冥海の巨鮫

作者:天枷由良

●奇襲
 しとど降る雨の中。
 逸見・響(未だ沈まずや・e43374)は、夜の街を駆けていた。
 辺りに人気はない。
 林立するビル群が悍ましく見えるほど、街は不気味なまでに静まり返っている。
 響くのは響の足音、ぴしゃぴしゃと跳ねる水音だけだ。
 何故、彼女は急いているだろうか。
 答えは――程なく現れた。
「…………!!」
 びしょ濡れの顔に驚愕を浮かべて、急停止した響は真横へと飛び退く。
 そして響の立っていたところを、青い燐光が過ぎていく。
 ――それは鮫だ。黒く艷やかな身体に、鋸のような歯を有す巨大な鮫。
 だが街中を、空中を鮫が泳ぐはずもない。
 魚の形を成すことが多い怪物――とくれば、ケルベロスとして思い当たる点は一つ。
「死神……しかも、アレは……っ!」
 記憶の彼方へと手を伸ばす響。
 そこに地面から飛び出した巨鮫が、また大口開いて襲いかかる。

●ヘリポートにて
「――この予知は、すぐ現実になるわ」
 ケルベロス達を呼び集めたミィル・ケントニス(採録羊のヘリオライダー・en0134)は、起こる事件のあらましを語り終えて、手帳の頁をめくる。
「敵は『サメバルク』と呼称します。空を泳ぐ深海魚型死神・ザルバルクになぞらえたものだけれど、性質は真逆。増殖しない代わりに、個体として高い戦闘力を有しているわ」
 性質も極めて凶暴凶悪であり、牙の一撃は歴戦のケルベロスですら容易く屠る可能性を秘めている。あらゆる方法での防御力強化が必須となるだろう。
「ただ、脅威的なのは攻撃面だけに留まらないわ。サメバルクはビルや地面、果ては空間そのものに一時的に溶け込んで、皆の前から姿を隠すことができるの」
 この“泳ぐ”能力にて反撃を躱しつつ、狩りをするように敵を追い立てて疲弊させ、動けなくなったところをガブリ……というのが、サメバルクの基本戦術であるようだ。
 また窮地の際には“泳ぐ”能力で逃げ隠れ続けて、体力を大きく回復してしまうこともあるらしい。
「自由を奪うのに適した効果を持つ技なら、厄介な“泳ぐ”能力を封じることもできると思うのだけれど……」
 あまり悩んでいられる時間もない。天地の境なく泳ぎ回る巨鮫を封じる方法は、ヘリオンの中で考えるしか無いだろう。
「ともかく、急ぎましょう」
 ミィルは説明を切り上げると、ヘリオン搭乗を促した。


参加者
翡翠寺・ロビン(駒鳥・e00814)
木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・e02879)
速水・紅牙(ロンリードッグ・e34113)
逸見・響(未だ沈まずや・e43374)
黒羽・陽(絶壁のゴールデンスパイン・e45051)
カーラ・バハル(ガジェットユーザー・e52477)
碓氷・凪(比丘尼の系譜・e56592)
ボニー・バルトル(ワーキングランチ・e61446)

