良縁を招いて結ぶ水引アクセ

作者:質種剰


「皆さんは、『水引細工』をご存じでしょうか?」
 小檻・かけら(麺ヘリオライダー・en0031)が楽しそうに説明を始める。
「その名が示す通り、水引を結んでお花や蝶、ハートなど様々なモチーフを形作る手芸の事であります。アクセサリーやストラップなど色んな小物に使われていまして、最近人気なのでありますよ♪」
 水引と言えばご祝儀袋に使われている紅白や金白などを思い浮かべるが、水引細工は様式にとらわれず好きな色彩の水引を結んで、自由な発想で創作できるという。
「京都にそんな水引細工の専門店がありまして、今度ワークショップを開催するのであります。宜しければ、皆さんも一緒に行きませんか……?」
 にこにこと笑顔で提案するかけら。
「梅や桜を模した髪飾りに指輪、帯留め、箸置き……他にも可愛らしい巾着や鯛や獅子舞のオブジェなどがありますよ~♪」
 更には、自身で様々なワイヤーを厳選、水引小物を手作りする事もできるらしい。
「基本的な結び方はお店の方がマニュアル本を用意して下さっているので、そこから定番のモチーフを作るも良し、新たなモチーフを生み出すも良しであります♪」
 買い物が好きなら様々な水引細工を見て回って購入する、手先の器用さに自信があるなら水引細工に挑戦するのがお薦めだ。
「それでは、皆さんのご参加を楽しみにお待ちしてるでありますよ♪ かけらも何か自作してみようかと考えてるであります~」
 注意事項は未成年者の飲酒喫煙の禁止。それだけである。


■リプレイ


「見て見て、鞠緒さん! 私達のテーマカラーな虹色です!」
 と、虹色のグラデーションに染まった水引の束を広げるロゼは、相変わらず元気いっぱいな様子。
 鞠緒の虹の翼とロゼの虹の薔薇——虹色は2人のシンボルカラーだという。
「はい、こういった工作は得意だからきっと大丈夫です!」
 頷く鞠緒は、真剣な面持ちで本と睨めっこしながら、彼女のイメージらしい水色の牡丹を作っていた。
「可愛いブレスレット、作っちゃいましょ! 紐で花が咲かせられるなんて不思議なのです!」
 ロゼも桃色の薔薇の花びらをを懸命に編もうとしていたが。
「……あら?」
 ふと鞠緒が彼女の手元を見やると、自分の美しく均整のとれた牡丹と違い、例えるなら崩れたヒトデのような物体が生み出されていた。
「もし良かったらここはわたしに任せてください」
 とうとう見かねて鞠緒が代わりに薔薇作りを引き受ければ、すぐに形も綺麗に整えられる。
(「しょんぼりしちゃったかしら」)
「すごい、魔法みたい……!」
 しょもんとしていたロゼだが、修復された桃薔薇の出来の良さに、瞳をきらきらさせた。
「ね、その代わりわたしの鎖部分はロゼさんに作っていただけたら嬉しいです!」
「え! 私が鞠緒さんのを……」
「虹色の水引きを編みこんで、わたしたちをつなぐ輪を二人で一緒に作りましょう♪」
「私達を繋ぐ輪……素敵! 頑張って作ります!」
 その後もロゼがドキドキしながら紐を引くのへ合わせて鞠緒も丁寧に作業を進め、
「……中々! よく出来ました!」
 色鮮やかなブレスレットを完成させた。
「2人で作れるって、嬉しい!」

