暑さ消し飛ぶ暴冷エアコン

作者:天木一

 雨足が弱くなり、少し雲が薄くなって明るくなるとむっと湿気のある暑苦しい空気が流れる。梅雨の時期特有の嫌な蒸し暑さに人ならば汗が流れるだろう。
 だがそこに居たのは一匹の小さな蜘蛛。それも機械で出来たダモクレスの蜘蛛だった。
 雨の降る中一軒の空き家に蜘蛛は入り込む。中はがらんどうとしていて殆どの物を処分されていた。だが残っている僅かな家電、古びた洗濯機や冷蔵庫を見て回り、やがて部屋の窓際で上を見上げる。そこには取り付けたまま放置されたエアコンがあった。蜘蛛は壁を上りエアコンの噴出し口から中に入り込む。するとドンッと爆発するように膨れ上がり、エアコンが巨大化していく。そのサイズが6mにもなると膨張が止まり、噴き出し口が動き出すと冷気が放たれる。
『ブォオーーーッ! 暑い日にはクールにエアコンを決める!』
 冷たい空気が蒸し暑かった部屋をすぐに冷やす。温度はどんどん下がり、やがて室内が凍り始めた。
『どんな暑さにも負けない。全てクールにしてやる!』
 冷気を放ちながら足元にスケート靴のブレードのような物を作り出してエアコンは動き出す。凍った壁を突き破り、外へと飛び出すと雨で濡れたアスファルトを凍らせながらその上を滑るように移動を始めた。向かうのは人の集まる駅前の方向だった。

「蒸し暑くなってきましたね。これから重宝する家電のエアコンがダモクレスとなって暴れるようです」
 落ち着いた様子でトリスタン・ブラッグ(ラスティウェッジ・e01246)が事件の発生をケルベロス達に告げた。
「放棄された家電がダモクレスとなり、人々を襲おうとしています。皆さんには被害が出る前にこれを迎撃し、撃破してもらいたいのです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が詳しい説明を始める。
「ダモクレスは巨大なエアコンの姿をとっています。普通のエアコンと同じように冷房を行うようですが、壊れているように温度が下がり続け周囲を凍結させて人を凍え死にさせるようです」
 夏だというのに凍結させて人々を殺害してしまう。
「出現場所は埼玉県の町です。避難は始まっていますが、人の多い場所なので完全ではありません。駅に通じる道路で敵を待ち構え、駅の方へは向かわせないように迎撃してください」
 暑がる人や気温の高い場所を優先して冷やそうとするようなので、簡単に誘導する事も出来るかもしれない。
「もう冷房が必要な時期になりましたね。ですが冷えすぎは逆に体に悪いものです。加減を知らないエアコンを破壊し、夏だというのに寒さに襲われる事が無いようにしてください」
 説明を終えたセリカは一礼し、ヘリオンへと向かう。
「そろそろエアコンが必要なのは確かですが、温度調整も出来ない不良品には用はありません。きっちりと破壊して粗大ゴミに出してあげましょう」
 トリスタンの言葉にケルベロス達も頷き、それぞれが準備に動き出した。


参加者
トリスタン・ブラッグ(ラスティウェッジ・e01246)
和泉・紫睡(紫水晶の棘・e01413)
ミルカ・アトリー(タイニーフォートレス・e04000)
竜峨・一刀(龍顔禅者・e07436)
伽羅楽・信倖(巌鷲の蒼鬼・e19015)
桜庭・萌花(キャンディギャル・e22767)
ユーディアリア・ローズナイト(宝石の戦乙女・e24651)
沫雪・ありす(泡沫の白・e62457)