■リプレイ


 眩い光を湛えた大口開いて、巨鮫が迫る。
 路面の水を飛沫に変えて来るそれは、やけに遅く見えた。
 危機的状況下では全てがスローに感じるというやつだろう。あくまで脳の誤動作にしか過ぎないその現象を体感しながら、逸見・響(未だ沈まずや・e43374)は疲労と濡れた衣服がのしかかる重たい身体に鞭を打つ。
 既の所で、眼前の景色が閃光から闇色に変わった。そして間もなく、片腕に訪れた激痛が全てを支配した。
(「っ……!!」)
 時の流れが加速する。危機を乗り越えた証として頻りに痛みを訴える腕を振り、響は溺没寸前であるかのようにもがいて、道端の街灯にしがみつく。
 それだけ動いていながら、全くと言っていいほど変化のない表情が、逆に現状の不気味さを増幅させていた。
 薄ぼんやりとした明かりの下、見回した世界には荒く息する自分と、無言で立ち並ぶビルしかない。
(「……いや、確かにあれは……」)
 ――白い死神、サメバルク。
 記憶の中に埋もれていたその名の実在性は、腕の傷が証明している。
 だが、姿が見当たらない。己の命を奪おうと牙剥いていた怪物は、綺麗さっぱり消え失せていた。
(「……何処だ……?」)
 響は土砂降りの中に敵を求めながら、片腕を彷徨わせる。
 そこで、気づく。鹵獲術士の基本武器たる魔導書を、逃げる最中で落としてしまったことに。
 それだけ必死だったのだろう。来た道を戻れば、何処かに転がってはいるだろうが……まさかサメバルクが素通りさせてくれるはずもない。
 どうしたものか。響は思案しつつ、今唯一使える氷の魔法を唱えて、自らの前面に氷の壁を築いた。

 その瞬間、ぴしゃりと大きな音が立つ。
(「……!?」)
 サメバルクか。急ぎ音のした方に振り向くと、響の視界に現れたのは巨鮫でなく七つの人影。
「間に合ったようね」
「お待たせ。助けに来たぜ」
 澄ました顔の中、瞳だけに安堵を滲ませながら言った翡翠寺・ロビン(駒鳥・e00814)に続き、碓氷・凪(比丘尼の系譜・e56592)が響へと駆け寄りつつ、いきなりナイフで己の腕を裂いた。
 血が容赦なく滴り、しかし雨に混ざることを拒むかのように飛び跳ねて、響の身体に染みていく。そこにボニー・バルトル(ワーキングランチ・e61446)が噴出した煌めく蒸気が被さると、サメバルクの牙に奪われかけた腕の痛みは急激に薄れて、傷も痕と呼べる程度にまで塞がった。防具にしろ戦場での立ち位置・心構えにしろ、守りに重きを置いていたことが奏功したのだろう。
 胸を撫で下ろしたボニーが、一つ息を吐く。一先ず無事に響を回復させられたことが、この場に立つ八人の中でもっとも経験に乏しい自分でも役には立てそうだと思わせる契機になったかもしれない。
 ただ、落ち着きを得られたとまでは言い難い。どこかそわそわとした様子で凪の腕を見つめたボニーは、逡巡しつつも口を開く。
「……あの、そのままだと不味くないですか?」
 鮫と言えば、血の匂いを嗅ぎつけてくる印象が強い。それは多少ばかり誇張されて世に流れているような気もするが、一滴二滴で済まない凪の血は、援軍として来た者の存在を察知される要因にならないだろうかと不安になる。
 だが、その懸念を凪は好機と捉えているようだった。まだ血の溢れる片腕を上げて答えた素振りには、己を狙ってくるなら素手で引き裂いてやるとばかりの意気込みが、仄かに滲んでいる。
「さあ、反撃と行こうぜ」
 木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・e02879)が親指を立てて、鼓舞するように言った。
 響も小さく頷く――が、その反攻を浴びせるべき敵は、未だ現れる気配がない。
「……はっ、どっからでもかかってきやがれってんだ」
 アタシのチェーンソーで真っ二つにしてやるぜと、速水・紅牙(ロンリードッグ・e34113)が勇ましく構える。
 サメ映画を見てたっぷり予習――は、予知に際して“あまり悩んでいられる時間もない”と言われるほど切迫した事態では難しいことだったが、むしろそれが出来なかった憂さを実地でたっぷりと晴らしてやろう。ばるるるると唸る駆動剣を手に、紅牙は雨中の街中に目を凝らす。
 他の仲間達も響を守るようにして、四方に気を配る。
 そうして最大級の危機的状況を脱したにも関わらず、この場に流れる時は足踏みでもしているかと言いたくなるほど、またゆっくり流れているように思えた。
 額から垂れる雨粒を払って、凪は顔をしかめる。
 何もかもを掻き消してしまうような豪雨の下、我慢を強いられるなんて最悪以外の何物でも――。
「――――!!」
 訂正。今この場に限っては、その言葉を彼奴に捧げねばなるまい。
 最悪の敵・サメバルクは、再び姿を現した。
 ケルベロス達の、真上から。


