裸の野外活動を強要する者たち

作者:塩田多弾砲

 とあるキャンプ場。
 森林を臨むそこは、テントを張る広場には雑草が生い茂り、管理者がいるべき建物は誰もおらず、『立ち入り禁止』の札が。
 そこで、森林を背にして、十数人を前にけたたましく喚いている者の姿があった。
『かつての人間たちは、野外でも裸で過ごしていた! 故に、それを今の世で再現して何が悪い!』
 カッコウのような顔のそいつは、更に言葉を続ける。
『男はこの際おいといて、女性、特に女子は、外で裸になり、大自然の中でキャンプするような事を一度は……否、常時体験すべきと主張するものである!』
 そのビルシャナの主張に、そうだそうだと賛成する周囲の信者たち。男女半々だが、男性は腰巻一つだが、女性は全裸。そしてビルシャナ自身も全裸……のように見えるが、身体の表面は汚い色の羽根で覆われていた。
『セクハラ? 恥ずかしい? なーにを言うか、昔は皆ハダカ! 人は昔、野外にて裸で生まれ、裸で生活し、裸で死んでいったのだ! それをすっかり忘れて、着飾る事に昏倒する人間たちのなんと愚かしい事か!』
 再びそうだそうだと騒ぐ信者たち。
『女子は裸でキャンプするべき! 裸で野外活動し、そうする事で現代社会と服を着る事のありがたみを思い知るべき! 更に野外で全裸になる事で、日常感じている閉塞感やストレスからも解放される! 良い事ずくめ! 実行しない手はない! だろう?』
 再三そうだそうだと騒ぐ信者たちに、ビルシャナは命じた。
『さあ我らが信徒よ、この崇高なる思いを実行すべく、世の女子どもに体験させよ!』
「……えー、現在閉鎖されたキャンプ場にて、このような主張をするビルシャナが出てきます。なのでとっととやっつけて下さい」
 セリカが見たのは、ビルシャナ。その教義は『女子は裸で、キャンプをするべき』というもの。
「以前に弓月・永凛(サキュバスのウィッチドクター・e26019)さんたちが解決した、『幼女には、男湯を経験させるべき』というビルシャナの事件がありましたが。今回もそれと似たようなものですね。女子は大勢の前で裸になるべしって、単なる趣味じゃないですか」
 とはいえ、今回ビルシャナ自身も女性らしいが。
「ビルシャナの主張の主意は、『かつて人間は裸の状態で野外で生活していた。それを今実行し体験する事で、自身の精神の解放と、服を着ている事のありがたみを知る』という事だそうですが。それを無理やり女子に経験させるべき、と考えているようです」
 ビルシャナの信者たちは十名あまり。男女半々で、男性は腰巻を付けているが、女性は全員が全裸だという。
「腰巻きつけてる理由は、男の人は……その……あれが、飛び出しているから、それを押さえなきゃならないから、だそうです……」
 と、恥ずかしそうに言うセリカ。
 そして、女性の信者の方は。
「こちらは、どうも……ヌーディストや、……その……露出趣味を持っているような、元からそのような思想や願望を有している人たちのようです。『他者に見られても構わない』『むしろ見て欲しい』と」
 とはいえ、全員が性的な理由で裸でいたい、というわけではない様子。半分くらいの女性は、確かに露出趣味を有しており、見られる事に興奮している様子ではあるが、残り半分の女性はその限りではない。
 むしろ『裸だからイコール性的な目で見るのはおかしい』『裸は決していやらしいものではない』『だから野外で裸でいても構わないだろう』との事。
「まあ、主義主張はともかく、それを他の女性や女子に強要する、という事は問題ですし、してはならない事です。なので、皆さんにはこれを止めて頂きたいです。
 いかにして、このビルシャナの主張を覆す説得が必要か。例によって、ビルシャナの信者を説得するかが必要になってくる。
 ビルシャナ自体は、清めの光、浄罪の鐘、ビルシャナ閃光を使用するとの事。加えて、そいつ自身も女性であり、露出趣味とヌーディスト的な思想との両方を有している様子だという。
「ビルシャナの影響を受けているため、信者たちには理屈だけでなく、インパクトを以て説得することも重要です。ビルシャナとなってしまった人は救うことは出来ないが、これ以上被害が大きくならないように、撃破して下さい」
 顔を赤くし、うんざりした表情でセリカは君たちにそう言った。