■リプレイ

●雨上がりのエアコン
 降り続いていた雨が上がり雲から日差しが覗く。するとべたつくような湿気を帯びた空気が漂い汗が流れる。普段なら人の行き交う駅前だが、今は人々が離れ避難しているところだった。
「夏に暑いのは辛いですが、冷えすぎも問題ですね」
 ちょうどいい温度に出来ないものかとトリスタン・ブラッグ(ラスティウェッジ・e01246)は額の汗を拭い、逃げる人々に声をかけて混乱しないよう誘導する。
「皆さん、駅の方へ逃げてください」
 和泉・紫睡(紫水晶の棘・e01413)が避難する人々へ声をかけて方向を指差す。
「はーあっついなー。こんな炎天下の中待ってなきゃいけないなんて、ダモクレスでもエアコンが恋しくなっちゃう」
 汗を浮かべた桜庭・萌花(キャンディギャル・e22767)がパタパタと手で顔を仰ぐ。
「暑い時にくーらーって便利ですよね。ボクもお家ではお世話になってますです。なので、そんな便利な道具に悪いことをさせるのは絶対にダメなんです。がんばって被害を食い止めましょう!」
 道具を悪い事に使わせてはならないと、ユーディアリア・ローズナイト(宝石の戦乙女・e24651)は拳を握って気合を入れた。
「えっと……環境にも体にも悪そうね」
 エアコンが攻めてくるという事態に、沫雪・ありす(泡沫の白・e62457)はどう反応したものかと眉を寄せた。
「ほう、涼しげな風が吹いてきたわい」
 肌に冷たい空気を感じた竜峨・一刀(龍顔禅者・e07436)は視線を向ける。すると道の先に一台のエアコン。遠目からでも一目で分かる6mにもなる巨大なエアコンが地面を凍らせ、スケートをするように向かって来るところだった。
「まともな温度調節の出来ないエアコンなんて迷惑でしかないし、全然クールじゃないな!」
 敵と人々の間にミルカ・アトリー(タイニーフォートレス・e04000)が立ち塞がり一歩も通さないと気迫を見せる。
「この様子は季節が反転してしまったようだ。今の時期には除湿や冷房は有り難いが度が過ぎるのはいかん。我等がお相手しよう」
 伽羅楽・信倖(巌鷲の蒼鬼・e19015)が前に立ち、身の丈程もある片鎌槍に蒼い炎を灯した。

