熊本城ドラゴン決戦~扱いうる運命の鎖輪

作者:ほむらもやし

●予知
 街は停電していて、灯りはひとつも無く、赤黒い夕闇に沈みつつあった。
 切れた電線は、時折、光を弾き、建物に突き刺さった車からは、煙が上がっている。
 遙か地平の方で何かが煌めく。
 一見、遠くの雷か何か自然現象に感じられたけれど、思慮深い者は、すぐに何であるかに感づいた。
「……拙いな、あれ、止められるのか?」
「やるしかあるまい」
 次の瞬間には、それらは、近くを飛びぬけて、未だ原型を留めていた熊本城へ突っ込んで行った。
 煌めく閃光、爆発、膨れあがる火球に飲まれた熊本城は破壊される。火球を破って姿を見せたのは、形容しがたい気配を纏った、球体を握る台座の如きの何か。
 不吉な色の空を飛び回るドラゴンの影が通り過ぎて行く。
 何か、理解を超える、恐ろしいことが起ころうとしていた。

●緊急の依頼
「ドラゴン勢力による熊本攻撃の第一陣は退けられた。しかし、竜十字島から出撃したと言われていた第二陣、新たなドラゴンの軍団が間も無く襲来する」
 依然、熊本が置かれた危機的な状況は変わらないと、ケンジ・サルヴァトーレ(シャドウエルフのヘリオライダー・en0076)は、告げた。
「敵の狙いは、熊本城に封じられた、魔竜王の遺産の奪取。現在、封印は保たれているが、第二陣では、『侵空竜エオスポロス』軍団による自爆攻撃で、封印をこじ開けて、覇空竜アストライオスら配下の四竜による儀式で、南十字島への魔竜王の遺産の転送を目論んでいる。従って、今すぐ熊本に向かい、諸君にも、防衛戦に参加して貰いたい」
 遺産の転送を許せば、ドラゴン勢力は大きな力を手にすることとなり、その野望の阻止が極めて困難になる。
「まず、来襲する『侵空竜エオスポロス』の内、一体の撃破を目指して下さい。戦闘については、素早い機動と鋭い斬撃、電撃のブレスを得意とする。来襲から自爆までの猶予は12分。自爆により封印解除に必要なグラビティ・チェインを放出するから、時間内に撃破を目指して下さい」
 なお、撃破出来ず、自爆を許したとしても、大きなダメージさえ、与えられていれば、放出されるグラビティ・チェインは減少する。
「それから、覇空竜アストライオスと四竜にも対応して下さい。覇空竜アストライオスはエオスポロスらによる封印解除が失敗した場合でも、随伴の四竜を犠牲にして転送儀式を完了させる能力がある。だから、エオスポロスを倒しても、四竜の内の一体は撃破しないと、転送儀式を阻止出来ない」
 但し侵空竜エオスポロス軍団を突破しなければ、覇空竜アストライオスと四竜には、触れることはおろか、攻撃を掛けることも出来ない。
「そこで飛行可能なケルベロスの一部にアストライオスと四竜への奇襲攻撃をお願いすると決定した、出来れば、諸君の中からも、1名は志願して欲しい」
 極めて危険なお願いとなるが、この危機を救いうるのは、あなたのように純真で、気力溢れる、若い者だけだ。
「予知によると、アストライオスと配下の四竜の連携能力は高い。四竜はアストライオスの護衛を優先する傾向がある。——以上だ。成功を祈る」


参加者
シエナ・ジャルディニエ(攻性植物を愛する人形娘・e00858)
キサナ・ドゥ(カースシンガー・e01283)
江田島・武蔵(人修羅・e01739)
葛城・唯奈(銃弾と共に舞う・e02093)
クーデリカ・ベルレイム(白炎に彩られし小花・e02310)
アウラ・シーノ(忘却の巫術士・e05207)
タクティ・ハーロット(重力喰尽晶龍・e06699)
ステラ・ハート(ニンファエア・e11757)

