祭といったら射的のみ!

作者:柊暮葉



「祭と言ったら射的である!」
 無人の神社。そこに勝手に不法侵入したビルシャナが、集めた10名の配下達の前で叫んだ。
「射的には集中力がいる。腕力もいる。道具に対する知識もいれば、培った経験や粘り強さもいる。正に万能のスポーツにして娯楽、射的。この射的が年々廃れている事を皆は知っているだろうか。今時のイージーな屋台ばかり浸透して……ならばどうするか。祭の屋台は全て射的にするのである。そうすれば自動的に射的が広まるだろう!」
 無茶苦茶な事を言い出すビルシャナ。
「金魚すくい、なし! ヨーヨー釣り、なし! 屋台のひよこ、なし! ましてや食い物屋の屋台など一切なし! 時代は射的! 射的の屋台だけを祭に許可、他は全て滅ぼすべし!!」


「祭りは射的一択だろという悟りを開いたビルシャナが発生しました。問題を解決してください」
 ソニア・サンダース(シャドウエルフのヘリオライダー・en0266)が集めたケルベロス達に説明を開始した。
 霧隠・佐助(ウェアライダーの零式忍者・e44485)は真面目な顔で話を聞いている。
「悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事が、今回の目的です。このビルシャナ化した人間が、周囲の人間に自分の考えを布教して、配下を増やそうとしている所に乗り込む事になります。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、ほうっておくと一般人は配下になってしまいます。ここで、ビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が配下になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの配下となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば元に戻るので、救出は可能ですが、配下が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」


「ビルシャナの能力は?」
 誰かの質問に対して、ソニアはすぐに資料を広げてくれた。
 ビルシャナ閃光……敵を退ける、破壊の光を放ちます。
 八寒氷輪……氷の輪を飛ばし、敵を凍りつけさせます。
 浄罪の鐘……鐘の音を鳴り響かせ、敵のトラウマを具現化させます。
 これらの力で戦うらしい。
「今回のビルシャナは祭の屋台研究家……というか、屋台マニアの方ですね。子どもの頃からあらゆる祭のあらゆる屋台を調べ尽くし、やがてその娯楽は射的にあると突き詰め、その勢い余って悟りを開いたという方です」
 ソニアはぱらぱらと資料をめくっている。
「配下の10名もお祭り大好き人間です。元は射的にばかり執着していた訳ではないんですが、ビルシャナのせいですっかりおかしくなっています。これから夏で様々な祭が行われる時に、こんな教えが広まっては大変な事になります。配下達にはインパクトを与えて正気に返し、ビルシャナは退治してください」


 最後にソニアはこう言った。
「ビルシャナはもう助からないので仕方ありませんが、洗脳されている一般人達はインパクト次第で正気に返ります。悪い洗脳が解けるような強烈なインパクトがあるといいかもしれませんね!」


参加者
花道・リリ(合成の誤謬・e00200)
四辻・樒(黒の背反・e03880)
月篠・灯音(緋ノ宵・e04557)
篶屋・もよぎ(遊桜・e13855)
アイカ・フロール(気の向くままに・e34327)
霧隠・佐助(ウェアライダーの零式忍者・e44485)
終夜・帷(忍天狗・e46162)
山下・仁(新人ケルベロス・e62019)