●クールクーラー
『ブォオーーーッ! 暑い日にはクールにエアコンを決める! みんなクール!』
 大きな送風口からゴォォと冷たい風が吹き抜け、まるで季節が冬になったように気温が下がる。
「暑い場所に寄ってくるのですよね? ボクの左腕、ぜんぶ地獄の炎ですけど、これも暑いになるんでしょうか?」
 ユーディアリアはロンググローブで隠した腕を少し見せる。そこには真っ黒い炎が燃え盛っていた。
『暑いー暑苦しいなー!』
 するとそれに気付いたエアコンが遠くから方向を変えて冷気を放ってきた。対するユーディアリアは手元のスイッチを押して背後に派手な爆発を起こし、カラフルな色合いが仲間達の士気を高めてゆく。
「今日は本当に暑いですねー」
 大きな声で紫睡が手で扇ぐようなジェスチャーをし、更に炎を放って周囲の気温を上げる。
『ならクールにしてやるぜ!』
 すると敵がこちらに方向を転換したところで紫睡は紫水晶を取り付けたロッドを掲げ、雷の壁を生み出して守りを固めた。そして横からライドキャリバーのクォーツは凍った地面を走り、いつもより勢いよくスピンしながら敵にぶつかった。
「とてもおっきなエアコンね。どんなものにも寿命はあるもの、捨てられちゃったのはかわいそうだけど、しかたないわ」
 大きなハンマーを砲へと変形させたありすは、砲弾をぶっ放して敵の足元に着弾させ爆発で氷を砕きスケートの滑りを止めさせた。そこへボクスドラゴンのグリはブレスを放ち装甲を削る。
「エアコンは氷が詰まると壊れるとか聞いたことがありますね」
 ならばと正面からトリスタンが殴りつけ、拳を食い込ませたところから凍結させる。
「暑い日のエアコンは欠かせぬものじゃが、それも過ぎれば毒となるか。悪いがここで消えてもらおう」
 正面から一刀は駆け、足から炎を撒き散らしながら跳躍し飛び蹴りを見舞った。渦巻く炎がエアコンの表面を焼く。
「てか、ねぇ、ここあっつくない? エアコン相手だから涼しいんじゃないかなーとか思ってたけど、やっぱ壊れてんじゃないの?」
 挑発するように声をかけながら竜の幻を生み出した萌花は、敵の眼前に炎を吐き出させて表面を焼き、周囲の凍結を溶かした。
『それはオレに対する挑戦だな!? クールに世界を染めてやるぜ!』
 凄まじい勢いで冷気が噴射し、周囲の建物もろ共ケルベロス達を凍結させていく。
「これじゃあエアコンというより冷凍庫じゃないか。お返しにそっちも冷やしてやる!」
 ミルカは展開したアームドフォートからミサイルを発射し、敵の上部で爆発すると熱を奪い凍結させた。
「しかし……このサイズなら、上手く温度を調節できたら快適なのになぁ。勿体無いものだ」
 だが容赦はしないと信倖が炎の軌跡を描きながら片鎌槍を振るい、敵の装甲を斬り裂いた。
『凍っちまえばあっという間にクールさ!』
 送風口が上下左右に動いて冷気が撒き散らされる。
「暑くても人を凍らせるなんてダメです。それは悪い事なんです!」
 メタルを纏ったユーディアリアは冷風を受け止め、仲間達へは届かせないと己が身で遮る。
「暑いのよりも寒いのが平気……だけどクーラーの寒いのは嫌! エアコンの乾燥し過ぎちゃうのが苦手なんです!」
 紫睡は継続して雷の壁を生み出し、敵の冷気を遮って冷たさを和らげる。
「見切ったわい。出るところが分かっておるのじゃから容易いものじゃ」
 風を躱すように踏み込んだ一刀は刀を抜き打ち、傷口を狙い撫でるように斬り裂いて深く刃を通した。
「寒いくらいが好きなんだろ? ならキンキンに冷やしてやろうかな!」
 ライフルを手に接近したミルカは付きつけるように冷凍光線を放ち、照射した送風口を凍結させて風を止めた。
「どんな優れた道具も使い道を誤れば何の役にも立たん」
 鋭く踏み込んだ信倖は片鎌槍を突き入れ、穂先から電撃を放って内部をショートさせる。
「直さなくていいのですから、簡単な作業ですね」
 力強く踏み込んだトリスタンは腰の乗った回し蹴りを叩き込み、衝撃で巨体を傾けさせる。
『湿度が高いのも暑さの原因だ! だからこいつで湿気を取り除く!』
 エアコンにフィルターが取り付けられ、湿度がどんどん下がり渇いていく。ケルベロス達の喉が渇き汗まで消えてしまった。
「除湿とかいってやりすぎは逆にお肌にも悪いし、あんたってマジ使えなーい」
 相手を馬鹿にして萌花は、回り込んで側面を蹴りつける。
『カラッカラッにしてあげるよー!』
 追うように冷気が放たれると、萌花が更に回り込み敵をぐるぐると回転させる。
「もう一度ゴミに出してあげるわ」
 ありすは飛び蹴りを浴びせ、星型のオーラを蹴り込んで送風口を砕いて回転を止めて仰向けに転ばせた。
「夏だというのに寒いというのも変な感じですね」
 跳躍したトリスタンは踏み抜くように蹴りを打ち込み、装甲を凹ませて飛び退く。そこに倒れたままエアコンが送風口を向ける。
「ほらほら、そんなに使える道具なら、もっとカッコいいとこ見せてほしいなぁ」
 魔力を増幅させる口紅を塗った萌花は甘い言葉で囁き、敵のハートを撃ち抜いて硬直させた。
「体が冷えすぎないように気を付けてくださいね」
 その間に紫睡は薬液の雨を降らせ、仲間達の渇きを癒して動けるようにしていく。
「もっと暑くしてやるかのう、燃え落ちよ!」
 一閃。刀で空気を斬り裂いた一刀は、流れるように炎纏う足で前蹴りを叩き込み燃え上がらせる。
『全くクールじゃないぜ! 俺のクールな走りを見せてやる!』
 重々しく起き上がったエアコンが凍らせた地面を滑って動き出す。
「残念だけど、ここはスケートリンクではないわ」
 砲を抱えたありすは敵の足元に爆発を起こし、スケートの片側を破壊し敵を傾かせてビルへと突っ込ませた。
「足元がつるつるで滑るかもなのです! 注意ですよ!」
 凍った地面を跳躍して飛び越えたユーディアリアは、星のオーラを足に纏わせて蹴りつける。するとぽっこりと星型に装甲が凹んだ。エアコンは向きを変えて冷気を放つ。
「我が槍の餌食にしてくれる!」
 身を屈めた信倖は低い構えから一瞬にして間合いを詰め、無数の突きを雨の如く繰り出して装甲を穴だらけにする。
「エアコンって結局は熱を移動させてるだけで、冷却と発熱がセットだし。冷やした分、自分が暑さの原因にもなってるって、自覚するんだな!」
 巨大ハンマーを担いだミルカはドラゴニック・パワーの噴射で加速し、回転するとブンッと唸りを上げて敵の側面に叩き込んだ。吸気口が砕けフィルターが露呈させた。