「今回わざわざお誘いありがとう彼者誰君。依頼のご縁とは言え、嬉しく思うよ」
「こちらこそ呼びかけに応じてくれてありがとう、秦野君」
 清嗣と落暉は同じ作業台に向かい合って、仲良く水引細工に取り組んでいた。
「LGBTに理解のある方が多いとはいえ、同じ趣向の持ち主、特に同い年となると殆どいない。そんな中マイノリティを排除せんとするビルシャナ依頼で縁ができ、こうして深められる事は奇跡に等しい」
「なるほど、まだ同じマイノリティの友人も居ないしね。こうやって知り合えたことは稀有なんだろう……それにしても意味深な」
 2人の邂逅についての見解を滔々と語る落暉へ、清嗣は自然と笑いが洩れる。
「ああ、意味深かね? 勿論、縁を深められればと思っての事さ」
「なるほど。水引は祝いや結納などにも使ったりするが……今回のイベントの趣旨も合わせて良い縁を結べる事になるかね?」
 答えながら、水引で器用にペンダントヘッドを作る清嗣。
「初めてだから難しいけど楽しいねぇ」
 金銀浅黄や縹、青紫色の水引を彩り良く取り交ぜ、中へ水琴の鈴を入れるつもりで鞠を編んでいく。
「凄いな」
「彼者誰君は上手く行きそうかい」
「俺は何分、医療一筋でね。恥ずかしながら、工作や外を駆け巡って遊ぶと言った経験に乏しいんだ」
 清嗣の気遣いへ、正直に手芸が得意では無いと吐露する落暉。
「秦野君、良ければご教授頂けると嬉しいよ。出来れば日用品で使える物が良いのだが……どうだい、頼めるかい」
 そんな落暉の希望通りに、清嗣は桔梗の色味がシックな箸置きを作ってあげたのだった。

「水引細工ですか、手先の業を磨いて損はありません。私も作らせてもらいましょう」
 織櫻は紫と黒のワイヤーに金を少し混ぜて、大輪の薔薇の形に結んでいく。
 更に、小さな金のあわじ玉を編んで薔薇に添えるつもりのようだ。
(「ヴァルターは派手好みかつ本人の容姿も派手ですからね、控えめな物では霞んでしまいます。派手にしましょう」)
 そう織櫻が意気込む傍ら、ベリザリオもまた、織櫻へ贈る水引細工を作っていた。
(「織櫻が持っている装飾品は、実用品か戦装束ぐらいだからな」)
 もっと普段から彼にオシャレをさせたい着飾らせたい、との思惑があるからだ。
(「織櫻はツンツンして見えて義理堅い。手作りなら無下にできまい」)
 そんな打算も踏まえてベリザリオが作るのは、蝶の形をした髪飾り。
 藍色を基調に少し薄めの色を加えたグラデーションで、アクセントに銀を一~二本。
 本数も編み込みも控えめに、フレームのみのシルエットがクールでシンプルな蝶の完成だ。
 髪を括って挿すもよし、耳の脇に飾るもよし。
「髪が長いからアレンジの幅が広くていいな」
「……ヴァルター、人の頭の上で何をしているのですか」
 完成品を早速飾ろうとするベリザリオを見咎める織櫻だが。
「私に髪飾りを? 何故お互いに思考が被るのでしょうか」
 すぐに表情が軟化して、手の中の薔薇を差し出す。
「どうぞ、あなたの飾りです。髪にでも角にでも着けて下さい」
「うん? 私に作ってたのか! お前は私を喜ばせるのが上手いな! ありがとう!」
 よし、今度髪飾りに合わせた装いをして出掛けよう——そう誘いをかけるベリザリオは心底喜んでいた。

「誕生日おめでとう。ハンクラとかワークショップとか聞いたら動かずにはいられんかったよ」
「ありがとござます。心ゆくまでお楽しみくださいませ」
 元々吉祥結びの心得があるという瑞樹は、花や植物モチーフの結び方を一通り覚えて帰りたいとやる気満々。
「特に紅葉や桔梗、秋の植物は結構好きだ」
 梅結び、あわじ結びの応用や石菖結びの発展形を使った秋の草花モチーフの結び方をマスターすべく、真剣に作業台と向かい合っていた。
 ちなみに完成品は一応持ち帰る予定だが、その使い道となると全くの未定らしい。
「アクセとか小物とかメンズだと身に着ける時点で難しいし、あげる相手も売るほどの技術も今のとこないしなぁ」