■リプレイ

●弱者の策
 奴らは、その存在を隠そうともせず、巨大な嵐のように突っ込んで来る。
 まともにぶつかれば、最初の一撃で壊滅を免れないであろう程の力に、空気が張り詰める。
「最初が大事です。絶対に先手を取りましょう!!」
 無駄のない動作で指先にカードを挟んだ、アウラ・シーノ(忘却の巫術士・e05207)が警告を飛ばす刹那に、ブレスの煌めきが見える。先制の目論見が崩れる。
「来ます! 衝撃に備え――」
 輝きに包まれた、前衛の3人とミミックの体表で破壊をもたらす雷光が爆ぜる。衝撃は強烈な先制ダメージと共に全身を巡る血管や神経を導火線の如くにして正常な感覚をも奪い去って行く。
 侵空竜エオスポロスの迎撃に参じたケルベロスは300人以上。42のチームに分かれて作戦に当たっているが、もはや目の前の1体の対応に手一杯で、他のチームがどうなったか、周りを気にする余裕など無い。
 キサナ・ドゥ(カースシンガー・e01283)の口ずさむ、奇跡のブレスソングが、即座に江田島・武蔵(人修羅・e01739)の傷を和らげることができたのは僥倖だった。
 選択と集中。全てを守ろうとすれば、何も成し遂げられない。
(「オレたちは何でもできるな何でもなれる魔法少女とは違うんだ」)
 タクティ・ハーロット(重力喰尽晶龍・e06699)は左腕の、ligulaを砲撃形態と変える。慣れ親しんだ武器は威力で劣る面もあるが、安定した動作で竜砲弾を放ち、砲弾は緩やかなカーブを描いて飛翔して吸い込まれるように命中して爆発した。爆炎に包まれ揺らぐ巨翼が迫るミミックを払い飛ばすが、機を合わせるように、葛城・唯奈(銃弾と共に舞う・e02093)が放った銃弾が巨大な尾に突き刺さって鱗の破片を散らした。
「ヴィオロンテ! 激励お願いしますの!」
 シエナ・ジャルディニエ(攻性植物を愛する人形娘・e00858)の叫びに導かれて、大顎を形成した攻性植物が耳をつんざく咆吼をあげる。
 その響きに背中を押された、クーデリカ・ベルレイム(白炎に彩られし小花・e02310)は、考える間も入れずに、呪いを秘めた白い炎を放つ。
「……白炎解放、縛めの呪いを焼き付けよ」
 解き放たれた白炎は楔の様に巨体に突き刺さり、体内に侵入した縛め呪いがその俊敏な動きを鈍らせる。
 ボクスドラゴン『ラジンシーガン』の支援を得た、アウラが、好機を逃さずに禁縄禁縛呪を発動、エオスポロスを包めるほどに巨大化させた御業で、巨体を握りしめる。
 殴り合いをしている隙に離脱して、敵本陣を目指せ。
 それが命懸けのお膳立てであることを、ステラ・ハート(ニンファエア・e11757)は察知しながら、黄金の果実の輝きを後衛に向ける。何も言うまい。決意も覚悟も後になってからなら、望むままに脚色して思い出にできる。今、口にすれば死亡フラグになる。