●クール&ホット
『お前らにはクールさが足りない!』
 エアコンが背面を向けると、そこから廃熱が吹き出し、燃え上がる程の熱風が浴びせられた。
「これだけ大きいと廃熱の方も凄まじいな」
 熱気を突っ切った信倖は片鎌槍を突き刺し、引き抜くときに枝を引っかけて装甲を引き千切る。
「ほら、やっぱり廃熱部分が熱くなって気温が上がってるじゃないか! 結局誤魔化してるだけなんだ!」
 攻撃を避けて踏み込みながらミルカはミサイルを幾つも飛ばし、爆発と共に凍結させて排熱を抑えた。
「エアコンなのに暑いのです。むっとしてくらくらしちゃうですよ」
 仲間を守ろうと前に出たユーディアリアは攻撃を受け止め、光の翼を広げ癒しの光を放ちながら耐え凌ぐ。その隣を追い抜くようにクォーツが突進して無風の空間を作る。
「寒かったり暑かったり、体調が悪くなってしまうわね」
 凍った地面を滑って近づいたありすは、排熱口を蹴り星型のオーラの形に押し潰し、続いてグリがタックルして完全に塞いでしまった。
『よくも壊しやがったな!』
 怒ったようにエアコンはどんどん冷気を放ち周囲を凍らせてゆく。
「こんなところでお肌をガザガザにしたくないし、当たらなきゃいいのよね」
 軽やかに飛び跳ねる萌花は、冷気を避けながら近づき蹴りを浴びせ、また飛び跳ねて距離を取る。
「凍えるような寒さですが、動いて熱を発していれば何とかなるでしょう」
 割り込んだトリスタンはその身を盾として冷気を受け止め、全身を氷像へと変えられる中、前に出て拳を叩き込んだ。
「凍える気分を味わってみるか」
 冷気を突っ切って突進した一刀は刀を突き入れ、そこから内部を凍結させてゆく。
「エアコンはだるくなっていけません。私は断然扇風機とか保冷剤派です!」
 集中した紫睡は魔力を繊細に操り、離れた場所から一刀の凍傷を治療し傷を癒してしまう。
『扇風機なんざダセーんだよ! 夏はクールに過ごさなきゃ!』
 最高出力で唸るように冷気が襲い来る。
「便利だったエアコンさんなんですから、またきっとリサイクルされてくださいですよ?」
 星を煌かせながら飛び上がったユーディアリアは、急降下して流星の如く敵を蹴りつけた。クッキーの型抜きのように星型に穴が空く。
「粗大ごみに、って言ってたけれど……こんなに大きいとゴミ置き場に入らないわ。細かくした方がいいのかしら?」
 チェーンソーを振りかぶったありすは、ブンブンとよろめきながら振り回して滅多切りにし、敵の装甲を削り取っていく。
「この場でスクラップに変えてくれよう!」
 竜の翼を広げて頭上を取った信倖は、降り注ぐ雨の如く突きを放って装甲を削り内部まで破壊痕を残す。
「人型でなくとも、そこに力があるなら、投げれんことはないわい、そら」
 仲間に気を取られている内に懐に入って掴んだ一刀は、相手の力を利用して軽やかに敵を投げ飛ばし、引っくり返して地面に叩きつけた。
「暴走した機械は人とは寄り添えない! だからここで廃棄する! フォトンドライブ、モード・フレア!」
 空を飛び砲身を向けてエネルギー充填を終えたミルカは、無数の超高出力ホーミングレーザーを放ち空を閃光が覆って敵を貫き、膨大な熱量が膨らんで大爆発を起こす。
『クールじゃない! こんなのは全然クールじゃない!』
 子供が駄々をこねるように暴れて冷気を放ち、ケルベロス達を薙ぎ倒す。
「寒さにも種類があります。そう、寒いのは冬場の冷たい空気が一番です。そして寒空の下で食べる熱々のおでんや甘酒……あぁ、想像しただけで冬が待ち遠しいです! なので、クーラーはノーセンキューです!」
 対抗して紫睡は竜の幻を生み出し、その大きく開いた口から放たれる炎のブレスが冷気を相殺し気温を僅かに上げた。
「こっちも涼しくしてほしいなぁ。ね、おねがーい」
 甘く相手の求める言葉が萌花の目を惹く赤い唇から紡がれ、その言葉通りに敵は行動し送風口が一方口に向いて固定される。
「暑さも寒さも極端なのは遠慮します。何事もほどほどですよ」
 その隙にトリスタンは沼の巨人から奪い取った力を腕に宿し、邪悪な力を握り込んで殴りつけ剥き出しの電子機器を打ち抜き、力任せに引き千切り剥がした。すると断線し機能を失ったエアコンは停止し、自重で崩れ落ちた。