「この野郎!」
 仲間の攻撃を悠長に待ってはいられない。落ちてくる怪物目掛けて刀を抜いたウタが、すれ違いざまに刃を振り上げる。
 僅かに身を捻りながら繰り出された斬撃は、鋭い軌跡を閃光に交差させた。
 しかし、ウタの手のひらに返ったのは肉を裂く感触でなく、鈍い痺れ。刃に牙を打ち当てて剣戟をいなしたサメバルクは、しっかりと固められた路を水面のように揺らして消える。
「これは……たしかに厄介ねえ」
 ロビンが呟いた。
 単に姿を隠すだけならまだしも、四方の何処からでも出てこられるなどとは、些か卑怯くさい。
 だが、その卑怯くさい能力を封じない限り、ケルベロス達はじわりじわりと追い詰められていくだろう。
 そして、やがてはサメ映画の犠牲者と同じように一人ずつ、胃袋へと送られてしまうのだ。
「下手なB級映画よりタチが悪ぃぜ……」
 カーラ・バハル(ガジェットユーザー・e52477)も唸る。
 虚構の世界であれば、疑似科学の産物たる超兵器やら妙に強くてデコの広いおっさんやらが解決の糸口になりそうなものだが、そのどちらもが転がり込んできたとして、デウスエクス相手では毛ほども役に立たない。
「どうにかしてふん縛るしかねぇな」
「そうですね」
 捕まえさえすれば爆破して大団円だと、黒羽・陽(絶壁のゴールデンスパイン・e45051)が頷きながら鎖を手に取る。
 次も上からか、それとも下からか。或いは真正面、もしくは後ろ。
 じりじりと神経ばかりがすり減るような時間は――そう長く続かなかった。
 まるで鬼火のように、宙空にぽつりと明かりが灯る。それは徐々に大きくなり、空間そのものに裂け目じみたものを作り上げる。
 そして瞬く間に現界したサメバルクは、口内に溜まった光の中へケルベロス達を飲み干さんと突撃してくる。
「そこです!」
 陽が鎖を伸ばした。
 念動力で操られる鎖は渦巻いて巨鮫に絡みつく。
「っ、うおぉ!?」
 絡みつきはしたが、動きを止めるまでには至らない。陽よりも遥かに大きな質量を持つであろう敵は、鎖を締め上げるより遥かに早いスピードで距離を詰め、ケルベロス達の合間を突き抜けるようにして過ぎていく。
 必然、陽はサメバルクに引きずられた。
 滑り止めに履いてきたスパイクシューズが路面に溜まった水を弾く。さながらウェイクボードでもしているかのような光景だが、愉快なことは何一つない。
「こんのぉぉ……!!」
 鎖を解けば、またサメバルクは異界に滑り込んでしまうはず。
 必死で念を送り続ける陽。そこに救いの蜘蛛の糸ならぬ漆黒の鎖を送り込んだのは、紅牙。
 すでに絡んだものとは逆の流れで巻きつけられたそれが、敵の勢いを少し弱める。さらにカーラが蔓草状に変化させた攻性植物を差し向けて、三重に縛る。
 そして極めつけは、ロビンのブラックスライム。猛進の終着駅とばかりに広げられた黒い液状の武装は、三人のケルベロス達を引きずりながら来たサメバルクを飲み込み、闇の中に閉ざす。
「おとなしくしててもらうわよ」
 激しく膨張と収縮を繰り返す黒塊を辛うじて制御しながら、ロビンは囁く。