■リプレイ



 ケルベロス達は該当の無人の神社の境内に集まった。
 まずはアイカ・フロール(気の向くままに・e34327)が、一般人達が近づいて来ないように殺界形成を使用した。
「射的も楽しいですよね……分かる。しかし素敵な屋台が多くある中で射的だけとは如何なものでしょうか! お祭と言ったらやっぱり食事系の屋台ですよね、やっぱり玉こんにゃくですよね。美味しいものの魅力で信者さんたちもイチコロです!」
 アイカは祭の魅力を反芻しながらそう言った。
「祭りは皆で楽しむものだろうに、あの混沌とした熱気の中に統一性を持たせようとは無粋。型貫きの良さを知らしめねばな。射的だけになってしまっては灯の好きなリンゴ飴もなくなるからな。ビルシャナには退場願おうか」
 四辻・樒(黒の背反・e03880)は、恋人である月篠・灯音(緋ノ宵・e04557)を傍らに引き寄せながらそう言った。
「大丈夫だとは思うが、念のためやっておかないとな」
 樒はアイカに合わせて殺界形成を張った。
「射的だけの夏祭りなんて夏祭りでもなんでもないのだっそもそも夏祭りは出店がメインじゃないのだ。月ちゃんはりんご飴が食べたいのだ食べたいのだー」
 灯音はそんなことを言っている。そうしてぶるっと体を震わせた。
「岩手はまだ冷えるのだ。人気のない神社とか……なんでまたお化け鳥はこまったものなのだ」
 灯音は樒の腕に抱きついたままブツブツ言った。
「ん、確かにこの時期でも冷えるようだ。身体を冷やさないように注意しないと」
 樒は灯音に抱きつかれてさらに抱き寄せた。
「祭! 今までヒッキーで伝聞情報しかないあっしにとっては、超待遠しいでやんす♪ それを滅茶苦茶にしようとするなんて……おのれビルシャナ! 屋台の多様性は失わせないでやんす!」
 山下・仁(新人ケルベロス・e62019)は、長い引きこもり時代を経ていたためかかなりのはしゃぎっぷりである。
「射的だけの祭もそれはそれで面白そうっすけど、いろんな屋台があってこそ祭っす」
 霧隠・佐助(ウェアライダーの零式忍者・e44485)は、お調子者らしくノリノリの様子である。
「多種多様な屋台が立ち並ぶ光景、それも祭りの醍醐味だと俺は思う。祭りを守るため、勝たなければ」
 反対に終夜・帷(忍天狗・e46162)は、物静かな様子でそう言った。
 花道・リリ(合成の誤謬・e00200)、篶屋・もよぎ(遊桜・e13855)もともに作戦前の簡単な打ち合わせをしてから、神社へ突入することとなった。