参加者
カルディア・スタウロス(炎鎖の天蠍・e01084)
鴻上・結子(おっぱい忍者・e10652)
弓月・永凛(サキュバスのウィッチドクター・e26019)
リシュティア・アーキュリア(サキュバスのブラックウィザード・e28786)
フォルティ・レオナール(桃色キツネ・e29345)
エル・ネフェル(ラストレスラスト・e30475)
モノ・メテオライト(放浪の鉄塊背負い・e37310)
草薙・桜依(見習い巫女・e61789)

■リプレイ

●全裸少女遊戯
『さあ我らが信徒よ、この崇高なる思いを実行すべく、世の女子どもに体験させよ!』
 ……と、ビルシャナがそのセリフを叫ぶ十数分ほど前。
「裸を強制する破廉恥な妖魔は、みんなでやっつけましょう!」
 意気込む巫女姿の少女が振り返ると、
 そこには、裸になった仲間たちの姿が。
「……って、あ、あれっ!? 今回の任務って、全裸の妖魔を倒す事じゃ……?」
 混乱する草薙・桜依(見習い巫女・e61789)ではあったが、
「ええ。全裸のビルシャナを倒す任務。ゆえに、全裸になって相手を理解し、任務にあたる……というのは、当然ではなくて?」
 豊かな胸を堂々と晒した美少女のサキュバス、鴻上・結子(おっぱい忍者・e10652)の言葉に、桜依は、
「え? え? でも、人前で、裸になるなんて……」
 などと抵抗するが。
「何か、問題?」リシュティア・アーキュリア(サキュバスのブラックウィザード・e28786)が、『別に変じゃないでしょ』と言いたげに問いかける。
「そうそう。見られて何か問題でも? って感じだけど?」
 フォルティ・レオナール(桃色キツネ・e29345)と、
「ええ。……ちょっと恥ずかしいですけど、慣れてしまえば、ねえ?」
 エル・ネフェル(ラストレスラスト・e30475)も同意する。エルが身体にまとっているのは、細いリボンのみ。恥じらいの表情とは裏腹に、まるで恥ずかしいポーズを見せつけているかのよう。
「で、でも! 裸で、その……む、胸や……あそこ、を、出しちゃうのは……良くないんじゃないかと……」
 語尾が自信なさげになる桜依に、
「あら、出しちゃって何か問題?」
 弓月・永凛(サキュバスのウィッチドクター・e26019)が……問う。
 恥ずかしがる事無く、堂々とした振る舞いの永凛にそう問われると、まるで自分の方が恥ずかしく、間違っているようにすら思ってしまう。
「私は自分の事を、包みも、隠しもしないわ。むしろ、恥ずかしいと思うのなら……自分の中に何か原因があるんじゃあないかしら」
 そういうものなのかと、更に混乱する桜依。
「え、えっと、その……」
 そうだ、と、桜依は書付を取り出し、それに目を通し、
「……って、やっぱり脱ぐんですねっ!?」
「? ……『全裸での儀式は天岩戸伝説にもある神聖なものじゃ。一人前の巫女になるための修行として、お主も全裸を極めてくるがよい』。神様からのお手紙ですか。その後ご機嫌いかがかしら?」
「はいっ、お元気です……じゃなくて、ええと、その……」
 とかなんとかやってるうちに、
「し、しかたありません……。ちょ、ちょっとだけ、ですからね?」
 と、押し切られた形で、彼女は服を脱ぎ始めた。
「大丈夫、女の子同士だから恥ずかしくないわ。……あら、どちらへ?」
 こっそり逃げようとしていた、脱衣に抵抗していたもう一人が、肩を掴まれた。
「や、やめ! そういう趣味はないです! だめ……」
 抵抗するカルディア・スタウロス(炎鎖の天蠍・e01084)だが、
「って、ちょっと! うわっ! あ、だめ……やめっ……」
 とかなんとかあって、二―ソックスを除き、結局無理やり服をむしり取られる結果に。
「……それじゃ、行こう」
 大きなぼろ布を身にまとった、ヴァルキュリアの彼女……モノ・メテオライト(放浪の鉄塊背負い・e37310)とともに、裸の美少女たちは現場に踏み出した。