 しかし、そう言っている間にも闇の色は薄れて、光が外へ滲み始めていた。
 三人が操る二条の鎖と一本の蔦が、敵を押さえ込もうと必死に引き絞られる。
 だが息を吐き続けてはいられないのと同じで、送っていた念が一拍の休息を求めた。
 瞬間、鎖は緩んで蔦も解かれ、サメバルクは漆黒の漁網から灰色の街へと飛び出す。
「なんつー馬鹿力だよっ、こんちくしょう!」
 すぐさま鎖を操り直して、紅牙が追いすがる。
 それをするりと躱して、サメバルクは身を捩らせた。途端に宙空から湧き出た波は、鎖や蔓を操っていた前衛の者達を飲み込み、押し流していく。
「くそっ……!」
 重ねた両腕で顔を覆いながら、カーラは敵の姿を追った。
 遠ざかっていくそれは、また己の泳ぐ先に冥府の海への入り口を見つけ出し、逃れようとしている。
 そこに何かを仕掛けるだけの態勢は、まだ整えられない。それでも一か八かの撒き餌を兼ねて、凪が仲間を治癒するために振りまいた鮮血は、薄紅色の雨に変わってもサメバルクの気を引かず。
「や、やっぱり鮫でも鮫じゃないんですね!?」
 だから反応しなかったのだろうと言いたいところを、仲間を癒す踊りの最中だったからか微妙に伝わりにくい言葉にしてしまったボニーの前で、巨鮫の鼻先がいよいよ消え始めた。
「また、潜られる……!」
 もはや防ぎようのない事態かと、凪が唇を噛んだ――刹那。
「潰しちまえ!」
 威勢良い叫びと共に、一度破られたはずの黒塊がサメバルクを喰らわんと飛びかかった。
 ……否、ともすれば一瞬ばかり頭足類の触腕にも見えたそれは、黒い液状であっても持ち主が違っていた。
 ウタだ。いなされてしまった初手の分までを取り返すように、意地で放った一撃はサメバルクを捕らえて、間一髪のところで異界への逃亡を防ぐ一手となった。
「今だ! ――死ね!」
 すかさず、陽が飛びかかる。
 鋭く圧縮された体毛は百日草の花弁の如く拳を覆って、その殴打を受けたサメバルクを内側からも傷つけた。
 続けざまロビンが腹を蹴り上げれば、自由気ままに泳ぎ回っていた巨体は大地を幾度か跳ねて、発していた光を少しばかり薄める。
「仏陀義ってやるぜ!」
 ここぞとばかりにチェーンソー剣を振り上げて、紅牙も突撃。元からあった傷を押し広げるように刃を押し当て、がりがりと削った。
 そして、それの終わりを待つまでもなく、カーラが対面から斬撃を打つ。
 緩やかな弧を描く刀は鎖の痕を切り開き、そこに響までもが駆動剣を突き刺した。
「……ん? そんなもんどっから持ってきた?」
「落ちてたんだよ」
「はあ?」
 そんな馬鹿な、と思わず攻勢の手を緩めかけたカーラだったが、しかし現に響はチェーンソー剣を握っている。
(「……まあ、鮫が空間を飛び越えるよかまだ現実的……か?」)
 判断などつかない。ましてや、目の前の敵を仕留めるより優先すべきことではあるまい。
 言葉を発する代わりに、カーラはブラックスライムを操ってサメバルクを呑み干した。