「結びの魔法、だね……華やか」
 煌介は、暫く展示品の数々に見惚れていたが、いざ自分で作るにあたって、純白と金色のワイヤーを選ぶのも忘れない。
「本当、華やかですね」
 そう相槌を打つのは恋人のメイセン。
「煌介、貴方の好きな月の色って何色ですか?」
「どんな月も好きだけど……今は銀色の気分、かな」
 煌介の答えに合わせ、メイセンは月に見立てた銀の水引を球状になるよう通していく。
 加えて、星の形や小さな青い小花の形をした水引細工も飽きずに作り上げた。
 何せ恋人たる煌介へ贈る為のものだから、その表情は真剣で。
 そんなメイセンがまた、いつにもまして愛しいと密かに思う煌介。
(「君との絆が離れぬように」)
 想いを籠めてあわじ玉を固く結ぶ傍ら、それが決して呪縛にはならぬようお互いが自由で在れるようにと、末広がりに紐の流れる吉祥結びを繋げていた。
 彼女の邪魔をしないよう静かに作っていたのだが、ふと面を上げたメイセンと視線が合う。
 煌介がふわりと微笑む反面、思わず照れて視線を細工に戻すメイセンが微笑ましい。
 ともあれ、メイセンは長細いヘアクリップに銀月と金の星飾りを並べ、下に青い小花を吊るして完成。
「煌介、これを貴方に。夏の装いに合うよう、髪飾りや帯飾りにと作りました」
「有難う……とても、綺麗……」
 大切そうにThe summer moonlitを押し抱く煌介。
「俺も、メイセンに。君を想いながら、結んだよ」
「ありがとうございます。煌介の作品も繊細で美しいですね」
 メイセンも凛然佳花を受け取り、嬉しさと照れを滲ませつつも控えめに微笑んだ。

「んー……ブレスレットを作ろうかしらね」
 碧は、薔薇をワンポイントにしたシンプルなブレスレットを作成中。
「難しいけどやり始めると楽しいわね」
 単調な作業も苦にならないのか、時たまの失敗にもめげず、赤と水色、2つの薔薇をそれぞれ据えたブレスレットを仕上げていく碧。
 一方。
「意外と簡単で楽しいなこれ。うん、もう少し複雑に出来そうだな」
 ミツキは生来手先が器用らしく、金色に白の2色を使い分けて胴体を早々に編み上げてからは、尻尾に手間をかけて工夫を凝らしていた。
 どうやら狐を模したストラップを作るつもりのようだ。
「あっ、そうだ。せっかくだしかけらにも作ろうか」
 と、追加で小檻の分を水色のワイヤーで編み始めるミツキ。
 真剣な面持ちながら、苦もなく2つめに取りかかれるだけ、碧もミツキも心から水引細工を楽しんでいるのだろう。
「こっちの赤いのはミツキくんにあげるわね」
「おう。ありがとな碧」
 ミツキは早速碧お手製のブレスレットを左手に嵌める。
 真っ赤な薔薇の水引細工が、彼の着ている巫女服の襟や袴によく馴染んでいた。
「俺からはこれだ。よかったら使ってくれ」
「可愛いわね、ありがとうミツキくん」
 金色の狐ストラップは、碧のスマホに着けられてゆらゆら尾を振っている。
「水色の方はかけらさんへの誕生日プレゼントとして作ってみたのだけれど、よかったら受け取ってもらえるかしら?」
「誕生日おめでとな、かけら」
 2人から誕生日を祝っていただけて、小檻が礼を言う。
「ありがとござます植田殿、ミツキ殿。綺麗な薔薇に狐さん、嬉しい♪」

「それにしても……人がおおい。一の市でもあるのかな?」
 こてんと首を傾げて、隣を歩く笙月へ尋ねるのは魅羽。
 可愛らしい浴衣に袖を通し、片手には金魚の巾着袋を提げ、もう片方ではぐれないように笙月の手をしっかり握っていた。
「そうさなぁ……魅羽には可愛らしいモノがよいかもざんしな」
「う?」
 笙月は、帯やら髪飾りやら魅羽に似合いそうなものを色々見つけては、ぼけーっと見上げてくる彼女へ一つ一つあてがって悦に入っている。
 道中、薦められるままに小さな梅の花を模した水引の帯留めを作るのも器用なものだ。
 魅羽を可愛い水引細工で程良く飾り立てた後は、自分用に梅と桜、紅葉に蝶をそれぞれ組み合わせた簪を編み始める笙月。
 ふと、目の端に知り合いを捉えるや、作業の手を止めて声をかけた。
「おお、かけらちゃんはお誕生日おめでとうささんすな♪」
「あら、お祝いありがとござます椏古鵺殿〜」
「可愛らしいお誘いありがとうざんしヨ」
 いえいえこちらこそお越しいただき——言いさして小檻が控えめな視線を向ける。
「そちらのお方は?」
「ん? この子は私の娘でござうんす……ほれ、挨拶しなんせや」
「み、魅羽ですの! よろしくおねがいしますわ」
 魅羽も父親に促され、慌てて挨拶をした。
「小檻と申します。こちらこそ宜しくお願いいたしますね」
「ぁあ……そうざんし」
 笙月はちょいちょいと小檻を手招きし、自作の水引髪飾りを髪に挿してあげた。
 翠の髪に白い彼岸花が咲く。
「試作に作ったものでありんしが」
「まぁ可愛い、ありがとござます~鰹縞の蹴出しにぴったり」