●全裸少女日記
『さあ我らが信徒よ、この崇高なる思いを実行すべく、世の女子どもに体験させよ!』
 ビルシャナの集会に、ケルベロスらは……『野外露出活動サークル』という集まりを装い、信者に紛れて参加。
「あのー……」と、挙手したエルへ、
『むっ、意見具申か? 述べてみろ!』
「はいっ。主張自体には大いに賛同ですが……どうせ魅せたいなら、立ち入り禁止の場所じゃなくて……ですね」
『?』
「ホントに視線を浴びて気持ち良くなりたいなら、もっと人のいる場所に行きましょう? こそこそしても、見るのは仲間内だけですよ?」
 ラブフェロモンと、フェスティバルオーラ。それらの効果でエルの言葉に皆が魅了され……。
『仲間以外にも見せるべき! 確かにそうだ!』
 ビルシャナも同意し、
『私たちの行為は、性的なものじゃなく、崇高なものと理解させるべきよね!』
 信者らも口調に熱狂を帯びてくる。
 エルに続き、リシュティアも参加。
「ですよね。ようするに『裸族』ってことかしら?」
『なんだと?』
「屋内では構わないけど、お外では、ね……」
『何が言いたい? 街中で裸を見せつけろ、というのか?』
『何を言うか! 我々の主張は、単なる痴女や露出魔とはわけが違う!』
『着衣という拘りからの心の解放は、下劣な欲情と混同すべきじゃないわ!』
 と、ビルシャナや信者らからブーイング。
「裸になるのはいいけど、お外では色々『危険』だって事よ」
 リシュティアに続き、モノも。
「ねえ……なぜ腰布を?」
『あ……これは、その……我々の、アレが、飛び出て邪魔だから、押さえるためだ!』
 と答えた男性信者たちへ、
「それはおかしいね」
『なっ、何がだ!』
「まず最初に……女性にだけ強要して、自分たちはその対象外、というのはおかしいと思うよ。だから、貴方達もそういう事を実践してもらわないとダメだと思うな」
 それに……と、話を続けるモノ。
「裸でいる事を強要する、っていう事は…それをきっかけに他のいろんな事も強要する事に使われてしまうから……貴方達もそうなる覚悟があって、そういう事を言ってるんだよね……?」
『……し、しかし!』
「しかし?」
 と、結子が歩み寄る。
「えっと……男の方もヌード、ですよね? そのようなものは要らないですよね? ならば……」
 ふふっ……と、蠱惑的に笑みを浮かべた彼女は、
「邪魔なものは、取っちゃいましょう~」
 そのまま、何人かの男性信者の腰布を……するり、と取り去ってしまった。
『うわっ! な、何をっ!』
 股間を押さえる男性信者たち。それに結子は、
「あら、中途半端はイケません。やるなら1か0か。ヌードを推し進めるなら、男性の皆さんも全裸じゃないと」
 そう言って、自分の豊かな胸の双丘を見せつける。
「私も……裸で居る事が多いですし、見て貰うのは気持ちいいですから、皆さんの言う事は分かりますけどね」
 大きく、魅惑的な両胸が、柔らかそうに揺れる。男性信者たちはそれを見て、次第に前かがみに。
「裸の男女が居るところで、何も起きないわけがないでしょう?」
 再びリシュティアが近づき、
「その身をもって……」
 説いてあげましょ。と、裸のまま男性信者たちの方へと歩み寄った。
『な、何を……ああっ』
「こんなに大きくしちゃって……」
 リシュティアは……前かがみになった男性信者たちの『それ』を握り、跪くと、
「……こういうことを、望んでいたんでしょう?」
 それを、口に咥えた。
『なっ、なっ、何をっ……!』
 男女問わず、狼狽える信者たち。それに更なる燃料を投機するかのように、
「きゃっ! あ、あの、なにをっ……ふわっ……!」
「ちょっとごめんねー。……へえ、結構感じやすい?」
 胸と股間をしっかり手で隠し続けていた桜依の後ろから、フォルティが抱き付いた。
 そのままフォルティは……彼女の胸を、触った。さわさわ……と、軽く表面から撫でつけ、つうっ……と、指先で撫で、控えめな彼女の胸をそっと揉んでみる。
「ひゃっ! あっ……ふあっ……だ、だめですっ……あんっ!」
 その動き一つ一つに、敏感に反応する桜依。隠していた両手が力を失い、だらりと下がる。
 フォルティはそのまま、桜依と一緒に、二人で……股間も、胸も、両方を隠さずに見せつける。
「ん~、何か苦しそうじゃない?」
 そう言って、フォルティもまた、前かがみになっている男性たちの『それ』へと近づき、握り……口に含んだ。