●敵は分散させよ、我は集中せよ
 エオスポロスは小細工なしのノーガードで襲いかかってくる。
 防衛線を設定してもその気になりさえすれば、その強大な攻撃を誰にでも向けることができるのが現実だった。ただ、たった1人と1体のディフェンダーで、僅かな間でも食い止めたのは僥倖だった。
 過分な頑張りを見せたミミックも、アウラの目の前で粉砕される。
 2人分の攻撃を受けた続けた武蔵もまた、ヒールを重ねられてなお、消耗の色は隠しようが無く落ちるのは時間の問題だ。
「まだだ。ここからが面白くなるんだよ」
 スマートフォンに表示されるタイマーは4分台に入ったところ。
 唯奈は羽ばたく巨躯を見上げると、羽ばたきの風に乗るように後方に跳び、ポジショニングを発動する。
 近単の一撃は耐えようが無いだろうが、1手は稼げる。まだ纏めて薙ぎ払われる程ではないから、最低2回以上は攻撃できるはず。緻密に考えながら、ステラを送り出す間に向けて集中力を高める。
 全身の装甲に意識を巡らせて、タクティは光り輝くオウガ粒子を発散させる。それは刹那ダイヤモンドダストの如き煌めきで前衛を覆って、鮮烈なる超感覚の目覚めを促す。
 タクティとステラの突破の支援は重要な目標だが、多いダメージをエオスポロスに重ねて置くことも並列した重要目標だ。
 超感覚の目覚めに導かれ、アウラは鋭い腕の一振りから召喚した、フロスト・ランスナイト、氷属性の騎士型エネルギー体を差し向ける。その偉容はエオスポロスに並び立つほど、次の瞬間、莫大なダメージと共に解放された凍気が巨体を真白の霜で覆い尽くした。
(「遺憾ですが、弱点らしい弱点はありませんか……」)
 もしあれば、2人を送り出した後、撃破を狙う有力な一手になり得ただけに悔しかった。自身を含めた前衛は長くは持たないだろうことは、過去の経験から予測できるものだ。そしてそのエンディングを覆しうる奇跡も魔法も思いつかない。
 だからこそ、絶対に、2人は突破させなければ、ならない。
「いけます!」
 宙高く跳び上がった、クーデリカは空の霊力を込めた足先に、落下の勢いを重ねる。今までに重ねたバッドステータスを花開かせ、痛打とする明確な意思を持った一手は完璧なものに見えた。しかし、凍結したと思われたエオスポロスの巨体は、急加速と共にスラロームする戦車の如き挙動で、クーデリカの攻撃を避けた。
「Dur……、やすやすとはさせてもらえませんわ」
 間近で見れば押しつぶされそうな巨体に接近し、シエナはヴィオロンテを蔓触手形態へと変えさせる。次の瞬間、重なる蔦の奔流が噴き上がり、巨体の半身を地に縫い付ける。
「C'est une chance(今です)!」
 機を同じくして、ボクスドラゴンの支援を受けた、武蔵がボロボロの裾を翻しながら突っ込んで来る。突き出すのは斬霊刀「散椿」、雷の霊力を纏わせた刃先に樹枝状の光が煌めく。
「負けるもんかあ!」
 この程度で倒しきれる敵では無いことは分かっている。しかし一撃一撃に必殺の意思を込めなければ、ダメージを積み重ねることもおぼつかない。直後、武蔵の突き出した刀は深々と突き刺さる。
 隙あらば突破するという方針であったなら、今が突破の好機にかも知れないが、未だ5分経過の知らせは無く、先ほどのような、エオスポロスの急機動を目にすれば、早計に動くのも憚られた。そんな迷いを孕んだまま、撃ち放った時空凍結弾が空を切って彼方に飛び抜けた。
 直後、凄まじい咆哮と共に吐き出された雷のブレスが前衛3人の体力を削り取る。
 5分経過を告げるアラームが響く。