「かけら……誕生日おめでとう……」
 セイヤが手渡した袋の中には、ヘリオン石英にちなんだ、水晶のペンダントが入っている。
「まぁ、大したものじゃないが、受け取ってくれ……」
「ありがとござます〜」
 小檻が嬉しそうにペンダントを首にかける。
「かけら、お誕生日おめでとう……」
 リーナは、何やら黒焦げの物体が乗った皿を小檻へ差し出し、珍しく微笑んだ。
「わたしがにいさんの目を盗んで焼いたケーキ、だよ……」
「あ、ありがとござます」
 彼女の料理の腕は小檻もよく知っている。
 本人へ丁重にお礼を述べる反面、ジロリとセイヤを睨まずにいられない。
「しかし、去年の誕生日とギャップの差に若干驚くな……去年がインパクト強すぎたが……」
 セイヤは目を逸らして話を誤魔化す。
「てっきり去年を超えるイベントがあるものとばかり……ゲフンゲフン」
 ともあれ、水引細工に励む2人。
「ん……水引って、御祝儀袋についてるくらいで馴染みなかったけど……色々できるん、だね……」
 リーナは笹舟さんをモチーフに、緑の水引で蝶のブローチを作る。
「ふむ、水引細工も面白いな……」
 一方、妹へ天使の羽モチーフ、小檻へは花菱さんをモチーフに猫の顔の髪飾りを作るのはセイヤだ。
「ん、そうだ……かけら、今度、ちょっと大変な仕事に行ってくるけど……無事戻って来る事ができたら、みんなで遊びに行こう……?」
 リーナは、水引で作った蝶を小檻へ渡すべく振り向いて、目を丸くした。
「かけら……?」
「あぁ……倒れたか……」
 黒焦げケーキを律儀に食べていた小檻は、半分ぐらい腹に収めた所で腹痛を起こしていたのだった。

「あら、このかんざし可愛い! この帯留めもいいわねぇ……」
 ビハインドの葉介を伴って、気ままにお買い物を楽しむのは梢子。
「わあ、あの獅子舞の飾りすごいわ!」
 色鮮やかで繊細な水引細工に魅せられて、あちこち目移りするのは女のサガ。
「うそ! 財布に数百円しかないじゃない!」
 しかし日頃の散財のせいで、残念ながら、目についた物を片っ端から購入というセレブ買いの実践には至らない。
「あら、葉介は……?」
 気づけば葉介の姿が無い。
「もう、私から離れないでよ」
 ようやく再会した時、スッと差し出されたのは水引細工の梅の髪飾り。
「これ作ってたの……? 葉介、こういう細かい作業は好きだったものね」
 ありがとう、でも根詰めたらまた——梢子は髪飾りを受け取るや、まるで人間相手へするように彼の体調を気遣った。
「あぁ、また咳をして!」


「水引か……中々面白い代物よな」
 金の水引ばかりを大量に使って、何やらコロンとした長球になるよう結んでいるのはコクマ。
「動物でありますか?」
「ああ、之は周りを照らし道に迷わないという黄金の猪をまねた物よ」
 不思議そうに覗き込んでくる小檻へ説明する様はいつになく誇らしげだ。
「流石にそんな力はないが水引もまた縁起物という側面を持つ。ならばこういうお守りも良いだろう」
 そして、元々彼女の為に作っていたらしく、黄金の猪は小檻の手に渡る。
「何時もケルベロスを現場に届ける仕事をしている労いと誕生日プレゼントだ」
「ありがとコクマ殿、大切にします」
 微笑む小檻の胸へコクマはおもむろに顔を埋める。
「……癒される~……」
 圧迫された頭をすりすり揺らし、ほわぁと力の抜けた様子で柔肌を堪能——愉しそうで結構である。