●少女全裸過激団
 また、別の場所では。
「私は医者です」と、永凛は女性信者たちへ問いかけた。
『だ、だから何……』
「野外で裸でいるためには……『対策』も必要です。医者の立場から、その点をチェックしたいと思いましてね」
『対策ですって? 別に、裸じゃダメとかそんなお説教は……』
「いいえ。ダメなどと言いませんよ。野外で裸、大いに結構です。ですが、衣服を着ないという事は、怪我をしやすい、という事でもあります」
 永凛は、語り始めた。
「……『虫刺され』、これはわかりますね。蚊に刺され痒いだけでなく、陰部など皮膚の薄い場所を毒虫に刺されたら、傷が悪化してしまいます……」
「……『打ち身』『切り傷』『火傷』。服が無いと、思った以上に負傷が多くなります。当然、打ち身や切り傷、擦り傷なども普段以上に増える事に。そして、傷が治りきらず、化膿したり内出血したりして、更に悪化する可能性は極めて高いです……」
「……『日焼けのしすぎ』も対策が必要です。紫外線は皮膚へダメージを与え、なおかつ皮膚ガンの原因でもあります。身体に更なる負担がかかる事は、おわかりですね……」
「……冬になったら『体温の急激な低下』という問題もあります。周囲の気温が低くなると、体温が奪われ、不調や病気になってしまいます。……」
 女性信者はほぼ全員、彼女に耳を傾けている。
「……と、何度も言いますが」
 そして、永凛は。
「私は全裸を否定はしません。ですが、全裸だからこそ、緩い心構えでのキャンプや野外活動は『危険』なのだと言いたいのです」
『……そういえば、ヌーディストは周囲の環境を神経質に整えるって聞いた事あるわ』
『……虫にあそこ刺されるのはやだなあ』
『……気温高すぎや低すぎで、病気になっちゃうのはさすがにまずいわね』
 女性信者たちも、全員がほぼ『納得』。
『じゃあ、そういうのに気を付けて野外で全裸露出すれば……』と、女性信者が言いかけると、
「それですが、どんなに性的じゃないんだって叫んでも、そう思わない人はたくさんいるんですよ」
 と、裸ニーソ姿のカルディアが進み出て、男性たちの方を見ずに指で指し示した。
 彼らは既に、他のケルベロスの女性たちにより、自分たち自身を口に含まれ、手でしごかれ……搾り取られていた。
「ほらね? あんな風になりたいわけじゃないですよね! というか、あんな風になってる時点で、全裸どうこうじゃなくてソッチがメインですよね!」
 身体を隠さず、堂々と説得するその姿に。
『なるほど、納得!』と、女性信者たちは感銘を。
「いいですか? 敵は私達ではありません。……あっちで飛び出させてる男共です」
 あえてそちらに視線を向けず、カルディアは指さした。
 その、指さした先では。
「触ってみたいですか? いいですよー。全部脱いだ人から順番に……」
 結子が、自分の巨乳に触れる事を条件に、男性陣から腰布を脱がせていた。
「あんっ♪ もう、そんなに乱暴に揉んじゃ……吸っても、良いですよ?」
 双丘の頂を口に含まれ、快感を敏感に受け止め、びくんっ……と、痙攣する結子。
 フォルティは、逆に男性たちのそれを含み、逆にびくんっと相手を痙攣させていた。
「大きくて固いねー……こうすれば気持ちいい?」
 口で含んでの奉仕のみならず、自分の小さ目の胸を全体的に押し付けるようにしてこすりつける。
『こ、こういう事では……うっ』
 それでも、まだ抵抗ある男性信者に。
「嫌なら、なんで裸でいるの? 女の子の裸に、こうしたかったんでしょ?」
 耳元でささやくフォルティ。
「い、言っておくけど……これは強制されてるわけじゃ、ない、からね……」
 ぼろ布を脱ぎ去り、首輪と手枷のみの姿になったモノも。
 まじまじとその姿を見られ、思わず過去の記憶がよみがえり、
「………」
 視線を感じ、それは甘い快感となって、彼女を苛んだ。
『なっ……いったい、これは……』
 そして、ビルシャナは混乱していた。
『全裸で野外活動は否定されてない。だ、だが、こういう乱交を推奨しているわけでもないのだが……』
 一体なにがどうしてこうなったのか、わけがわからず混乱し困惑してる最中。
「とにかく、わたしにもよくわかりませんが、わかりました! 全裸は神聖な儀式みたいです! それを穢す妖魔は許しません!」
 更に混乱した桜依が、半ばヤケとも思える口調で、融合竜を召喚し……。
 混乱の中、ビルシャナへと攻撃し、そいつを倒してしまった。