 勝負の時がやってきたと、唯奈はブレスに焼かれた身体に鞭打つように、弾丸を放った。
「変幻自在の“魔法の弾丸”……避けるのは、ちーっと骨だぜ?」
 軽い調子で言い放ち、銃を手にした腕先でクイッと操作する動きを見せれば、弾丸は意思を持ったかのように軌動を変えて、滑るような動きで回避する巨体の後を追った。
「どーん! だ」
 吸い寄せられるように弾丸は命中し巨躯の背中に傷を穿った。
 自身も突破を目指すタクティの心境は複雑だった。突破のために力を温存しつつも、囮となってでも、ステラを先に突破させたい。そして皆の助けになる様、エオスポロスにダメージも刻んで置きたい。
 タクティがドラゴニックパワーの噴射の加速と共に敵との距離を急速に詰めて行く。
「もう、そんな時間なのじゃな」
 できれば共に突破したいと思っていたが、今となっては叶わない、タクティが離れて行く様を見てステラは決意を察し、もはや自分一人でも突破するのだと腹をくくる。
 次の瞬間、タクティの一撃は強かに巨躯を打ち据えた。エオスポロスの巨大な瞳に、飛行中のタクティの姿が等身大に映り込んでいる様が見える。
「何をやっているのですか?!」
 怒号と共に突っ込んできた、クーデリカが限界まで高めた集中力からの高速斬撃を繰り出し、巨体の急所を深々と掻き切って、重ねられたバッドステータスを一挙に花開かせる。それと同時、シエナが圧縮して仕込んだ巨大エクトプラズムの霊弾が、敵の頭上に出現して、高速落下、ネバネバの粘液をそこかしこにまき散らした。
「C'est maintenant(今ですわ)!」
 ステラだけなら今すぐにでも突破させられる。その成功は、様子を窺い知ることはできないが、正に今、全力で戦っている、他チームのケルベロスたちと交わしたはずの約束、使命感を胸にアウラは禁縄禁縛呪を発動する。
 瞬間、膨張した御業は。エオスポロスの巨体をも包み込む、そして鷲掴んだ。
 刹那の静寂、ステラは機を逃さずに全力で羽根を上下させ、戦域を離脱、敵の本陣を目指す。
 数秒を待たずに極限まで膨張した御業は裂き破られて、荒ぶるエオスポロスが咆吼を轟かせる。
 目標のひとつは達した。
 しかし、もうひとり、そう敵に近づきすぎたタクティを送り出すため、武蔵は敵に肉薄する。
 キサナが何度も送ってくれた奇跡のブレスソングが頭の中でこだまして繰り返される。
「いままでありがとうございます。さあ、ゲーム再開ですよ」
 望んで死にたいとは思わないが、癒やしきれないダメージにライフの上限を削り取られた今、敵からの痛打を食らえば、ただでは済まないことぐらい分かる。
 だが、さほど強くも無いはずの自分を信頼し、命を預かる役割を任せてくれた仲間よりも、後に落ちることは、ディフェンダーとして、恥ずべきことのように感じられた。
 落ち着いた声色から一転、自らに注意を引きつけさせるように武蔵は吠えた。
 そして間近では壁にしか見えないエオスポロスの下腹部を前に踏み込み、そこに刻まれた一筋の傷を目掛けて空の霊力の宿した刃を突き刺して、力任せに振り下ろした。
 次の瞬間、着々と積み重ねられたバッドステータスが再び花を開かせて、巨体を震え上がらせた。
 その機を逃さずに、一気にタクティが敵の本陣を目指して離れて行く。
「手間がかかりましたね――」
 エオスポロスに与えたダメージは見た目ほどでは無かった。
 巨大な腕の一振りで武蔵は悲鳴を上げる間もなく、あっけなく崩れ落ちた。
 改めて見せつけられた力の差、だが、それを嘆く者は誰もいない。