 神社の中ではビルシャナ達が騒いでいる。
「祭と言ったら射的である! 射的以外の屋台はいらん!」
 大声で射的以外の屋台をdisるビルシャナと信者。
 その中に、まずは樒が入って行った。
「誰だ、貴様は!」
 突如、扉を開いて現れた樒にビルシャナが声を荒げる。
「射的は良いものかもしれないが、型貫きに比べればまだまだだな。それを教えてやろう」
 樒は余裕の調子で挑発を行った。
 続いて入って来た灯音や他のケルベロス達も挑発を行った。
「な、なんだと貴様ら。射的の素晴らしさが分からないのかっ!」
 ビルシャナや配下達は、いきり立って立ち上がると樒の方に詰め寄ってきた。そこで樒は扉をくぐり抜けて境内の方へ走った。
「待てっ!」
 怒ったビルシャナ達は樒や灯音を追いかけて境内の方へ降りてきた。
「お前ら、射的に餌食になりたいか!」
 そこで佐助が説得を開始した。
「まさしくその通り! 射的には集中力も腕力も諸々いるっすよね。でもそれらを持ってない人がやったらどうなると思う? 的に飛ぶはずだった弾が全弾、屋台のおっちゃんに向かっていくんすよ。的に当たっても跳ね返った流れ弾に襲われる事だってあるっす」
 佐助はノリノリで両手の射的銃を構え、ビルシャナにバンバン当て始めた。
 悲鳴を上げるビルシャナ。
 さらに佐助は信者達にも当たらない程度に射的をかすめていく。
「逃げ道も無い狭い屋台の中、弾が自分に向かってくる恐怖……想像できるっすか? そんな恐怖を一気に10人、20人のおっちゃんに味わえって言うんすか! それでも射的だけと言うのなら、お前らがこの恐怖を味わうが良いっす!」
「ひ、ひい……」
 信者達はその場にうずくまってしまった。
「うろたえるなー! オッチャン達は大丈夫だ!!」
 ビルシャナは何の根拠もなく叫んだ。
「だって、オッチャン達はプロだから! プロだから銃に撃たれても死なない!!」
「は? 何言ってるんす――」
「そ、そうか。屋台のおっちゃんはプロなんだ! 撃たれる覚悟がある上に死なないんだ!!」
 何故か信者達はそれで納得してしまった。
 びっくりしている佐助の隣に帷が立った。ここは任せろと目配せ。
「射的の屋台ばかり並ぶ祭りはすぐに飽きてしまうと思う……イージーな屋台というものに不満があるのなら、型抜きはどうだろうか。あれはなかなか難しい。集中力、判断力、手先の器用さ、粘り強さなど……あらゆる能力が求められる。……やってみる?」
 怪訝そうな顔をしている若い信者に帷は型抜きの一式を手渡した。
 現在、型抜きを製造している会社はわずか一社。その関係もあって、型抜きを知らない若者も多いのである。
 帷に説明されながら型抜きを握り締めていきなり破損してしまう若者達。しかし興味はありありの様子。
 それを見てさらに樒が出て来た。
 針で器用に型抜きを実演し始める。
「型貫きには集中力がいる。道具に対する知識もいれば、培った経験や粘り強さもいる。天候や湿度に対する造形も必要だな。射的の要素を含み更に、針使いが上手くなれば器用さもあがるし、裁縫スキルも上がるかもしれない。射的のような見た目の派手さはないが良いものだ」
 樒がそう言ってチューリップなどを綺麗に型抜きしていく。
「貴様も男なら射的しろーッ!」
 するとビルシャナがまた訳の分からない事を喚き出した。
「お菓子で花の型抜きするなどと女々しい事この上ない! 男ならば! 戦士ならば! 射的一択に決まってるだろ!!」
 どういう理屈だと樒は醒めた目でビルシャナを見た。
 すると灯音が怒って前に出てくる。
「樒は女々しくなんかないのだっ!」
 そうビルシャナに抗議した後に、灯音は信者達に向き直った。
「天知る地知る人ぞ知る……! 祭りを開けとお役所がいう! よばれてないけどやってきたのだ! トマトの申し子月ちゃんだー! お前たちっ、本当に射的だけがいいのか?」
「いいに決まってる!」
 ビルシャナと信者達が射的射的叫びだした。
 灯音も負けない。
「いいかい ?祭りに食べ物の出店がなかったらどうなる? お腹がすくな? いいかい? 祭りにお面が売ってなかったらどうなる? 子供がしょんぼりだ! いいかい? 祭りにりんご飴がなかったらどうなる? わたしが哀しい!」
 灯音は真っ向から力説。
「祭りは一人じゃできない! 皆があつまってわいわいがいいのだ!! お前たちは祭りが好きなのか? 射的がすきなのか??」
 灯音が問い詰めると信者達はキョトンとした。
「あ、あれ? 射的のために祭……祭のために射的……?」
 洗脳のためになんだかおかしくなっていたらしい。
「貴様ら、しっかりしろ! いいか、祭が射的で、射的が祭なんだ!!」
 そこでビルシャナが喚き、信者達ははっと気がついた。
「そ、そうか、祭って射的だったんだ!」
「違うよ……」
 灯音がジト目でビルシャナを睨む。
 そのとき、いい匂いがしてきた。