●少女全裸旅行
 事後。
「もう、ダメなの……」
 先刻からの奉仕に、体が疼き……限界を迎えていたフォルティは、
「な、何を……あうっ……!」
 男性の一人を押し倒し、自分から……花弁に『それ』を挿入した。
 そのまま、騎乗したような体勢で腰をくねらせ、上下させ……、
「ふ、あぁ……これ、好きぃ……あっ!」
 マグマの迸りを、自分の体の内側に感じ取り、絶頂。
 その隣ではリシュティアが、
「こ、今度は……前と後ろ、交代……ああっ!」
 下の、前後の口に、二人の男性を受け入れては……、数度目の絶頂を迎え、迸りを中で受け止めていた。
「「はぁ……」」
 惚けた二人の男性に、
「……もしデキてたら、どっちが父親か分からないわね」
 重々しい台詞をぶつけるリシュティア。
 更に、別の場所では。
「さあ、皆さん。……改めて、全裸でのキャンプ、始めましょう?」
 永凛が、隠していたキャンプ用装備を取り出して組み上げ、誘っていた。
 ……『きっと今夜は、忘れられず、眠れない一夜になるわよ』。という期待を醸し出しつつ。
 そして、何度めかの絶頂の後。
「……はぁ。そうだ、桜依さんも……」
 と、周囲を見回したフォルティだが、彼女の姿は見当たらない。
「さあ、もっと視線を浴びて、気持ちよくなりましょう?」
 既にエルは、皆を引き連れ繁華街に連れ出していた。
 その中に、裸のままの桜依、同様の姿の結子とモノの姿も。
 当然、元信者らも男女問わず裸のまま。
「……うう……みんなに見られて、これからも見られる……反応、しちゃう……」
 と、モノは疼きを覚え、
「ふふっ、集団での街中露出プレイ……これはこれで、興奮しますね……」
 結子もまた、見られる快感に期待を寄せている。
 が、
「……あれ? なぜわたし……こんな姿で、ここを……」
 徐々に落ち着きを取り戻した桜依は、
「きゃあっ! わ、わたし、一体なにをっ!?」
 我に返り、自分が全裸で繁華街を歩き、奇異と好色の目で見られていたことにようやく気付いた。
「は、早く服を着て……」
 そう思って、最初に服を脱いだ場所に戻るが。
「カルディアさん?」
「あれ? 私の服は? 桜依さん、知らない?」
「いえ……わたしのも、無いです……」
 二人の服は、無くなっていた。
 しばらく後。
『街中を、全裸で闊歩する男女の集団が出た』という事件と別に、『二人の女性が裸で、街中をこそこそ逃げていた』という噂が立つが、それが二人だったのかは定かではない。

作者:塩田多弾砲 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年7月1日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。