気と剣気をこれまで一切漏らしていなかった守人。
 だが……。
「譲れない目的とか知らねぇけどさ、今更……もぅ動くな!!!」
 ずっと抑えていた戦場の空気全てが凍てつかんばかりの殺気を一気に開放して威圧の刃と化させて叩きつける。
 常人には決して耐えることの出来ない程の殺気により形成された刃の直撃を受け、リジェネレーターが足を竦めて全身を怯ませる。
「優くん!」
「ゔるぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 直ぐに飄々とした態度に戻りつつ鋭く守人に呼びかけられた優が刃を擦り合わせながら、リジェネレーターの背後に回り込み、透明な刀身を持つ我零刀『織心』を上段から振り下ろし、更に、喰霊刀『暗牙』を下段から撥ね上げる。
 『織心』に袈裟に斬り裂かれ、『暗牙』に下段から斬り上げられたリジェネレーターの全身に凄まじい勢いで氷が回り、更に全身を痺れさせたか身動きを一時的に取れなくなるリジェネレーター。
「さて披露するは我が戦舞の一つ。風よ、斬り裂け!!」
 その隙を見逃さず、那岐が両端にシトリンが入った髪留め用の紐を風に靡かせながら神に奉ずる戦舞を舞う。
 リジェネレーターと同じ、戦の舞。
 されどそれは霊地を守護する源家の一族の次期当主として、舞い手として研鑽を積み人々を守る為の剣となる舞。
 かの舞より那岐が生み出すは『藍色の風』と無数の刃。
 放たれた其れがリジェネレーターをズタズタに斬り裂き、彼女を大きくよろめかせる。
「今です」
 神楽舞の一つを舞い終えた那岐に答える様に、ソシアが星座の重力をゾディアックソードに宿して袈裟に斬り裂き、ミラが接近して優の斬撃により生まれていた装甲の割れ目をその爪で引っ掻いてその傷を拡げ、紫織がフォートレスキャノンでリジェネレーターを撃ち抜いた。
「煉司さん、決着は自らの手で付けたいですか?」
「出来ればな」
「分かりました。でしたら……これで行きます」
 鏡花がそう頷き返し、自らのガジェットを蹴撃形態へと変形させて足に取りつけてグラビティを充填。
『gravity charging……complete!』
 格闘プログラムの電子音に一つ頷き、一瞬でその懐に潜り込む。
「――ライトニング、スマッシュ」
 放たれた雷光を纏った飛び膝蹴りがリジェネレーターの顎をぶち抜き、全身を痺れさせた。
「後はよろしくお願いします。煉司さん」
「ああ、分かってるぜ」
 告げる鏡花に頷き、煉司が間合いを詰めるべく走る。
「……今度はてめぇが追い回される番だ。どこまでも追ってくぜ。……俺の妖刀がな」
 手を挙げながら自らの中で抑制していた呪詛を一斉解放。
 同時に自在に飛翔する数多の剣を周囲に展開。
「幻刀招来。――呪縛、解放」
 振り上げた手をすさまじい速さで振り下ろし、思考で呪詛を操る。
 驟雨の如く降り注ぐ刃の内の一本がリジェネレーターを貫き、更に無数の刃がそれに引き寄せられる様に次々にリジェネレーターに襲来させ串刺しにした。
「……損傷率……90%を突破……行動……不能」
 全身を串刺しにされたリジェネレーターが小さく呟き、遂にその場に崩れ落ちる。
「さようなら。敵ながら、貴女の舞は見事な物でしたよ」
 それは、完全に機能を停止する直前、那岐が告げたリジェネレーターへの手向けの言葉。
 それが、彼女に何を思わせたのかを知る者は、誰もいない……。


「すまねぇ。一人じゃどうしようもなかった。……駆けつけくれた時な。正直ホッとしたぜ」
「いえいえ~。無事に助けられて、何よりですよぉ♪」
 煉司の挨拶に紫織が笑顔を浮かべて軽く頷く。
「まっ、無事で何よりだぜ」
「ええ、そうですね。助けられて、何よりです」
 守人とレナの言葉に、静かに煉司が頷く。
「……無事?」
 改めて確認する様に問いかける優。
 その問いかけを聞き、煉司は軽く頭を振った。
 ――……いや、そうだ。
「すまねぇ、じゃねぇな。ありがとよ。助かった」
 煉司の返事を聞いた優は何も答えずに背を向けてその場を立ち去る。
 面と向かって礼を言われるのは、どうも面映ゆくて仕方ない。
(「……まだ、人と触れ合うのは不慣れそうだね」)
 自身の行動にそんな感想を抱きながら、優がその場を後にする。
「一応、後片付け位はしておきましょうか」
 確認する様に問いかける鏡花に、ソシアがそうですね、と小さく頷き返した。
 そして、壊れた建造物などの修理、戦闘不能者は出なかったが、其れでも出た怪我人の手当てを一通り終えたところで……ソシア達も又、その場を後にした。

作者:長野聖夜 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年8月1日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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