「射的だけでいいの? 本当に? ふぅん」
 そんな事を言いながら、リリはイカ焼きにかぶりついた。続いて冷やしラムネに口を付け恍惚と溜息をつく。
「あーー美味しい。――でもアンタたちは射的だけ、と」
 今度は右手にりんご飴を持って大きくかぶりつく。
「これって祭りでくらいしかお目にかかれないのよねぇ」
 パリッ、シャリッといい音を立てながら食べるリリ。
 徐に差し出された左手には牛串。
「お祭りだから贅沢なのにしてみたわ」
 零れかける肉汁を舌先で絡めとり、ごっくんと。
「あーーー美味しい。あ、いいのよ、アンタらは射的がよいのでしょう。あーーー美味しい」
 祭りが好きというよりも、食べることが好きなリリ。物欲しそうに見ている信者がこちらに寄ってきたところで、屋台飯をわける気もない。
「は? やんないわよ。そんなにほしいのならば、自分で買いにいきなさい」
 ツンツンフンッと塩対応なリリであった。信者涙目。
「コラーーッ!! 人に優しくしろと親から教わらなかったのか貴様ら!!」
 信者泣かされて怒るビルシャナ。
「は? 知らないわよ。何デウスエクスが人の優しさについて説教してんの。意味不明」
 実に見事なツンツンフンッ!
 続いてもよぎが出て来た。
「射的は勿論とっても楽しいですが……! お祭りを射的一色にしてしまうのは大変勿体無いと思います! 例えば食べ歩きも楽しくて美味しくて……そう、屋台でお友達とわいわいしながら食べる……たこ焼き! 射的で集中してお腹ぺこりんになったら、その帰りがけに食べたくなったりしませんか……? ほら……ここにほかほかのたこ焼きが! いかがでしょうか! 食べたくありませんか……!?」
 持参した熱い湯気のたつたこ焼きを見せつけながらもよぎは説得。
 そして爪楊枝で熱いトロトロのたこ焼きをおいしそうに食べて見せた。
 思わず生唾を飲み込む信者達。
「たこ焼きを撃てーっ!」
 そこでビルシャナが怒鳴った。
「祭とは射的、そこにあるもの全てを撃て! たこ焼きを撃ち尽くせ!!」
「た、食べ物を粗末にしちゃいけないんですよ!」
 もよぎは必死に抗議。
 混沌とした状況でアイカが出て来た。
「という訳で、実際に玉こんにゃくをお持ちしましたよー。甘いタレでコーティングされたこのまん丸なフォルム……噛むたびに感じる程よい弾力……そして口の中に広がる懐かしい味わい……最高ですね! あ、宜しければ皆さんもどうぞ。マスタードや七味など味変用の調味料もありますよー」
 アイカは敵味方分け隔て無く玉こんにゃくと調味料を配った。
 早速美味しそうに食べ始めるケルベロス達。信者達はケルベロスとビルシャナを見比べて戸惑っている。
「他の屋台だって素敵なものばかりですよね。それに色々な屋台があるからこそ一つ一つの楽しさが味わえるのです。一つに限定してしまうなんて勿体無いと思いませんか?」
 アイカがにっこり笑って説得すると、信者達も嬉しそうな顔をして玉こんにゃくを一口……のはずだったが、ビルシャナが叫んだ。
「玉こんにゃくを撃てー! 撃ち殺せ-!」
「だから食べ物を粗末にしちゃダメだと」
「祭は射的、射的は祭、だから祭に出て来るものは全て撃っていいんだ!!」
 たしなめるアイカに怒鳴り散らして射的銃を構えるビルシャナ。本当に玉こんにゃく撃つ気か。
「屋台が射的しかない! それはもう祭ではないでやんす! ただの射的大会でしかなく、集まる人は射的が目当ての人のみ! そんなんで射的が広まるわけが無いでやんす! 屋台の醍醐味は多種多様な食事や遊びができる事!」
 そこで仁がまだ参加したことのない祭に対し、夢と熱意をこめて叫び返した。
「仮にあっしが射的大好きだとしても、やきそばで腹ごしらえしてから射的して、ラムネで喉を潤したら射的して、ひよこや金魚に癒されたら射的して、チョコバナナで糖分補給したら射的して、盆踊りで体をほぐしたら射的して、というように他の屋台もあるから射的も楽しいでやんす!」
 別に射的をしてはダメだと言っていないのだ。射的もあって、他の屋台もあって、それが楽しいんだと言っているのだ。
「あんたらは祭の間中ずーとコルク銃を握っているだけで本当に良いんでやんすか!? 先輩達が持ってきた屋台料理を前にしてもでやんすか!? いい加減目を覚ませでやんす!」
 信者達はリリを見た。もよぎを見た。アイカを見た。
 リンゴ飴食べたいと言っていたなと、灯音も見た。
 そして玉コンニャクを食べて見た。美味しかった。
「色々なものがある祭の方がいいと思います……」
 信者達は素直にそう言った。
「き、貴様ら! 俺を裏切ると言うのか! 祭は射的で、射的は祭なんだ! 食べ物屋台なんて全て撃ち尽くせ!」
 ビルシャナは地団駄踏んで怒鳴り散らした。
「ええい、裏切ると言うのならば、お前らも撃ってやるーっ!!」
 そうして暴れだそうとしたので、ケルベロス達は元信者達を後ろの方に逃がしながら戦闘態勢を取った。