 そのままひとしきりしゃぶり尽くされたサメバルクは、吐き出されるように水浸しの路面へと叩きつけられる。
 だいぶ弱ってはいるようだが、まだ浮き漂うことはできるらしい。ふわりと宙に浮いたそれはケルベロス達から離れようとしつつ、微かな光を行く先に生んだ。
「まだ潜る気か……!?」
 驚愕を浮かべながら、凪はナイフを手に滑らせる。
 だが、サメバルクが通ろうとした光は侵入を拒み、すっと塞がってしまった。
 よくよく注意して眺めれば、鎖の痕に溜まった黒い残滓が、サメバルクから漏れる光を蝕んでいるように見えた。恐らくはそのせいで、空間を泳ぐ力が十分でなくなったのだろう。
「このまま畳み掛けるぜっ!」
 戦意を奮い起こしつつ、ウタが超集中による爆発を起こす。顎あたりに炸裂すれば爆死爆散で大団円とも期待されたが、それは惜しくも止めの一撃にはならず。
 しかし悔やむどころかニィと不敵に笑って、ウタはさらに声を張った。
「やっちまえ、響!」
「ああ」
 言われずとも。駆動式の刃を勢いよく回した響は、足元の不快感を一時忘れてサメバルクの元に向かう。
 ばるるる、ばるるると鳴る音は人造の獣が唸っているようにも聞こえて、巨鮫は最初の威勢も何処へやら、みっともなくびたんびたんと尾を振り乱しながら抵抗を試みた。
 それはまだ十分に力強い攻撃と言えたが、二段構えで回復を行うケルベロスを退けるには足りない。凪が土砂降りの中に振り撒く薄紅色の粒と、ボニーが水たまりの上に作り上げた黒鎖の陣が傷を塞ぎ、まだまだ何度でも攻撃を受けられると強気な目を向けた紅牙は、窮地のサメバルクを相手にやや過剰なテンションで何度も斬撃を繰り出す。
「ああ、死ぬ前に一口……たべさせて」
 このままではその機会を逸してしまうと、ロビンは小走りで駆け寄って――思い切り拳を引き、腰に力を溜めた。
 そして殴る。火の玉を纏った拳で、白く柔らかく美味しそうなサメバルクの腹を、力の限りに殴りつける。
 ……ああ、もしかして彼女は、意外と脳筋系だったのだろうか。
 ぼんやり静かな雰囲気然り、最初に巨鮫をブラックスライムで捕らえようとした辺りからは想像し得ない単純な物理攻撃に、薄っすらとそんなことが過るが、それはさておき。
 痛烈な打撃を受けたせいか、サメバルクの口が大きく開かれた。
 獲物を喰らおうとする時と大差ない、しかし恐怖などは微塵も感じられないその口目掛けて、響はチェーンソー剣を構えたまま――飛び込む。
 魔導書を失くしたとはいえ、此方も此方で随分パワー系な手法に打って出たものだ。
「くたばれ化け物ーっ!」
 アンタが言わないならアタシが言う、とばかりに紅牙が吼えた。
 そして唸りを上げる動力剣はサメバルクを上下に分かち、ざっくりと二枚におろしていく。
 あちこちから溢れ出ていた光が失せる代わりに、血飛沫が上がった。
 それも土砂降りの雨に流されて、巨鮫の遺骸を傍らに、響は剣の回転を止めた。


「スッキリしたか?」
 ウタが問う。
 だが、響の顔には爽快感より疑念じみたものが湧いていた。
 その要因は倒したばかりのサメバルクと、一冊の書物。
「一体、あれは誰が書いたものなんだ……?」
 疑問を解決する材料は、此処にない。
 危機を乗り越えたばかりとは思えない表情で、響は剣を握ったまま立ち尽くす。
 仲間達も不思議そうに見守りつつ、一先ずは戦場の修復に勤しむ。

「――ああっ!?」
 そして雨中のヒール作業が終わった頃。
 素っ頓狂な声を上げた紅牙は、傍らの路地を指差す。
「どど、どうしたんですか!?」
 釣られたボニーが慌てる中、ケルベロス達はそっと武器に手を伸ばして――。
「……いや、アタシの見間違いだ。……少し疲れてるのかな」
 バツが悪そうな紅牙を見やり、ため息交じりで警戒を解いた。
 これで巨鮫の事件は終わった。そう、終わったのだ……。

作者:天枷由良 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年6月28日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 0
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