●次なる道のため
 唯奈は感じていた。誰かが大きく間違っていたわけでもない。戦力が足りていなかったわけでもない。
 2人もを送り出せば、こうなることは誰もが予測していた。
 まだ時間はある。積み重ねたバッドステータスは戦いを有利にしてくれるはず。うまくやればきっと勝てるはずだ。きっとそうだ。
 唯奈は使い慣れたリボルバーではなく、アームドフォートの長砲身で狙い定め斉射する。威力は高いが命中精度に難があった為避けていたが、人が減った分は威力で補うしかない。耳をつんざく音と共に突き刺さった、主砲弾は強靭な鱗を突き破って体内で爆発し、莫大な破壊力で暴れまわった。
「この翡翠色の大地を、あなたにきっと教えてあげる。昼と、夜と、朝と、夕と、希望も心も未来も映す この無限の星の色を!!」
 キサナは声を張り上げる。今この場でいる者が繰り返し、ずっと耳にし続けていた歌声だ。今、目の前には瓦礫ばかりが広がっているけれど、それが癒され、やがては命溢れる、無限に広がる鮮やかな大地と戻ることを、確信させる響きである。
「見てられませんね。熱すぎるのは。……でも皆さんとなら出来ると信じたいです」
 片手で構え、慣れた手つきで狙い定める、クーデリカの長ライフルから放たれた凍結光線の青白の光が爆ぜて、エオスポロスの傷口に澄んだ氷の結晶を析出させる。氷は傷口を広げながら巨大化し、元から重ねられた冷気と結びついて、恐るべきダメージ発生装置を化した。
「Shoot(決めますわ)!」
 もう、誰も守ってはくれない。勝つためには攻めるしかない。キサナの歌声に鼓舞されたように、シエナはヴェイランテとともに駆け、その薄い身体には不釣り合いなチェーンソー剣をそびえ立つ壁の如き巨体を目がけて振り下ろし、振り上げて、さらに左右に薙いだ。
 刹那の静寂、ボクスドラゴンのブレスが続き、そこに満身の地獄を小さなカードに凝縮したアウラが死線を超ええて肉薄する。
「地獄よ。我、我が身を門として汝を引寄(ドロー)せん!」
 投げつけたカードは、態勢を崩しかけていたエオスポロスの皮膚から染み入るようにして体内へと侵入する。そして一拍の間をおいてから大爆発を起こす。
 爆炎が散った後には抉られた脇腹から鮮血を溢れさせる巨体が見えた。
 並みの敵ならこれで終わっていた。或いは座して死を待つだけの敵であったならこのまま押し切れただろう。
 身体中に刻まれた傷など意にも介さぬかのように、飛び上がると、殺気を纏った巨尾を、シエナとクーデリカを目がけて振り下ろす。一度ではない。重ねて振り下ろされる巨尾の斬撃は、付け焼刃の受け身の構えを取るぐらいしかとることの出来ない2人を容赦なく蹂躙して、まずシエナを戦いの舞台から脱落させた。
 唯奈の放った弾丸が跳弾を繰り返しながら敵の方に向かう中、キサナが魂を込めた歌声が、瀕死状態のクーデリカの背中を押す。
「……かまいませんよ、私はまだ戦えますから」
 もう戦いたくても戦えない、シエナと武蔵の方を見遣り、クーデリカは白炎の如き気を噴き上がらせた。
 どんなに癒されても、次がないことは理解している。ただそれは前に立つアウラや唯奈も同じだ。
 そして人数が少なくなると、時間の経過する感覚も違ってくるような感じもしたが……、逡巡の間も置かずに、クーデリカは繰り出した斬撃で敵の傷を斬り広げる。
「最期にはしません。最後まで全力を尽くします」
 一手でも多くダメージを与えさえすれば、重傷にさえならなければ、あるかもしれない次の戦いにつなげることができる。そういう意味で正しい負け方をするのは、損害を無視して勝ちだけを得ようとするよりも難しいことかも知れない。
 薙いだ惨殺ナイフが敵から啜り取る命に癒された直後、振り下ろされた巨大な爪の一撃に裂かれてアウラもまた瓦礫の中に倒れ伏した。
 変幻自在の弾丸が巨体を穿ち、敵の身体の中で魔力を放射する。魔力に苛まれながらもエオスポロスは己を奮い立たせるように前方を見据える。その顔面にクーデリカの放った凍結光線が直撃する。
「まだ、戦いは終わっていません」
 巨体がふわりと浮かび上がる。キサナの歌声が一層強く響き渡る中、唯奈もクーデリカも、そしてボクスドラゴン『ラジンシーガン』も、全力の回避起動をみせる。
 しかし巨大な爪は正確にクーデリカを引き裂いた。
 残された最後の機会に撃てる限りの主砲弾を放った唯奈を沈黙させると、傷だらけのエオスポロスは飛び征き、熊本城があった場所で自爆した。
 瓦礫の中に立ち尽くすキサナは、その様に歯がゆさを感じながらも、次なる戦いを予感して倒れた仲間に手を差し伸べる。

作者:ほむらもやし 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月7日
難度:難しい
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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