 ビルシャナがビルシャナ閃光を撃ってきたので、リリは素早く紙兵を散布し、仲間達を回復すると耐性を高めた。
 ほぼ同時に灯音がメタリックバーストを回して仲間達を全快に持っていき、力を高めていく。
 狙いを上げて灯音が言った。
「樒ー。ここの射的ゲームやろうか? 月ちゃんはあれほしーのだ。とってとってー」
 ビルシャナを指差す灯音。
「ん、灯のためにも景品は殺(と)らねばな。動くなよ景品」
 樒はビルシャナをホーミングアローで射抜いた。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるでやんすな♪ もっとも…コルクが打てるガトリングガンて作れるでやんすかな…」
 ガトリング連射を行う仁。
 射的っぽい攻撃が続いて当たったビルシャナぶちぎれ。
「撃ってやる撃ってやる、撃ち殺すぅう!!」
 ビルシャナは喚き散らしながら八寒氷輪を続けて撃ってくる。
『風よ、私の声が聞こえますか』
 癒しの風(イヤシノカゼ)で風の精霊を召喚し、仲間を癒やすアイカ。
 彼女のウイングキャット、ぽんずのキャットリングが炸裂。
「自来也さーん! どかんとでかいの! いっきまっすよ~!」
 そこでもよぎの『自来也さん出番です!』。
 唐突に大きな声でペットの名前を呼ぶと、巨大な丸っこいカエルが空から降ってきた。すごくムニュムニュする。すごくムニュムニュされるビルシャナ。
 続いて影縫(カゲヌイ)を使う帷。
 地を這う影に螺旋の手裏剣を突き立て、ビルシャナをその場に縫い止める。
 佐助のクノがソードスラッシュで特攻。
『八つ裂きにしてやるっす』
 そして佐助が畳みかける。
 獣化の術(ジュウカノジュツ)で両手を獣化させ、白虎の鋭い爪でビルシャナを切り刻んだ。ビルシャナは滅びた。


 戦闘後、ケルベロス達は境内にヒールと片付けを行った。
 それを終えると、灯音は仲間達に挨拶をした。
 それから樒に振り返る。
「今度は二人で夏祭りいきたいのだ。りんご飴買ってほしいのだ」
 灯音は樒に抱きつき微笑んだ。
「ん、勿論リンゴ飴は必須だな。一緒の夏祭り、今年も沢山思い出を作ろうな」
 樒はこちらからも灯音を抱き返し、微笑んでうなずいた。

 祭とは排他的になったり、喧嘩したりするためにあるのではない。大切な仲間や好きな人と、素敵な思い出を作るためにあるのである……。

作者:柊暮葉 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年6月22日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 4
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。