●暑さも寒さも
「寒いのか暑いのかよくわかりませんね?」
 冷えたような汗を掻いたようなと、どちらとも云える感覚にユーディアリアは首を傾げる。
「暑いような、寒いような……」
 急な温度差にミルカも暑がっていいのか寒がっていいのか混乱していた。
「修復しないと、地面が凍結してたらスリップしてしまうものね」
 ありすがヒールを掛けて地面の凍結を溶かしていく。そうして町を修復して人が戻り始めると、気温が上がりむわっとした空気もまた戻ってきた。
「なに、どうせすぐに暑くなるわい」
 一刀が眩しい日差しを見上げ、空から夏らしい空気を感じる。
「またすぐに冷房が欲しくなるな」
 さっきまであれだけ寒かったのにと信倖は湿気の混じった空気に顔をしかめた。
「おつかれさま、グリ」
 片付けを終えたありすは、手伝っていたグリを抱きしめもふもふとその感触を楽しむ。
「はーっ、さすがに寒っ。つーか、エアコンの風ダイレクトはマジ無理すぎ」
 萌花が冷たくなった腕をさする。
「ね、てんちょー、おいしいお肉食べたいなぁ。スペシャルなの焼いて?」
 そして甘えるようにトリスタンに視線を向けた。
「そうです、夏バテにはやはり栄養を付ける為にお肉ですよトリスタンさん! 冷しゃぶしましょう! 寒ければ熱々のステーキを……」
 すぐさま同調した紫睡が好物のお肉料理を思い描いてうっとりする。
「では、この後はお疲れ様でお肉でも焼きましょうか」
 打ち上げをしようとトリスタンが皆を誘う。ちょうど運動してお腹も空いた頃合い。ケルベロス達は夏の暑さもエアコンの寒さも消し飛ばす精をつけようと、お肉祭りに向かうのだった。

作者:天木一 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月2日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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