「之が水引か……」
 フレックは水引細工に興味津々といった風情で挑戦。
「慣れてないからあまり凝ったものは作れないけど……折角おめでたいのなら……あたしの流儀で作ってみるか」
 と、本人は謙遜しているものの、日頃から料理に慣れ親しんでいて手先が器用な彼女だから、
「できたっ!」
 完成した水引細工は、水色の羽根を模したシャープなフォルムと細やかな編み込みが見事な逸品であった。
「何時もかけらにはヘリオンで戦地に送って貰ってるからね。そんなかけらを試練から守ってくれるかもよ?」
 こうした羽根ってやっぱりお守りになる事もあるのよ、と豊かな胸を張るフレック。
「ありがとフレック殿、カッコいい羽根ね♪」
「改めて……共に戦ってくれることに感謝と共に言わせて貰うわ。お誕生日おめでとう」

 手先の器用さを活かして、薔薇の花弁を綺麗に整えていくのは奏星。
「かけらさん、お誕生日おめでとうございます」
 更には、四葉のクローバーを模した水引の髪留めも作って小檻を喜ばせた。
「可愛い〜、ありがとござます奏星殿」
「花言葉は……言わなくてもいいでしょうか?」
 早速前髪につけてみる小檻を背後から抱き竦め、耳元で奏星が熱っぽく囁く。
 さっと小檻が顔色を変えた。
 四つ葉のクローバーの花言葉——私のものになって、を思い出したものか。
「私諦め悪いですし、本心ですから……好きです、かけらさん」
「花言葉に加えてそんな事言われたら、絆されそうになっちゃう」
 奏星の両手は小檻の胸や尻を揉みしだき、彼の告白のように内側まで侵入を許しそうな勢いだ。
「……体は許しても心までは……」
 必死に強がる声はか細く甘い。

「大好きなお姉ちゃんに、首に巻く素敵な水引アクセサリーをプレゼントするんだキュン!」
 ルイスが大好きと言った直後、思わず鼻で笑ったのを小檻は聞き逃さない。
 マリオンは机をパァンと叩きながら弟を追いかけていた。
「座れ! 着席しろ! 人の話をちゃんと聞け!」
「この辺にホームセンター無いですか?」
「何でアクセサリーの材料買うのに、ホームセンター行くんだよ! せめて手芸用品店に行きやがれ!」
「え、材料? ほらもっと太くて硬くて、麻とか布で出来ている……」
 息の合った姉弟漫才は相変わらずで、首に巻いてキュッとするポーズを取るルイス。
「それ、ロープだろ! 首に巻くアクセサリーって、首括らせる気か!」
 マリオンの怒りが最高潮になるのもいつもの事だ。
「あらあら駄目よ~帝王の末路は盆栽だけで満足しなきゃ」
「貴方もよく覚えてますね!!? ほんと次から次へ良くもまぁ……」
「あ、かけらたんお誕生日おめでとー! 牛乳飲んでもおっぱい大きくならない事はそこの絶壁が証明済みだけど、遊びに来てね~」
「ルイスたんありがと、かけらも皆とお話ししたい♪」
「気付いてました? その絶壁、かけらたんの胸の圧が凄すぎて、話する時首から下に視線向けられないんすよ」
「ウォオオイ!? 人様のバースデーで反応に困る情報晒すのやめろぉおお!」
「ふっ、女は女に嫉妬されて綺麗になるのよね」
「全然反応に困ってねえな!? 別に羨ましくなんてないですぅうう!」
 もはや弟の足をおもっくそ踏んづけるしか出来ないマリオン。
「お誕生日おめでとうございますぅうう! これからも宜しくしてくださいねぇええ!」

作者:質種剰 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月12日
難度:易しい
参加:21人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 5/キャラが大事にされていた 4
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